2019年9月21日、22日の二日間に渡ってパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2019 -交響組曲エオルゼア-」。ここでは、9月22日の公演の模様をお届け……しようと思ったのだが、このレポートは単なるレポートではない。

目次
  1. 第1部「新生/蒼天編」
  2. 第2部からは紅蓮編
  3. アンコールはまさかのダブルアンコール、そして……
  4. 会場の展示を紹介!
  5. 6年分の想いを込めて

筆者は「蒼天のイシュガルド」(以下、「蒼天」)の頃からGamerにて祖堅正慶氏の音楽へのインタビューなどを積極的に行ってきた。もちろん2年前に開催された「交響組曲エオルゼア」にも足を運び、レポートを書いた。今回もこうしてレポートを書く役目を授かった。

だが、これはレポートではない。祖堅氏の音楽に触れて、そして話を伺うチャンスがあったひとりの光の戦士による今回の「エオコン」の【記録】である。あらかじめ、それをご了承願いたい。なお、本稿には「漆黒のヴィランズ」(以下、「漆黒」)までのネタバレを含む。くれぐれもご注意願いたい。

第1部「新生/蒼天編」

第1部は、「新生/蒼天編」と称し、2年前に開催されたコンサートとほぼ同じ楽曲が演奏された。

1曲目は、プロデューサーレターライブ、通称「PLL」のオープニングとしても使われている「希望の都」。2年前のコンサートと同じチョイスだ。前に進むことを強いられた国・ウルダハが持つ光と闇を併せ持つこの曲は、ある意味で「漆黒」を終え、光の戦士から闇の戦士になった今だからこそ、コンサートのスタートには最も相応しいのかもしれない。

2曲目は黒衣森の「静穏の森」。ピアノの静かな調べから始まる曲で、ピアノを担当するのは「FF14」のアレンジアルバムやファンフェスティバルのピアノコンサートでもお馴染みのKeikoさん。しばらく第1世界にいたこともあって、森といえばラケティカ大森林でラヒってばかりだったのだが、木々の鬱蒼とした雰囲気を感じつつ、土と樹がこちらの音を吸い込んでいくような独特の静寂感に、やはり「FF14の森といえばこの曲」としみじみ思わせられる。

そして舞台上には「FF14」のプロデューサー兼ディレクターで本日のMCを務める吉田直樹氏が登壇した。吉田氏は会場を見渡して「ちょっと緊張されているのか、皆さん硬いですね」と笑いつつ、会場アンケートを実施。「今回、オーケストラコンサートが初めてという人」という質問には、会場の1/3ほどが挙手をしており、この多さにはかなり驚いた。ゲーム音楽のオーケストラコンサートがメジャーになって随分と経ち、その都度こういった質問がされることは多いものの、ここまで初見の割合が多いのは筆者が見てきた中でも初めてかもしれない。これは「FF14のオケコン」だからこその、特異性なのかもしれない。

3曲目は、アルテマウェポン戦の「究極幻想」。筆者が2年前のコンサートで、最も尊かったと称した曲だ。その理由をあえて繰り返すのならばそれは筆者がサンクレッドをこよなく愛し続けて6年になるからに他ならない(2年前の時点では4年だったが……)。もしかしたら歴戦の光の戦士にとっては、絶アルテマウェポン戦でかかるオーケストラアレンジの印象が強いかもしれないが、筆者にとってはやはりこれは今でもサンクレッドの曲の一部だ。

スクリーンに流れるのは、2年前と同じく、サンクレッドの身体を乗っ取ったアシエン・ラハブレアによって覚醒したアルテマウェポンのシーン。6年前の当時の筆者は「きっとここでサンクレッドを失う」と思っていた。だからこそ6年前、「究極幻想」という曲は、「この戦いが終わったら、この曲が終わったら、サンクレッドとはもう会えないのだろう」と、私の鼓膜から絶望感を伴い浸食してきた曲で、それでも泣きながら戦い、そして永遠に忘れられない一曲となった。

失われないと解っている今、もしかしたらそれほど痛烈なものはもう感じられないのかもしれない。どちらかというと、絶アルテマウェポン戦での死闘のほうが記憶に刻み込まれている光の戦士のほうが多いのかもしれない。だが、理由はどのようなものでもいい。それぞれのゲーム体験は、それぞれ違って当たり前なのだから。

「FF14」には、「私はロックが好き」「私はオーケストラが好き」といった単純な好き嫌いでは測れない、魂に刻まれた曲というものがいくつもある。そしてより一層深い傷をつけられた曲というのが、恐らくは”最も好きな曲”になるのではないだろうか。この場合、傷というのは痛みを伴うものに限った話ではない。痛みを伴わなくても、傷はつけられるのだから。けれども、こういうゲーム上でのたくさんの経験を重ねて、緩やかに光の戦士たちは「FF14」を彩る音楽に落ちていくのだろう。

