イチオシのギャルゲーを大ボリュームで紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。第43回はエンターグラムより2018年5月24日に発売されたPS4用ソフト「カルマルカ*サークル」の魅力をお届け!
三度の飯よりギャルゲーが大好きな私が己の煩悩の赴くまま旬のイチオシゲームを紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。今回はエンターグラムさんより発売中の「カルマルカ*サークル」を紹介しますよ!
「カルマルカ*サークル」は、SAGA PLANETさんがPC用ソフトとして発売した恋愛アドベンチャーゲームです。「星渡り同好会」に籍を置くことにになった主人公と、まったく噛み合わないメンバーたちの波乱万丈な物語が描かれます。
実は本作、PS Vita版が2017年6月29日に発売されていますが、今回は2018年5月24日に発売されたばかりのPS4版を紹介します。思えば以前、同じくSAGA PLANETSさんの「はつゆきさくら」を取り上げさせていただきましたが、作品としてのテイストは違いつつも、キャラクター、ストーリーといった要素をしっかりと楽しめる作品になっていました。
改めて作品のストーリーやキャラクターについて紹介しつつ、プレイインプレッションをお届けします。
プロローグ
「あなたが、この世界の主です!」
カメを連れたやたら元気な後輩に誘われて、訪れた生徒会室。そこに集うは、それぞれ一癖も二癖もある変わり者たちだった。
「君が来るのを、ずっと待っていた」
「あたしの内申がかかってんだから、協力しろ」
「代わりに仕事やってくれるんでしょ?」
――いったい、どうして、俺なんだ?
いきなりまくしたてられ、頭を抱える俺のそばに、うつむいて黒いオーラを放つ少女がいた。
「ど……し……わた……」「は?」
「どうして、わたしは君を好きになっているっ!?」「し、知らねーよ……!」
「星渡り同好会」
それは、一年に一度、七夕の夜に星を渡り、“カルマルカ”に接続(アクセス)を試みる季節限定の同好会。学園理事のお墨付きで生徒会直属と言われているが――なんとも胡散臭い。主人公・御影海人は嫌々ながらも、星渡り同好会に籍を置き、まったく噛み合わないメンバーたちと行動を共にすることになる。
“カルマルカ” に接続できた人間は、あらゆる束縛から放たれるという。過去の罪からも、そして未来の恐怖からさえも――。響き渡る鐘の音に、彼らは何を願うのだろうか。
キャラクター紹介
天ヶ瀬 奈月(あまがせ なつき) CV:澤田なつ
Access key for KARUMARUKA:嫉妬
学園きっての才女ではあるが、とっつきにくい。やや男前な口調で話しているので、話し掛けにくい印象を与えている。
年頃になって、可愛くしたほうがいい(可愛く見られたい)と思い始め、少し勘違いした祖父のアドバイスでおしゃれ (和風)をしている。
本人は気づいていないが、意外に面倒見が良く、人がいい。
巷で人気のキャラグッズを愛する可愛い一面も持っているが、恥ずかしいので秘密。
「私に近づかないでくれ、分かってるだろう。勝手に顔が赤くなってしまうんだ」
朝比奈 晴(あさひな しん) CV:富呂尾李杏
Access key for KARUMARUKA:暴食
学園一の不良かつ美人。学園では禁止されているピアスを着けたり、ネックレスなどいろんなアクセサリーを付けて登校している。
遅刻早退が多く、授業中は昼寝をしているか、いつもお腹を鳴らしている。
そんな態度のため周りから不良と見られているが、本人は自由奔放、マイペースに学園生活をエンジョイしているだけ。意外にも恋愛に無頓着で鈍感。
親と折り合いが悪く、この学園に入れられた。しかし親の言いなりにはなりたくないと、寮を出てふらふらとそこら辺で野宿とバイトをしながら暮らしている。
「うっさいな、学費と生活費全部、自分でまかなってんだ」
夏目 暦(なつめ こよみ) CV:夏野こおり
Access key for KARUMARUKA:怠惰
IQが高く、ペチャパイな生徒会長。無表情で何を考えているのか分かりづらい。各パーツはちっちゃくかわいいので、同好会のメンバーにはあれやこれやともふもふされて、マスコットキャラ的に扱われる。
普段は効率よく最小限のことしか話さないが、自分の知識を披露したい時や間違いを正す時は、饒舌に話し出す。
本人は身長よりペチャパイを気にしており、そこを突っ込まれるとまだ発展途中だと言い張っている。
副会長の夕姫羽には心を許しており、今の髪型は夕姫羽にいつもしてもらっている。
「……すごく眠い、です…… すひゅう……んふ、くう……」
乙音 ニコル(おとね にこる) CV:上原あおい
Access key for KARUMARUKA:色欲
みんなの人気者で、ふわふわ巨乳。THE普通ではあるのだが、妙に愛くるしいところがあり、実に女の子的でかわいい。
助けたリクガメの “ノコ” を飼っており、学園にも内緒で連れて来ている。ノコを使った腹話術で言い難いことを伝えたりする。
