2019年8月3日、スクウェア・エニックスは東京・TFTホールにて「ドラゴンクエスト夏祭り2019」を開催した。本稿では「ドラゴンクエストX」、「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」の新情報が公開されたステージを中心にレポートしていこう。
すっかり夏の恒例イベントとなった「ドラゴンクエスト夏祭り」。今年も開発陣や豪華ゲストによる、さまざまなステージイベントが開催。会場内では初心者大使と一緒に「幻の海トラシュカ」に挑戦できる「初心者大使と遊ぼう!幻の海トラシュカ2019」や会場限定のオリジナルメニューを楽しめる「LUIDA'S CAFE(ルイーダズカフェ)」などの催しが行われ、どのコーナーも活況を呈していた。
特に人気だったのが「ドラゴンクエストX」の貴重な制作資料やイラストなどが見られる「ドラゴンクエストXギャラリー」だ。キャラクターたちのイラストやムービーの絵コンテ、さまざまなアート絵などが多数展示。撮影が可能ということもあって、多くの来場者たちがスマホを片手に見入っていた。
「ドラゴンクエスト」シリーズのオフィシャルグッズが買える物販コーナー「どうぐ屋」も大人気で、「スライムシルエット トートバッグ」や「まきつきぬいぐるみスライム」などの新作グッズが多数販売されるとあって、来場者たちが長蛇の列を作っていた。ことにスライム、キングスライムなどのキーリングや「ドラゴンクエストXI」のドットTシャツは好評だったようで、けっこう早い時間で売り切れになるなど大盛況となっていた。
こちらがギャラリーコーナー。多彩なイラストやアート絵に来場者たちは釘付けになっていた。 | |
80種類近いグッズが販売。コーナーの前に実物が展示されていることもあって、大勢の人が集まっていた。 | |
「ドラゴンクエスト」関連の音楽CDや楽譜などを購入できるコーナーも用意されていた。 |
「ドラゴンクエストX いばらの巫女と滅びの神 オンライン」の発売日やバージョン5.0の新要素が公開
「超ドラゴンクエストX TV」ステージの第1部にて行われた「安西先生!忘れ物はないですか?」で、「ドラゴンクエストX」の追加パッケージ「ドラゴンクエストX いばらの巫女と滅びの神 オンライン」が2019年10月24日に発売されることが発表された。
今回は魔界が舞台となっており、メインストーリーの全ムービーシーンにキャラクターボイスが追加される。主要キャラクターのキャストは以下のとおりだ。堀井雄二氏いわく、かなりかっこよくなっているとのことなので楽しみにしておこう。また、「ドラゴンクエストX」のディレクター・安西崇氏が、個人的意見ではあるがバージョン1~4のムービーにも声を付けたいと話しており、こちらも大いに期待したいところだ。
続いて、新職業「デスマスター」の情報が公開された。安西氏いわく死と命を扱う職業で、呪文攻撃やザオラル、ベホマラーなどの回復・蘇生をこなすことが可能。さらに「死霊召喚」で死霊を召喚できるのだという。どのような死霊が呼び出されるのかは、まだ言えないとのことだが、召喚した死霊に簡単な命令を出すこともできるそうで、かなり戦略の幅が広いオールラウンドな職業になるそうだ。
新武器種の「鎌」を装備できるのも大きな特徴。新たな武器の追加はかなり大変だったそうで、安西氏は「ようやくできて、うれしく思っております」と感慨深げ。ちなみに、デスマスターも天地雷鳴士などと同じくレベル50からのスタートを考えているとのことだ。
新コンテンツ「万魔の塔」の情報も紹介された。4人でプレイできるピラミッドに似たタイプのコンテンツで、サポート仲間とのプレイも可能になっているという。ただし、相当手強い内容になっているため、サポート仲間での攻略はかなり難しいとのことだ。また、舞台となる塔のBGアートも公開。「魔界にこちらの大きな塔がありますので、(バージョン)5.0を始めて、探していただけるといいかなと思います」と安西氏は語った。
スキルシステムも大幅に改修されるという。今回発表された変更点は以下のとおり。
- スキルポイントを職業ごとに振り分ける形式に変更。
- 職業クエストを1話クリアするごとに全スキルラインのスキルポイントを20ポイント底上げ。全5話クリアでそれぞれ100ポイントを得られる。
- レベルアップ時に獲得できるスキルポイントも増やす。
- 一部職業に「盾」、「かくとう」のスキルラインを追加する。
- 武闘家がヤリ、旅芸人がブーメラン、パラディンが片手剣、賢者が扇を装備可能となり、それぞれスキルラインが追加。これら4職業に追加されたスキルラインで得られる効果は、他職業で得られる効果と一部異なる。
最後に、同時発売される「魔界からの宝箱」についてアナウンス。ゲーム本編に「温度変化マグカップ」、「うでいれまくら」などの各種スライム・強グッズやオフィシャルカレンダー、ゲーム内で使える特典アイテムなどを同梱した豪華版で価格は11000円(税別)、発売日は通常版と同じ2019年10月24日になるとのことだ。
※画像は配信動画をキャプチャーしたものです。
「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」の体験版の配信が決定!
