日本ファルコムから2019年9月26日に発売されたPS4用ソフト「イースIX -Monstrum NOX-」(以下、「イース9」)。既に「面白い!」と噂になっている本作について、「イース」シリーズを32年追い続けているシリーズ愛の濃いライターの視点でお届けしたいと思います。
多分、皆さんが一番不安な要素とは、「イースって長く続いているシリーズでしょう? いきなり9作目から入っても大丈夫なの?」という点だと思います。
「イース」シリーズは全て、冒険家アドル・クリスティンを主人公とした内容ですが、基本的にシナリオは1シリーズ完結型となっていて、いきなり「イース9」から入っても、全く問題ありません。とはいっても長く続いている作品ですし、全作品アドルが主人公ということもあり、作品中で過去作の話題が出てくることもあります。
ですが、あくまで「知っていれば懐かしい気持ちになれる」程度ですので、安心して「イース9」から入ってきてほしいです。
「イース」シリーズは、アドルが50歳を超えてから自身で執筆した冒険日誌の内容を辿る、というものになっています。アドルの冒険記は、「現代」から千数百年前に書かれたものとされていて、基本的な移動手段が徒歩と船の時代が舞台です。
「でもやっぱり9作目だし……」と迷ってしまう方のために、過去作について簡単にまとめました。現在の「イース」シリーズは、「イースVI」が全体のベースとしてあるのですが、せっかくなので初代「イース」から軽く紹介します(リメイク版があるものは基本的に一番最新のリメイク作品を紹介)。
「I」と「II」だけ唯一続き物で、サブタイトルは「失われし古代王国」。アドルの年齢は17歳。孤島エステリアを舞台に、消えた王国イースの謎を解き明かす、アドルの最初の冒険。
アドルの相棒・ドギの故郷であるフェルガナを舞台にしたストーリー。この地に伝わる魔王ガルバランを巡り、ドギの幼馴染のチェスターと、その妹エレナを中心にしたストーリーで、アドルの年齢は19歳。ナンバリングとしては「III」にあたります。
現在の「イース」シリーズのベースとなっている作品で、セルセタの地を舞台にした物語。現在出ている作品はナンバリングが書かれていなく「セルセタの樹海」とだけなっていますが、「IV」のリメイク作品で、この先シリーズに何度も登場するロムン帝国と有翼人が出てきます。アドルの年齢は18歳。
アフロカ大陸に広がるケフィン砂漠を舞台に、古代錬金術が伝わるという「幻の都」について調べる事になったアドルの冒険記。アドルの年齢は20歳。
長い耳と尻尾を持つレダ族が住むカナン諸島を舞台に、“ナピシュテムの匣”の謎と、有翼人の謎に迫るストーリー。アドルの年齢は23歳。こちらもPSP版ではナンバリングが外されていますが、「VI」になります。
アルタゴ公国を舞台に、アルタゴ五大竜の謎に迫る物語。「VI」の時と同じでアドルの年齢は23歳。現在の「イース」シリーズのベースとなるゲームシステムは「SEVEN」から搭載されたものが多く、仲間から3人を編成するパーティプレイも「SEVEN」が初。「VI」で出てきたガッシュがPTメンバーとして加入するので、「SEVEN」だけはできれば「VI」をプレイしてから遊びたい作品です。
“古代種”と呼ばれる、太古に滅びたはずの凶暴な獣が闊歩する無人島・セイレン島を舞台に、かつてこの島で起こった“ラクリモサ”の真実を解き明かすストーリー。シリーズ初の、アドルとダーナのダブル主人公システムを搭載。アドルの年齢は21歳。
さて、ここまででおわかりいただけたと思いますが、「イース」シリーズはアドルの年齢順ではありません。
時系列で並べ直すと、「I&II」(17歳)、「IV(セルセタ)」(18歳)、「III」(19歳)、「V」(20歳)、「VIII」(21歳)、「VI(ナピシュテム)」(23歳)、「SEVEN」(23歳)、そして本稿で紹介する「イースIX -Monstrum NOX-」は、アドルが24歳の時の物語です。
前置きが長くなってしまいましたが、まず今回真っ先に推したいのはキャラクターと、そのキャラクターを際立たせる素晴らしいストーリーです。
ストーリーの序盤だけ触れますと、今作は“監獄都市バルドゥーク”を舞台にした物語で、アドルはバルドゥークにてアプリリスという謎の女性から魔弾を受けて、怪人・赤の王へと強制的に変身させられてしまいます。しかも怪人となった呪いで街から出ることが出来なくなり、赤の王は「グリムワルドの夜」と呼ばれる異空間で他の怪人らと共に「ラルヴァ」という邪霊と戦わされることになります。
「グリムワルドの夜」が何故発生するのか、怪人の呪いを解いて街から出る方法はあるのか……それらの謎はバルドゥークに昔からある巨大な監獄……”バルドゥーク監獄”を調べるといい、と告げるアプリリス。ですが、監獄は今も囚人の収容施設として機能しているため、そう簡単に侵入できません。物語を進め、さまざまな侵入方法から巨大な監獄に侵入し、少しずつ調査を進めていくことになります。
……といった流れで、今回アドルが怪人・赤の王となるわけですが、もうこれが「はああああああ!?」という声しか出ないくらいにかっこいい!