ようこそ、闇の世界へ。(これまでのBlu-ray等を全部買うと財布が死ぬので、新規さんはゆっくり無理なく追いついてください)

さて、新生編はここまでとなるのだが、祖堅氏は2年前のコンサート後のインタビューで

祖堅氏:だから僕は今回、譜面上は2ループの構成で作りつつ、1ループ目はゲーム中で鳴っている音をそのままオーケストラでやったらどうなるのか、といったところにかなり神経を使って作りました。そして2ループ目はオーケストラならではのアレンジ要素を持ってきました。

※光の戦士がエオルゼアの英雄となった軌跡を音楽で振り返る―「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2017 -交響組曲エオルゼア-」東京公演初日の模様をお届け!(https://www.gamer.ne.jp/news/201709280082/2/)終演後、吉田直樹氏、祖堅正慶氏、植松伸夫氏にインタビューより

こう答えており、「この構成により、ゲーム体験により深く寄り添えるようになるのはもちろん、オーケストラってすごいんだな、というのがわかりやすくなるではないか」、とも述べていた。前述の会場のアンケートでも初見の光の戦士がかなり多かったこともあり、改めてこの2年前の祖堅氏の言葉を伝えたい。

そんな祖堅氏も吉田氏に呼ばれてステージへと登壇。祖堅氏は2年前のコンサートから今日のことまでを振り返り、「前のオーケストラコンサートの時、ずっと”早くオケコンをやってほしい”という声を頂いていて、ようやく開催できたと思ったのに、それが終わった直後から”紅蓮のオケコンはまだか”と言われるようになった」と振り返り、ようやく今日、紅蓮編までたどり着けた感謝を語った。なお、恐らく既に祖堅氏は「それで漆黒のオケコンはまだ?」と言われている頃だろう。

4曲目は「Heavensward」。ここから「蒼天編」の始まりだ。「蒼天」の当時のことを祖堅氏は、こう語っていた。

祖堅氏:とにかくあの曲(「Heavensward」)については、「絵尺変更不可の、フルオケ160人構成の、世界に打って出られる曲を作ってくれ」という、うちのプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹からのオーダーで……さすがにキツかったですね(笑)。

※「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」サウンドデザイナー兼コンポーザーの祖堅正慶氏に、パッチ3.0の音楽や新作サントラについて独占インタビュー(https://www.gamer.ne.jp/news/201508220002/)より

「世界に打って出られる曲」という言葉が、今こそ胸に刺さる。「蒼天」はもう4年前になるが、それが世界中に広がるに広がって、今日という日があるのだから。この曲は原曲から大きなアレンジはないものの、「Heavensward」を忠実に再現した演奏だからこそムービーとのシンクロ率が凄まじい一曲だ。コンサートでこの曲を聞いて、音楽の持つ圧というものを感じられた光の戦士も多いのではないだろうか。

5曲目は「英傑 ~ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~」。この曲については、

祖堅氏:(ラストバトルであることを)意識して作りました。前廣からのオーダーも、「ラスボス」と書かれているだけという感じでした(笑)。物語の展開的には絶対にアイツを倒さないといけないのですが、敵の言い分もわかるじゃないですか。その葛藤と共に戦っていくところを表現できれば、と思って作曲しました。

※「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」サウンドデザイナー兼コンポーザーの祖堅正慶氏に、パッチ3.0の音楽や新作サントラについて独占インタビュー(https://www.gamer.ne.jp/news/201508220002/)より

……このインタビューから4年が経ち、「FF14」にはこういうラスボスばかりだな、と思いつつ、ここまでラスボスに相当するのは4体しかいないため、「漆黒」の罪は深いという話になってしまうのだが、ここではニーズヘッグやツクヨミなどもあえてラスボス枠に含めて語りたい。

「英傑 ~ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~」を聞くと今でも歴代極蛮神の中で最強ではないかとも称される極ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦での死闘を思い出す光の戦士もいただろう。一度は下限ILでのチャレンジをしてみてほしい極蛮神のひとつだ。

6曲目に演奏された「Dragonsong」は「蒼天」のテーマソングであるものの、ニーズヘッグ戦での印象が強く、まさにその「倒さないといけないけれど戦いたくない敵」の曲だった。愛を語る唱をBGMに、憎悪でもって戦うというバトルは本当に胸が痛い。そして「Dragonsong」では2年前のコンサートと同様、3.0のメインストーリーの様々なシーンがスクリーンで流れており、視覚でもこちらの感情をぐわんぐわんと容赦なく揺さぶってくる。

