今遊んでもおもしろい!スマホ移植された名作メトロイドヴァニア「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」レビュー

プレイレビュー
0コメント 田中一広

スマートフォンに移植された「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」をレビュー。「悪魔城ドラキュラ」シリーズ屈指の名作であるとともに、「メトロイドヴァニア」と呼ばれるジャンルの代表作でもある本作の魅力を紹介する。

「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」は、KONAMIから配信されたスマートフォン向け横スクロールアクションゲーム。1997年、初代プレイステーション向けにリリースされた同名タイトルの移植版。ベースとなった作品は、「悪魔城ドラキュラ」シリーズの中で、今なお高い評価を得ている名作タイトル。そんな作品がスマートフォンに移植されたとあっては、プレイしないわけにはいない。そこで、本記事でゲームの特徴を詳しくお伝えしたい。

「メトロイドヴァニア」ジャンルを代表する名作タイトル

「悪魔城ドラキュラ」というシリーズは、ゲームシステム的に主に3つの方向性に分けられる。1つは、純粋な横スクロールアクションとしての方向性。敵を倒しながらステージを進み、ボスを倒せばクリア…というスタイル。ファミコンのディスクシステム向けにリリースされた元祖「悪魔城ドラキュラ」をはじめ、シリーズ中多くの作品がこのスタイルに該当するため、「悪魔城ドラキュラ」といったらコレという印象の人間は少なくないだろう。

2つめは、3Dアクションアドベンチャーとしての方向性。3D空間を自在に動き、敵と戦いつつ探索を進めていく現代的なスタイルだ。「キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ」シリーズがこのスタイル。そして3つめが、横スクロール探索アクションとしての方向性。敵と戦いながらマップを探索。新たなアイテムの発見や、新たな能力の習得が新しい道を見つけることに繋がるという…スタイル。本作、「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」はこの3つめのスタイルに該当する。

ところで、本作のような探索アクションジャンル全般を表す言葉に、「メトロイドヴァニア」という言葉がある。この言葉の語源は本作同様横スクロール探索アクションである「メトロイド」の「メトロ」と、「悪魔城ドラキュラ」の海外での名称「キャッスルヴァニア」。つまり、本作は「悪魔城ドラキュラ」シリーズの一作として名作というだけでなく、「メトロイドヴァニア」というジャンルを代表するタイトルと言っても過言ではない。

主人公はアルカード!剣を使ったシリーズ異例のアクション

シリーズ中の名作であるとともに「メトロイドヴァニア」ジャンルを代表するタイトル…と書いたが、実は本作、「悪魔城ドラキュラ」シリーズの中では異例といっていい。何せ、主人公はシリーズを通じて主人公を務めるベルモンド家の人間ではなく、ドラキュラの息子、アルカード。そして、「悪魔城ドラキュラ」シリーズといえば鞭を使ったアクションがメインだが、アルカードの使う武器は剣なのだ。

物語は、本作の前作となる「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」のラストシーンから始まる。「血の輪廻」の主人公、リヒター・ベルモンドとドラキュラとの最終決戦。ムービー的に描かれるのではなく、プレイアブルなシーンとなっているため、一応、この場面では鞭を使ったアクションが楽しめる。しかし、このシーンはオープニングに過ぎない。

リヒターがドラキュラを打ち破ると、プレイヤーキャラは本作の主人公、アルカードに交代する。アルカードは、ファミコンでリリースされた「悪魔城伝説」において、ドラキュラの息子でありながら、リヒターの祖先、ラルフ・C・ベルモンドとともにドラキュラを打ち倒した男。アルカードは自分に流れる呪われた血を封印するため、永遠の眠りについていた。しかし、最終決戦から4年後。その眠りから目覚める。同じころ、ドラキュラを倒したリヒターは謎の失踪を遂げ、同時にドラキュラ城が復活するという事態になっていた…。

プレイヤーはアルカードとしてドラキュラ城に潜入、敵を倒しながら探索を進めていく。アルカードは右手と左手、それぞれに装備した武器やアイテムを使用できるほか、ジャンプ、バックダッシュといったアクションが行える。また、狼やこうもり、霧といった存在に変身することも可能だ。