筆者は「イース」歴32年ほどですが、アドルのことをかっこいいと思ってプレイしていたわけではありません(むしろ、どちらかというと「可愛い」かも……)。ですが、TGS2019で試遊をさせていただいた時から、こんな予感はしていたんです。だってもうグラフィックが既に反則でしたから。「あ、私、今回赤の王に本気で惚れた気がする」……と、たった15分ほどの試遊ですら、そう思っていました。
ですが、実際にゲームをプレイしてみたら、赤の王だけではなく、他のキャラもみんな素敵すぎました。まさに、青天の霹靂とはこのことです。32年間も、「イース」にいわゆる“キャラ萌え”というのを感じてこなかった筆者が、「あの子もこの子もみんな可愛い……尊い……」となってしまっていたのです。
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鷹さんはとにかく熱い……。白猫ちゃんは超可愛いですし、人形もミステリアスで良い……猛牛はほんと猛牛でスッゴイ……背教者くんは鷹と対照的にすっごいクールで良い……(もろもろネタバレにならない限界の配慮での紹介)。 |
そして、仲間になるキャラ以外にも、たくさんのキャラクターが協力者として怪人の活動を応援してくれます。この協力者たちもみんな個性的で、魅力的。
ここ最近の「イース」シリーズは、メインは比較的あっさりめ、その代わりクエストをしっかりやらないとわからない謎があるのですが、このボリューム感もすごくバランスがいいです。
物語を隅々まで楽しむには、クエストは必須。クエスト達成の報酬として、協力者になってくれるキャラも多いです。どの協力者も大抵、買い物を代行してくれたり、素材を交換してくれたり、鍛冶をしてくれたり、なんらかの形で怪人の活動を手助けしてくれますし、グリムワルドの夜でも怪人のサポートをしてくれます。
また、一部の協力者は怪人の手助けだけでなく、メインストーリーに大きく絡んでくることもあります。
ちなみに仲間も協力者も、好感度を最大で3まであげることが可能で、好感度を最大にすることで発生するイベントがあります。この好感度イベントを見ることでようやく謎がわかるキャラクターなどもいますので、ストーリーを最大限に楽しむならば必見です。
好感度を上げることに必死にならなければいけないゲームではありませんので、そのキャラクターに対応したプレゼントを街のショップで購入してプレゼントをして、きちんとクエストをこなしていけば、最終的には必ず好感度は3になるようになっています。仲間にさえなっていれば、好感度自体は最終章で一気に回収することもできるくらいの感じで、ゲームの楽しさを阻害しなくて良いですね。
キャラクターの魅力に関して言えば、本当に歴代「イース」シリーズの中でも最高レベルですが、どうしてもキャラクターの魅力がネタバレに繋がってしまうため、これ以上語れないのが残念です。
「イース」といえばアクション、ということで、次はアクションについて紹介していきます。
「イース9」の一番の魅力は、なんといっても、瞬間移動したり、飛んだり、壁を登ったり、透視したり、壁をぶっ壊したり(ドギではないです)、地面に潜ったり、という、ありとあらゆる”異能”を駆使して、マップを縦横無尽に探索しまくれるところです。
異能は、ストーリーに沿って徐々に解放されていくので、いきなり全ての異能が使えるわけではありませんが、むしろいきなり全部使えてもどこでなにを使えばいいのか解らなくなってしまうので、章を追ってひとつずつ解放されていくのは有り難いです。
垂直な壁を登ることができる「ヘヴンズラン」や、滑空飛行を可能にする「ハンターグライド」は、ストーリーを進めていけば解放されますが、序盤は各章のボリュームが少ないので、ゲームを進めていけばさくっと回収できちゃいます。
さて、この3つの異能が使えるようになってからが、「イース9」の真骨頂! 今回はバルドゥークという巨大な街が舞台ですが、「見えているのに行けない場所にどうやって辿り着くか」を、ひたすら模索する旅の始まりです。
この3つの異能だけではどうしてもたどり着けないところもありますし、最初から街の全てのエリアが解放されているわけではないため、目の前に宝箱があるのに結界に阻まれるとかも、ザラにあります。
