2020年4月より放送されたアニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」(以下、「プリコネR」)のBlu-ray発売を記念したキャストインタビュー企画。第4回は、11月6日発売「プリンセスコネクト!Re:Dive 4」の表紙を飾るペコリーヌ役・M・A・Oさんへのインタビューをお届けします。
原作はCygamesより配信中の同名ゲーム。ドラマチックアニメRPGとして、アニメが随所に使われるフルボイス展開のストーリー、個性あふれる可愛いキャラクターたちが動き回るバトル、編成をあれこれ楽しめるゲームバランス、遊びやすさを意識したUIデザインなどが特徴で、サービス2.5周年を迎えて以降さらに人気は上昇。最近ではSNSでのトレンド常連コンテンツとなっています。
そんな人気ゲームのアニメ化として注目を集めた本作は、「この素晴らしい世界に祝福を!」シリーズを手がけた金崎貴臣氏が監督・シリーズ構成を務め、新たな「プリコネR」の魅力を表現してくれました。アニメや2.5周年の施策をきっかけにゲームを始めた人も多いのではないでしょうか。
このインタビュー企画では、Blu-rayのパッケージ表紙を飾るキャラクターを演じたキャスト陣を直撃。最終回となる今回はM・A・Oさんに改めてアニメを振り返っていただきつつ、アニメ・ゲーム双方からペコリーヌというキャラクターを紐解いていただきました。
アニメならではの反応やアドリブも
――アニメ第1期のBlu-rayもいよいよ最終巻となります。第2期のアニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2」に向けて、改めて第1期の感想をお願いします。
M・A・O:本当に楽しかったです。ゲームで見られないような表情やコメディシーンも見せていただけて、よりキャラクターへの愛情が増しました。ペコちゃん(ペコリーヌ)としては、両親がどのような雰囲気で、どのような会話をしていたのか具体的に知ることができたのも、すごく嬉しかったです。
――ペコリーヌが旅に出る前の両親とのやり取りはいろいろ思うところがありましたね。そこから感じたことや、新たに見えたものはありますか?
M・A・O:この両親だからこそ純粋で距離感の近いスキンシップを取るペコちゃんが育ったのだとわかりました。“王様とお妃様”といった立場はありながら、本当に温かいお人柄の素晴らしい両親で、和気あいあいとした雰囲気の素敵な家族だと思いました。
――とてもいい家族ですよね。王族という立場を抜きにして、この両親はM・A・Oさん的にどうですか?
M・A・O:欲しいです!!
……思わず「欲しい」と言ってしまいましたが、これではカイザーインサイトのようになってしまいますね(笑)。
――だからこそ、ランドソル城に戻ってきた時の衝撃は大きかったんでしょうね。
M・A・O:温かさがあったからこそ、帰ってきた時の「あなた誰?」という言葉が……。その落差をきちんと描いてくださったことで、ペコちゃんの心情をより深く感じることができました。
――そういう部分も含めて、アニメになったことでより感じたペコリーヌの魅力はどこでしょうか?
M・A・O:あらためて、ペコちゃんがとことん前向きであるということや、アニメではみんなとの身長差も相まって、ゲームの時よりも包容力が増しているように感じました。
――確かに、まとめて包み込んでくれるような感じがありましたね。見た目的なことではいかがですか?
M・A・O:やはり髪型をチェンジした姿が見られたのはすごく嬉しかったです。
――普通の髪型もいいですけど、ポニーテールはすごく良かったです!
M・A・O:ポニーテールは正義だ!と思いながら見ていました。「キャルちゃんと2人して、その髪型はずるい〜」といった感じで(笑)。
――さらに、第9話では水着姿を見せてくれました。ゲームでもペコリーヌ(サマー)は性能だけじゃなくイラストも話題となりましたが、アニメで動いた姿を見てどうでしたか?
