千葉・幕張メッセにて9月12日より開催の「東京ゲームショウ2019」。9月12日に行われた、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの非対称対戦アクション「Predator: Hunting Grounds(仮)」のメディア向けセッションと試遊レポートをお届けする。

おなじみの人気SFホラー映画「プレデター」を題材にしたアクションゲーム「Predator: Hunting Grounds(仮)」。まずは本作の開発を手がけるIllFonicのチーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)であるチャールズ・ブランガード氏とチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)のジャレッド・ゲリッツェン氏によるメディア向けセッションの模様をレポートする。

チャールズ・ブランガード氏とジャレッド・ゲリッツェン氏。開発チームのメンバーは映画「プレデター」の大ファンとのこと。

「Predator: Hunting Grounds(仮)」はプレデターとなるプレイヤー1人と特殊精鋭部隊・ファイアチームとなるプレイヤー4人に分かれて戦う非対称型の対戦ゲーム。「狩るか、狩られるか」をテーマにしたスリリングなバトルで、プレデター側は3人称視点、ファイアチームは1人称視点でプレイすることになる。

プレデターは高所に上ったり、周囲を見回したりする必要があることから、3人称視点の方が適しているという判断になったとジャレット氏は言う。一方、ファイアチームは一人称視点になることで背後などが見えにくくなるため、より恐怖感を味わえるだろうとのことだ。

対戦はファイアチームがプレデターの領域に潜入するところから始まる。マッチスタート時、ファイアチームにはミッションが与えられており、そのクリアに挑む必要がある。ミッションのターゲットとなる敵はNPCで構成され、4人で協力して、これらの敵を倒していくのだが、そこをプレデターが狙ってくるというわけだ。

このプレデターと戦いに生き残り、与えられたミッションをクリアして、ヘリで脱出すればファイアチームの勝利。もちろん、プレデターを倒した場合も勝利となる。

ベースとなっているのは1987年公開の1作目だが、ゲームの舞台は現代の10年後くらいを想定しているとのこと。

プレデターは赤外線による探知能力を持っているのだが(この能力を「ビジョン」という)、ファイアチーム側は映画と同じように地面にある泥を身体に塗って、このビジョンによる感知を防ぐことが可能。ただし、移動したり銃を撃ったりしていると、次第に泥が落ちていくとのことなので過信は禁物だ。

プレデターに倒された場合だが、一定時間内に味方に回復してもらえば、その場で蘇生可能。死亡となった場合も味方が増援ポイントに行くと、増援という形で復活できるという。また、「マークする」という機能を使ってプレデターの居場所や弾薬のありかなどを味方に知らせるといった仲間同士のコミュニケーションも可能になっているそうだ。

プレデター側の目的はファイアチームをひとり残らず狩ることだ。プレデターは木などの高低差を利用することが可能で、高所を移動しながら敵をハントしていくことになる。倒した敵からは映画と同じように頭蓋骨と脊髄を引き抜くことが可能。戦利品として持ち帰ることができるので、ひとつでも多くの入手にチャレンジしたいところだ。

赤外線ビジョンによる探知能力や敵から見えなくなる光学迷彩、強力な遠距離射撃武器・プラズマキャノン、カギ爪のような武器で敵を切り刻むリスト・ブレイドなど、圧倒的な戦闘力を誇るプレデターだが、決して無敵ではなく、敵の集中攻撃を受けると一気に体力が減ってしまう。そのため、攻撃一辺倒ではなく、ピンチのときはすぐに撤退するなど素早い状況判断が求められる。

また、プレデターには「セコンド・ウィンド」というアビリティがあり、瀕死状態のときに使うと、その場から逃れることができるという。ただし、この能力の発動中は敵を一切攻撃できないとのことだ。

それでもどうにもならないとき、最後の手段となるのが映画にも登場した自爆攻撃だ。かなりの大爆発で、周囲の敵を巻き添えにする事で一発逆転を狙えるというわけだ。自爆でファイアチームを全員倒して終了となった場合は引き分け扱いとなるが、後述のとおり倒した敵の数に応じてポイントが得られるので、試す価値は大いにあると言えそうだ。

倒した敵の数、与えたダメージ、獲得した戦利品(頭蓋骨と脊髄)などはポイントに換算。これらのポイントを消費することで、新たな武器、アイテム、スキンなどをアンロックできるという。プレデターの武器も初期はプラズマキャノンとリスト・ブレイドのみだが、映画に出てくるそのほかの武器も追加される予定とのこと。ファイアチームも武器や外見などのカスタイマイズが可能になるそうだ。

ちなみに、本作はマルチプレイ専用で、ストーリーモードのようなものは今のところ考えていないとのこと。ただ、対戦ステージの中に、そうしたプレデターの世界観を乗せたいとは考えているそうだ。バトルのステージとなるのはいずれもジャングルで、さまざまな地理的特徴を持つものが登場予定。ただ、「プレデター2」のような市街地を舞台にするといったことは考えていないとのことだ。