ですが、そういった解りやすい障害だけではなく、「ここは、行けそうなのに、行けない……他に道があるのか……それとも他の仲間が加入してからじゃないといけないのか……(うろうろ)」と、探索にひたすら時間を費やしてしまう。それが「イース9」です。
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宝箱以外にも、マップには「落書き」などの位置も表示されます。 蒼い花びらはマップには表示されませんので目視で探すしかありません。どちらもたくさん集めていくと報酬がもらえます。 ちなみにこれは周回データのため地図が全て解放されてしまっていますが、本来結界で入れないエリアの地図は見えません。 |
なまじオートマッピング機能で宝箱や落書きやらが表示されてしまうからこそ右往左往するのですが、「はあああああ、こんな行き方ーーーー!?」みたいな、ちょっと無茶苦茶な方法で辿り着けちゃったりすることもあったり。本当に重箱の隅をつつくようなプレイでないと取れないものなのか、もっと正解のようなルートが別にあるのか、筆者にもわかりません。でも逆にいえば、それくらい自由なアクションで取りにいけるのが、楽しいんです。
行ける場所が縦軸に伸びるとこんなにも世界が広がる、というのはこれまでにオープンワールド系のRPGをプレイしたことがある方なら解ると思うのですが、「イース9」はオープンワールドでこそないものの、バルドゥークの街自体は大きなひとつのマップとなっていますので、オープンワールドに近い感覚で探索をすることができます。
でも、高さの概念が入ると、探索の難易度が上がるのも事実。そんな探索を助けてくれるのが、人形の異能「ザ・サードアイ」。人間では捕捉不能な不可視の存在を認知する能力で、街中で使用すると壁に隠れた宝箱や蒼い花びらなども見えてしまいます。
そしてこれらの異能は、一度赤の王と異能を共有したら、そのキャラクターがパーティメンバーにいなくても使えるし、操作キャラが赤の王でなくとも使用できるという、最高のプレイ性! ここ、超大事です!
これまでの「イース」は、仲間が持っている固有アクションを使うためには、まずその仲間をパーティメンバーに編成し、その上で操作キャラを切り替えて固有アクションを使わせて、また編成でそのキャラを控えに下げて……といった”作業”がその都度、発生していました。でも今作では、そういった煩わしさは一切なし!
例えば赤の王がひとりで行動するような場面でも、一度共有した異能はそのまま全て使えます。もちろん操作キャラが赤の王でなくとも、既にパーティに加入している怪人ならば、その時点で赤の王が持っている異能を全て使えます。プレイしていると当たり前のように感じちゃうかもしれませんが、“快適すぎて、快適さに気が付いていないだけ”ということなんです。素晴らしい改良点です。
もちろん、ダンジョンもこれらの異能を駆使しないと進めません。貴重な宝箱ほど、色々模索しないと取れません。まるで綱渡り状態のようなところを慎重に進んでいかないと、たどり着けない場所もあります。
基本的にダンジョンの宝箱は、「その時点で仲間になっているキャラクターの異能でコンプリートできる」ようになっています。なので街の宝箱との違いは、必ず来訪時点で100%にできることにあり、100%に出来ていないということは、どこか行ける場所を見落としていることになります。
嬉しいのは、全てのエリアで地図の探索率と、そして宝箱の総数と取得数が表示されていること。なので、それらを目安に探索していくのが重要です。
宝箱や落書きは、自分の視野を広げないとたどり着けない場所も多いので、どうしても詰まってしまった場合は一度気持ちを切り替えて外に出て、後日取り直しに来てみたらあっさりと見つかった、なんてこともあり、とにかく思考をフルにしてプレイする感じがたまりません。
これらの異能はフィールドだけではなく、バトルでも使えます。
バトルで一番活躍するのは、ターゲットロックした敵のところに一瞬で移動できるクリムゾンラインなのですが、それ以外にもハンターグライドを駆使して地面からの罠をよけながら戦うバトルなどもあります。背教者が使える「シャドウダイヴ」は地面に潜ることができて、ダンジョンのギミック処理以外でも道中にいる強敵とのバトルを避けて進むことなんかもできちゃいます(もちろんボスはスルーできませんが……)。
