グッド・フィールより発売中のNintendo Switchダウンロードソフト「モンキーバレルズ」のレビューを掲載。ポップな見た目とハードなゲームプレイが魅力のアクションシューティングです。
おそらくほぼすべての日本人が知っているであろう童話「さるかに合戦」。カニを騙したサルが甘い柿を独り占めした上、木の下にいるカニに青い柿を投げつけて殺害。親を殺されて悲しみに暮れるカニの子どもでしたが、協力を申し出たハチや栗、臼などとともにサルを待ち伏せて襲い、親のかたきを討つという実にハートウォーミングなお話です。
そんな「さるかに合戦」をモチーフにしたアクションSTGがNintendo Switchに登場。童話とは立場が逆転し、家電によって世界を支配した“カニ”に対し、“サル”が日用品を改造した武器を手に立ち向かいます。
打倒カニを掲げ、サルが立ち上がる
2019年11月7日に配信された「モンキーバレルズ(MONKEY BARRELS)」は、「毛糸のカービィ」「ヨッシークラフトワールド」などの任天堂タイトルを中心に、数々の作品を開発してきたグッド・フィールが放つ家庭用オリジナルタイトルの第1弾です。
舞台は世紀末の日本。人類は既にいなくなり、動物たちが自由気ままに過ごす光景が広がっています。東京は五反田で暮らすサルのマサルとハナコも、そんな世界で生きる住民の一人……もとい、一匹です。
しかしそこに現れたのは、家電メーカーの大企業「カニダエレクトロ」のCEO・蟹田越前。蟹田は動物実験の実験台にするべく、マサルとハナコの親友であるコテツを誘拐してしまいました。コテツを取り戻すため、蟹田の野望を阻止するため、マサルとハナコは旅立つのです。
マサルやハナコがゆくのは、すっかり荒れ果ててしまった日本。そこには蟹田の手によって兵器と化した「家電ロボット軍団」が徘徊しています。プレイヤーは、ゴリラの芝山さんが作る、日用品を改造した武器や道具をマサル・ハナコに装備させ、家電たちに立ち向かいます。
サルたちが装備できるのは、メインウェポンとサブウェポンが2つずつ、計4種類です。メインウェポンにはマシンガンやショットガン、火炎放射器などユニークな武器がラインナップされています。撃ち切ると自動でリロードしてくれる(手動でも可能)うえ、アイテムで弾を補充する必要がないので、ガンガン撃ちまくる爽快感が味わえます。
一方のサブウェポンは、弾数に限りがあるのはもちろんですが、リロードは専用のアイテム獲得時のみ。サブと言えども、設置型爆弾やバリアなど、攻略をサポートしてくれる武器・道具が揃っているため、使いどころを見極めることがポイントになります。
これらの武器はZL/ZR・L/Rボタンに割り振られています。移動は左スティック、体の向き(エイム)は右スティックで調整。さらに左スティックを押し込んで倒すとダッシュ、Bボタンが「ジャンプ(緊急回避)」と、十字ボタン以外はすべて使うゲームプレイですが、2ステージもやれば慣れるはずです。
家電たちの猛攻をかいくぐれ!
本作の骨太っぷりが感じられるのは、操作よりもむしろステージそのものの難易度です。ステージを進めると敵の攻撃が激しくなるばかりか、そのバリエーションも実に多彩に。特にとてつもないスピードで体当たりしてくる家電には、非常に苦労させられました……。死にゲーとまではいかずとも、数度のコンティニューは覚悟しておいてもいいかもしれません。
とはいえ、他の要素できちんとバランスを取っているのが本作の長所です。ステージ途中には、やられてもそこからやり直せるチェックポイントがいくつか配置されているほか、何度か倒されるとライフを+3してコンティニューできるようになったりします。こうしたシステムも活用しながらボスを倒したときの達成感は、非常に大きなものがありますよ。
敵がわんさか出てきて囲まれるなど、手持ちの武器ではどうにもならない状況も都度発生します。そんな時に活用したいのが「ワイルドアタック」。画面左上のワイルドゲージが満タンになると発動でき、周囲の敵を一掃することが可能です。さらに効果中は残弾数を気にせずメインウェポンを撃ち放題! 突如出現した敵に囲まれることなど日常茶飯事の本作では、大変頼りになるシステムです。
とはいえ、使いどころが肝要なのはこうした“必殺技”の常。どこで使うべきなのか、ステージを攻略しながら効果的なポイントを探ってみましょう。ちなみにワイルドゲージは、敵を攻撃したり、攻撃を受けたり、ワイルドドリンクというアイテムを獲得したりすると溜まっていきますよ。
敵を倒したり、コンテナを破壊したりすると「JUNK」が手に入ります。これを使って、「キャンプ」にある芝山商店でさまざまな武器を購入することができます。
前述したとおり、本作には非常に多彩な武器がラインナップされているのですが、その数はなんと98種類。難しいステージも、これまでとは違う武器が効果的だったりするので、色々と試してみてください。筆者も武器を変えたら途端に進みやすくなったことがありました。
なお芝山商店のラインナップを増やすには、ステージ道中で、あるいは特定の条件をクリアすると手に入る「設計図」が必要です。新しいステージはくまなく探索してみましょう。
ポップなグラフィックも楽しもう
最後に、ゲームプレイ以外の部分にも触れておきましょう。これまでのスクリーンショットを見てお気づきの方も多いかもしれませんが、実はこのゲーム、3Dグラフィックとともにピクセルアートが使われている作品なのです。
ただ、それが決して全面に押し出されているわけではない点がニクいところ。じっくり見ると「ドット絵風だ」とわかるようになっており、3Dグラフィックと非常にうまく融合させています。
そんな風にピクセルアートが使われているからこそ、敵となる家電やユニークすぎるボスたちも、可愛らしさがあるんですよね。彼らに苦戦するシーンもありますが、どこか憎めないところが、硬軟ある本作の「軟」の部分を担っているのです。
独特の世界観に始まり、ハードなゲームプレイやポップなグラフィックなど、さまざまな魅力が詰まった本作。特にアクションシューティングファンにはぜひともおすすめしたい作品であり、このボリュームで税込1,500円という価格は、非常にお買い得です。
最大6人で参加できるオンライン対戦も用意されているので、楽しみ方はかなり多彩。やりごたえのあるゲームを探しているという人は、ぜひプレイしてみてください。
(C)2019 Good-Feel Co., Ltd.
※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
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