BakaFire Partyは2018年11月24日、東京ビッグサイトで2日間にわたって開催される「ゲームマーケット2018秋」にて、「惨劇 RoopeR」および「桜降る代に決闘を」のステージイベントを開催した。
イベントではまず、BakaFire PartyのBakaFire氏とマーティーソリューションズのたろいも氏が登壇し、「惨劇 RoopeR」の紹介や発表が行われた。本作は、ループものの世界を体験しながら惨劇に立ち向かっていく主人公と、悪いループを引き起こして惨劇の牢獄に閉じ込める脚本家で対戦する推理ボードゲーム。主人公はゲームのルールや勝敗条件すらわからない状態のため当然のように負けてしまうが、時間をさかのぼってゲームを繰り返せるため、ループ後の世界では行動を変えて惨劇を突破していくという流れ。
NPCにあたる登場人物たちには「一般人」だったり「実は快楽殺人鬼」「死ぬと世界が滅ぶ」といった真実が隠されているのも特徴。発生してしまった惨劇からそうした真実を推理しつつ、惨劇を回避していくのだ。
前回のイベントで本作の舞台「惨劇 RoopeR BPSG」(Be Playing Stage Game)が発表となり、今回はその中間報告として舞台用のロゴと進捗が公開となった。舞台については現在オーディションが実施されているところだが、舞台専用のオリジナルキャラクターが登場することが明かされた。キャラクターのモチーフについてはまだ発表できないとのことだが、舞台を見に来た人にキャラクターカードを配るという、ゲームとのコラボを検討中だという。
「惨劇 RoopeR」については中間報告とのことで発表内容は少なめにとどまり、次はセンキの角田智氏を招き「桜降る代に決闘を」の紹介と発表へと移った。
「桜降る代に決闘を」は、1対1で戦う格闘ゲームのようなイメージのボードゲーム。2人のキャラクター(メガミ)を組み合わせる「双掌綾乱」、相手が使うキャラクターを見てからデッキを組む「眼前構築」、盤面をボードと36個のトークン(桜花結晶)で表現する「桜花決闘」という3つの要素が特徴となっている。
一柱のメガミにつき11枚のカードがまとまっており、2キャラを合わせると22枚。そこから7枚の通常札と3枚の切り札、計10枚のカードによってデッキを構築する。相手のキャラクターを見てからデッキを構築するため、相手への対策と自キャラクターの活用、どちらにどれだけ力を入れるかといった読みあいが見どころだ。
現在は東京・大阪・名古屋・博多・札幌・新潟で毎月交流祭が開かれており、大会で上を目指す本気の戦いがしたい人も、カジュアルに遊びたい人も楽しめる場が作られている。初心者講習もあるため、気になった人は気軽に参加できる場にもなっている。直近では東京・大阪・名古屋・博多・札幌は12月9日、新潟は12月16日に開催が控えている。
発表コーナーでは、11月30日から2019年5月中旬までをシーズン3とし、初のロングシーズンで行うことが明かされた。拡張ごとにシーズンを区切る形式としており、次回の「第参拡張」はゲームマーケット2019春にて発売することも同時に発表となった。
このシーズン3を行う半年間は、さまざまな施策も用意しているという。その1つが2019年3月30日に池袋サンシャインシティ 文化会館5階特別ホールにて行われる第3回全国大会「天音杯」だ。1月下旬から2月末にかけて全国で予選が行われ、本選は128人規模の大会となる。予選参加者にはプロモーションタロット「ハガネ」が配布されるほか、全国大会の会場ではデジタルゲーム版のイベントなども併催予定とのこと。
また、全国大会の会場では新製品「祭札二〇一九」が先行で販売される。これは祭札の最新版となるもので、第二幕の原初札シリーズが収録されている。
全国大会ではさらに、先行の特別賞品として本作のキャラクターデザインを手掛けているTOKIAMEさん以外のイラストレーターが描いたカードを用意するという。この場で公開されたのは、アカバネさんによるホノカ「この旗の名の下に」、あまからするめさんによるハガネ「大天空クラッシュ」、沖史慈宴さんによるオボロ「熊介」、フジシマさんによるユリナ「月影落」の4つ。ほかにも、フルアートカードを前回の祭札にあったプレミアム仕様にした“光るフルアートカード”も計画しているとのこと。