「Dragonsong」の作曲者である植松伸夫氏は「Dragonsong」の依頼を受けた時、「Answers」に続いてこの曲もスーザンさんしかいないと最初から決めていたそうだ。吉田氏も「スーザンさんの歌声はハイデリンの声、マザークリスタルの代弁者」と語っていたのは、2年前のコンサートのこと。

「漆黒」まで終えた今、”ハイデリンの声”としてこの曲を聞くほどに、この時ハイデリンの抱えていた思いを深読みしたくなる。悲哀? 苦痛? 葛藤? それともそんな感情とは違う何かが、やはりハイデリンにはあるのだろうか。改めてこの曲と向き合い、ひしひしとそんな想いが胸を満たした。

7曲目は「銀鱗と鋼鉄」。この日の祖堅氏のトークで、開発陣営から「銀鱗(ぎんりん)が読めない」と言われ、通称「銀鱈(ぎんだら)」と呼ばれているという秘話(?)が明かされた。

この曲は神龍戦前半の曲という印象が強いと思うが、3.56でのオメガvs神龍のカットシーンの曲。吉田氏いわく、「FF」というシリーズに関わる上で、以前からずっと因縁があったように描かれているのにこれまでどのシリーズでも触れてこられなかった神龍とオメガについて、どうしても自身の手で作ってみたいという想いがあったのだという。それだけにカットシーンや楽曲にとてもこだわったそうで、当時全チームがそのカットシーンの作成で屍と化したそうだ。

この「銀鱗と鋼鉄」は、「蒼天」と「紅蓮」をつなぐ曲であり、このコンサートでも「蒼天編」と「紅蓮編」をつなぐ役割を果たしてくれた。

8曲目は「クリスタルタワーメドレー」。吉田氏によれば「漆黒をやっていると少しうれしい」という、2年前から少しだけ装いを変えた「絢爛と破砕 ~クリスタルタワー:シルクスの塔~」の新バージョンで、「悠久の風」がメドレーのなかに新たに組み込まれていた。

吉田氏:僕は「悠久の風」をすごくやりたかったのですが、「FF14」の曲じゃないよなと。でも個人的に聞きたくて(笑)。

祖堅氏:クリスタルタワーメドレーみたいな案もあったんですが、尺がめちゃめちゃ長くなるので厳しかったです。でも今回のクリスタルタワーは、通常時と戦闘時の2曲をひとつにまとめるといった工夫をしています。

※光の戦士がエオルゼアの英雄となった軌跡を音楽で振り返る―「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2017 -交響組曲エオルゼア-」東京公演初日の模様をお届け!(https://www.gamer.ne.jp/news/201709280082/2/)終演後、吉田直樹氏、祖堅正慶氏、植松伸夫氏にインタビューより

吉田氏と祖堅氏の2年越しの想いが、今回このように形を成しただけに、この実現は本当に喜ばしい。通常時とバトル時を組み合わせて、まさに実際にシルクスの塔の中にいるときのようなアレンジとなっている中、途中でふと差し込まれた「悠久の風」。そして映像は、もちろんクリスタルタワー関連クエストの一連のカットシーン。「漆黒」が終わった今だからこそ、「悠久の風」は「FF14」の一部となり、そして「FF3」を知らない光の戦士にも深い感慨を与える曲となった。

おはよう、グ・ラハ・ティア。

第2部からは紅蓮編

第2部からは「紅蓮編」……のはずだが、おもむろにステージにあがってきた吉田氏と祖堅氏。やがて二人は合唱隊の中央に。そして始まったのは、「我らが支配圏」だった。

なお、「我らが支配圏」にはこんな逸話がある。

――ラールガーズリーチはアラミゴ解放軍の拠点ということで、ちょっと軍歌っぽい感じの曲だと感じましたが、そこは意識されましたか?

祖堅氏:はい。描写的に色々想像してもらうところではあるんですけれども、元々あの土地に根付いていたメロディがあって、それがあるときは帝国の歌になって、ある時はアラミゴの民衆の歌になります。それは僕から提案しました。

――ラールガーズリーチは物語中で何度も状況が変わりますからね。

祖堅氏:最初は帝国バージョンから始まりますしね。曲単体で考えたらそれが一番カッコよかったかな。自分で「カッコよすぎね!?」って言っていました(笑)。

石川氏:言っていましたね、「これは帝国万歳になるわ」って。

※「ファイナルファンタジーXIV」サウンドディレクター・祖堅正慶氏とメインシナリオライター・石川夏子氏に、パッチ4.0の音楽について独占インタビュー!(https://www.gamer.ne.jp/news/201708250074/)より

ローカライズスタッフのマイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏の隠れた活躍もあったこの曲の更なる秘話はインタビューで読んでいただくとして、マイケル氏は開発者によるメッセージボードでも推しの一曲に「我らが支配圏」を挙げていた。

なるほど、確かに国歌を「書く」機会はなさそうだ。
ガレマールに栄光あれ!

