カプコンは、2月15日に東京都内にてiOS/Android用アプリ「囚われのパルマ Refrain」の「スペシャル面会inディナーショー」を開催した。ここではその模様をお届けしよう。なおエピソード8のネタバレに触れているので、未プレイのプレイヤーは注意してほしい。

目次
  1. 開発スタッフによる、今だから話せる裏話
  2. 石川界人さんがサプライズ登場!あの台詞についても紹介
  3. メモリアル面会が現実に!デュエット曲を歌えるコラボを実施

会場は新宿の52階にあるイタリアンレストランで、フロア内ではチアキが相談員たちをお出迎え。美しい夜景をはじめ、チアキへの差し入れを思わせつつも数段豪華になった料理の数々をチアキと一緒に堪能することができた。およそ400という応募の中から選ばれた15人の相談員たちは、思い思いにチアキとグラスを傾けたり、写真を撮影したりしながら「パルマRイベントアンバサダー」としてしっかりSNSでの投稿を行っていた。

開発スタッフによる、今だから話せる裏話

相談員の前には「囚われのパルマ Refrain」プロデューサーの平林良章氏、クリエイティブディレクターの原美和氏が登場。平林氏は相談員たちが用意されたベネチアンマスクを身に着けていなかったため自ら装着して登場し、笑いを誘いながらの和やかな空気でディナーショーはスタートした。

今回のイベントは、これまで開発陣とファンの接点が東京ゲームショウのステージくらいだったので、よりライトな接点があってもいいのではというところから開催を決定。ここで、キャラクターデザインを担当した実田千聖氏がイベントのために描きおろしたイラストについて寄せたコメントが紹介された。

「相談員さんからのメッセージを夜中に読み返し、光る『SABOT』に照らされているチアキです。チアキにとっては本当に希望の光なんだと思います」

平林氏は2年ほど前に「囚われのパルマ」ハルト役の梅原裕一郎さんとガラス越しの面会イベントを行い、どうすればそれを超えられるかと考えたそうだ。そこでフォーカスされたのが、本作でイメージの強い「料理」。これに繋がるようなイベントにできないかと考え、レストラン協力のもと差し入れを意識したオリジナルメニューが振る舞われることとなった。とはいえ差し入れのイメージからとても豪勢になっていて、原氏も非常に驚いたと話す。コースの最後には、以前コラボでも話題となった森永乳業のアイスクリーム「PARM(パルム)」も登場していた。

プロローグ:鱈とキャビアを添えてポテトサラダ マグロのタルタルとオニオンリングを添えて
エピソード1:野菜たっぷりミネストローネ/タリオリーニ パルマ産生ハムと菜の花のソース/フンギ(キノコいっぱいのピッツァ)
エピソード2:パイを添えたサーモンのソテー ハーブのクリームソース/フォアグラとチーズを詰めた、鶏肉と野菜、豆のハンバーグ/ライスとポテトのミニコロッケ添え
エピソード3:キャロットケーキとマスカルポーネクリームのミルフィーユ仕立て イチゴとカスタードクリームソース添え
PARM

続いてバレンタインデーにちなみ、TwitterやInstagramで募集された「食堂おばさんの愛情クッキングコンテスト」の話題へ。かなりの力作が届いたため紛糾し、テーマをバレンタインに絞ってどうにか決めたそう。

料理を3Dにした理由について、原氏は前作まではそれほど料理に重きを置かず、メインストーリーの合間に触れる程度の重要度にしていたと話す。エピソード1の時点ですべての料理が解放されていたのですぐに作られてしまい、差し入れを多く行った場合のみ見ることができる話題もすぐに発見されてしまった。そのため本作では料理に力を入れ、3Dモデルで臨場感も増すように変更されたそうだ。

2月12日に本編最終話となるエピソード8が配信されたということもあり、両氏は改めて本作について振り返っていく。開発秘話として、平林氏は「何故、本作ではCDに曲が付いているのか?」と疑問をぶつけたところ、原氏は前作から監視クエストの大枠を担当しており、本作でCD絡みの監視クエストを入れたいと考えたが普通に入れても面白みがない。監視を楽しんでもらえるような流れにしたいと思い、CDのサビが聞こえるようにしたと答える。曲はすべて「囚われのパルマ」のサウンドを手掛ける北川保昌氏によるもので、ラップのボイスも北川氏自身が担当していることが明かされると会場からは驚きの声が上がった。