ザ・サードアイは一部のボスバトルでは、ボスの弱点を見抜いたりもできます。ちなみに【絶対に異能を使わないとクリアできないボス】はきちんとヒントが表示されますので、異能を使いこなすのが苦手、という方でも安心ですね。
また、「イース」シリーズは歴代どれもバトルテンポが良いのが特徴です。単純なバトルのテンポで言ったら、最早「イース」シリーズに敵う作品はないのでは、というレベルです。
オートターゲットロックのオンオフ機能も一応あるにはあるのですが、そもそも「イース9」では近くに敵や壊せる対象物などがあると自動的に補正がかかり、そちらの方角を向いて攻撃を出してくれるので、オートターゲットロックはほぼ不要だったりします。むしろオートターゲットをオンにしているほうが、意図しない方角に攻撃が出てしまうことも……。そんな「かゆいところに手が届く」、自分の思い通りに動かせるバトルを本作では実現しているのです。
そして難易度もEASY、NORMAL、HARD、NIGHTMARE、INFERNOの5段階から選べるので、本当にさくさくとゲームを楽しみたいならEASYかNORMAL、もう少しやり応えのあるアクションバトルをしたいならばHARD以上など、自分がどのように遊びたいかで難易度を切り替えられるのも良いです。
ですが、難易度を上げると、スキルを使うためのスキルポイントや、ブースト状態にするためのブーストゲージも貯まりにくくなりますし、そうなると必然的にブースト状態から出せるEXTRAスキルが出しにくくなるので、敵がただ強くなるだけではなく、立ち回り方の面でもバトルの難易度は上がっていきます。
また、HARD以上になると敵の弱点属性にあわせて操作キャラクターを切り替えてくる必要性も出てきますので、その分操作は難しくなってきます。
パーティメンバーは最大で6名になりますが、それぞれ、斬撃、打撃、射撃のいずれかの属性を持っています。バトル中、仲間が「アドル、お願い!」と声をかけてきたら斬撃属性に弱い敵で、「鷹、頼む!」というセリフが出たらその敵は射撃に弱い……、といったふうに、即座に誰に切り替えればいいのかわかりやすい掛け合いもあります。
アクションに自信のある人は、ジャストガードとジャスト回避を使うことで発動する、フラッシュムーブ(一定時間、自分以外の動きがスロー)とフラッシュガード(一定時間、攻撃が全てクリティカル)を連発させる、なんていう遊び方もできます。
逆にEASYにするとほぼ常にキャラクターのステータスをアップさせるブーストを発動させることが出来て、ブースト状態からEXTRAスキルを連発できる上に、敵の弱点属性なども気にする必要がなく、お気に入りのキャラクターでラスボスまでゴリ押しすることができちゃいます。
ストーリーは気になるけどアクションRPGは苦手という人は、迷うことなくEASYにしてください。回復アイテムすらほぼ消費せず進めますよ。
ちなみに、このブースト発動時とEXTRAスキルを発動時はキャラクターがアップになるのですが、この演出が最……っ高にかっこいいので、ぜひ全キャラクターで試してみてほしいです。
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赤の王、鷹、猛牛、白猫、背教者、人形の、のブーストorEXTRAスキル発動時。 この発動画面を見たいがためにブーストとEXTRAスキルを発動させたくなる、この仕様……。 でも強力なモード&技なので、難易度があがるほど発動させにくくなります。 |
そして今作で他に推したいのは、全てのコマンドボタンを自分の好みに配置可能!という点です。それだけならばただのボタンカスタマイズで、よくある機能なのですが……アクションゲームをプレイする人”あるある”で、直前まで遊んでいたゲームの攻撃ボタンが□だと、ついつい通常攻撃で□ボタンを押してしまう……”あるある”ですよね。そういった”あるある”を解消しつつ、更にもう一段階上のボタンカスタマイズを可能としたのが、「イース9」です。
例えば、通常攻撃を〇ボタンから□ボタンに変更したとします。すると、次に「話す・調べるといった本来〇ボタンで行う行動全てが、□ボタンに変更されてしまう」問題が発生します。ですが、ゲームをやる人ならば、やはり話す・調べるといった行動は〇ボタンで行いたい人が多いのではないでしょうか。そこで「割り当て2」機能の登場です!