ゲーム本編中ではあまり帝国バージョンがかからないこともあり、インタビューで「カッコよすぎね!?」と言っていた祖堅氏の言葉を、この場でようやく理解した人もいるのではないだろうか。帝国式敬礼をビシっと決めた吉田氏と祖堅氏の姿に、改めて惚れ直した光の戦士も多かったはずだ。

10曲目は「紅蓮」のIDボス曲となる「鬨の声」。

――今回のIDボス曲はどういった発注だったんでしょう?

石川氏:「東方でもアラミゴでも使えるよう、両方のテーマを使った……いつものIDボス!」と(笑)。

――面白い雰囲気でしたね。

祖堅氏:オリエンタルが今回のテーマですからね。IDボスも前半は、中東でもインドでも東方でもあるような和っぽいメロディにしつつ、後半はメジャーなオーケストレーションをかけて一気に壮大感を出しました。

石川氏:今回はアラミゴ側と東方側でまったく違う文化圏のエリアになっているのですが、すべて2通りずつ曲を用意すると、全部通したときに「紅蓮のリベレーター」というひとつの物語である感じが薄くなっちゃうなと考えていました。それで祖堅さんに「東方で聴けば東方っぽく聴こえるし、アラミゴで聴けばアラミゴっぽく聴こえる」ところを探してもらうのが、最初に苦労していただいたところですね。それがハマってからは、どんどん進んでいきました。

※「ファイナルファンタジーXIV」サウンドディレクター・祖堅正慶氏とメインシナリオライター・石川夏子氏に、パッチ4.0の音楽について独占インタビュー!(https://www.gamer.ne.jp/news/201708250074/)より

こちらも改めてインタビューの文面を読むと、メインシナリオライターの石川夏子氏の「東方で聴けば東方っぽく聴こえるし、アラミゴで聴けばアラミゴっぽく聴こえる」という、かなりの無茶振りがうかがい知れるのだが、そこを叶えてきちんと落とし込んでくるところが祖堅氏の音楽の素晴らしさなのだと改めて感じる。

スクリーンには、「紅蓮」で戦った様々なIDボスやアジムステップでのカットシーンなどが流れていたが、実際に「東方で聴けば東方っぽく聴こえるし、アラミゴで聴けばアラミゴっぽく聴こえる」というそれを実感した瞬間だった。

11曲目は「紅蓮」のメインテーマとなる「Revolutions」。再びスーザンさんが登壇し、解放の歌を力強く歌い上げた。この歌も「ハイデリンの声」として聴くと、「漆黒」を終えた今、違う感慨に包まれる曲だ。

「あの故郷は血溜まりに沈み今や瓦礫の下」……これは日本語訳のほうになるが、当時はアラミゴのこととしか思わなかった。しかし「漆黒」を終え、そしてスーザンさんの歌声がハイデリンの声なのだとしたら、これは別の意味にも取れてくる。その答えは、果たして6.0で得られるのだろうか。

スーザンさんは「FF14という作品に3曲も関わることが出来て嬉しい」と語った。また冒険の舞台が原初世界に戻ってきた暁には、ぜひスーザンさんの新曲が聞きたいところだ。

12曲目は「塩と苦難の歌 ~ギラバニア湖畔地帯:昼~」。なお吉田氏は、メッセージボードでも思い出の楽曲としてこの曲を挙げているほど、この曲が大好きだという。

筆者も実はこの曲は「紅蓮」エリア内のフィールド楽曲では一番聞いた楽曲で、思い入れが深い。主にシャキ待ちの間、ここでイクシオンを待っていたためなのだが、天候が変わらないままシャキってしまい、30分ほどして戻ってきたら既に終わっていた、なんていうことも数度あった。イクシオン待ちをしていた光の戦士「あるある」だと思いたい。

選曲としては随分と面白いところを突いてきたと感じたのだが、アラミゴ解放に向かって前に進んできた一行らが辿り着く、最終決戦の土地らしい勇ましさのある曲で、改めて聞くとフィールド曲のチョイスとしては「紅蓮編」に一番ふさわしい曲だろう。