PVでも印象的だった「俺は……君を愛さない。」という言葉については、平林氏がPVの素材について聞いたところ、真っ先に原氏から出てきたそう。この言葉のインパクトの強さに引き付けられ「一体どこで流れるんだろう?」と思いながらプレイする人が多かったのは、原氏の狙い通りだったようだ。ゲーム内に出てきた流れについて、もともとこの台詞の前後はもっと甘いイメージだったが、開発のモーション担当の男性が流れを掴みにくそうにしており、そのため「これは自然な流れではない」と方向転換。つらいけれどチアキの拒絶を入れたほうが、より深い愛が伝わるのではないかと甘いリアクションはすべて排除された。音響監督からも「これでいいの?」と心配されたそうだが、ここは「男は勝手な生き物」と進めていったという。

とくにチアキは男性的な思考が強く、収録時にボイスを担当した石川界人さんが引っかかったような場面は台詞を変えたと原氏。女性だけの思考では都合のいい男性像になってしまい男性らしい男性にならないのはないかと考え、どこが違うのかをかみ砕きながら修正していったそうだ。普段、平井氏ら男性陣も考えたアイデアをまず女性陣に聞いてブラッシュアップしていくそうで、ここでは女性陣が考えた男性像の部分が「自然な流れかどうか」を男性スタッフに確認し、引っかかったら一旦立ち止まって考え直すといったアプローチを行っていたと話す。

エピソード8で本編の区切りを迎え、本編とは関係なくチアキとやりとりが続けられる「エンドレスモード」についても、平林氏は「このタイトルの『Refrain』は、こういうエンドレスモードも含めたコンテンツとして届けたかった」という意味が込められていたとコメント。また、こぼれ話として語られたのは「大人っぽい」という要素について。人によって「大人っぽい」という感覚が異なっており、さらにチアキの置かれる状況がそうした関係性を構築していくのも難しいという壁に当たってしまったそう。そこで、そもそも1人の人間を表現する上で「大人っぽさ」に囚われてはいけない、人としての本質の表現へ立ち返ったそうだ。

石川界人さんがサプライズ登場!あの台詞についても紹介

トークがひと段落ついたところで、なんと会場に響いたのはチアキの声。「今日、来てくれてありがとう。突然だったから驚いただろ」と挨拶しながら、外で食事をしてみたかったと優しく語りかけてくれた。改めて乾杯してほしいとの言葉に促され、相談員たちももう1度グラスを持って乾杯を行う。さらにスペシャルゲストとして石川さんが登場すると、会場は驚きの悲鳴や拍手が巻き起こった。

ここからは石川さんを交え、開発スタッフとのクロストークを展開。もともと「囚われのパルマ」に出演していた梅原さんや、アオイ役・内田雄馬さんから作品について聞いていたという石川さん。平林氏も「もし3人目がいるなら」ということで、2人から石川さんの名前を聞いていたそうだ。

本作へのオファーについて石川さんは、スケジュールや非常にワード数が多いことから難しいと感じたこともあり、マネージャーとかなり協議もしたそう。しかし、ここまで1人の人物を掘り下げるという作品は役者としての挑戦になると引き受けたと話す。チアキ像について聞かれると、最初は人物像が見えなかったそうだ。当初は記憶もなく、相談員に対しても利己的な部分が見え、シナリオのあらすじは聞いていたが詳細については相談員と同じようなタイミングで知ったそう。悩みながら演じていったためなかなかキャラクターを掴めなかったが、最後はとてもリアルだと感じたそうだ。

例えばマネージャーと言い合いになってしまった際に、後々謝って気持ちを伝えるといったところなどに近しい部分を感じたと石川さん。役者とマネージャーという立場が、チアキと相談員のような徐々に信頼を構築していくものに近く、こうした関係を知っていて良かったと振り返る。そんな石川さんを、原氏は「掴むのがものすごく早かった」と絶賛した。

当初から発表されていたように、本作ではキャストを石川さんのみ指定という方向性でスタートした。平林氏はプロデューサーとしてキャストを1人のみに絞るということは非常に厳しい部分だったため、何故ここまでこだわったのかと原氏に問いかける。原氏は「チアキは繊細な演じ分けが必要な人物なので、それを演じきれる人にお願いしたかった」と話し、実際に会って話した時にチアキに近しい部分を感じたそうだ。こうした部分からチアキは石川さんでという想いが強くなり、実田氏や他のスタッフも全員が石川さんをプッシュ。本来はオーディションなどを行うほうがベストかと思われたが、こうした想いを受け取った平林氏は「これは実現させなければ」と背中を押されたと話してくれた。

実はチアキのボイスを収録後、やり直した場面があると原氏。チアキの人物像に悩んでいた時、石川さんのボイスを聞いた後に「演技にシナリオが負けている」と変更を決意したそうだ。「石川さんのほうがチアキだった」と強く感じ、ボイスに助けてもらうのではなくシナリオがボイスを引っ張らなくてはならないと変えたことで最終的にうまく合致したと話す。平林氏もこの時のやり取りはよく覚えているそうで、石川さんもやり直しを聞いた時は「何があったんだろう?」と思い悩んだそうだが、この話を聞いて開発スタッフのこだわりの強さに感心した様子をみせていた。