2019年9月27日にNintendo Switch向けに発売予定の「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」の最新情報を紹介するミニステージも開催された。
まずは本作に「ドラゴンクエストX」の世界が登場することが明かされた。しかも、スーパーファミコン風の2Dのドット絵で表現された世界で、「もし『X』がファミコンやスーファミでプレイできたら、こんな感じじゃなかったかなっていう世界ですね」と堀井氏は笑った。「X」の世界はニンテンドー3DS版にも登場しているが、このときは3Dで描かれており、2Dのドット絵での登場は今回が初めてとなる。音楽もファミコン風の8ビットのサウンドになっているとのことなので、こちらも楽しみにしておこう。
さらに、本作の体験版の配信が決定。この体験版をプレイすると、ご褒美として「スキルのタネ」がもらえることもあわせて紹介された。本作のプロデューサーの岡本北斗氏によると、堀井氏から「体験版をやった人に何かご褒美をあげられないの?」とマスター提出の前日に言われたそうで、スタッフ間でいろいろ話し合った結果、体験版の「冒険の書」を製品版に引き継ぐ際にちょっと何かもらえる形にしたのだという。とはいえ、あまりいいものがもらえるようにすると体験版のプレイに義務感を持たれてしまうため、何をプレゼントするか、かなり頭をひねったそうだ。配信日はまだ決まっていないようだが、「近々発表できる」とのことなので続報を待とう。
Nintendo Switch版「ドラゴンクエスト ライバルズ」とのコラボキャペーンも発表。「ドラゴンクエスト XI S」の体験版をプレイした人全員に「ライバルズ」の「ロトの血を引く者【S】」のカードがプレゼントされる。
「ライバルズ」のプロデューサーの二木達博氏によると、英雄カード「ロトの血を引く者」を「ドラゴンクエストXI S」仕様にしたもので、4つのカード効果のイラストが「XI S」のものに変化。特に違いが大きいのが3つ目の効果で、従来は『ドラゴンクエストI』の勇者がローラ姫を助けるシーンを再現した「王女救出」というものだったが、「XI S」版はベロニカら仲間たちを助け出す「仲間救出」というものになっている。勇者がローラ姫を抱きかかえるシーンも仲間たちのものに変わっており、「XI S」の主人公がカミュやシルビアをお姫様抱っこする映像を見て、多くの女性客が歓声を上げていた。
会場の盛り上がりを見て、二木氏は「作ってよかった」と安堵のコメント。このコラボキャンペーンは「ドラゴンクエストXI S」体験版の配信開始日よりスタートの予定で、体験版のセーブデータを作成して、Switch版の「ドラゴンクエスト ライバルズ」をプレイするとプレゼントボックスで受け取れるとのことだ。
続いて「Vジャンプ」編集部のサイトーブイ氏がステージに登場。マンガ家の真島ヒロさんがデザインしたカミュの新衣装「ノースレザースーツ」の実装を発表した。「Vジャンプ」にて掲載予定のカミュのオリジナルマンガに登場するもので、物語の舞台が雪山であることから見映えのする黒一色のコスチュームになったそうだ。入手方法は「Vジャンプ」のツイッターなどで告知するとのことなので、入手したい人はそちらをチェックだ。
「XI」をプレイした人にはおなじみのアイテム「誓いのペンダント」の商品化決定も発表された。イヤリングとしても使えるようになっていて、裏面にはグレイグとホメロスそれぞれの思いが刻印されるという。ただし、完全受注生産とのことなので、欲しい人は今後の情報を見逃さないように。
ここで岡本氏が、追加で仲間にしたいキャラクターアンケートに関して報告。このアンケートでホメロスが1位になり、岡本氏ら開発陣も検討してみたというが、やはりシナリオの大筋を崩すことになると判断。他の誰かを仲間にした場合も「なんでこのキャラクターは仲間にならないの?」という点がどうしても目立ってしまうと考えたことから、今回は仲間キャラクターを追加するのではなく、新しいストーリーを体験してもらおうという方針になったことを明かした。
新たな「しばりプレイ」も登場するとのこと。特に注目すべきは「超はずかしい呪い」だ。主人公以外の仲間たちがランダムで恥ずかしがって行動できなくなってしまうというもので、実際に仲間たちが恥ずかしがっているシーンも公開。カミュやベロニカらが恥じらう映像に来場者たちは大笑いしていた。そのほか「すべての敵が強い」、「町の人にウソをつかれる」、「主人公がやられたら全滅」などの新しばりプレイが追加される予定だ。
そのあともミニゲーム「幻の海トラシュカ!」のスコア対決やプロデューサーの青山公士氏への質問コーナーなどの「ドラゴンクエストX」関連イベントが行われ、来場者たちを大いに楽しませた。特に盛り上がったのが、第7期初心者大使を務めた園村将司、西井万理那、福田直也による「第7期初心者大使卒業試験」だ。3人でギュメイ将軍に挑むというかなり厳しい試験で、何度もピンチを迎える手に汗握る一戦となったのだが、冷静なプレイと巧みな連携でしのぎ切り見事にクリア。劇的な勝利にメンバーたちが歓喜の涙を流すなど、この日一番の盛り上がりとなった。
名渡山遼氏による「ドラゴンクエスト」の楽曲のウクレレライブも来場者を魅了。日本を代表するウクレレプレイヤーが奏でる美しい調べに、多くの人たちが聴き入っていた。かく言う筆者もそのひとりで、非常に素晴らしい演奏だったので、8月7日発売予定のCDとあわせてチェックしてみてほしい。
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※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
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