……と、声高に叫んでみましたが、筆者も最初にこれを見た時、「なんだこりゃ」と思いました。この機能については、まずは画面を見ていただきましょう。
例えば、攻撃・話すは□ボタンしつつ、割り当て2に〇ボタンを設定しています。こうすることで、通常攻撃を□で出しつつ、〇ボタンで調べる・話すという行動が可能になります。もちろん、□ボタンでもそのまま調べる・話すが出来ますので、〇ボタンにもそういう役割を持たせることができる、という感じです。宝箱の前でも「□ボタンで開ける」というメッセージが出てきますが、〇ボタンで開けています。
なお、〇ボタンに他の役割を持たせていないためこれを可能としていますが、例えばジャンプを割り当て1で〇にしてしまうと、割り当て2に〇を入れた行動よりも、割り当て1に入れられた行動を優先します。
ちょっと余談ですが、同じボタンにいくつも機能を割り振った場合の優先順位は「メイン割り当て1>メニュー割り当て1>サブ割り当て1>メイン割り当て2>メニュー割り当て2>サブ割り当て2」となっているようです。
なので、あまりいじると整合性を取るのがちょっと大変にはなるのですが、このセカンドボタン機能のおかげで、かなり自分の思うようにゲームを遊ぶことが出来ています。
アクションゲームは操作感が大事ですから、操作ミスで思った通りの行動が出来ないのは、すごくストレスになるんですよね。もちろん限られたボタンの中でそれぞれのボタンが役割を果たさなければならないので、なにもかもが思い通りになるわけではないですし、筆者は魔改造の結果、キャラクターチェンジがタッチパッド右でスライド、とかいうかなり意味不明な状態になってしまったのですが、操作キャラがほぼ赤の王で固定なので、あまり困らないです(なんだかんだと難易度や属性などを問わず使いやすいのは、毎回アドルなんですよね……)。
とにかくこの機能については、全アクションゲームプレイヤーにオススメしたいです。自分なりの魔改造を見つけるのも楽しそうです。
本作ではオートセーブが搭載されていて、基本的にHPや状態異常が回復する”刻印盤”と呼ばれるものの上に乗った時やエリアの切り替え時、街の中の場合でも「正門通り」から「中央区」へなど、マップの切り替え自体は発生しなくてもエリアが変わった時などにオートセーブで自動的にセーブされます。
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刻印盤はワープポイントにもなっています。ワープは、シナリオ上ワープができない場面を除いて、ほぼいつでもワープ可能です。 ダンジョン内でも、入り口、中間、最奥あたりに設置されていることが多いので、 道中で取り逃したものに気付いても、刻印盤を見つけてからそこを拠点に探索するほうがオススメです。 |
以上、「イース9」の魅力、いかがでしたか? 誰でも楽しめるストーリー、プレイのしやすさ、そして冒険を彩る、かっこいい音楽。「イース」シリーズの音楽はロックがベースになっていて、一部の曲を除いてほぼロックなんですが、そこも熱いんです。
アクションゲームが苦手な人でも楽しめるアクションにしつつ、アクションゲームとして楽しみたいヘヴィユーザーも納得のいくアクションゲームは本当にバランス感が難しいのに、「イース9」は色んなユーザーが満足するように作られています。ただ、高速移動や壁を駆け上ったりするため、普段から画面酔いしやすい方にはちょっとオススメしにくいです。
「VIII」をプレイされた方ならば、「VIII」のストーリーの完成度があまりに高かっただけに、本作を逆に躊躇ってしまうこともあるかもしれません。確かに今作は広大な景色を眺めるよりは、バルドゥークの街と監獄を探索する旅になるので、フィールドの景色の移り変わりを楽しむといった要素はどうしても薄くなってしまうのですが、それを補ってあまりあるストーリーの面白さと、魅力あふれるキャラクターたちでした。
もちろん個人の好みはあると思いますが、「イース9」は歴代シリーズの中でもかなり上位に食い込む面白さだと思います。ぜひ、まだプレイをしていない方は、「イース9」を遊んでみてください!
そして、もしも「イース9」から「イース」シリーズに触れて、「イース」って面白いんだな、と思った方は、冒頭の年表を参考に、興味のあるシリーズも遊んで見て頂きたいです。