千葉・幕張メッセにて9月12日より開催の「東京ゲームショウ2019」。セガゲームス/アトラスブースにて試遊出展されている「新サクラ大戦」の開発に携わる、プロデューサー・片野徹氏とディレクター・大坪鉄弥氏へのインタビューをお届けする。

――先日の世界最速体験会、そして今回の東京ゲームショウ2019での試遊出展といよいよ発売が迫ってくる中で、これまでの振り返っての率直な感想をお聞かせください。

片野氏:もうここまでは、とにかく目の前にあるものに対して必死に取り組んできたので、ずっとやり続けているという感じはあるのですが、それ以上に「サクラ大戦」というIPのファンの方々がこれだけいたんだという実感を受けている感じです。

大坪氏:このタイトルが動き出してからもうすぐ3年になるのですが、最初の頃は自分たちの仕掛けているいろいろなネタがお客さんにどれだけ受け入れられるかかなり不安な面もありました。セガフェスで発表されてからここまで、いろんな発表をさせていただきましたが、Twitterとかを見ていても好意的で、盛り上がっているのがすごくありがたいなと思います。

この間の体験会に関しては、来ていただいたお客さんは濃いユーザーさんだと思うのですが、アンケートも拝見したところ、その評価もかなり良かったので、スタッフ一同まだ気は緩められないものの、一旦は良かったなと思える状況にはなっています。

(左から)大坪鉄弥氏、片野徹氏
(左から)大坪鉄弥氏、片野徹氏

――新たにジャンルがドラマチック3Dアクションアドベンチャーとなり、戦闘パートを大きくアクションに寄せてきましたが、そのコンセプトを教えて下さい。

片野氏:今の時代に一番ゲームを魅力的に見せられる形態ってなんだろうなと考えた時、特に「新サクラ大戦」として今一度立ち上げようという転換期ではありましたので、そこはゼロベースで考えて、その時に一番良い選択をしていこうというところから、アクションという選択になっていったという感じです。

大坪氏:僕らも本格的に立ち上がる前にはシミュレーションも含めていろいろと考えましたが、これまでやってきたことを同じようにやるのでは予定調和でしかないというところもあり、今の時代にフックする施策がなんだろうと考えた時に、ジャンルを含めて考え直しなさいというのは名越(セガゲームス 取締役CPOの名越稔洋氏)からも言われていたので、そこでいろいろ試行錯誤をしながら現状のアクションになりました。

アドベンチャーもほぼフル3Dになって、見た目の印象がガラリと変わったことによって新たな魅力も出てきています。ただ、根底にある「サクラ大戦」らしさは意識して、言葉に表しづらいところもいっぱいあるものの、エッセンスとしては残した上で作っているつもりです。旧来のユーザーさんに触ってもらうと、外見的なところは変わっていますが、本質的なところは「サクラ大戦」として味わってもらえるのではないかなと思います。

――アクションの挙動が全体的に軽やかで、機動性のある動きが印象的だったのですが、このあたりのこだわりについてもお聞かせください。

大坪氏:これもかなり試行錯誤をした結果、今のテンポ感になってきた部分はあります。最初はもう少しゆったりとした感じを考えていたのですが、それだと印象は変わらないですし、コンセプトをしっかりと据えて作りなさいと名越からも言われてこともあり、「サクラ大戦3」で光武が壁を走ってクルッと回るような映像なども踏まえて、この機体の体型でもスピーディーに転換するような動きも合うのではないかと思い、壁走りを入れたり、アクション自体もテンポよくしています。

片野氏:見た目で重そうに見えるのですが、基本的には中に人間が入っていて、手と足を突っ込んで動きを伝えている機体なので、実は人間と同じような動きをするというのが自然なところではあります。また、今回はアクションゲームにすることもあり、よりアクション性の高い可動域を持ったモデルにしているので、そのあたりが活かせるゲームという面でも、チャキチャキと動く感じが一番気持ち良いのかなと。

大坪氏:霊子戦闘機・無限のモデルも、今情報として出させていただいている絵が最終形ですが、実は一回作り直しています。最初は昔の光武のようにもう少しずんぐりとしたデザインだったのですが、アクションに転換するにあたって、アートディレクターからこのままだとテキパキとした動きのアクションに向かないという意見があり、大きな改造を施しています。

――世界最速体験会ではアクション部分が難しいという声もあったかと思いますが、バランスとしてはどのあたりを意識したのでしょうか?

