KEMCO配信、ライドオンジャパン開発によるスマートフォン向けRPG「砂の国の宮廷鍛冶屋」をレビュー。時間泥棒と言えるほど中毒性の高い本作のシステムについて紹介する。

目次
  1. 宮廷鍛冶屋を目指す冒険者の物語
  2. やめ時を失う!クラフト・育成・バトルのループ
  3. 派手さはないが確実にハマれる一作!

「砂の国の宮廷鍛冶屋」は、KEMCO配信、ライドオンジャパン開発によるスマートフォン向けRPG。KEMCOといえば、スマートフォン向けの買い切り型RPGジャンルで根強い人気を誇るゲームメーカー。なので、KEMCOの新作というだけで期待する人も少なくないだろう。

そんな本作のテーマは、タイトルにもある通り「鍛冶屋」。鍛冶屋を営みながら冒険者としても活躍するという作品。結論を先に言うと、本作は超中毒性が高い!時間泥棒と言ってもいい作品だ。

では本作のどこがそんなに中毒性が高いのか?このレビューでご紹介したい。

宮廷鍛冶屋を目指す冒険者の物語

先に触れた通り、本作の主人公は鍛冶屋兼冒険者。宮廷鍛冶屋だった父が亡くなり、工房を継いだ主人公が、父と同じ宮廷鍛冶屋を目指すというストーリーだ。

ストーリーは用意されているものの、本作は、ストーリー通りに進めていくというタイプの作品ではない。本作で進行を牽引するのは、鍛冶=クラフト機能だ。鍛冶屋としてクラフト機能で武器や日用品を制作、店頭に並べて販売。これを繰り返すことで、鍛冶屋としてのレベルを上げていく。

ただ、クラフトするためには素材となるアイテムが必要だ。そこで、ダンジョンに行って素材を収集することになる。これが、鍛冶屋兼冒険者の「冒険者」部分。ダンジョンではキャラクターを動かし、素材を追い求めて見下ろし型マップを探索する。

ダンジョンではもちろん、モンスターも出現する。モンスターとのバトルはシンボルエンカウント方式。モンスターのシンボルと接触することでバトル画面へ移行。ターン毎にコマンドを選択し、バトルを行う。もちろん、モンスターを倒すことでも素材をゲットできる。

鍛冶や探索を進める上での小目的となるのが、冒険者ギルドの依頼だ。特定の武器や日用品を作るものや、ダンジョン内の特定の地点に到達するものなどが依頼として登場。こうした依頼を達成するためにダンジョンで素材を集め、鍛冶によってアイテムを作っていくことになる。

また、繰り返し依頼をこなす内に依頼内容もグレードアップ。最初は街の住人からのお使い的な依頼しかないが、次第に国の機関や軍などからも依頼が来るようになる。ギルドの依頼を通じて、宮廷鍛冶屋へと近づいているという手応えが味わえるわけだ。

やめ時を失う!クラフト・育成・バトルのループ

よくできたクラフトゲームは、やめ時を失うほどの中毒性を持っている。本作もこの例にもれず、中毒性が高い。いつでもセーブして止めることができるが、ついつい続きをプレイしたくなってしまう。

本作は、ゲーム内の行動が「1日」という単位で区切られている。ギルドや道具屋といった施設の大部分は1日に何回でも利用できるが、ダンジョンには1日に1回しか入れない。また、工房でのクラフトは1日何回でも可能だが、作ったアイテムの販売は1日1回のみ。販売を行うと、その時点で1日が終了し、次の日へと移る。

ギルドの依頼をはじめ、ゲーム的に何か達成期限が用意されているわけじゃない。なので、攻略する上では、「1日」という区切りをそれほど意識しなくても問題ない。では「1日」という区切りに意味がないのか?…いや、そうではない。この区切りがあるから、本作は中毒性が高いのだ。

「1日」という区切りがあることで、必然的にゲーム内の行動パターンは、ギルドで依頼受注→ダンジョンに入る準備→ダンジョン探索→工房でのクラフト→工房でアイテム販売…という流れになる。これが中毒性の原因だ!

依頼を受け、ダンジョンを探索することで新たな素材をゲット。すると、クラフトで新たなアイテムが生産できる。クラフトで作ったアイテムは、工房で販売することもできるが、自ら使用することも可能。なので、当然どのくらいの効果なのか試したくなる…。しかしここで、「1日」終了、続きは翌日。…となると、当然のように「もう1日プレイして、アイテムの効果を確認するか…」という気持ちが湧いてくる。

そして実際、「もう1日」プレイしてアイテムの効果を確認すると、確認したころには新しい素材が手に入っている。すると、どんなアイテムがクラフトできるか確認したい。で、クラフトしたら、生産したアイテムの効果が気になっちゃう…。まさに無限ループ。ゲーム内のどの時点でも続きが気になるような作りなので、「もう1日やってからやめよう」「もう1日やってからやめよう」…と繰り返してしまう。やめ時がない!

また、1日ごとに成長を実感できる作るになっているのも大きい。先に書いた通り、ギルドの依頼をこなすことで、宮廷鍛冶屋という目的に近づいていることを実感できるし、ダンジョンでは、強さ的な成長を実感できる。そして、クラフトしたアイテムの販売によって、売り上げや評判などといった工房の規模も成長。こんな風に、「1日」ごとに着実な成長を感じられるのも「もう1日プレイしたい」という気持ちを後押しする。

さらに言うと、戦闘が快適なことも中毒性に繋がっているように思う。本作の戦闘には、2タイプの自動機能が存在。1つめの自動機能は「オート」。これは、攻撃用のスキルや回復スキルなどを適度に使いながら戦ってくれるオート機能だ。ちょっと強めな敵が相手でも十分通用するが、その反面、ザコ敵が相手だと、スキルの無駄遣いに繋がるリスクがある。これを補ってくれるのが、2つめの自動機能「全員攻撃」。これは、文字通り全員が攻撃するというもの。スキルを使う必要のないザコ相手に便利な機能だ。

2タイプの自動機能を使うことで、戦闘がスピーディーになり、ダンジョンでの素材収集が非常に快適に行える。この快適さ、テンポの良さがあるため、ついつい「あと1日プレイしてから終わるか…」という気持ちになってしまうのだ。

派手さはないが確実にハマれる一作!

この記事に掲載したスクリーンショットをご覧いただければわかる通り、本作はビジュアル的にド派手…という方向の作品ではない。ストーリーは存在するものの、ドラマティックなストーリーで引き付けるという作品でもないので、地味だと感じる人も多いだろう。

しかし、ここまで紹介してきたとおり、本作の魅力はビジュアルやストーリーではなく、クラフト部分にある。クラフト系RPGやローグライクRPGが好きという人なら、確実に本作にハマるだろう。是非プレイしてほしい。ただし、気づくとあっという間に時間が経過してしまうので、プレイ時間の管理には注意しよう。

砂の国の宮廷鍛冶屋

KEMCO

iOSアプリiOS

  • 配信日:2020年4月9日
  • 価格:860円(税込)

    砂の国の宮廷鍛冶屋

    KEMCO

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2020年4月9日
    • 価格:860円(税込)

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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