M・A・O:みんな可愛い〜と思って、本当に幸せでした。水中で手を合わせるシーンも感動しました。そして、“プリンセススプラッシュ”は手でもできるのか!とも思いました(笑)。
――武器はいらなかったんだと(笑)。
M・A・O:あとは、ゲームにはあまりなかったようなコメディシーンが多かったので、ひとつひとつのリアクションやアドリブにも新たな発見があり、そういったところも楽しく演じさせていただきました。
――そのようなコメディシーンを演じる上で意識したことがあればお聞かせください。
M・A・O:コメディシーンでは、アニメならではの動きに合わせてセリフにはない反応をすることが多く、そういった部分をどうしようかと考えました。ゲームも“ドラマチックアニメRPG”ということでアニメはあるのですが、格好いいシーンや可愛いシーンが多かったので、今回のTVアニメではキャルちゃんをからかうところや、言い返された時の反応などで味を出せるよう工夫しました。
――アフレコではアドリブもどんどん入れて大丈夫な雰囲気だったのでしょうか?
M・A・O:監督がアドリブを喜んで下さる現場だったので、頑張ってチャレンジしてみようと思いました。
――金崎監督の味が存分に出ていましたし、結構自由にやることができたわけですね。
M・A・O:もちろん、ペコリーヌとしてのベースはきちんと踏まえた上で、どこまでも振り切っていいという雰囲気でしたね。
――その感覚は、コメディシーン以外でも同様だったのでしょうか?
M・A・O:やはり皆さんと掛け合いをさせていただけたのが大きいです。例えば、リトルリリカルの3人(ミミ、ミソギ、キョウカ)のように自分より小さい子と接する時のペコちゃんの表情がすごく優しくて、お姉さんな部分を強く感じることができました。
――確かに。ゲーム第2部で赤ちゃんのようになってしまった主人公と接することはありましたけど、それはまた別ですし。
M・A・O:コッコロちゃんも小さいですけど、“ママみ”があるのでまた違いますね(笑)。
――小さい子相手に限らず、お姉さん感はアニメですごく感じましたね。
M・A・O:(第6話で)酔っ払った時には「キャルちゃんもおいで〜」といった感じでしたし、ふとしたところでお姉さんらしさが出てくるところもいいですよね。ぜひそういうところもBlu-rayで感じていただきたいです。
ゲームの“あのシーン”をアニメで見てみたいです
――リトルリリカルの名前が出ましたけど、美食殿以外のギルドやキャラクターでほかに印象的だったことはありますか?
M・A・O:どこのギルドも楽しかったのですが、トワイライトキャラバンのエリコさんが本当にヤバいお方なのだなと改めて思いました(笑)。
――あの指輪は絶対につけたくないですよね。
M・A・O:そうですね(笑)。あと、またリトルリリカルのことになってしまうのですが、3人で歩きながら歌を歌っているシーンがありまして。
――「リトルアドベンチャー」(ゲーム内ストーリーイベント「リトル・リリカル・アドベンチャーズ!」エンディングテーマ)ですね。
M・A・O:まさかこれを生で聴けるとは思わなかったので、美食殿のみんなと一緒に「やった!」とソワソワしていました(笑)。あと、戦闘シーンの時にゲームと同じ文言で必殺技を叫んでくださったのは、嬉しかったですね。
――そういえば、ペコリーヌの必殺技“プリンセスストライク”が一撃必殺の強さだったのはどう思いましたか? ゲームだとタンク役ということもあって、そこまでは強くないかなと。
M・A・O:そうですね……おそらく、ゲームだと敵が硬すぎるのだと思います(笑)。必殺技のことで言えば、ハツネちゃんとシオリちゃんの姉妹が一緒に必殺技を撃つシーンもよかったですね。
――いきなりシャドウが出てきてシリアス展開になったのも驚きました。
M・A・O:しかも2話展開でしたし、「これがエモいということか!!」と胸が熱くなりました(笑)。
――そういうシリアスもありつつ、第1期は主に各ギルドやキャラクターの紹介を兼ねたお話になっていて、最後に核心となるストーリーが動いた印象でした。第2期ではどのようなことを期待していますか?