片野氏:当初から、基本は昔シミュレーションゲームを遊んでいて、アクションをほとんど遊んでいない方が触る可能性が高いこともあり、アクションゲームが初めての方でもエンディングが見られるようにというのはコンセプトに掲げて進めています。ただ実際、体験会で触っていただいたのは第4話の中盤のステージだったこともあり、難しく感じたのではないかと思います。

大坪氏:基本的にはメインはアドベンチャーのシナリオ部分で、そこにアクションが入ってくるというものなので、あまりアクションが得意でないユーザーさんにも楽しんでもらえるよう意識はしています。

体験会では慣れていることが前提のステージだったこともあり、先月末のタイミングでは少し難しかったところもあったと思いますが、今回東京ゲームショウ2019で出展しているROMに関しては調整を加えてあります。

片野氏:最速体験会ではそんなに行かないだろうと思って最初の方だけは調整していたんですが、途中から難しくなったところでみなさん難しいとお話されていたので、みんなそこまで行けちゃうんだというところで、全て調整させていただいています。

大坪氏:家で遊べるときはゆっくり遊べるので、オプションの設定も自分の好みに合うように調整したりと習得しながら遊ぶというタイミングがあるのですが、今回はその過程をスパッと飛ばしているので、慣れているユーザーさんは進めて、慣れていないユーザーさんは特定のところで引っかかってしまうというところがありました。

片野氏:アンケートの中でも、簡単すぎるという方が一人、二人いらっしゃいました。経験値の高い方は、意外とサクサクと進められるという難易度だと思います。

大坪氏:その一方で、アクションゲームは苦手という方をフォローアップできる救済措置も入れてあるので、クリアはできると思います。開発チームにもアクションの苦手な開発者はいるのですが、ゲームの開発終盤からはすっかり慣れた様子なので、コツを掴んでもらえれば攻略自体は難しくないかなと。

――先ほどお話しに出た壁走りもそうですが、戦闘以外にもマップ上でのギミックが豊富な印象でしたが、そのあたりは進む上でのメリハリをつけるような意図はあるのでしょうか?

大坪氏:遊んでいて単調にならないよう、ステージ全体の仕掛けとして楽しんでもらえるギミックをいろいろと入れています。ただ、1話の冒頭からいきなりギミックだらけみたいなことにはなっていないので、そこはバランスとりながらではあります。

――アドベンチャーパートは試遊版をプレイしただけでも楽しめる要素が盛りだくさんでしたが、特に力を入れているポイントがあればお聞かせください。

大坪氏:一番はキャラクターを活かすためのイベントシーンですね。見ていただければ分かる通り、LIPS(時間制限式選択肢)とかでも分岐した先が映像的にも分岐していて演出も異なっています。1回のプレイでは1つのLIPSしか選択できませんので、そこを2回、3回とやっていただいて、全ての選択肢を見ていただきたいなというのはあります。

また、アドベンチャーパートも自由に探索できるようになった分、いろんなところにいろんなイベントを配置したりしています。現状の試遊版に関しては、いろんな要素を詰め込んで一つにまとめていますが、製品版での各話の移動パートは密度のあるものになっています。メインストーリーを追いかけるだけでなく、サブストーリーも楽しんでもらいたいと思います。

――イベントにおけるキャラクターとの会話は、一つ一つのセリフにモーションがつけてあって、そこに驚かされました。試遊版では時間に限りがあるので、ついつい飛ばしてしまったりもするのですが(笑)。

大坪氏:僕らとしてはボイスはできるだけ飛ばさずに、そのまま放っておいても進むので見ていただきたいのですが、試遊版では時間制限がある都合上、そうせざるを得ないですよね(笑)。ぜひともこれは製品版でじっくりと楽しんでほしいです。

片野氏:セリフの最後のほうでいい演技やカメラが入っていることもあるんですよね。

大坪氏:イベントのクオリティラインとかも、名越に何回か見せに行って、散々ダメ出しされて、その度に悔しく思いながらクオリティアップを重ねて今のところまで来ているので、そこはじっくり楽しんでほしいと思います。

――本作のストーリーに関する見どころについてもお聞かせください。

片野氏:イシイさん(ストーリー構成のイシイジロウ氏)ともお話していたんですが、今回のストーリーは随所に新しいものと古いものが交錯する部分が散りばめられています。ゲームをやっていて、古くからのファンと新しく入っていたファンの立場に置き換えてみるとキレイに収まるところがあります。こちらとしても求めているのは古いファンも新しいファンも一緒に楽しく遊べるというところだったりするので、最終的にお話もそういう風になっていく感じです。

大坪氏:新規のお客さんが入ってくる上でできる限り敷居を感じないようにしたいと思いつつも、これまで積み上げてきたものを捨てるのではなく大事にしていきたいと思っています。なので新しいユーザーさんは敷居を気にせず入っていただきたいですし、長く「サクラ大戦」のファンでいらっしゃるお客さんにはそのあたりのエッセンスを感じてほしいと思います。このシーン見たことあるよね、というのも含めていろいろなところに散りばめています。

