「新サクラ大戦」の舞台化作品である「新サクラ大戦 the stage」が11月19日から23日まで全9公演でヒューリックホール東京にて上演中。ここでは、そのゲネプロレポートの模様をお伝えしていく。

目次
  1. “歌謡ショウ”とは異なるアプローチで「新サクラ大戦」の魅力を伝える
  2. キャスト&作曲家・田中公平氏コメント
  3. 公演概要
  4. チケット情報
  5. Blu-ray情報

“歌謡ショウ”とは異なるアプローチで「新サクラ大戦」の魅力を伝える

さて、「サクラ大戦」の舞台と言えば“歌謡ショウ”を思い浮かべる人も多いだろう。歌謡ショウはキャラクターの声を演じている声優が舞台でもキャラクターを演じていたが、今回の舞台はゲームのキャストとは異なる役者陣が演じているのが大きな特徴と言える。

なお、メインキャストは天宮さくら役の関根優那さん、東雲初穂役の高橋りなさん、望月あざみ役の寒竹優衣さん、アナスタシア役の平湯樹里さん、クラリス役の沖なつ芽さん。

筆者はオリジナル版のゲームには思い入れがあり、それぞれのキャラクターと芝居をする声優陣にも思い入れがあるが、この舞台もこの舞台でとても楽しむことが出来た。役者陣はキャラクターのコアとなる部分をしっかりと理解しているためブレていないし、かつ無理に声などの演技をオリジナルに寄せようともしていないので、彼女たちなりの自然な演技を舞台で見ることが出来た。とくに曲のパートで、オリジナル曲を踊り、歌う姿には彼女たちならではの魅力を感じた。

もともとの「新サクラ大戦」は全10話で構成される長編アドベンチャーで、どのように舞台が構成されるのか気になっていたが、第1話と第2話をじっくり描く内容になっていた。10時間以上のボリュームがあった原作を無理に2時間に収めるとストーリーが駆け足になってしまうため、2話で区切ったことは良かったと思う。

文章で全10話の2話と書くと短く感じてしまうが、アンサンブルのダンスや役者陣の多彩な衣装チェンジ、舞台装置による派手なギミックもあり体験は濃密なものだった。

また、舞台はアドベンチャー(演劇)パートとLIVEパートに分かれており、LIVEパートはそれぞれのソロ曲もしっかり披露する構成。そのため、とても満足感の高い舞台に仕上がっている。

アドベンチャー(演劇)パートの内容に関しては公演やBlu-rayで楽しんでもらいたいので詳しく触れるのは避ける。ここでは筆者が関心したポイントや注目して見ておくと楽しいポイントを解説していく。

まず注目してもらいたいのがアンサンブルである“芽組”の存在。最近の舞台はメインキャストはもちろん、アンサンブルがとても舞台のクオリティ面で重要な役割をしているが、本舞台の“芽組”は素晴らしい。

大帝国劇場の若手スタッフという立ち位置で、大帝国劇場の支配人・神崎すみれとともに舞台の上に立つ役者と下にいる観客の間を埋める架け橋になってくれる。

演劇の進行中は敵である“傀儡機兵”の無機質で恐ろしい存在感なども再現されるが、なかでも効果的だったのは銀座の街や大帝国劇場を行き交う人々の構図。もともとゲームの「新サクラ大戦」が和と洋の降り混ざったモダンな雰囲気が特徴の作品だったが、“芽組”たちの演技のおかげで舞台ではその雰囲気が立体的な空間で表現されていた。

次に注目したいのはLIPS。「サクラ大戦」シリーズには制限付き選択肢である“LIPS”というシステムがあるが、舞台でもこのシステムが再現されており、神山誠十郎がどの選択肢を選ぶのかワクワクしながら見ることができた。

原作でのLIPSはギャグ的な選択も選べるが、舞台版では基本的に紳士的なものを選んでいた印象。そのため、あまり内容が脱線したりすることはせず物語に集中できた。また、ゲーム版をプレイしていないユーザーであれば、ほかの選択肢をゲームのほうで試してみるという楽しみもできるだろう。

また、舞台ならではのLIPSである“クリップLIPS”も存在。これは舞台の観客が選びたい選択肢で拍手をして、より拍手の大きかったものが選ばれるというもの。

物語的にそれほど重要でない部分で発生するため、大きく物語が分岐するようなことはないが、自分たちで物語の展開を選べるのはゲームのようでおもしろい試みだ。

さらに、ゲームではいい雰囲気になった隊員の顔がアップになり、頬に触れるなどのスキンシップが取れたりする演出があったが、舞台でも巨大なプロジェクターを使って表現。ゲーム版同様にさくらの迫るキス顔にドキドキしてしまった(笑)。

