カプコンは、2019年10月5日に「モンスターハンター」シリーズのオーケストラコンサート「モンスターハンター 15周年記念 オーケストラコンサート~狩猟音楽祭2019~」の東京公演を東京国際フォーラムで開催した。
2019年3月に15周年を迎えた「モンスターハンター」シリーズ。9月にはシリーズ最新作「モンスターハンターワールド:アイスボーン」も発売され、大きな盛り上がりをみせている。そしてこの15周年を記念して、今年もオーケストラコンサート「狩猟音楽祭」が開催。今年は5年ぶりとなる地方公演も実施され全国5都市での公演となった。
演奏は、大阪公演では「大阪交響楽団」、北海道公演では「札幌交響楽団」、と各地のプロオーケストラが担当。東京公演では「東京フィルハーモニー交響楽団」がその役割を担う。そして今年も指揮を執るのはおなじみ栗田博文氏だ。
会場では指揮者、奏者姿のアイルーがお出迎え! | |
クシャルダオラ/テオ・テスカトル・ナナ・テスカトリ、英雄の証、ラージャンの楽譜が展示されていた。 | |
その他、各種グッズなども展示。 | |
グッズ販売では長蛇の列ができていた。 |
楽曲の製作秘話も飛び出した第一部
オーケストラの最初の曲を飾ったのは発売されたばかりの「モンスターハンターワールド:アイスボーン」から「前線拠点 セリエナのテーマ」。「アイスボーン」が発売されてから1ヶ月近く経過していることもあり多くのハンターの耳にも馴染んでいる楽曲であろう。“渡りの凍て地”を思わせるメロディをゆったりと会場に響き渡らせた。
演奏後、「モンスターハンター」シリーズプロデューサーの辻本良三氏が登壇しシリーズの15周年、そして「狩猟音楽祭」が10周年を迎えられたことへの感謝の気持ちが述べられた。またここでは、これまでの10年間「狩猟音楽祭」を指揮してきた栗田氏が今回初めてマイクを手にし「10年かかって、やっと声を発することができました」と挨拶。オーケストラは堅苦しいイメージがあったりするかもしれないが、リラックスして楽しんで欲しいとアドバイスをしコンサートは次の曲へ。
今回はシリーズ15周年を記念した「狩猟音楽祭」ということで新旧織り交ぜた様々な楽曲が披露された。「モンスターハンター2」から「狩人よ、前へ」、「モンスターハンター:ワールド」より「嵐に舞う黒い影/クシャルダオラ~炎国の王妃/テオ・テスカトル&ナナ・テスカトリ」、「モンスターハンターポータブル 2nd」より「牙を剥く轟竜/ティガレックス~闇に走る赤い残光/ナルガクルガ」、「モンスターハンター3」より「生命ある者へ」が4曲続けて演奏。シリーズの流れを汲むセットリストに、思わずこれまでの旅路を思い返したハンターも多かったのではないだろうか。
続く楽曲は「閃烈なる蒼光/ジンオウガ」。「モンスターハンターポータブル 2nd G」からシリーズの楽曲制作に参加し本楽曲の作曲も行っている牧野忠義氏がエレキギターとして演奏に参加。オーケストラとロックを見事に融合させた。そこに“和”のテイストを持ち込むのが、今回ゲストとして出演している和楽器ユニット「HIDE×HIDE(石垣秀基氏、尾上秀樹氏)」だ。オーケストラとギター、そして尺八と三味線のコラボレーションが見事に“ジンオウガ”を形作った。
ちなみに「モンスターハンター」の楽曲はこれまで、電子楽器を使用することはタブーとされていたそうだが、“ジンオウガ”の曲であれば合うのではないかとエレキギターが取り入れられたそう。楽曲制作の中でも大きなターニングポイントになった曲となるようだ。
本コンサートの第一部を締めくくったのは「動く霊峰~勇者のためのマーチ 2017 version」、「舞い降りる伝説/ミラボレアス」の2曲となった。この2曲は昔から「モンスターハンター」をプレイしている人にとっては特に思い入れが深い曲になるのではないだろうか。
楽曲を製作した甲田雅人氏によると“ミラボレアス”は開発チームの中でも極秘情報とされていたそう。作曲時点では「リオレウスの上位版」と聞かされていたことから、リオレウスのアレンジとして製作したところ、まったくの別物だったという秘話も飛び出した。
第二部では最新曲から少し懐かしのあのモンスターのメドレーまで
第二部最初の曲として演奏されたのは「モンスターハンターワールド:アイスボーン」のメインテーマ「紡がれる光」。「アイスボーン」では、濃厚なストーリーや複雑な人間模様などが描かれるが、そういった人々の想いをアステラに届ける遠吠えのようなイメージで作られた楽曲になるという。ピアノが主旋律を演奏し徐々に音の数を増やしながら壮大な楽曲が完成する。「アイスボーン」を象徴する曲をしっとりと奏で上げた。