そして13曲目は「紅の嵐」。クガネで流れる「暁の夜明け」から「紅蓮」のオープニング「血の嵐」へと続くメドレーで、尺八奏者の素川欣也さんを迎えての演奏。高い音が出る尺八と低い音が出る尺八の2本を曲の途中で持ち替えて演奏するという技には、素直に驚いた。情緒漂うクガネの音色にゆったりと身を委ね、スクリーンには何度もクガネのてっぺんからのカットシーンが映される。

私も第1世界に行く前までは、いつもあの場所からクガネの街を見下ろしていた。まだ「漆黒」から3か月ほどしか経っていないが、日常だったはずの景色を何か月も見ていなかったことを思い出すと、無性に「遠くにきてしまった」と思う。そんな郷愁に囚われていると、やがてそこから「血の嵐」で合唱が重なってきて……、そして最後にビシっと合唱と演奏が締まると、感極まったように会場に拍手が鳴り響いたのは、当然のことだろう。

13曲目の「月読命之唄」は、「父の誇り ~ヤンサ:昼~」から「狂える月夜 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~」、「月下彼岸花 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~」へとつながる、ヨツユの一生を描いたメドレーだ。ちなみにヤンサからツクヨミの流れについては、インタビューで祖堅氏が語っていたことが非常に印象的だ。

――4.0での祖堅さんと石川さんの“推し曲”を教えていただけますか?

祖堅氏:ヤンサのフィールドですね。「紅蓮のリベレーター」は全体的にオリエンタルな感じのテイストを入れたんですが、その中でもヤンサは“東方感”がよく出ているかなと。自分の中で表現したかったイメージを込められた曲ですね。

石川氏:私は新フィールドの6曲に思い入れがありますね。その中でもヤンサで使われている曲は一番はじめにできあがってきて、祖堅さんと「これヤンサだよね」ってお互いに言っていたので、これは残りもうまくいくなと思いました。

――それほどまでにヤンサがキーになっていたというのも、少し驚きですね。

祖堅氏:大きな赤い壁、遠くに見える大きな建物、近くにあるバラックのような民家、小川、「あまり綺麗じゃないんだけれど綺麗」という独特の感じですよね。土臭いんだけど見たことがあるような感じがビビっときたんです。音楽としては、ヤンサで昼と夜どちらもピタリとハマったのが、「紅蓮のリベレーター」の楽曲作りの中でも相当大きかったですね。ヤンサをね、ぜひ歩いてほしいんですよ。

石川氏:それなんですよ。走ってもいいんですけど、スプリントを使わないで走ってみてほしいんです。そうすると、ちょうど曲とテンポが合うんですよ。

祖堅氏:最初ヤンサを作ったときはもう少しテンポが早かったんですよね。ちょっと落としてみたら、走ってる音とぴったり重なるようになりました。

石川氏:種族によっては曲と歩調がばっちり合うので、ぜひスプリントを使わないで走ってみてください。

※「ファイナルファンタジーXIV」サウンドディレクター・祖堅正慶氏とメインシナリオライター・石川夏子氏に、パッチ4.0の音楽について独占インタビュー!(https://www.gamer.ne.jp/news/201708250074/)より

――ツクヨミで流れる歌の歌詞は、女性ヴォーカルはヨツユですよね? 男性コーラスのほうは、どういうイメージで作られたんでしょう?

石川氏:女性ヴォーカル部分はヨツユのそのままの気持ちで、コーラスの部分はヨツユに対して何かを言ってくる「ヨツユが敵と思っている人たちの声」というイメージです。メロディ自体はドマの綺麗なテーマなんですけれど、そこに乗っている男性の声は「おまえの足掻きなんて無駄なんだよ」とか、そういうことを言ってきています。

祖堅氏:「この小娘!」とかね。

石川氏:それに対してヨツユの気持ちが日本語のほうで歌われているという感じです。

祖堅氏:雑魚フェーズでも後半戦でも、ヤンサとドマのテーマをそれぞれ使っているんですけれど、使っている場所が二曲でスイッチしているんですよ。ヤンサとドマのメロディの、全然違うところを抜いてきて使っているんですね。そういうところでも、このバトルが連続体であるという表現を音楽でしています。そして彼女の想いはヤンサのメロディに乗せていて、彼女の周りの奴らが「この小娘が!」みたいに言うのはドマのテーマに乗せて、という風にしています。

※「ファイナルファンタジーXIV」祖堅正慶氏と石川夏子氏にパッチ4.3までの音楽について独占インタビューを実施!(https://www.gamer.ne.jp/news/201807020003/)より