なお、これらは大会向けに用意された先行特別賞品だが、アナログ版とデジタル版をつなぐ施策のため、デジタル版でも入手できる可能性があるという。
肝心のデジタルゲーム版については、「ゲームマーケット2018秋」が開催されている11月24日、25日に会場でロケーションテストが実施されているほか、12月20日には第1回クローズドテストが行われる。クローズドテストはネット上でプレイできるものだが、対象は12月の交流会に参加した人向けとなっている。以降のスケジュールについては、各テストでの意見を踏まえて開発を進め、順次発表していくようだ。2回目のロケテストやクローズドテストも予定されており、角田氏は「万全を期してリリースを迎えたい」と話していた。
リリース後の構想についても発表があり、デジタル版でも全国大会を開く予定であることが明かされた。形式としては地域で予選を開き、その上位者と、デジタル版のランキング上位者を招待して1年間の覇者を決める大規模なものになるようだ。将来的には海外展開も考えており、まずは中華圏をはじめとしたアジア圏内を視野に入れているという。デジタル版ではほかにも、地域対抗戦といったイベントや、メガミとの触れ合いや物語が楽しめるソロモードの追加実装などが計画されている。
発表コーナーのあとは、スペシャルゲストとしてオボロ役の若林直美さん、サリヤ役のブリドカット セーラ 恵美さんを招いてのトークショーとなった。まずキャラクターの印象についての話では、ブリドカットさんはサリヤのことを「褐色美人!」と端的に表現。この日の若林さんの衣装がオボロをイメージしたものになっているのに対して、せめてサリヤのお姉さんっぽさが出るように、と思いステージに上がったという。サリヤは英語を駆使するセリフも特徴的で、収録時にもたくさん英語のセリフを喋ったエピソードも語られた。
若林さんはオボロの第一印象を「知的委員長メガネアイドルみたいなキャラクターかと思っていました」と話す。しかし台本を見たら「拙者はオボロ」といったセリフがあり、思ったより落ち着いた印象のキャラクターだったとのこと。ちなみにオボロが着ている白衣に気付いていなかったようで、BakaFireさんから「オボロは研究者なので」と言われてから白衣の存在に気付いたと話し、会場の笑いを誘っていた。
2人が演じるオボロとサリヤは物語的につながりがあり、デジタル版ではこの2人のようにメガミの組み合わせによって戦闘開始時などに特殊ボイスが流れるという。会場では「ヴィーナに暗器を仕込んでおくのはどうだ?」「ジュリア様みたいなこと言わないでください!」という掛け合いボイスも披露された。ロケーションテストのバージョンでも組み合わせによって特殊ボイスが聞けるというので、体験予定の人はボイスにも注目してみるといいだろう。
トークの中では、若林さんが出演している初心者向けの解説動画の第2回もすでに撮影済みで、近いうちに公開予定であることも明かされた。
このあとは、会場のロケテストのバージョンを若林さんとブリドカットさんもプレイし、2人で対戦をすることに。残念ながら機材トラブルの影響で中断となってしまったが、対戦中には若林さんから「3-1はライフ受け」という格言が飛び出したりと、集まったプレイヤーたちを沸かせる場面も。
ステージの最後には、ブリドカットさんから「ボードゲームも楽しく遊べますし、デジタル版も今後配信されますので、楽しみに待っていただけたらと思います。いろんなキャラクターがいますので、その組み合わせも楽しんでみてください」と、若林さんから「開発段階の状態でもグラフィックはキレイだし、カードもわかりやすく出てきます。もっとオボロのことも、ほかのメガミ様のことも知っていきたいですし、解説動画もこれから進化していきますので、始めようと思ってる方も始めている方も楽しんでもらえればと思います」とコメントが贈られた。