音楽・朗読・演出、その体験全てが物語へと繋がっていく―「消滅都市 LIVE EXPERIENCE vol.1」

開演前には急遽、LOST BOYS（加藤浩義氏、川越康弘氏）の2人が姿を見せ、フリートークや物販の紹介で場を和ませるなど、ファンイベントならではの空気を感じさせた本イベント。360°LEDが映える会場の中、作品の世界観を存分に感じられるものとなっていた。

まずは朝井彩加さんがソウマとして、姉との生活を追想するところから進行していく。その流れで披露された「消えゆく記憶と目覚めのまどろみ」は、エミ・エヴァンスさんの透き通った歌声、そしてステージを照らすLEDの光によって、どこかもの悲しげに届けられた。

ソウマによる語りの後は、ヴァイオリンの松原まりさんがステージに登場し、「The Sky's the Limit」が披露される。伸びやかなヴァイオリンの音色を感じつつ再びエミ・エヴァンスが登場、その歌声を響かせた。

演奏と朗読がクロスオーバーしていくような感覚が心地よい今回の構成。ここからはLOST BOYSがDJプレイで盛り上げていった。まずは定番曲の一つ「I miss you baby」で場を温めると、さらにそこからさまざまな楽曲をその場限りのパフォーマンスで表現。周囲のモニターも派手な演出が盛り込まれていて、より没入感を深めていった。

さらにここで「You and Me」を披露すると、観客が隣の人と手を繋ぐ場面も。実はこの場面、イベントの冒頭でお約束事として事前に話していたことではあったのだが、そのノリの良さも含めて、らしい一場面となっていた。

再びステージはソウマの語りへと戻っていく。「世界の終わりと最後の言葉」をバックに、大きな感情のうねり、想い、そして繰り返される結末を表現していくその流れの中で、ソウマのすべてをやり直すという力強い言葉とともに披露されたのが「Green Light」だ。会場を緑のペンライトが照らし、一体感のあるステージが展開した。

再びのDJパートではハプニングもあったが、そこで観客から声援が飛んでいたのが印象的。そして、締めくくりとして流されたのは再びの「You and Me」。その盛り上がりの中で再び姿を見せたソウマが、手を繋ぐことへの羨望を口にする。

2度目の消滅を経て、最後の場所に選んだ深い海の底で、夢を見続けることを選択したソウマ。沈黙が場を支配する中で会場に響きわたったのはSAK.さんの歌声。それは会場の観客にも伝播し、さらにはソウマにも届いていく。そして朝井さんが手にした、与えられたシナリオをSAK.さんが文字通り投げ捨て、改めて「Stay with Me」、さらには「You and Me（Once Again）」が届けられた。

そこからは、「消滅都市0.」で新たに用意されたBGM「Reach for the Sunlight」から始まり、エミ・エヴァンスさんによる「What I Have Done」「Start New Things」、SAK.さんによる「Black or White」「Keep Moving On」と、多彩な楽曲が次々と披露されていく。

ソウマの語りもいよいよ締めくくり。そこからは生きていくことの決意、そして姉への言葉の数々が寄せられていく。迎えに行くという言葉を残して去った後は、ステージ上にエミ・エヴァンスさん、SAK.さんの2人が揃い、「Love Is the Way（Anniversary Remix）」がしっとりと届けられた。

こうして、この場でのソウマの物語は幕を引き、イベントもラストスパート。「Love Sets Me Free」「Love Is the Way」の2曲が立て続けに届けられ、2時間に及ぶ密度の高いステージは締めくくられた。

本イベントの終了後、「消滅都市2」は「消滅都市0.」への大型アップデートが実施され、新たな主人公ソウマ（CV：朝井彩加）と、カノ（CV：茅野愛衣）の物語が幕を開けることとなった。「消滅都市」では、これまでも朗読と音楽を重ね合わせる試みは行われてきたが、今回はそのアプローチをさらに深め、その全てが物語の体験へとダイレクトに繋がる、まさに「消滅都市」ならではのイベントとなっていた。

なお、イベント会場にて販売されたグッズは後日、Amazon「消滅都市ストア」（https://amzn.to/2Acdi4r）にて販売予定となっている。会場に行けなかったという人はこちらもチェックしてみてはいかがだろうか。

消滅都市

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• 配信日：2014年5月26日
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