また、キャラクターとの通信などに使用するアイテム“スマァトロン”も登場。ゲームの雰囲気をしっかり再現していた。

また、ゲームの再現といえば、主人公の神山誠十郎は外せない。姿こそ見せないものの、ゲームと同じ阿座上洋平さんがボイスを担当しているため、この舞台の「新サクラ大戦」らしさ、空気感を大きく上昇させている。

「主人公が姿を見せないことに違和感があるのではないか?」と思われるかもしれないが、そのようなことはなかった。これは舞台を見ている自分が神山の視点であるなど、主観で楽しめるように工夫されているからだろう。

もともと、本舞台は3月に上映される予定だったものが、昨今の状況により開催延期に。それがついに公演にこぎつけたという経緯を持つ。

「新サクラ大戦」の1話は、さくらの諦めない心が新しい道を切り拓くというストーリー。ゲーム版は「サクラ大戦」の復活を諦めずに祈り続けたファンやクリエイターの気持ちを乗せたものだったと思うが、今回の舞台もまた、決して諦めない心が公演への道へと繋がったシーンだと感じることが出来た。

ぜひ、ファンはその目でこの奇跡を確認してほしい。

キャスト&作曲家・田中公平氏コメント

関根優那さん(天宮さくら役)

――ゲネを終えての気持ち、公演への意気込みを教えてください

やっとこの景色が見られるんだと涙が溢れました。中身が濃くて一瞬に感じるくらい熱量持ってやっています。ずっと心待ちにしてくださっているファンの皆さんの為に、新しい花組の歴史のいい幕開けになる公演にしたいと思います!

――ご自身の役の見所、注目してほしいポイントを教えてください

帝国華撃団を愛する気持ちが誰よりも強く夢に向かってどこまでも頑張れる真っ直ぐな女の子です。とても可愛くて華やかで、ボロボロになりながらも立ち向かいながら戦うかっこいい姿もある。そんな所を注目してほしいです!

――舞台オリジナル楽曲があります。見所聞き所を教えてください

とにかく壮大です!ミュージカル、一つの作品になっている曲で掛け合いで歌う部分はそれぞれの気持ちが重なり合ってすごく素敵です。公平先生が特別に作ってくださり、ここでしか聞けない楽曲なのでぜひ浸って聴いていただきたいです。

高橋りなさん(東雲初穂役)

――ゲネを終えての気持ち、公演への意気込みを教えてください

3月の公演延期を経てステージに立てた喜びを改めて実感してます。そしてやっと全国の隊長さん(お客様)にお会いできます!!この舞台は見に来てくださる方がいてこそ完成する作品だと思いますので、たくさん心待ちにしてくださっていたファンの皆様の気持ちを受け取って、全力で初穂を生きたいと思います。

――ご自身の役の見所、注目してほしいポイントを教えてください

男まさりでサバサバした初穂ですが、時々現れる繊細で乙女な一面にも注目していただけると初穂のギャップを楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。仲間想いで友情に熱く、花組のみんなを引っ張っていこうと頑張る初穂にも注目してくださいね。

――舞台オリジナル楽曲があります。見所聞き所を教えてください

初めての疾走感のあるクールな楽曲です。サビでの花組みんなの掛け合いは歌うのがとても難しいのですが、それに合わせて激しいダンスもしているんです。そこはぜひ皆さん一緒に踊っていただきたいです。花組とひとつになって盛り上がりましょう!

寒竹優衣さん(望月あざみ役)

――ゲネを終えての気持ち、公演への意気込みを教えてください

めちゃくちゃ緊張しました。でも途中から自分のリズムを取り戻してきて楽しんでやることができました。念願だった舞台「新サクラ大戦 the Stage」の幕開け。皆さんと一緒に楽しんで心があったかくなる作品を届けられるよう頑張ります!

――ご自身の役の見所、注目してほしいポイントを教えてください

なんといってもあざみの仕草!どこを切り取っても可愛いで溢れています。小さいながらに芯の強さが引き立つクナイでの戦いぶりもカッコイイです!

――舞台オリジナル楽曲があります。見所聞き所を教えてください

キャラソンは一人一人の個性いっぱいです。曲にのったもん勝ち!というくらい元気に一緒に楽しんでほしいです!