M・A・O:ツンデレで素直になりきれなかったキャルちゃんも(ペコリーヌに)抱擁し返してくれて、やっと本当の意味での“美食殿”が成り立ったのが第1期だと思うので、第2期ではみんなのパーソナルな部分が描かれたらいいなと思います。第1期では、キャルちゃんとカイザーインサイトとの関係は?というところで終わったので、今後が気になります。
――ペコリーヌ自身については、こういう姿を見たいとかこんな活躍をしてもらいたいとかありますか?
M・A・O:そうですね……大食い選手権のようなイベントが、コメディ回で見てみたいです(笑)。
――第1期もちょっとしたシーンとしてありましたよね。予想通りの圧勝だったので、もっと大きな大会にしないと対抗馬がいなそうですが。
M・A・O:ほかには、ペコちゃんはクリスティーナさんとの邂逅がまだなので、実際に対峙した時にどんなやり取りをするのかも楽しみです。2人とも、方向性は違いますが“距離感の近さ”がありますからね。(対峙したら)ペコちゃんはゲームと同じようになるのか、それとも違うのか。そもそも対峙するのだろうか、という興味もあります。
――(クリスティーナと同じ七冠である)ネネカも全然活躍しないまま終わりましたからね。
M・A・O:格好良くシュッと出てきましたけど、顔見せだけという感じで残念でした。
――謎が明かされていくであろうメインストーリーは、ゲームと同じような展開になるのかアニメオリジナルの展開になるのかも楽しみです。
M・A・O:ゲームの展開で言うと、私は(ゲームにあった)キャルちゃんとのやり取りからキャルちゃんのキャラクターソング「Absolute Secret」(メインストーリー第8章エンディングテーマ)で終わるあの切ないシーンをアニメで見たいですね。
――あのシーンは胸が締め付けられました。
M・A・O:アニメでそのまま見てみたいので、ゲームのシナリオからそれほど変わらない方向で行ってほしいなと思っています。
自分自身と違う距離感のキャラクターを演じさせていただくのは新鮮でした
――ゲームの方に話を移しますと、メインストーリーの第2部も核心に迫ってきました。ペコリーヌは第2部では公の“王女”という立場となりましたが、演じる上ではどのようなことを意識したのでしょうか?
M・A・O:ペコちゃんの本質が変わったわけではないのですが、立場が変わって思うようにいかないもどかしさはやはり感じました。第1部の時は、本当に自由奔放で気ままな感じに「美食殿でいきましょう!」とやれていた部分が、王女という立場に戻ったことでできなくなってきているようなところは、演じさせていただく上でも意識しています。
――王宮でペコリーヌを補佐するキャラクターたちも政治色が強く出ていたりして、そういうところも第1部とは違った面白さがありますね。
M・A・O:賢くて、ちょっと悪いような(笑)。
――政治利用されなければいいんだけど……と思ってしまいます。
M・A・O:ペコちゃんは人がいいですからね。「利用されたらダメだよ」と心配しつつも、立場的にそれをやらなければいけないので、本当にもどかしいです。
――敵側にも、バラエティ豊かな新キャラクターが多数登場しました。特に気になったキャラクターを挙げるなら誰ですか?
M・A・O:アゾールドさんです!ペコちゃんが外見を見て「美味しそう」と反応していましたし、喋り口調も個性的で魅力的なキャラクターだと思います(笑)。
――第1部のペコリーヌは「自由奔放で気ままな感じ」と話していたように、キャラクターストーリーなどでも最初から距離感がめちゃくちゃ近くてグイグイきていましたね。
M・A・O:そうですね(笑)。
――当時はメインストーリーの最終的な展開などはわからずに演じていたと思いますが、こういう距離感のキャラクターを演じてどうでしたか?
M・A・O:私自身は距離感を近づけられないタイプの人間なので、とても新鮮でした。(最初から)こんなに近くて大丈夫なのだろうかと思いつつも、自分ではやったことのない行動をキャラクターとしてできるのがすごく楽しかったです。
――ペコリーヌに影響を受けて、ご自身も同じようにやってみようとは?
M・A・O:現実には難しいですが、ちょっとした勇気にはなりました。ペコちゃんとまではいかなくても、自分からもっと話しかけてもいいのかなと。
――そんなペコリーヌについて、先ほどはアニメになったことでの魅力をお伺いしましたが、ゲームを通して感じる魅力はいかがでしょうか?
