「どこでもいっしょ」シリーズ20周年記念の作品として配信が予定されている「トロとパズル~どこでもいっしょ~」をレビュー。かわいらしくほのぼのとした、ポケピ達と過ごすあの日々が返ってくる。
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「どこでもいっしょ」シリーズ20周年記念の一環として、フォワードワークスから配信が予定されているスマートフォン向けゲーム「トロとパズル~どこでもいっしょ~」。トロをはじめとした、あのかわいいポケピ(ポケットピープル)達にまた会える!ということで、楽しみにしている人も多いだろう。なんと、今回はそんな本作を、配信に先がけてプレイできるという幸運に恵まれた。そこで、プレイを通じて堪能した本作の魅力を本記事で是非ともお伝えしたい。
お話しゲーム「どこでもいっしょ」とは?
この記事を見ている人の多くは、恐らく「どこでもいっしょ」シリーズ、あるいはネコの「トロ」をご存知だと思う。しかし中には、今回初めて知ったという人や、トロのビジュアルを見たことはあるけど詳しくは知らない…という人もいるかもしれない。そこで、改めて「どこでもいっしょ」について触れておこう。
「どこでもいっしょ」は、1999年7月22日にプレイステーション&ポケットステーション用ソフトとして発売した、コミュニケーションゲーム。ポケットステーションというのは、初代のプレイステーションと連携する携帯ゲーム機のこと。「どこでもいっしょ」はこのポケットステーションを利用することで、ポケピ達と常に触れ合うことができた。まさに「どこでもいっしょ」というわけだ。ゲーム内容は、ポケピ達に言葉を教えて会話を楽しむというもの。会話の際、教えた言葉とポケピ達の話とが若干かみあわないこともあるのだけど、ポケピ達のほのぼのとしたキャラクター性もあいまって、かわいくコミカルな魅力に繋がっていた。
ポケピたちとコミュニケーションしながらフルーツを獲得して町づくり!
今回の「トロとパズル~どこでもいっしょ~」の内容も、もちろんポケピとのコミュニケーションを楽しむものになっているが、ただコミュニケーションを楽しむだけではない。「天つ空町(あまつそらまち)」という温泉街に活気を取り戻しながら、コミュニケーションを楽しむという趣向だ。
町づくりの手段となっているのが、フルーツの収穫。「天つ空町」の名物であるフルーツの収穫をこなすことでストーリーが進み、町の中の施設が開放されていく。「天つ空町」には今作の新キャラクターである「ソラ」というポケピがおり、プレイヤーとトロ、ソラとが協力して温泉街の町おこしをしていく…という格好だ。
なので、町の施設が解放されることで、訪れる人々が徐々に増え、活気が生まれていく。だんだんと町がにぎやかになっていく様子は、見ているだけでも楽しく、「ここまで町が大きくなったんだ…!」と達成感を味わえた。また、町が大きくなることで新たな「ポケピ」が登場するのも楽しい。相変わらず人間になることを目指しているトロ、「お姉さん」との再会を望んでいるソラなど、ポケピ毎にしっかり背景が存在しているので、ストーリー展開にも惹きつけられた。
ちなみに、町おこしだけでなく、「部屋」づくりも可能だ。トロと主人公は、「天つ空町」にある旅館「そらや」に部屋を借りており、この部屋に家具を置いてカスタマイズすることができる。
3マッチパズルでフルーツを獲得!
ではフルーツはどのように収穫するのかというと、タイトルにもあるようにパズルゲーム形式で収穫を行う。パズルのルールは3マッチパズル。同じフルーツをタテ・ヨコ3つ以上マッチング(揃える)ことで、フルーツの収穫ができる。フルーツはフリックによってタテヨコ1マス分動かすことが可能。また、4つ以上揃えることで、「おたすけピース」を作ることができる。
「おたすけピース」は、広い範囲のフルーツを一気に獲得できる特殊効果を持ったピース。たとえば、「ロケット花火」ならタテ方向かヨコ方向一列分のフルーツを獲得でき、「ミサイル」であれば、クリア条件として設定されているピースを獲得してくれる。
クリア条件はステージによって異なっており、指定されたフルーツを指定された数集めることや、フルーツの下に隠されたまねき猫を見つけることといった条件が存在している。クリア条件に加えて、フルーツを動かすことの出来る手数が制限されているため、「おたすけピース」を活用して効率よくマッチングしていくことが重要だ。
今回のプレイでは、個人的に「ミサイル」が気に入った。いいと感じた。「ミサイル」を作るのに必要なフルーツは4つなので、高い頻度で作り出すことができる上、クリアに必要なフルーツがマッチングしづらい場所にある場合でも獲得してくれる。とても使い勝手がイイ。
また、快適さを感じたのはゲームオーバーからの復帰。クリアに失敗してしまった際、リプレイにかかる待ち時間が短く、スムーズにリプレイできる。ステージが進むと、初プレイではクリアするのが難しい、一筋縄ではいかないステージも出てくるが、リプレイがスムーズなのでストレスが少なかった。目立つポイントではないけど、パズルゲームとして見た場合には重要なポイントだと思う。
コミュニケーションが楽しい!思わず頬が緩むほのぼの感
町づくりと3マッチパズルについて触れたが、なんといっても本作は「どこでもいっしょ」シリーズ。当然、コミュニケーションこそがメインといえるだろう。もちろん、トロたちとのコミュニケーションをたっぷり楽しめるよう作られている。
ストーリーを進めて町づくりを進めるためにはパズル(フルーツの収穫)で獲得できる星が、パズルをプレイするためにはハートが、それぞれ必要になる。しかし、トロに言葉を教えるのは、何の条件もなくいつでも可能になっている。言葉は、自由入力で単語を入力し、単語の意味を選択することで教えることが可能。
言葉を教えると、トロをはじめとするポケピ達が会話の中でその言葉を使ってくれるようになる。会話シーンはストーリー上に配置されているほか、パズルのステージをクリアした際にも用意されている。また、ストーリーを進めることで、絵日記という形でもコミュニケーションを取ることができ、その中でも教えた言葉を使ってくれる。
この会話の感覚、「どこでもいっしょ」をプレイしていれば、「懐かしい!」と感じずにはいられないだろう。筆者も、ポケピたちと再会するシーンでは、思わずうるっと来てしまった。もちろん、ほのぼのとした、それでいてユーモアのある会話は、「どこでもいっしょ」をプレイしたことがなくとも、楽しめる。けれど、プレイしたことがある人なら格別の想いを感じるだろう。
どこでもいっしょの日々をもう一度!
かわいいけど、どこか抜けていてユーモラスなポケピたち。彼らと一緒に過ごす日々は、ほのぼのとしたゆるい楽しさに満ちている。かつてあの日々を味わった人なら本作は無条件でオススメできるし、今回初めて「どこでもいっしょ」の世界に触れるという人でも、この世界に魅力を感じるはずだ。リリースされたら是非ダウンロードして、まずはトロの頭をナデナデしてあげて欲しい。