ハープの音から始まり、そこにヴァイオリンのソロ、徐々に弦楽器が重なり音が深くなっていき、のんびりとしたヤンサの音楽に心地よく聞き入っていると、突如音が「狂える月夜 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~」へと切り替わる。この瞬間は、思わず全身が震えた。たった今、「狂った」とわかる瞬間。「堕ちた」とわかる瞬間。それらを音で感じると、こうも背筋が粟立つものなのか。

単純な驚愕度で言えば、今回のコンサートで一番ぞくりとした瞬間で、音の持つ力を圧だけではない別の部分で感じたのが、この「ヤンサ~狂える月夜」の長れだった。「月下彼岸花 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~」では女性ボーカル部分が合唱になっており、最後には男性コーラスと女性コーラスが重なるという、オーケストラならではのアレンジには、これまたヨツユの気持ちを重ねて深読みをしたくなる。

14曲目は「開けられた玉手箱 ~海底宮殿 紫水宮~」。祖堅氏はまさかのオタマトーンでの演奏参加。オーケストラにオタマトーンで共演した人は史上初なのではないだろうか。祖堅氏はわざと最初のほうは音を外していたのだと思っているのだが、果たしてどうなのだろうか。なお、実際のところ紫水宮の「ぽわぁん」という音はオタマトーンの音ととても親和性が高かったが、原曲にはオタマトーンは使われていない。あしからず。

「オタマトーン」を何度も「オタマソーン」と噛んでいた祖堅氏のことを、時々でいいので思い出してあげてください。

「紅蓮編」のラストは「空より現れし者 ~次元の狭間オメガ:アルファ編~」。アルファの零式四層の後半で流れる曲だ。筆者は基本的に零式四層はリアタイせずにILの暴力で勝つ勢だが、実況動画などを見ているため、曲やイベントについては知っている。しかし漆黒秘話の第三話などからしても、もうそろそろ零式四層を無視して通り過ぎることが出来ない空気を感じる。(でも、やっぱりできればILの暴力でいけるまで無視したい)

「ガガガガ…次元ハザマはえねるぎいヲ不要ですカ? 出力ぜんブ、ばぐヲ増殖…ガガ…世界はコンニチワ!?」

むしろ情報系の大学に通いプログラム言語を勉強してきた筆者にとっては、何度映像を見ても、このオメガのセリフが恐ろしい。プログラムの才能がなかった筆者ですら通ってきたハロー・ワールドでバグりだすほうが、普通に心が折れるだろう。まったく「FF14」チームは人の心を抉る天才だな!という称賛の言葉が漏れる。

なおスクリーンに流れていたプレイ動画に「ハローワールド134式なんだな……」(1313式とか1A式とか134式があるくらいはさすがに知っている)とか、「バトル映像でもABCD12マーカーおいているんだな……」とほっこりした笑みがこぼれた光の戦士も多かったのではないだろうか……。

スクリーンには、一生懸命頑張るアルファの姿が。

アンコールはまさかのダブルアンコール、そして……

鳴り止まない拍手を受けてのアンコール一曲目は、2年前と同じ「そして世界へ」。メインクエストで初めて三国のどこかに旅立つべく飛空艇に乗り込むシーンで流れる曲だが、実質「ファイナルファンタジー」のメインテーマの「FF14」バージョンであり、アンコールに相応しい曲だろう。

そしてアンコール2曲目は神龍戦の後半戦となる「龍の尾 ~神龍討滅戦~」。なお筆者は歴代「FF14」楽曲の中で最高傑作としか言いようがないのが、この「龍の尾 ~神龍討滅戦~」だと勝手に思っている。

――神龍戦は途中で熱いメロディが来たと思ったらメインメロディにつながって、あの流れが祖堅さんらしかったです。あれは最初からそう決めていたんですか?

祖堅氏:あれは石川から言われていました。

――前半は、3.56の神龍対オメガのムービーの部分を使われていますよね。

石川氏:そうですね。「FFXIV」における神龍の登場シーンなので壮大な曲ではあるんですが、バトル曲としてはまだテンションがマックスではないので、後半はラスボスな感じで! とお願いしました。

――特に神龍戦の曲は、いろんな曲がさまざまなアレンジで混ざっていますよね。後半部分の盛り上がりもすごいですし。

祖堅氏:もう、そのつもりで作りましたから!

