千葉・幕張メッセにて9月20日より開催された「東京ゲームショウ2018」。PlayStationブースで出展されていたPS VRタイトルの内、Gamer編集部が気になった5タイトルをピックアップして紹介していこう。

目次
  1. 「ASTRO BOT:RESCUE MISSION」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
  2. 「絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-」VRモード(グランゼーラ)
  3. 「Déraciné(デラシネ)」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
  4. 「みんなのGOLF VR」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
  5. 「Beat Saber」(Beat Games)

「ASTRO BOT:RESCUE MISSION」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

実はPS VRのタイトルで個人的に一番注目していたのが「ASTRO BOT:RESCUE MISSION」。PS VRの性能を熟知し、常に新しくユニークなことに挑戦し続けてきているという、SIE ワールドワイド・スタジオ JAPAN Studioの“ASOBI! Team”が手がけるという本タイトルだが、発表時からどのようなゲームになるのか楽しみにしていた。

本作では、“BOT”(ボット)たちのキャプテンである主人公“ASTRO”(アストロ)がプレイヤーの相棒となる。プレイヤーはタッチパッドからASTROを弾き飛ばすことでステージ上にASTROを送り出す。そこから360度空間を柔軟に使って構築されたステージに挑んでいき、迷子になってしまった仲間たちを助け出す。

面白いと思ったのはDUALSHOCK4をゲーム内のガジェットとして組み込んでいること。アナログスティックでASTROを操作するだけでなく、タッチパッドを用いたギミックがあったりと、プレイヤーがしっかりとゲーム中に介入している感覚を味わえる。

そしてもう一つ印象的だったのが、360度空間をプレイする上での視点誘導だ。空間が広がりすぎると、逆にどう進むか迷ってしまうのではないかと思ったのだが、今作では向かう先に合わせてカメラが切り替わってくれる。こうした視点誘導は昨年発売された「KNACK ふたりの英雄と古代兵団」を思い出させる要素でもあった。

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「絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-」VRモード(グランゼーラ)

本コンテンツは、PS4用ソフト「絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-」において、一部のステージをVRで体験できるというもの。ただし、実際にキャラクターを操作するというわけではなく、コマンドを選択していき窮地を抜け出すというもので、どちらかというと脱出ゲームのニュアンスが近いかもしれない。ただし臨場感は真に迫るものがあると感じ、コンセプトでもある“世界一の都市災害体験シミュレーター”を体現している。

例えば今にも崩れ落ちそうなビルの横を歩いているとギシギシと嫌な音が聞こえ、生きた心地がしない。また、被災したと思われるバスや、崩れ落ちてきたビルの中に入るといったことも可能。VRなのでそういった非日常空間をまじまじと見て回ることができるのは、本作ならではだと感じた。

また、ゲーム的な要素としてステージに隠されたステッカーを探すという遊びも用意されている。……されてはいるのだが、正直な話ヘッドセットをかぶった瞬間から早くこの空間から脱出しなくてはという気持ちになり、初回プレイではまったく見つけることができなかった。災害の怖さのほんのひとつまみかもしれないが、貴重な体験であった。

ちなみに完全に余談ではあるのだが、筆者が体験する前にプレイしていた人は、あまりの臨場感に文字通り椅子から転げ落ちていた。おそらくあのシーンだと思うのだが、それを見て心の準備をしていなければすっ転んでいたのは自分だったかもしれない。

(ヨッシー)

「Déraciné(デラシネ)」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

本作は、SIE ワールドワイド・スタジオ JAPAN Studio、フロム・ソフトウェア、ディレクターの宮崎英高氏と、ヒットを記録したPS4用ソフト「Bloodborne」と同じ開発体制で制作されている、完全新作のVRアドベンチャーゲームとなっている。

“古典的アドベンチャーゲームを、最新のVR技術で描く”というコンセプトで制作されているというが、正直なところあまりイメージがわいていなかった。だが今回のプレイを通じて、その意味を少しばかり感じることができた。

プレイヤーは“止まった時の世界”に住む妖精。別の時間に生きているため、人間は妖精を見ることができない。人里離れた古い寄宿学校を舞台に、止まった時に干渉することで、異なる時に移動しながら、間接的に子どもたちと関わり、物語を紡いでいくことになる。

本作ではPS Moveを用いての操作となる。基本的に青いサークルで表示された地点に移動していくのだが、その途中には、姿は幻影に、言葉は言霊になった子供たちの思い出があり、そこからさまざまな状況を読み解いていく。妖精には「命の時間」を与えるという特別な力が備わっており、今回のプレイでは果物の時間を奪い取り、子供が持つ花に時間を与えることで、異なる時に移動することができるようになった。

このように、トリガーとなる物事を達成することで話が進んでいくのが、本作の基本的な流れとなる。その過程で幻影や言霊から得られる情報の数々がどういった意味を持つのかはストーリーを進めていかなければ分からないが、妖精としてのプレイヤーの行動が物語に影響を与える、とてもインタラクティブなアドベンチャーゲームだ。

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「みんなのGOLF VR」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

本タイトルは人気ゲーム「みんなのゴルフ」シリーズをVR化したゲームだ。タイミング良くボタンを押すだけで、誰でも気軽にゴルフが楽しめるというのがシリーズを通しての特徴だが、「みんなのGOLF VR」は、それに加えてさらに直感的に遊べるのが魅力だ。

PS Moveをクラブにみたてスイングするだけの操作なので、ゴルフを何となくでしか知らない人でも、まるで本当のゴルフをプレイしているような体験が可能。

ちなみに筆者も実際のゴルフをしたことは無いので少々不安ではあったが、ボールにミートする位置にPS Moveを持ってくると振動したり、距離によって自動でクラブが変わったりと、ゴルフ初心者にも配慮されている印象だ。

芝を毟って風の流れを読むなど、ちょっと玄人っぽいことも可能で、ゴルフの練習になるかどうかはともかく経験者でもゲームとして十分に楽しめるのではないだろうか。コースを回っている最中はキャディのキャラクターが常に一緒にいて、上手く打てると褒めてくれるのも結構嬉しい。

PS Moveをクラブとして使うというのは、シンプルな発想ながら相性は非常に良好。本タイトルをプレイする際は、思い切りPS Moveを振れる環境を用意してスカッとゴルフを楽しんで欲しい。

(ヨッシー)

「Beat Saber」(Beat Games)

すでにSteamなどで早期アクセスで販売中のVRリズムゲーム「Beat Saber(ビートセイバー)」。音に合わせてノーツを剣で切るという、独特の操作感が特徴のゲームだが、PS VR向けの配信も予定されている。

PS VRではPS Moveを両手に持ってプレイ。シンプルなだけにややノーツを切る方向が見づらい感覚もあったが、単純に切るという動作の爽快感がこのゲームの強みと言える。

また、ただ切るだけだとリズムゲームの遊びとしては物足りなさを感じるところではあるが、途中に出現する壁を避けるという動作が発生することにより、全身を音楽に合わせて動かしていく感覚が味わえることだろう。

筆者は恥ずかしながら本作のことをこれまで認識していなかったのだが、確かにVRの空間を視覚的に楽しむ上では分かりやすく、かつ操作が直感的なため、プレイする上でのハードルも低い。VRゲームの裾野を広げていくのは、案外こういうジャンルのゲームなのかもしれない。

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※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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