しかし、城の探索を進めてすぐにアルカードの能力の大部分は封印されてしまう。おまけにアイテム類も没収。このため、城を探索しながら装備やアイテムを見つけ、失った能力を取り戻していくことになる。

装備やレベルアップによって弱体化したアルカードが徐々に強くなり、アイテムや能力を獲得することで、これまで通れなかった場所に新たな道が見つかる。能力と同時に行動範囲が拡大していくワクワク感。次はここを探してみよう、あそこに行ってみよう、と刺激される好奇心。これぞまさしく「メトロイドヴァニア」の醍醐味。本作のおもしろさは、リリースから23年を経た今でも色あせていないと感じた。

仮想パッドでのボス戦はややつらい!物理パッドの仕様がオススメ

本作、基本的には原作に忠実な移植だ。もちろん、操作方法やUIといった部分は、スマートフォンでの操作に合わせて変更されている。

本作の操作は、仮想パッドで行う。仮想パッドの操作性は悪くないと思う。…少なくとも、探索やザコ戦においては。ただ、ボス戦においては苦戦する人もいるだろう。というのも、移植が原作に忠実だからだ。もちろん、原作「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」は、とりたてて高難度のゲームではない。しかし、仮想パッドではなく家庭用ハードの物理コントローラー向けに調整されている。ボス戦では敵の攻撃を回避しつつ、瞬時に数回攻撃…という複雑なアクションを繰り返すことになるので、仮想パッドではつらいと感じるケースも少なくない。

だが、本作は物理ゲームパッドに対応している。なので、プレイの際は是非とも物理ゲームパッドの使用をオススメしたい。「スマホ向けの物理ゲームパッドなんてもっていない!」という場合でも大丈夫。iOSもAndroidも、PS4やXboxのコントローラーを接続してプレイ可能だ。

…ただこの時問題なのが、「スマホをどう置くか?」という問題。物理ゲームパッドを手に持ってプレイするわけだから、スマホそのものは、どこかに置かなければならない。スマホ向けの物理ゲームパッドのいくつかは、スマホそのものをコントローラーに固定できる。しかし、PS4やXboxのコントローラーを使うのなら、そうもいかない。そこでオススメしたいのが、スマホスタンドだ。スマホスタンドと物理ゲームパッドを組み合わせてプレイすれば、Nintendo Switchのテーブルモードをプレイするような感覚でプレイできる。圧倒的に快適なので、是非試してみてほしい。

ちなみに、本作は育成要素を備えているため、たとえ物理ゲームパッドが使えないとしても、レベルアップを重ねたり、強力なサブアイテムを使うための「ハート」を最大限集めてからボスに挑むことで、難易度を多少、緩和することが可能だ。

耽美な世界観の魅力とBGMも魅力的!今なお楽しめる名作

ここまで、主に探索アクションとしての側面について触れてきたが、本作の魅力はそれだけではない。たとえば、耽美な世界観。貴族然とした佇まいを持つ銀髪のダークヒーロー、アルカード。そして荘厳な城のビジュアルは、耽美な魅力に溢れている。グラフィックそのものは、現在の最先端のゲームと比べてしまうと、どうしても古さ、粗さが否めない。しかし、アクションの描写や演出面は、今でも十分惹きつける力を持っている。

また、耽美な世界観に相応しいBGMも、本作の魅力だ。グラフィックとマッチしており、世界観へグイグイ引き込む力を持っている。

今回本作をプレイして、やはり名作であることに間違いはないと感じた。スマホに移植されたことによる操作性の問題はあれど、PS4やXboxのコントローラーが使えるので、それは大きな問題ではないと言っていいだろう。価格370円…コミックス1冊未満という金額を考えれば、大きな問題ではないどころか、全く問題はない。「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」ファンはもちろん、今回はじめて本作に触れるという人も、物理ゲームパッドを使うという前提で是非プレイして欲しい。

※画面は開発中のものです。

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