「黒い砂漠 MOBILE」は、100万ダウンロードを突破という高い話題性を持ったスマホ向けMORPG。ハイクオリティグラフィックスと、迫力のアクションといった特徴を持つ本作の内容を紹介する。
「黒い砂漠 MOBILE」は、パールアビスジャパンから2019年2月26に配信開始されたスマホ向MMORPG。原作はPC版MMORPGで、実写に近いハイクオリティなグラフィックスと、それに伴う迫力のアクション体験とが魅力の作品だ。
本作は正式リリース前から高い評判を集めており、2月22日から開始した先行ダウンロー版が即座に人気無料アプリランキングで1位を獲得。さらに正式リリース後の2月27日は100万ダウンロードを突破するといった勢いを見せている。では、その内容はどうか? 本リリース後にプレイしたレポートを紹介したい。
本作をプレイしてまず目にするのが、ハイクオリティなグラフィックスだろう。PC版で提供されていたハイクオリティグラフィックスは、本作においてもバッチリ再現されている。スマホのスペックの進化に伴い、スマホ向けMMORPGのグラフィックスも年々向上しているが、その中でもトップクラスと言っていいだろう。
そんなハイクオリティグラフィックスで描き出される本作の世界観は、「黒い石」と呼ばれる資源を巡る戦乱の物語。動力の源として古代文明を築き上げた資源であると同時に、古代人の精神を蝕み、文明を滅亡させたとも言われている「黒い石」。この「黒い石」が眠る広大な砂漠こそ、タイトルにもなっている「黒い砂漠」だ。「黒い砂漠」は「カルフェオン」「バレンシア」という二か国の間に挟まれており、二か国の間に争いを生んでいる。「黒い石」「砂漠」といったワードから、我々の現実の資源争いを連想せずにはいられない。シリアスでハードなテイストを持った世界観だ。
このリアルな世界で活躍するキャラクターを、自分の思い通りにデザインできる点が、本作の特徴のひとつ。とはいえ、そもそもMMORPGには自由にキャラクターデザインできる作品が多い。しかし本作は、既存の作品と比べても深くキャラクターを作り込むことができる。
本作のキャラクターデザインでは、ウォーリア、レンジャー、ウィッチ、ジャイアント、ヴァルキリーという5つの職業の中から自分の使いたいキャラクターを選択。その後、肌の色、髪の色、髪型、体格、輪郭…といった容姿のカスタマイズを行う。カスタマイズ可能な要素はパーツの形状から配置に至るまで、細かく作り込むことが可能だ。
筆者は今回、ウォーリアを選ぶことにした。レンジャーやウィッチ、ヴァルキリーといった美女キャラも捨てがたいが、剣と盾を使ったスタンダードなアクションを楽しみたいと思い、ウォーリアに。男性キャラだとムキムキのマッチョキャラが好きなので、四角顔でガタイのごっついキャラクターを作成してみた。これなら、資源を巡るハードな世界でも十分サバイバルに違いない。
ゲームの流れは、MMORPGとして標準的なもの。クエストを受注し、クエスト目的の達成を目指す。クエスト目的にはNPCに話しかける、一定数の敵を倒す、一定数の素材アイテムを集める、ボスを倒すといったものが用意されている。
操作はスマホ向けに最適化されており、最近のスマホ向けMMORPGでは定番といっていい、自動機能も用意されている。クエスト表示をタップすることで自動モードがスタート。自動的にクエスト達成地点へと向かい、自動的にモンスターと戦い、あるいは自動的に素材アイテムを収集してくれる。見ているだけでクエスト達成可能。プレイヤーはストーリーを追うことと育成だけに専念することができる。ただ、筆者は本作でプレイして、自動モードでプレイするのはもったいないと感じてしまった。
というのも本作、バトル時のアクションがとても気持ちイイのだ。キャラクターのアクションが派手でカッコいいのはもちろんのこと、画面をタップしてキャラクターが動くまでのレスポンス、効果音といったものがとても気持ちいい。チュートリアルをフツーに進めると、自動モードでクエストを進行するよう促されるのだが、キャラクターがモンスターに攻撃する様子を見て「これは自分の手で動かしたい!」と思って即座に自動モードをオフにしてしまった。
この、「アクションが気持ちイイ」というのはとても感覚的なものなので、言葉で伝えるのは難しい。操作システム自体は、他のMMORPGと何ら変わらない。タップで主人公を移動させ、攻撃ボタン、回避ボタン、スキルボタンでアクションを行う…というものだ。それでも、本作のアクションはとても気持ちがイイ。自分の手でタップした時にド派手なビジュアルと爽快なイイ効果音が再生される。そんな原始的な気持ちよさが十分に表現されているのだ。だから、この操作を繰り返したいと感じずにいられない。さすが、迫力のアクション体験をウリにするだけのことはある。
自分の手で操作して特に楽しかったのが、ボス戦だ。ボスは見た目的にもパラメーター的にも強大。ボスの攻撃を回避アクションで回避しつつ、こちらのHPが減ってきたらポーションを使って回復。ボスのHPが尽きるまでひたすらコンボ攻撃を叩き込んでいく。そこにはコンシューマーのアクションRPGで味わう、白熱する楽しさがあった。
とはいえ、自動モードがいらないかと言うと、そんなことはない。クエストでは100匹以上のザコモンスターを倒すことが目的となる場合もある。自分より弱いザコモンスターが100匹相手だと、さすがに戦っている途中で若干「飽き」を感じてしまう。そんな時は自動モードのありがたさを強く感じる。また、レベルアップや素材収集といった「稼ぎ」を行う際にも心強い味方になってくれる。
プレイしていて本作のメインの楽しさははアクションにあると感じたが、領地やペットといったやり込み要素の多さも本作の魅力だろう。
領地は、箱庭シミュレーションゲームのように、様々な施設を建設して自分の領地を拡充していくというもの。領地を拡充することで素材が手に入りやすくなるなどの恩恵が得られる。このモードだけでもかなりやり込み甲斐があると感じた。
ペットは、他のMMORPGにもよく見られる要素だが、本作のペットは犬・猫といったより現実のペットに近い動物を飼えるという点が特徴的。ペットはレベルアップに寄りスキルを習得し、プレイヤーの能力を底上げしてくれるのだが、それよりも、可愛い。バリバリ猫派の筆者は、当然のように猫を選んだのだが、しぐさが、鳴き声がとても可愛い! 可愛いことこそ、ペット王道の魅力だ!
本作は、ハイクオリティなビジュアルに迫力のアクション、充実のやり込み要素と、その話題性に恥じない内容を持った大作MMORPGだ。今このタイミングでスマホRPGをプレイするなら、本作を選べば間違いはないだろう。