M・A・O:底抜けに明るくて、くじけずに自分のできることを順序立ててやっていく前向きさが魅力的だと思います。王女として(政治的なことなど)いろいろやるとなった時も、悲劇のヒロインぶるのではなく、できないながらも勉強して頑張っていく姿勢や、きちんと人を信じられるところも素敵ですよね。騙されないように気をつけて、とは思いますが(笑)。
――アニメでも、いきなり冒頭から騙されていましたよね。
M・A・O:ゲームでは第2部になって少しは疑うことを知りましたが、「信じたい」という気持ちは変わらず持ち続けていますよね。
ペコリーヌは周りを照らす太陽のような存在
――もし、ペコリーヌみたいに「いい人ではあるけど、距離感をグイグイ詰めてくるような人」が実際にいたらどうですか?
M・A・O:先ほどもお話したように、私は自分から行けないタイプなので、向こうから来てくれるのは嬉しいかもしれないです。ペコちゃんの場合は(距離感が)近すぎるかなと思いますが(笑)。
――常に抱きついてくるのは平気ですか?
M・A・O:ペコちゃんが来てくれたら、「わ〜! ペコちゃんは今日も元気だね。ご飯食べに行く?」となると思います。
――ペコリーヌとのご飯だったら、割り勘でお願いしますってなるかもですが。あの量を全部おごるのはさすがに……。
M・A・O:財布に響きますね(笑)。
――でも、量はともかく美味しく食べるところは彼女の魅力のひとつだと思います。
M・A・O:ゲームでもアニメでも本当に幸せそうに食べてくれるのがいいなと思いますし、見ていると食欲が湧いてきます。あまりに美味しそうに食べるので、「収録後はボリュームあるものを食べようかな……」となりますね(笑)。
――ちなみに、美食殿のメンバーもそうですし、ほかのギルドのメンバーも“お姉ちゃん”キャラや“妹”キャラ、“ツンデレ”キャラなどさまざまな属性や特徴がありますよね。そういう意味では、ペコリーヌは何キャラだと思いますか?
M・A・O:やはり、“大食い”キャラですかね(笑)。
――お腹ペコペコのペコリーヌですからね。性格的なことではどうですか?
M・A・O:とにかく明るくてポジティブだから……“太陽”でしょうか!!
「自分のことを太陽だと思っていない太陽」だと思います。知らないうちに周りを照らしてくれるので。
――今のところ“太陽”キャラはいませんね。
M・A・O:それでは、みんなをあたたかく見守り照らす、太陽ポジションがいいかなと思います。
――包容力があってあたたかく見守る太陽っていいですね。食べている姿ももちろん魅力的ですが、みんなを一気に抱きしめる姿も素敵ですし。
M・A・O:(美食殿の)3人一緒にガバッ!ですね(笑)。
――最後に、ゲーム、アニメ、そのほかの展開も含めて、今後「プリンセスコネクトR」に対する希望や期待したいことをお聞かせください。
M・A・O:これまでもギルドのメンバーや、いろいろな組み合わせでキャラクターソングが出たりもしましたので、ぜひゲーム第2部の敵側である「レイジ・レギオン」のキャラクターたちの曲も聴いてみたいです。
――曲調にも幅がありそうですね。
M・A・O:アニメの第2期ではストーリーもより深い内容になっていくと思いますので、いろいろなキャラクターが登場して活躍して欲しいですね。オープニングとエンディングがどうなるのかも気になるところです。そして……いつか映画化もされたら嬉しいです!
――いいですね。大きなスクリーンで派手な演出を見てみたいです。
M・A・O:映像も本当に綺麗で、みんなの髪がなびいて光るたびに、なんて素敵なアニメなんだろう……と感じているので、映画館の大画面で皆さんと一緒に楽しみたいと思いますね。
――太陽のようなペコリーヌの活躍が大画面で見られるのを楽しみにしています。ありがとうございました!
アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」公式サイト
https://anime.priconne-redive.jp/