男女ともに人気はあるが、その親しみやすさからか特に女子からの人気が絶大。曰く、なんだか触りたくなっちゃう子らしい。
明るくて陽気、いつもニコニコしているが、たまに怒ったりもする。その顔がかわいいのでまた困ってしまう。
「貴方が世界の主です! ニコもよくわかりませんけど! てへ☆」
高坂 夕姫羽(こうさか ゆきは) CV:北見六花
Access key for KARUMARUKA:強欲
身長が高く胸も大きい、メリハリのある体型の美人。見た目だけならキリッとしているようにも見えるが、中身はわりといいかげん。
自称エコ少女。エコといっても自分にとってのエコなので、とことん省エネ。
基本的に自分から何かするのを面倒くさがり、人にさせようとする傾向がある。しかし、何かを押しつけられても不思議と嫌な気分はしない。
また、相手が本当に困っている時には、さっと現れて手助けをしてくれる。
「えー、だって、私のエネルギーは節約したいじゃん。ほら、私、エコ少女だし♪」
笹倉 未来(ささくら みらい) CV:卯衣
キリッとした容姿で、喜怒哀楽を表情にあまり出さないので周囲に冷たい印象を与えている。成績は優秀で、学生会書記を務めている。
星渡り同好会が結成され学生会室を活動拠点にしたことにより、学生会の実務に支障が生じた。そのためか、同好会の存在を面白くないと感じている様子。
休日は、親戚の神社でお手伝いをしていたりする。
「ずっと気になってたのよ。どうして、貴方は同好会になんか参加しているの?」
成海 杏(なるみ あん) CV:陽月ひおり
成海大吾の双子の姉。 海人と大吾、杏は幼なじみの関係にある。双子ではあるが、大吾とはまったく似ていない。海人に対して気さくに話し掛ける一方、弟に対しては手厳しい発言をする。
朝比奈晴とは親友で、授業をサボりがちな晴のことをいつも気に掛けている。
「そっか、晴をよろしくね~。仲良くしてあげてね、ご飯もあげてね」
曽根原 蓮(そねはら れん) CV:森谷実園
どこからどう見てもかわいい女の子に見えるが実は男子。常に女装している。
背が低いため、人を見る時はいつも上目遣いになってしまう。街を歩いていると、彼を女の子だと思った男からよくナンパされる。
どういうわけか主人公に懐いており好意を示すのだが、その度に主人公に拒絶される。
魔可のせいで女装癖になってしまったのかと思われたが、元からの趣味とのこと。女装以外にも彼には、何か秘密がありそうなのだが……。
「2年の曽根原蓮です。 格好はこんなだけど男の子だよ♪」
プレイインプレッションをお届け!
まず、本作を構成する上で欠かせない、大きな2つの要素について触れておきましょう。一つは、過去・現在・未来に関するあらゆる情報が記録されているとされる“カルマルカ”、そしてもう一つがそれぞれが持つ、七つの大罪にちなんだ特殊な力“魔可”の存在です。各々の要素が時に切り分けられ、時に密接に絡み合いつつゲームは進行していきます。
共通パートでは、主人公の海人をはじめとした7人の魔可持ちが星渡り同好会に集まり、そしてカルマルカに接続(アクセス)を試みるところまでが描かれます。カルマルカに接続するタイミングはちょうど七夕の時期で、同日に行われる学園祭に向けた出し物を考えていくことになるのですが、その過程で寄せ集めだったメンバーの信頼関係が生まれていきます。
ここで描かれるのは、いわゆる学園モノらしい学生生活で、同時に星渡り同好会に所属する面々の魔可(海人:憤怒、奈月:嫉妬、晴:暴食、暦:怠惰、ニコル:色欲、夕姫羽:強欲)を把握していきます。コミカルな展開を楽しみつつ、後々にも関わる要素もありますので、キーワードには注目してもらえればと思います。
その後は、その日毎に行動を選択することで各ヒロインのルートへと分岐していくことになります。ここでは、それぞれが魔可を持つに至った悩みや問題にフォーカスして物語が進行していきます。ここはまさにヒロインとの恋愛を楽しむところなので、ぜひカノジョたちと向き合いつつ、可愛らしい姿を堪能しましょう!
ちなみに、私は生徒会長の暦がお気に入り。理知的な言動を見せつつも、実は大のラーメン好きだったり、普段はツインテールで子供っぽく見えますが、私服では髪を下ろして少し大人びた雰囲気を漂わせたりと、そのギャップがたまりません。彼女自身が持つ悩みについても、彼女が怠惰の魔可を持っている意味を感じさせるものでした。
そうしたヒロインたちとの物語を経て、結果としてプレイヤーはカルマルカの核心へと近づいていくことになります。そういった点も含めて、作品としての構成が意識されていると思いますし、特定の一人のルートだけでなく、全体像を読み進めたくなる作りになっていました。
第43回、いかがだったでしょうか。その可愛らしいイラストの魅力そのままのヒロインたちとの恋愛模様も良いのですが、その背景にある作品設定がしっかりとあることで、筋の通った作品に仕上がっているように思いました。ところどころで登場するSDイラストもほっこりする可愛らしさがありますので、ぜひチェックしてもらえればと思います。
ということで、今回はここまで。次回も夏の間にはやりたいと思います!