続いての楽曲は、「モンスターハンター4」より「旅立ちの風」、「光と闇の転生/シャガルマガラ」の2曲。昨年実施された「狩猟音楽祭2018」では「光蝕む外套/ゴア・マガラ」が演奏されたことから、その流れを汲むシャガルマガラの演奏は嬉しいファンサービスとなった。
「モンスターハンター4」に続き徐々に時間は現在へ。「モンスターハンターX」から「ライゼクス」「ガムート」「タマミツネ」「ディノバルド」の楽曲を連ねる「4大メインモンスターメドレー」が続く。「ライゼクス」では激しいギターサウンドが、「タマミツネ」では風流に和楽器が音色を響かせる。「モンスターハンター」シリーズの楽曲の幅広さを体現するかのようなメドレーとなった。
コンサートはいよいよ終幕へ向かう。ラストパートでは、「古代樹の森メドレー」「龍脈を治する眩耀/マム・タロト~メドレー」という「モンスターハンター:ワールド」の中でも多くのハンターが聴いてきたであろう楽曲のメドレーが。そして「ワールド」のメインテーマである「星に駆られて」が演奏される。数多のな生命が息づく新大陸、そしてそこに生きるハンターやモンスター達の勇ましさをオーケストラが再現。シリーズの15周年を締めくくった。
今年はダブルアンコールも!
鳴り止まない拍手に応える形でアンコール演奏も行われた。一度降壇した栗田氏は茶目っ気たっぷりに指揮台へ駆け上がると、その勢いのまま「オトモダチ探検隊出発!」が演奏される。ゴキゲンな楽曲にあわせて観客も手拍子で演奏を後押し。会場が一体となって曲を作り上げた。
最後の曲は「精霊へ歌う唄~祖なる龍メドレー」。歌姫のIkukoさんによる美しいヴォーカルに力強さを感じるコーラスも加わり荘厳な一曲となった。
アンコールはこれにて終了となったが、会場からは「あの曲を聴かずに帰還するわけにはいかない!」とばかりに大きな拍手が再度湧き上がる、再々登壇した栗田氏は人差し指を一本だけ立ててみせ、これが本当に最後の曲であることを伝えた後「英雄の証」が会場に鳴り響く。
「モンスターハンター」シリーズ全体のテーマ曲である本楽曲の演奏が終わると、会場は「ブラボー!」という歓声と万雷の拍手に包まれ、公演は幕をおろした。
セットリスト
- 前線拠点 セリエナのテーマ
- 狩人よ、前へ
- 嵐に舞う黒い影/クシャルダオラ
炎国の王妃/テオ・テスカトル&ナナ・テスカトリ MONSTER HUNTER:WORLD version- 牙を剥く轟竜/ティガレックス
闇に走る赤い残光/ナルガクルガ- 生命ある者へ
- 閃烈なる蒼光/ジンオウガ
- 動く霊峰~勇者のためのマーチ 2017 version
- 舞い降りる伝説/ミラボレアス
- 紡がれる光
- 旅立ちの風
- 光と闇の転生/シャガルマガラ
- 4大メインモンスターメドレー
- 古代樹の森メドレー
- 龍脈を治する眩耀/マム・タロト~メドレー
- 星に駆られて
- オトモダチ探検隊出発!
- 精霊へ歌う唄~祖なる龍メドレー
- 英雄の証
PS4“モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション”Starter Pack Black
ソニー・インタラクティブエンタテインメント- 発売日:2019年9月6日
- 15歳以上対象
- PS4(CUH-2200シリーズ/HDD:500GB)と「モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション」のセット商品
PS4“モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション”Starter Pack White
ソニー・インタラクティブエンタテインメント- 発売日:2019年9月6日
- 15歳以上対象
- PS4(CUH-2200シリーズ/HDD:500GB)と「モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション」のセット商品
PS4 Pro“モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション”Starter Pack
ソニー・インタラクティブエンタテインメント- 発売日:2019年9月6日
- 15歳以上対象
- PS4 Pro(CUH-7200シリーズ/HDD:1TB)と「モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション」のセット商品