千葉・幕張メッセにて9月12日より開催の「東京ゲームショウ2019」。SIEブースで9月12日に行われた「DEATH STRANDING GAMEPLAY SESSION Vol.1」ステージの模様をレポートする。

タイトルの通り、今年のTGSでは「DEATH STRANDING」は9月12日と14日、15日の三日間日替わりのセッションがあり、この日のプログラムはその一番最初の部分であり、「DEATH STRANDING」がどのようなゲームなのか、一番の基礎の基礎を知っていく内容となっている。今回のTGSで試遊台を出さなかったということもあり、ビジネスデーにも関わらず、溢れんばかりの人が押し寄せた。

ステージには、「DEATH STRANDING」のゲームデザイン、シナリオ、監督、プロデュースを務める小島秀夫氏が登壇。開発が佳境で、このTGSの後も帰って仕事をするという小島氏。

そして未だに明らかにされていないゲームの内容について問われると、小島氏は、「まったく新しいゲームで、まったく新しい世界観」であり、伝え方が難しい、と語った。

だからといって、いきなりどのようなゲームなのかもわからないのに買ってほしい、というのも難しいだろうということで、この日のステージでは小島氏があらかじめ録画をしてきたプレイ動画を見ながら解説をしていく、というスタイルになった。「ソーシャルストランドシステムと呼んでいますが、その部分がちょっとだけ解るかと思います」と述べた、小島氏。なお、ストランドとは「繋がる」という意味だ。

「DEATH STRANDING」では、デス・ストランディングという現象によって繋がりが失われ、崩壊した世界が舞台。各地で断片化されたデータをひとつに統合することによって、46億年にも及ぶ地球上の歴史も、デス・ストランディング以降に失われた人類の叡智も復元され、それこそがデス・ストランディング解明のカギとなるはずだ、ということで、主人公のサムは分断された状態にある都市を接続し、カイラル通信を起動させることが任務だという。

とはいえどサムの任務は基本的には物資の配送などになる。カイラルプリンターと呼ばれる3Dプリンター的なもので支援物資を作成し、配送ミッションで受注した都市へとその支援物資を配送する。

ミッションには、どのような物資が必要かが書かれている。今回の動画では、「対BT兵器、薬剤、人間の精子、卵子」をポートノットという都市へ運び、カイラル通信を接続することが目的。

だが、物資を運ぶには道なき道を行かなければならないため、はしごやロープといったサバイバル道具などをカイラルプリンターで作成し、支援物資の他にサムの荷物へと積んでいく。ブーツも重要で、ブーツは距離によって摩耗して壊れていくので、必ず替えの靴が必要だという。靴がいくつ必要かは移動距離によって考えなければならないが、今回はとりあえずふたつ作成。

これらを全部積むと、最初のうちは50キロ少々だった荷物が、69.8kgにもなってしまった。このままではバランスが悪いので、ツールハンガーやポーチに装備を分配していく。自分でいじることもできるが、面倒な人は「最適化」ボタンで一括で処理してくれるというので、安心だ。

荷物の重さやバランスでスタミナの使い方などが変わってくる。L/Rボタンでバランスを取りながら進むことになるが、体力の使い方もバランスで変わってくるという。

目的地までのルートは地図をみて決められるそうで、地図に引いたルートは実際の画面にも反映される。だが、その通りに進む必要はなく、あくまでガイドは進行方向の目安程度のもののようだ。

ここから先、サムはひとりで物資を届けることになる。小島氏は「ひとりで」を強調しているが、そこに「ソーシャルストランドシステム」の謎があるようだ。

また、サムが進む道には様々な地形がある。地形センサーを発動させることで、その地形の情報を知ることが可能で、黄色は滑りやすく、赤色は転ぶ場所で、転ぶと荷物が破損してしまう。

赤い点々で示されているのが、転ぶ箇所。避けて通るようにしよう。

川を渡る際には、スタミナを消費する。スタミナが無くなってくると足を取られてしまい、固定されていない荷物は流されてしまうので、注意が必要だ。また、センサーで赤くなっている場所は、水底が深い場所。ここも、通ろうとすると流されてしまう。

