2026年10月3日から4日にかけて、大阪のコングレスクエア グラングリーン大阪にてインディーゲームのイベント「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」が開催された。ここでは、STUDIO 909が開発を手掛ける「クワイエット急行909号室」を紹介しよう。
「クワイエット急行909号室」は1週間かけて大陸を横断する鉄道「クワイエット急行」を舞台にした一人称形式のアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは乗客のひとりであるアシュトンとなり、誰も存在を知らないという「909号室」を探して列車内を探索していくことになる。今回の「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」ではプレイアブル出展されており、多くの来場者の注目を集めていた。


物語は終点のグレゴリーを目前とした旅の7日目から始まる。列車内にはミステリアスな女性エンバー、巨大な身体を持つ少女ポーラ、鱗が生えている青年キア、乗客の行動に目を光らせている車掌などのさまざまなキャラクターがおり、彼らと会話したり車両内を調べたりしながら先頭車両に向かって移動していく。
窓の外の景色が流れていくなど列車で旅をしている雰囲気は申し分なく、車両内に置かれているものも豪華な長距離列車を思わせるもので、まったりとした旅情気分を味わえることだろう。


さらに面白いのが車両の編成が変化するところ。主人公が別の車両に移動する際、次の車両の内容がランダムで3つ提示され、どの車両に行くか選ぶことによって列車内の状況が分岐していくのだ。客室のほか食堂車や植物園など車両の種類はさまざまで、デッキから車両カードを選ぶようなローグライクな要素も本作の大きな特徴となっている。
そうこうしているうちに先頭車両に到着し、ほかにすることもないので7日目を終了することを選択したのだが、すると突然トンネル内で落盤事故が発生。クワイエット急行は煉瓦と瓦礫に押しつぶされて乗客乗員全員が死亡したことが告げられた。
ところが、死んだはずのアシュトンは事故の2日前のクワイエット急行の廊下で目覚める。実は時間がループしていて、旅の最終日である7日目に起こる悲惨な事故を防ぐべく、アシュトンは5日目からやり直すことになる。つまり本作は、同じ時間を繰り返しながら列車内を探索していくタイムループものでもあるのだ。



まずは車両内を歩き回って事故を回避するための方法を探し出していく。ただ、トイレやごみ箱などを調べると、そのたびに車掌の警戒度が上がっていってしまう。車掌の警戒度がマックスにならないように探索を進めていくべきなのか、それとも警戒されるのを承知であちこち調べるべきなのか。車両内では車掌の鍵が必要なところもあり、車掌とどう対応するかも重要なポイントと言えそうだ。
もちろん、「909号室の謎を追う」という目的も並行して進める必要があるようで、今回のプレイではエンバーとの会話を進めることで、909号室についてより詳しく調べるためのとあるアイテムを入手することができた。どの車両を探索し、誰と会話して、どのように物語を進めていくべきなのか。さまざまなことを考えながら自身の行動を決めていく必要があり、通常のミステリーアドベンチャーとはひと味違うプレイを楽しめそうだ


残念ながら筆者は最終日の7日目に行き詰まってしまい、再び事故に見舞われる結果となってしまった。ここで試遊は終了となったのだが、プレイ後に開発会社であるSTUDIO 909の代表である木戸祥也氏にお話をうかがったところ事故を防ぐ方法はひとつではないとのこと。いくつかの方法教えてもらえたのだが目からウロコで、固定観念にとらわれずにどんな方法でもとりあえず試してみることが重要になると言えそうだ。
ちなみに、ループ時にそれまでのプレイの内容は引き継がれるそうで、完全なやり直しにはならないようだ。失敗してやり直しになっても決してムダではなく、何度もループすることで新たな発見が得られ、ゲームもより進めやすくなるのだろう。


もちろん、1回目のループで事故を回避することも可能になっているが、初見ではかなり難しいようで、これまでの試遊でもほとんどのプレイヤーが事故を繰り返してしまっていたとのことだ。そのため、もう少し事故を避けるための情報を見つけやすくするなどのバランス調整を行いたいとも語っていた。
重大な事故が目前に迫っているという緊迫した状況でありながら、いかにも列車の旅というゆったりした雰囲気が心地よく、鉄道や旅好きな人にはたまらないのではないだろうか。とはいえ、ミステリーの要素が浮いてしまっているわけではなく、いい具合で融合していたように思う。ミステリー、鉄道もの、タイムループ、ローグライクというさまざまな要素をあわせ持つ本作。正式なリリースを期待して待ちたい。


(C)STUDIO909
※画面は開発中のものです。
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