マッチング時にはプレデター、ファイアチームを選択することになるが、「どちらでもよい」を選ぶことも可能になっているという。たとえばプレデターを選択したが、なかなか自分の番が回ってこないといったときに、この「どちらでもよい」を適切に当てはめられればとチャールズ氏は述べた。

最後にジャレット氏は日本のファンにメッセージ。「アメリカとドイツでデモをお見せしたときと同様の盛り上がりを今回の東京ゲームショウでも見せていただきました。日本のユーザーの皆様にも興奮してプレイしていただけるとうれしいなと思います」と語り、セッションを締めくくった。

見えない敵へのスリルと人間を狩っていく爽快感を体感

セッションの前に本作を試遊する機会が得られたので、そのプレイレビューもお届けしておこう。まずはファイアチームでプレイしたのだが、こちらはいわゆる銃器をかまえて敵を銃撃。手榴弾やナイフなども使用可能になっているなど、いわゆる一人称視点のガンシューティングと言っていいだろう。FPSに慣れている人ならば、非常にとっつきやすいのではないだろうか。

対戦がスタートすると、まずはミッションの目的地に向かって進むことになる。目的地の方向や距離は画面に表示されるので迷う心配はない。画面の左下のミニマップで敵や味方の位置も確認できるので、仲間同士で連携しながらバトルを進めることが可能だ。

目的地が近づいてくるとNPCを相手に戦闘開始。NPCはたいして手強くはないが、いつプレデターがくるかと周囲や頭上を警戒しながら戦うことになるので、かなり緊張感がある。このスリルは本作ならではの醍醐味と言えるだろう。

そうこうしているとプレデターと遭遇。光学迷彩で姿を隠していたので接近されたことに気づかず、あっという間にリスト・ブレイドで切り刻まれてしまった。幸い近くにいた味方が、すぐに回復してくれたので死亡せずにすんだが、やはり攻撃力はすさまじく、後手を踏んだら人間側に勝ち目はなさそう。ちなみに、プレデターが光学迷彩を使用しているときの、空間がゆがんだように見える感じは映画そのままでファンにはたまらないだろう。

勝負のほうだが、複数で固まっていたのが功を奏したか、2度目の襲撃は味方が攻撃されているところに駆けつけ、すぐさま銃撃。一気に体力を削って倒すことに成功した。

攻撃力はすごいが防御は意外とたいしたことないぞ、プレデター……などと悦に入っていたらいきなり敵が自爆して画面がブラックアウト。この時点で筆者らはプレデターが自爆できるということをまったく知らず、全員が近くにいたのであえなく全滅となった。映画と同じく、最後まで油断のならないヤツである。

2戦目はプレデターとなってプレイ。こちらはキャラクターの全身を背後から見る、いわゆる3人称視点だ。木の上に登っての移動が可能で、敵の頭上から不意を突けたらかなり面白そうである。

攻撃力はやはりすさまじく、光学迷彩を使って忍び寄り、ファイアチームふたりをあっさり葬ることができた。このとき倒した敵にドクロマークが表示。この状態になると敵から頭蓋骨と脊髄を入手できる。

戦利品を入手して喜んでいたのだが、そこに新手が出現。銃撃を食らって一気に体力が減ってしまった。やはりプレデターといえども真っ向からの勝負は危険で、光学迷彩で姿を消して奇襲をかける、敵が複数いる場合はいったん距離を取るといった慎重なプレイが求められるのだ。

光学迷彩は一定時間が経過するとエネルギーが切れる。姿を現した状態でファイアチームと戦うのは危険だ。

……というわけで、かなりダメージを負ったので、ひとまず逃げたのだが、今度は敵を見失ってしまった。プレデター側にはファイアチームのようなミニレーダーはなく、基本的には自身の視界や赤外線を感知する能力・ビジョンで敵を探していかなければならない。

そのため、筆者はなかなかファイアチームを見つけられず、プレイヤーを捜し回ってマップ内をウロウロ。やっと見つけたと思ったら、タイムアップとなってしまった。これではプレデター失格である。次にプレイする機会があれば、もっと早くファイアチームを探知するようにしなければと反省することしきりであった。

このようにプレデターの能力を十分発揮できなかった筆者だが、それでも敵に襲いかかって一気に倒したときの爽快感は抜群だった。ファイアチームでプレイしていたときのスリルもかなりのもので、どちらの側でプレイしても楽しめるのではないだろうか。かくいう筆者もかなり楽しんだクチで、いわゆる非対称対戦には苦手意識があったのだが、ぜひもう一度挑戦したいものである。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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