石川氏:祖堅さんから「気合い入れて作ったんで大音量で聴けよ!」って言われましたよ(笑)。

祖堅氏:あれはね、でっかい音で聴いてほしいんですよ(笑)。自信のある曲は「でっかい音にして聴けよ!」と石川に渡してます。

※「ファイナルファンタジーXIV」サウンドディレクター・祖堅正慶氏とメインシナリオライター・石川夏子氏に、パッチ4.0の音楽について独占インタビュー!(https://www.gamer.ne.jp/news/201708250074/)より

その祖堅氏の「でっかい音で聴いてほしい」自信作を、ようやくオーケストラコンサートで聴けたというのは、本当に感慨深い。「神龍手伝ってください!」という募集を見かける度に入り、曲を聞きにいっていた。極神龍討滅戦は、なんとか一日でクリアした。神龍への愛と曲への愛と、その他諸々で、絶対一日以内にクリアしてみせるというその一心で頑張った。ゼノス様の、N神龍よりはじけたセリフが楽しかった。

「我が尾を伝い、来い、友よ! 俺が手にした力のすべてを見せてやる!」

初めて雑魚フェーズを抜けてこの尾を登るところまできたときは、華麗に尾から落下しました。当時は白でした。皆様を守るヒーラーでありながらこのような失態、大変申し訳ございませんでした。

「いいぞ、いいぞ、貴様が限界を超えるというのなら、 俺もまた超越してみせよう……かくして我らの神話は完成するッ!」

漆黒を終えた今、改めてこのセリフを見ると”完成された神話”という言葉に、色んな思いが溢れて止まらない。

コンサートでもこの曲の持つポテンシャルは最大限まで引き出してもらえたと、そう感じた。曲の出だしから最後まで、とにかく合唱が熱い。もちろん合唱に負けじと演奏も熱い。栗田氏の指揮も最高に熱い。祖堅氏のラスボス曲はいずれも素晴らしい熱気にあふれているが、「龍の尾」はこれまでの冒険の全てが詰め込まれていつつ、曲を聴きながらこれまでの冒険の旅路が浮かび、それでいて「いま、ラスボスと戦っている」という高揚感。

私の「紅蓮」の全てはこの曲と共にあり、そしてこの曲と共に終わった。そう言い切れるほど、「龍の尾」は「紅蓮」シリーズの全てを牽引する曲だったと思っている。そう、だからこそ誰もが思っただろう。「これで最後だ」と。明らかに壇上にいた演者全てが、この日最高のDPSを出していた。終わりだ。スタンディングオベーションで会場は惜しみない拍手を送る。

だが、指揮者の栗田博文氏がここで「もう1曲やるよ」という合図を客席に送ってきたのだ。戸惑い、それでも再び席に着く光の戦士たち。そしてスクリーンに映し出されたのは、まさかの「SHADOWBRINGERS」のロゴ。

想定していなかった文字に沸く会場。しかし、一体何の曲をやるのか。スクリーンに映し出されたのは、アーモロート。演奏されたのは「砕けぬ思い ~ハーデス討滅戦~」だ。

2年前のコンサートで欲しかったサプライズを、今回は叶えてくれた。これが、「FF14」というチームなのだ。演奏されたのは1ループのみだったが、きっとオーケストラならではのアレンジを加えた2ループ目は、次回の「漆黒編」で聴けるのだろう。あえて、ここではこのサプライズについて多くを語らないで、それは「漆黒編」でのお楽しみとしておきたい。

もちろん、その「漆黒編」は、望む声がなければ開催されない。今回参加できた光の戦士も、今回は参加できなかった光の戦士も、次回の開催に向けて声援を送ってほしい。

会場の展示を紹介!

今回会場で行われていた展示と、そして紹介しきれなかったメッセージボードの一部をお届けしよう。

これまでの大型パッケージの拡張イラストの複製原画。
開発メンバーによる「推しの一曲」が書かれたメッセージボード。前回は圧倒的に「試練を超える力」に偏っていたのだが、今回は比較的バラけた印象だった。
祖堅氏はクガネとオープニング曲をメドレーにした「紅の嵐」。来れなかった人は、今回のコンサートの曲が全て収録されているオーケストラアレンジアルバムが12月に発売されるので、それを楽しみにしていてほしい。
石川氏は「クリスタルタワーメドレー」。書かれているメッセージが実に感慨深い。
PLLでおなじみ、モルボルこと室内俊夫氏は「我らが支配圏」。だが「鬨の声が多そうなので」という一文がさりげなく書かれている。
アレンジャーの高田有紀子氏は「紫水宮」。
開けられた祖堅氏の玉手箱が気になる。
メインシナリオライターの織田万里氏は「月読命之唄」。
キャラクターコンセプトアートの生江亜由美氏は、
可愛い新ヤ・シュトラのイラストと共に「希望の都」と「究極幻想」を。