――長い歴史があるシリーズなので、接点もそれぞれ違うところにありますよね。

片野氏:過去の「サクラ大戦」を知らない方が「新サクラ大戦」をプレイしても、遊び終わった後に“すみれさん良いな”とか“過去の華撃団って本当にすごかったんだな”という印象をちゃんと受けるような内容にはなっていると思います。

――久保帯人先生をはじめ複数の方がキャラクターデザインに参加されていますが、3Dモデルとして表現する上で意識した点があればお聞かせください。

大坪氏:今の時代、複数の作家さんが1つの作品に関わって構築されるということ自体はポピュラーだと思うので、立案時点でその部分を意識はしないでおきましょうということで進めています。ただ、各作家さんごとにキャラクターデザインの等身が違ったりする部分もあるので、そこを合わせる意味でキャラクタービジュアル設定という立場で工藤昌史さんに入っていただいて、全体の空気感を合わせる調整はしていただいています。

そうした上でモデリングをするのですが、そのままモデリングしてもそのままになるわけではなく、キャラクター原案を考えられている方々のエッセンスを感じてもらえるよう、キャラクター班のメンバーはすごく腐心していましたね。

実際、さくらや神山については開発期間の3分の2ぐらいはいじっています。久保先生からいただいた最初の立ち絵、工藤さんに描いていただいた絵、そのほかのバランスを見ながら、パッと見た瞬間に“このキャラクターは久保先生(のデザイン)だな”と分かるように調整はしていました。

片野氏:今回3Dということもあり、どの角度から見てもよく見えるところだったり、毎回言わせていただいているところでもあるのですが、動いて良く見えるというところが「新サクラ大戦」の良いところではあると思います。逆に止め絵では伝えきれないので、必ず動画で見せていかなければいけないというところはあります。

ただ、体験された方は一様に「動いているのをみると全然違います」と言っていただけているので、そのあたりは試遊版をプレイしていただきたいなと思いますし、動きも良くなるようにモーションも頑張っていただいています。

大坪氏:名越にも表情をもっと豊かにと言われていたこともあり、そのためにモデル班とイベント班が連携して、喧々諤々としながら調整していきました。

――キャラクターのリアクション一つとっても、普通の感覚で見るとちょっと大仰な感じはありますが、それをゲームの中で見るとちょうど楽しめるラインになっているなと感じました。

大坪氏:そのあたりは名越にいろいろと助言してもらえたことが活きているなと感じています。

――東京ゲームショウ2019ではゲーム内の情報に留まらず、TVアニメ化などさまざまな新情報が発表されていますが、「新サクラ大戦」を新たな流れとしていく上での展望があればお聞かせください。

片野氏:作品の世界観、そして今回たくさんのクリエイターの方々に参加いただいていることによって生まれたものを楽しみ尽くす必要が僕はあると思っていて、実際にゲームだけではもったいないということで、コミックのほうで違う魅力を伝えられたり、TVアニメのほうでも引き続き表現していけるということで、この輪はどんどん広げていきたいなと思っています。ひいては、次の作品までつなげていければ感無量でございます。

大坪氏:開発としても、表に出てはいないものの、先々を見据えて考えていることは結構あります。もしかしたら最終的にボツになってしまうものもあるかもしれませんが、そうしたところも含めて、1作で終わらせるわけでなく、いくつもの要素がつながって、広げていければと思います。

それが里見(セガゲームス 代表取締役会長CEOで、本作の製作総指揮も務める里見治紀氏)からの至上命題でもありますので、その仕込みをしつつ、セガサミーグループ全体で一丸としてやっていければと思います。

――今回試遊版を出展されていますが、まだまだ触ることのできない方もたくさんいらっしゃると思います。そうした機会を今後、発売に向けて検討されてはいるのでしょうか?

片野氏:東京ゲームショウ2019だけで終わらせてしまうのはもったいないので、体験版が遊べるような機会というのは設けていきたいと思っています。少し時間がかかってしまうかもしれませんが、必ず遊べるようにいたします!

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。

大坪氏:きっかけとなったセガフェスでのアンケートから大分時間も経ちましたが、やっともうすぐ花が咲きそうな状態になってきましたので、今年の12月12日を楽しみにしていただければと思います。開発チーム一丸となって最後の追い込みに入っていますが、何とか発売日は守りたいと思いますので、ご期待ください!

片野氏:冒頭にも言ったとおり、こんなにファンの方々がいて、たくさんの方々に支えられている「サクラ大戦」というのがすごく幸せな作品だなと思っております。不躾ではありますけれども、今後とも「新サクラ大戦」を支えていただければ幸甚に存じます。よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。

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