道中には、サブミッションのようなものが発生することがあり、必ずやる必要はないが、達成するとカイラル通信に加入してくれたり、アイテムをくれたりするそうだ。

今回は途中で見つけた荷物をミュージシャンの家に届けるというサブミッションをこなすことに。ロープやはしごを駆使して、ミュージシャンの家に到着したら、荷物を納品。ミュージシャンが出迎えてくれ、カイラル通信に加入してくれるという。そのミュージシャンの姿は、なんと三浦大知さん。三浦さんのようなカメオ出演に限った話だけでなく、サムが使うアイテムなど、あちこちに様々な人や企業とのコラボがあるようだ。

なお、三浦さんがカイラル通信に加入してくれてつながったことで、別の世界のサムの痕跡が見えるようになる。これが「ソーシャルストランドシステム」だ。

他の世界のサムが残した痕跡には「いいね」を送ることが出来る。「いいね」をたくさん集めるような痕跡を残すと何が起こるのかは語られなかったものの、恐らくはそこにも何かが秘められているのだと思われる。もちろん、自分のサムが置いたものは、どこかの世界のサムに共有されるのだ。そして「いいね」を通じて、他の世界のサムたちとやり取りができる。

なお、プレイ中にブーツが壊れてしまったが、ブーツが壊れた状態のまま歩くと爪が剥がれたりしてしまうので、ここで持ってきた新しい靴にはきかえる。
休憩をすると、そこで自動セーブされ、そして休憩したところには”ケルン”という痕跡が残る。このケルンも世界中のサムに共有され、ケルンで休憩すると更に何かがあるようだ。

また、道中でどこかの世界のサムが建てたロッカーを発見。ロッカーにはパワードスーツ(持てる荷物の量がアップする)と、フローター(荷物運搬などに使えるボードのようなもの)が入っていたので、それらをもらうサム。

世界中のサムの力を借りながら進んでいくと、ミュールと呼ばれる配達症候群なる集団と遭遇する。

眼下に見えるのが、荷物運搬症候群の集落。避けて通ることも出来るが…。

人の命は取らないものの、荷物についているタグが彼らのセンサーに反応して、荷物を全部とられてしまう。世界中の人がミュールに荷物を取られているが、それを取り返しに行くことも可能ということで、今回は取り返しにいくことに。だがもしも取り返しに失敗して自分がミュールに捉えられてしまうと、最悪靴までも取られてしまうというから、この判断は慎重に行いたい。

フローターに乗せていた荷物を一度下ろし、フローターをスケートボードのようにして斜面を一気に滑るように進むサム。

ミュールのロッカーの中には、歩くスピードがアップするスピードスケルトンがあったので、装備をそれに変更。しかしそこでミュールに発見されてしまう。ミュールの使う槍には気絶効果があるので、攻撃に当たってしまうと荷物を全部奪われてしまう。

幸いスピードスケルトンを装備中なので、走って逃げることに。しかしスピードスケルトンも電力で動いているもので、充電が切れると効果がなくなってしまう。そこにタイミングよく(?)、他の世界のサムが建てた充電器が。スピードスケルトンをフルチャージにして、無事にミュールから逃げ切ることが出来た。

再びフローターに荷物を積み直して先へと進むが、小島氏は「ここからが怖い」と強調。「ここから」というのはエリアではなく、あくまでプレイ動画の中ではの話で、どうやら「雨」がこの世界では重要になってくるようだ。

「雨」が降ってくると、”BT”という目に見えないあの世のモノが出現するようだ。また、雨で荷物も劣化するため、嫌な人は迂回ルートを通るなりしてほしいという、小島氏。プレイを進めていけば天気予報も出来るようになるため、雨のところを極力通らないようにできるようだ。しかしどうしても遭遇してしまうこともあり、今回の動画ではあえて雨の場所を見せるという。

画面上にぼんやりと浮かんでみえる影が、BT。BTが見えるようになるセンサーを使うことでBTの位置がわかるものの、センサーを使ってもBTが見えるのはサムが止まっているときだけで、動くと消えてしまう。

