iOS/Android向けロボットクラフト系対戦アクション「重装出陣」をレビュー。NetEase Gamesの新作は、クラフト系とバトルロイヤル系を融合し新たな楽しさを感じさせる一作だ。
「重装出陣」はNetEase Gamesが配信を開始した、iOS/Android向けロボットクラフト系対戦アクション。「荒野行動」や「Identity V」といった人気タイトルで知られるNetEase Gamesの新作は、自由にロボットをクラフトし、他プレイヤーと対戦する…という極めてユニークな作品。早速プレイしてみると、自由度の高いクラフトが非常におもしろい作品だった。この記事では、その魅力をお伝えしたい。
ブロック感覚でパーツを組み合わせロボットを作成
ロボットクラフト…と書いたが、本作のロボットは「ガンダム」や「アーマードコア」といった人型のロボットではない。自由度が高いため、作ろうと思えば人型ロボットも作れるのだろうが、基本的には「メタルギア」や「攻殻機動隊」の「タチコマ」のような非人型のロボットを組むことになる。なので、単語としては「ロボット」より「メカ」の方が近いかもしれない。
ロボットのクラフトは、パーツを連結する形で行う。基本となるパーツは正方形で、6方向へ自由に他のパーツを連結可能。つまり、キューブを自由に連結させて、ロボットを作り上げていくわけだ。この部分は、「マインクラフト」に近いものになっている。
基本となる正方形のパーツ以外に、脚やタイヤ、ブースターといった移動パーツを組み合わせ、さらに武器や盾といった兵器を組み合わせればマイロボットの完成!完成したら、使い勝手がよいかどうか、「無限闘技」モードで試すことができる。
本作のクラフトは、自由度の高さが魅力となっているのはもちろんだが、その上操作性も快適。ロボットを回転させながらパーツを着けたりり外したり…と繰り返すのがまったく苦にならない。だからこそ、心行くまでマイロボットのデザインを追求できる。正直、このモードだけでも十分なくらい、楽しい!
まずはパーツを集めながらパーツの特性を知ろう
ロボットは自由にクラフトできるが、一応、最大積載量という形で制限がある。ロボットのパーツに積載量が設定されており、組み込むことでロボットの積載量が増加。なので、どのパーツを組み込むか、最大積載量の範囲内で取捨選択しなければならない。
したがって、ロボットを組み立てるためには、そもそも各パーツがどんな特性を持っているのか知る必要がある。この「パーツの特性」を学ぶことができるモードが、「パーツ試練」だ。
「パーツ試練」では、本作で用意されたパーツごとにステージが作られており、各ステージをクリアすることで、新たなパーツがアンロックする。いってみればチュートリアル的なモードだが、ただ見ているだけでクリアできるという生易しいモードではない。
序盤こそ難易度が低く、言われた通りに操作していればクリアできる。しかし、ステージが進むと徐々に難易度がアップ。最終ステージとなる「試練:イーグル」は、一筋縄ではいかない歯ごたえだ。筆者は「試練:イーグル」を30回は繰り返した。
「試練:イーグル」の何がそんなに難しかったのかというと、クラフトと操作技術の両方が問われる点。このステージのクリア条件は、制限時間以内にゴール地点へ到達すること。ゴールを目指す途中に制限時間をアップするターゲットが存在しており、ターゲットを破壊しながら進んでいく。また、足場の周囲は崖になっている点も特徴だ。
「試練:イーグル」のステージは、ターゲットを破壊しながらも、崖から転落しないよう的確なルートをスピーディーに進んでいかなければならない。このため操作テクニックが求められるのは当然なのだが、操作感は、クラフトによって大きく左右される。
本作の武器にはクールタイムが発生するため、ターゲットを連続で破壊するためには複数武器を積んだ方がいい。そのためには、ロボットにそれなりの大きさが求められる。
しかしロボットが大きいと小回りが利かない上、スピードも遅くなる。これが物凄く悩ましい…! しかも、一個パーツを増やしたり減らしたりするだけで、認識できるレベルで操作感が変わる。なので、操作してはクラフトで調整、操作してはクラフトで調整…の繰り返しとなるのだ。
操作とクラフトの繰り返しと聞いて面倒に感じた人もいるかもしれない。が、むしろ逆! この部分こそ本作の楽しい要素なのだ。試行錯誤を繰り返す内に、自分のフィーリングとピッタリハマるロボットが作れた時の楽しさ。さらに、そのロボットで見事ゴールインした時の達成感! 思わず誰かに伝えたくなってしまう。ゲーム実況にも適したゲームだ。
臨機応変に機体を組み替え対戦に勝利しよう
「パーツ試練」を進めることで、他のゲームモードも段階的にアンロックされていく。ゲームモードには、資源を取り合う「乱闘」、生き残りを目指す「サバイバル」、大規模マップで争う「究極サバイバル」、トリオでエリアを奪う合う「占領」、建造を行い占領面積で競う「建造モード」…などといったものが存在。いずれもリアルタイムのマルチプレイ対戦だ。
マルチプレイ対戦をしてまず驚いたのが、本作のビジュアルの美しさ。いや、ビジュアルクオリティそのものは「パーツ試練」と変わらないのだが、背景やマップ内オブジェクトのデザインがカッコいいことや、マップの広大さも相まって、臨場感が強く感じられるのだ。
筆者がこのレビューにあたってプレイしたのは「乱闘」。このモードでは参加プレイヤーがコアパーツのみの状態でマップに投下される。マップ内のそこここに、パーツが置かれており、これらを獲得しつつクラフト。敵を倒しながらより多くのパーツを集めていくというゲームモードだ。
ゲーム開始時にロボットをクラフトしてからプレイするのではなく、臨機応変にクラフトしていくというのが新しく、楽しい。新しいパーツを手に入れ次第付け替える…というのはもちろん、敵に応じて武器を変えたり、敵から逃げるためにスピード&防御重視にしたり…といった風に、ただクラフトするだけでなく、戦術性と一体になっている点がおもしろいのだ。
クラフトゲームとしても対戦ゲームとしてもおもしろい一本
本作は「マインクラフト」のようなクラフト系ゲームと、「PUBG」のようなバトルロイヤル系ゲームを融合させ、新たな楽しさを生み出している。クラフト系とバトルロイヤル系の融合といえば「フォートナイト」が存在しているが、「フォートナイト」ともプレイ感が違う。キャラクターそのものを自由に組み替え、それによって戦術のみならず操作感まで変化する点が非常に新鮮だ。クラフト系や対戦ゲームが好きな人は、確実に楽しめると思うので、是非一度プレイしてみてほしい。