日本一ソフトウェアより2020年10月29日に発売予定のPS4/Nintendo Switch用ソフト「MAD RAT DEAD」。その体験版が本日7月30日より配信されるのに先駆けた、プレイインプレッションをお届けする。
「MAD RAT DEAD」は、人気のホラーアクション「夜廻」シリーズを生み出したディレクター・溝上侑氏による、完全新作タイトル。ケージの中で一生を終えた実験用ラット(マッドラット)が、ネズミの神さまに与えられた「最期の一日」をつかって、人間に復讐するリズムアクションとなっている。
今回の体験版では、冒頭部分にあたるステージをプレイ可能。筆者自身、プレイするまではどのようなゲームになるのかイメージしづらい部分もあったが、実際に触ってみると、リズミカルなサウンドに乗せた本作ならではのアクション性、そしてカートゥーンアニメ風に表現される、シンプルな筋立てながらも独特な世界観が印象に残った。
ここでは今回の体験版でプレイできる流れに沿って、筆者の視点からのプレイフィールをお届けしよう。なお、今回はPS4版でのプレイとなるため、画面写真およびボタンの説明については全てPS4版準拠となる点は予めお伝えしておく。
まずリズムアクションと言われてイメージするのは、リズムに合わせて流れてくるノーツがターゲットに重なるボタンを押す、いわゆる“音ゲー”と呼ばれるゲームジャンルだろう。本作においてもリズムに合わせてボタンを押す、という点に大きな違いはない。
その上で本作の独自性を高めているのが、リズムゲームの遊びに横スクロールアクションを加えたことだ。横スクロールということで、マッドラットはジョイスティックや十字キーで左右に移動できるのだが、正直なところ実際のプレイではあまり意味はない。というのも、ステージには制限時間が設けられており、マッドラットはその時間内に目的を達成しなければならないからだ。
そこで活かされるのがリズムアクションの要素。画面の下に表示されたハートマークの左右から流れてくるノーツは流れる楽曲のテンポと合っているため、そこでタイミング良くボタンを押すことで、結果的に楽曲に合わせたリズミカルな移動が可能になる。コントローラーの振動も楽曲のテンポと連動しているため、そちらでタイミングを取るのもいいだろう。
左右いずれかの進行方向にスティックもくしは十字キーを傾けながら○ボタンを押す基本アクション「ダッシュ」、×ボタンによる大きな穴や障害物を飛び越えるアクション「ジャンプ」、ステージ中に“悪夢”と呼ばれる敵が出現した際に×ボタンでターゲッティングし、そのまま×ボタンを押すと繰り出せる「攻撃」が主な操作方法。そのほかにも、△ボタンによる溜め(ダッシュの移動距離を伸ばすことができる)、□ボタンによる急降下など、ステージによってピンポイントで活躍するアクションもあり、そのバリエーションは豊富だ。この一連の操作は全て冒頭のチュートリアルで確認できるので、まずは一通りの操作を覚えてゲームを進めてほしい。
なお、マッドラットがその目的を達成するための重要な要素がもう一つある。それが少しだけ時間を遡ることのできる「巻き戻し」。悪夢にやられた場合でも、この機能によって範囲内の任意の時点まで戻ることができ、そこから改めてプレイが可能となる。特にペナルティもないため、アクションゲームが苦手な人もトライ&エラーを繰り返しながら遊ぶことができるだろう。
基本的に各ステージをクリアすることでゲームは進行していくのだが、随所に挿入されるデモシーンによるストーリーにも注目したい。
マッドラットはネズミの神さまの助けを借り、自分を死に追いやった人間に復讐するという目的のため、死ぬ前の時間に戻って行動を開始することに。
突然体から飛び出して喋るようになるマッドラット自身の心臓“ハート”の存在をはじめ、序盤のストーリーだけでも不可解なことがたくさん起こるのだが、それはある意味でマッドラットが精神的に不安定で、狂気をはらんでいることへの関連性も覗かせる。
果たしてマッドラットが目にしていることは実際に起こっていることなのか、それとも……。プレイヤーにとってはストーリーの先が見通せないことが、ゲームをプレイする上でのモチベーションにもなってくるのではないだろうか。
このようにストーリーラインとしては重苦しい部分もあるが、それを感じさせないのが可愛らしくデザインされたカートゥーンアニメ風の世界観だ(もちろんそれが逆に不気味さを醸し出す場面もあるが……)。また、登場するキャラクターは全てリズムに合わせて体を揺らしていて、そうした動きからもポップな雰囲気が楽しめることだろう。
本作ではDYES IWASAKI(ダイスイワサキ)氏、かめりあ(Camellia)氏ら総勢7名のアーティストによるサウンドを収録。リズムアクションならではの軽快でノリの良い楽曲の数々がゲームを盛り上げる。
ストーリーを進めるゲームモード「PLAY」では楽曲は固定となるが、一度クリアしたステージをプレイできる「STAGE SELECT」では、ステージで流れる楽曲を変更することも可能だ。ストーリー中で見ることのできるデモシーンはスキップもできるため、同じステージを繰り返しプレイするにもオススメだ。
なお、ステージクリア時に発表されるリザルトでは、クリアまでの早さやリズムに乗った回数、コンボ数などによってランク付けされる。特にコンボ数は増えれば増えるほどに“ハート”がノリノリになっていくので、視覚的にも楽しみつつハイスコアを目指すことができる。
シンプルな操作性ながらもリズムに合わせるという要素が加わることで、テクニカルな楽しさが楽しめるようになっている本作。初見のプレイからいきなりスムーズにはいかないかもしれないが、操作に慣れてきた頃にコンボが繋がっていく感覚はこのタイトルならではの魅力ではないだろうか。
実際のアクションの様子はプロモーションムービーでも確認できるので、そちらをチェックしつつ、ぜひ体験版で試してみてほしい。