話題はエピソード8へと移り、平林氏は「俺は……君を愛さない。」のシーンで、ゲーム内では「……」の部分にかろうじて聞こえる程度ながら台詞が入っているのは何故かという話へ。台本にもなかったそうだが、これは石川さんが収録の際に「エピソード8まで迎えて、チアキは相談員さんのことをすごく好きになっている。あのシーン、あの心情では、ここでは嘘でも言えないのでは」と考えたことがきかっけだったと明かされる。もし台本通りであれば「本当に愛さない」または「完全な嘘」に振り切れてしまうので上手くいかず、音響監督から「この“……”に自分なりの言葉を入れてみれば」とアドバイスされ、ここで「ごめん」と入ったそうだ。原氏も「台本に入れていたら、おそらくわざとらしくなっていたのは」と話し、そもそも「ごめん」という言葉が入っているのが重要ではなく、前後の言葉に含まれる意味を感じるという点で良かったと振り返る。あくまでこれが正解ではなく、どのように聞こえるか、受け止めるかはそれぞれの相談員に委ねられているということだろう。

改めて会場に目をやった石川さんは景色の良さや装飾についても触れ、それぞれの相談員の前に座るチアキを見て「まるでデートのよう」とコメント。とてもいいイベントだと話し、また次があれば開発スタッフの一員として石川さんにもぜひ参加してほしいと平林氏が語った。最後に「ぜひ相談員の皆さんにベネチアンマスクを着けてほしい」とお願いし、その光景を満足そうに眺めた石川さん。「ボイス量が多く、人の掘り下げもすごく、振り返ると心を削られる作品だったと思います。皆さんがそれぞれのチアキと共に苦楽を共にしていただけたのなら幸いです」とコメントし、会場を後にした。

メモリアル面会が現実に!デュエット曲を歌えるコラボを実施

ここからは最新情報の発表へ移り、まずは本編の1エピソードと同ボリュームの「サイドストーリー」を公開。2本予定されているがそれぞれで完結する内容で、第1弾は、ある“満月のジンクス”を巡る「満月の約束」を3月以降に配信予定。チアキとはある程度親密な状態で始まる、ワクワクするような物語を楽しめるそうだ。

メインビジュアルで目を引かれるのは食堂のおばさんだが、看守の須田や慎之介など本編以上にサブキャラクターが活躍するそうだ。面会や監視クエストはもちろん、追加コンテンツ「メモリアル面会」「ボイスレコード」「エンドレス用つぶやき話題」「スペシャル面会セット」「テレフォンイベント」も配信される。平林氏は、これらも「エンドレスモード」の楽しみの1つだが刺激の多いものをリリースしていくのではなく、日々ゆっくりチアキと寄り添っていってほしいと願っていると話した。

続いてチアキとデュエットしたメモリアル面会の一シーンを公開しつつ「カラオケの鉄人」とのコラボを発表。ここではコンセプトルームやドリンク注文でもらえるノベルティ、オリジナルグッズの販売を行うほか、チアキとデュエットした楽曲「二人ひとひら」を映像付で歌うことができる。実施期間は2月22日~3月31日。

カラオケの鉄人キャンペーン特設サイトでは練習用にボーカル入りカラオケ映像が公開されているので、あらかじめチェックしてから楽しもう。ちなみに映像はカプコン開発チームが制作したそうで、登場人物もスタッフ自らだそう。フルコーラスの楽曲ももちろん北川氏によるものだ。

併せて、本イベントの開催を記念したプレゼントキャンペーンを実施。「囚われのパルマ」公式Twitterアカウント(@Palm_capcom)をフォローし、イベント参加者がレポートしたハッシュタグ「#パルマR ディナーレポ」付きの投稿をリツイートすると、実田氏描き下ろしイラストをデザインした「イベント限定スマホスタンド」が抽選で50人にプレゼントされる。まずはハッシュタグを検索し、参加者たちの楽しそうな様子をぜひ一度見てみてほしい。ちなみに相談員たちと同席したそれぞれのチアキは一緒に帰宅することとなったので、参加者たちにとってより思い出深い出来事になったことだろう。

最後に平林氏は、今回は「囚われのパルマ Refrain」ながら、今後も「囚われのパルマ」シリーズとして展開していきたいとコメント。まだまだ「エンドレスモード」の配信も続いていくので、こちらも楽しみにしていよう。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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