だが、BTにも人間は見えてらず、音と気配で人間の存在を感知するため、できるだけ音を立てず、息を殺して進んでいくことになる。

途中に血液パックがあるのでそれを回収して、ボーラガンにサムの血液を混ぜると、一定時間BTを拘束できるという。そういったアイテムを駆使しながら進んでいくものの、途中でBTに見つかってしまう。BTに見つかると、地面からキャッチャーと呼ばれるモンスターに捕まってしまい、謎のエリアへと連れ去られてしまう。

一面が海のようなエリアへと唐突に運ばれてしまうサム。そして目の前には、自分を連れ去ったモンスターが…。

このモンスターは反物質で、このモンスターに喰われると街がなくなってしまうという。逃げることも可能だが、今回はあえて戦う道へ。BT兵器にサムの血液が入ったグレネードを装填し、何度も撃ちこむものの、なかなか倒れないモンスター。このモンスターとのバトルはかなり厳しい戦いに見えたものの、だが、小島氏にいわせると、このモンスターで「雑魚レベル」なのだそう。

武器がなくなってしまったら「コミュニケーションボタン」で助けを呼ぶことが出来、他の世界のサムから血液パックや武器などが送られてくる。一人で戦っているけれど、一人ではないのだと、小島氏は強調した。

他の世界のサムの助けも借りてなんとか勝ったが、すっかり疲労困憊のサム。そこにちょうど温泉を発見した。この世界の温泉には様々な効果があり、この温泉は”バッテリー温泉”。その名の通り、バッテリーの充電ができてしまうという謎の温泉だ。

途中、バイクが置かれており、一気に目的地までの距離を詰めることが出来たが、「この先バイクでは進めない」という看板を発見。マップを見てみると、入り組んだ山道になっているようだ。バイクを降りて、道を進んでいくと、ついに目的地であるポートノットシティが眼下に見えてきた。

目的地が見えてくると、カメラワークが変化し、まるで映画のワンシーンのように歌が流れ始め、サムのこれまでの旅路を労ってくれる。

この演出は相当にこだわりのある部分だそうなので、ミッションの目的地にはぜひ自分の足で、歩いて辿り着いてほしい。

こうして無事にサムはポートノットシティへ到着して、支援物資を納品。荷物の損傷具合などでミッション評価が変わるようだ。

そしてカイラルネットワークを繋げると、今回のミッションで広がったカイラルエリアを確認することが出来る。

今回のプレイはここまで。この先、更にゲーム内で行えることは、9月14日、15日にTGSで行われるステージ「DEATH STRANDING」 GAMEPLAY SESSION Vol.2、Vol.3にて紹介されるとのことだ。

このステージで、ようやく「DEATH STRANDING」の一端が見えてきたのではないだろうか。ゲームの中のネットワークを繋いでいきながら、世界中のサムと繋がり、自分は1人ではないのだと感じる、だから小島氏はこのゲームを「ストランドゲーム」と名付けたという。

プレイ動画の序盤にて登場したミュージシャンの三浦大知さんもスペシャルゲストとして登場し、小島氏の作品への想いや、「DEATH STRANDING」への期待、そして自分が小島氏の作品に登場することへの感動などを語ってくれた。

小島氏は、「独立して、何もないところから作り始めたゲーム。人と人との繋がりに支えられた」とこのゲームを制作するにあたっての想いを口にした。

”世界中の誰かと繋がる”ストランドゲーム、「DEATH STRANDING」。このゲームの更なる真髄に迫るためにも、9月14日、15日のステージも見逃せない。

TGS会場に駆けつけられないファンのために生放送もあるので、チェックしてほしい。

PlayStation presents LIVE SHOW “TGS2019”
https://www.jp.playstation.com/events/tgs/stage-broadcasting-program/

DEATH STRANDING

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PS4ダウンロード

  • 発売日:2019年11月8日
  • 17歳以上対象

DEATH STRANDING デジタルデラックスエディション

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  • 発売日:2019年11月8日
  • 17歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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