6年分の想いを込めて

ここから先は、ある意味で更に蛇足とも言える話だ。だが、時間がある人はもう少しだけお付き合いいただければと思う。

筆者は前回のコンサートのレポートにて、かなり「音の素晴らしさ」を伝えてきたつもりだ。だからこそ今回、あえて同じものを書こうとなかなか思えなかった。「FF14」はいつも我々の想像を超えてくる。「漆黒」を終えた光の戦士……いや、闇の戦士ならば、尚更そう思うだろう。

いくら筆舌を尽くしても、音は音でしか伝えられない。だから音楽がある。その音楽を言葉で表すのが我々の務めではあるものの、音の素晴らしさを既に光の戦士は誰もが知っているだろう。知っているからこそ、あれだけの人が集ったのだ。

なお、今回コンサートが行われたパシフィコ横浜の国立大ホールはおよそ5000人を収容するホール。2年前にコンサートが開催された東京国際フォーラムとほぼ同規模のホールで、公演数も前回と同じ全4公演だ。だが、大きく違う点がひとつある。

前回は何公演も1人で周回していた光の戦士が多かったのに対し、今回はほぼ1回だけの光の戦士が多く、今回はこの2万人という収容数がほぼそのまま実数と考えられるだろう。そしてそれでもなお、チケットが取れなくて悔し涙を飲んだ光の戦士もいたこと、新規の光の戦士からの「コンサートがあることを知らなかった、行きたかった」という声も多かったこともあわせて考えると、恐らく次は5000人クラスのホールにて4公演でも足りないことが導き出される。

つまりは、それだけの人が「FF14」という作品と、そして音楽に魅せられている。これが現実としてある中で、これ以上、音について語る必要があるだろうか。

もちろん生の現場の感動を、来れなかった人に伝えるのは大事なことだ。だが、はっきり言おう。どの曲にだって、手抜きなんてあるわけがない。どの曲だって、その音に圧(お)される。そして今回は、合唱団の気合の入り方が前回よりもさらに増していたように感じた。だが、それは”全ての曲で同じ”なのだ。どの曲も、全員が全力だった。ならばひとこと、「すごかった」と言ってしまえば終わってしまう。悲しいが、現実としてそれは事実なのだ。

だからこそ、私は音のレポートを今回はあえてあまりしない方向に舵を切った。それよりも、音が与える記憶の記録を書こうと考えた。「新生」から6年。遠くなってしまった記憶もある。「究極幻想」についてあれだけ長く語っておきながら、2年前のコンサートから先、アルテマウェポン戦に行ったのは数えるほど。それでも音を聞けば、当時泣きながらアルテマウェポン戦をやった記憶を引きずり出される。

……今から何年も前、「FF14」の発売記念音楽イベントをやる、と公式が告知をして、その当日にちらほらと50人くらいの光の戦士が集まり、通りすがりの一般人と思われる人が「なに? イベント?」みたいに足を止めて少し見ては離れていくようなころから、時には取材として、時にはひとりの光の戦士として、見守り続けてきた。

別に親の気持ちを語りたいわけではないのだが、ひとところに集まった5000人の光の戦士たちが一斉に、その音楽に感動をして、立ち上がって、千切れんばかりに手を叩いて、壇上のひとたちへの感謝を送っている。その様子に、涙が零れた。少しばかり悲しくもなった。「やっぱり親の気持ちじゃないか」と言われると、やはりそうなのかもしれない。

でも私はサービスインから「FF14」をごく普通にプレイしているだけの、ただの光の戦士なので、親の気持ちになるだなんておこがましいのはわかっているが、誰もが「俺が好きになったころは……」なんていう思いをしたことがあるのではないだろうか。

なので、少しだけ悲しくなった。だが、吉田氏がいつか口にしていた言葉を思い出す。「自分たちが遊んでいるゲームってこんなにすごいんだ、ということを見てほしかった」

このコンサートに「FF14」チームから投げられたのは、まさに「魂ごと持っていけ」という、この一言だろう。それは「紅蓮」じゃなくて「漆黒」だろ、というツッコミはもちろんだが、今回のコンサートにはあのアルバートのセリフしか浮かばなかった。

持っていった。持っていかれた。残滓はもう、息をすることすら出来ない。

次のコンサートが来た時、私はどうするのだろう。その時になればわかる。その時に考える。今回も、コンサートが始まるその瞬間まで悩んでいた。だが、素晴らしい音の洪水を浴びて、悩んでいることを忘れた。だからきっと、何年後かはわからないが、またその時が訪れたら、その時は再びこうして、何かをお届けする役目を授かれればと思う。

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