バンダイナムコエンターテインメントは、横浜・DMM VR THEATERにて、「アイドルマスター」のイベント「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆」を4月30日より開催している。ここでは、初日公演の模様をお届けしよう。

目次
  1. ステージ上のアイドルを目の当たりにしたプロデューサー達からも驚きの声
  2. ソロパートでは、現実のライブさながらのリアルタイムでの客席とのやりとりが

3Dメガネなどを着用せず、裸眼でリアルな立体映像を見ることができる最新鋭のステージ演出を備える施設であるDMM VR THEATER。今回のライブは、現実世界と仮想世界をより密接に融合させたMR(Mixed Reality)の技術を用いたもので、「アイドルマスター(以下、アイマス)」シリーズとしては初の試みとなる。

ステージ上のアイドルを目の当たりにしたプロデューサー達からも驚きの声

最初にアイマスのライブでは恒例の、音無小鳥事務員によるナレーションが行われたあと、ステージ上にアイドル達が登場すると、集まった大勢のプロデューサー陣からはどよめきにも似た歓声が沸き起こる。それもそのはず、まさにそのステージ上にアイドル達が本当に存在しているかのように見えたからだ。

メインとなるユニットライブパートでは、765プロのメンバーが3~5人のユニットを組んで登場し、代わる代わるさまざまな楽曲を披露していく。この時感心させられたのが、スモークや炎が吹き上がる、紙吹雪などの実際のライブでもお馴染みのステージ演出だ。ファンタジーではなく、現実のライブそのままの演出をバック踊るアイドルたちの姿からは、ゲームなどで見る映像とは別物のリアルさを感じることができる。どこまでか現実で、どこまでが映像なのかの境目が次第に曖昧になっていき、現実でも仮想でもない幻想的な世界へと自然と引き込まれていく。

MRライブは今回が初体験という人も多かったのか、始まったばかりの頃は客席から送られるコールやサイリウムの動きも、心なしか普段のライブより遠慮気味だったとも感じられたのだが、だんだんとリアリティを増していく演出に合わせて、プロデューサー陣から送られる声援が、現実のライブさながらの熱を帯びたものへと変わっていったのも印象的だった。

ソロパートでは、現実のライブさながらのリアルタイムでの客席とのやりとりが

そんなプロデューサー陣の度肝を抜いたのが、765プロ13人のメンバーが日替わりで出演するソロパートだ。初日公演となる今回の公演では、765プロの顔とも言える天海春香が出演するパートとして、「キラメキ進行形」が披露されていたのだが、ここではバックダンサーとして二人の女性が春香の脇に立ち、共にキレキレのダンスでステージを盛り上げる。

さらにそのあとには、通常のライブのMCに相当するトークコーナーも実施。このMCパートは、予め収録された映像や音声が流れるものではなく、客席の発言に対して反応を返したり、コミュニケーションをとったりと、リアルタイムのライブ感に溢れた内容となっている。

トーク中には会場内のプロデューサーの一人にやって欲しい動きについて質問し、「その場で三回転する」「ステージ上の走りながら客席に手を振る」といった、客席の希望通りの動きを即座に披露し、客席を沸かせるという一幕も。これは掛け値なしに「天海春香」というアイドルが実在し、目の前で生きているようにしか見えなかった。

またステージでは、後半のライブ衣装として「赤いタータンチェックのスカート」か「赤いベルトのパンツスタイル」のどちらがいいかを、会場のプロデューサーに決めてもらうという、MRライブならではの展開も。多数決の結果、今回は「赤いタータンチェックのスカート」が選ばれ、後半のソロパートの楽曲である「乙女よ大志を抱け!!」では、しっかりと選ばれたタータンチェックのスカート衣装を身にまとって熱唱していた。

一方で、もうひとつの候補だった「赤いベルトのパンツスタイル」についても「今度はこっちの衣装も着てみたいな」と、もう片方の衣装のために再度来場して欲しいことを抜け目なくアピールし、プロデューサーたちの爆笑を誘っていた。

そんな大盛り上がりの内容となっていたMRライブ。当初筆者は用意された映像が流される、ライブというよりは映像の鑑賞がメインのイベント形式を想像していたのだが、実際に受けた印象はまったく異なる。リアルタイムならではのプロデューサーとアイドルの間でのやりとり、当日の客席の反応によって変化する演出などは、MRでしか体験できない感動であり、紛れもない新しい形のライブだということだ。とくにバックダンサーと春香が並ぶソロパートで、2次元と3次元の人間が同じステージの上で同時に踊っているにも関わらず、まったく違和感を抱かないことに度肝を抜かれた。

これは等身大のサイズで表示しても一切の粗を感じない高繊細なモデルと、これまで長い歴史を培ってきたノウハウを持つ「アイマス」だからこそ実現できたクオリティとも言えるが、さまざまな映像作品やゲームの中で描かれてきたような、現実と仮想空間が融合した世界が、そう遠くない未来に実現するのでは――そんな期待が自然と沸き起こってくる。そうした新時代のライブの形を体験するという意味でも、「アイマス」ファンだけに留まらず、幅広い層が体験する価値のあるライブだと感じられた。

すでに各上演日のソロパートを担当するアイドルのスケジュールなども公式サイトに掲載されているので、是非ともシアターに足を運び、765プロの新たな一歩を見届けて欲しい。

公式サイト
http://idolmaster.jp/event/dmm_theater.php

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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