平湯樹里さん(アナスタシア・パルマ役)

――ゲネを終えての気持ち、公演への意気込みを教えてください

初めて衣装をつけてヘアメイクして、照明やセット全てがある状態で通して、すごくわくわくしたのと同時にそれ以上に緊張して震えました。でも3月からパワーチャージしてきたわたしたちの舞台を早くお客様に観ていただきたいなと思いました。

――ご自身の役の見所、注目してほしいポイントを教えてください

戦闘シーンです。基本は銃だけなんですけど、必殺攻撃を出すときには番傘型の武器が出てくるので、そこは絶対に見てほしいです。

――舞台オリジナル楽曲があります。見所聞き所を教えてください

この曲はオーケストラのようなとても壮大な曲です。いつもの役の衣装ではない衣装を着ているので、普段見られない花組の姿を観ていただけ
たらなと思います。

沖なつ芽さん(クラリス役)

――ゲネを終えての気持ち、公演への意気込みを教えてください

隊長さん達にやっとこの舞台をお届けできるのが楽しみです!花組のかっこよさを伝えられるように全力で参ります!

――ご自身の役の見所、注目してほしいポイントを教えてください

まずは隊長とのデートシーン! 本当にデートしているような気持ちになってもらえるように頑張って演じます。もう一つは、戦闘シーン! 可愛らしいクラリスと強く気高いクラリスの両方を楽しんでもらえたら嬉しいです!

――舞台オリジナル楽曲があります。見所聞き所を教えてください

壮大でとても素敵な曲です。そして、この曲のクラリスパートでは、またクラリスの違った魅力が見られますよ! これは舞台でしか見られません!

田中公平氏

――ゲネを見ての感想、公演を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

サクラの舞台が帰って来た! あの伝説のサクラ大戦歌謡ショウとは、別の形ではありますが、正に本物のサクラ大戦でした。歌も踊りもお芝居も殺陣も、本当にハードワークを要求されているのにもかかわらず、花組、芽組の皆さんのキラキラした姿に、物凄い感動を覚えました。そして、現代的なテクノロジーを駆使した素晴らしい演出には驚かされました。素晴らしい舞台です。

公演概要

舞台「新サクラ大戦 the Stage」

原作:「新サクラ大戦」(セガ)
シリーズ原作:広井王子
音楽:田中公平
演出/脚本:伊藤マサミ

出演者
天宮さくら:関根優那
東雲初穂:高橋りな
望月あざみ:寒竹優衣
アナスタシア・パルマ:平湯樹里
クラリス:沖なつ芽
神崎すみれ:片山萌美
神山誠十郎:阿座上洋平(声の出演)

※出演者は変更になる可能性があります。

美術:乘峯雅寛
舞台監督:寅川英司
照明:斉藤嘉和、大波多秀起
音響:前田規寛(ロア)、中越遙香(エスイーシステム)
映像:川崎貴司、ジュリアジャパン
衣裳:八重樫伸登
ヘアメイク:木村美和子
特殊造形:林屋陽二、鈴木雪香、長谷部美月
歌唱指導:鎮守めぐみ
歌唱指導助手:平岡由香
音楽制作:當眞一
振付:小沢いくみ(avex proworks)
芝居パート振付:山田せいら
殺陣指導:芹澤良
殺陣補佐:常光博武
小道具:小山内ひかり
宣伝美術:五島英一
演出助手:高島大輝
制作:Office ENDLESS

主催:エイベックス・ピクチャーズ

チケット情報

日程

2020年11月19日~23日 全9公演
※会場での公演に加えて23日の公演は生配信が実施されます。

会場

ヒューリックホール東京
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2丁目-5-1 有楽町マリオン11F 阪急メンズ東京側

チケット

会場

一般席 7,800円(税込/全席指定)

楽天チケット
受付サイト:http://r-t.jp/sakurataisen_stage
チケットぴあ
受付サイト:https://w.pia.jp/t/shinsakura-stage/
イープラス
受付サイト:https://eplus.jp/shinsakura-stage/
ローソンチケット
受付サイト:https://l-tike.com/shinsakurastage/

生配信

2公演配信チケット

チケット価格:6,300円(税込)

・11月23日(月・祝)の2公演を視聴可能
※11:30~の部については、アフタートークまで視聴できます。
・2公演のアーカイブ視聴可能(対象公演終了後~11月23日(月・祝)23:59)
・「花組」お見送り特典映像(配信限定・2公演分)

受付期間:2020年9月18日(金)~11月23日(月・祝)12:00

1公演配信チケット【11:30~の部】/【16:30~の部】

価格:各3,500円(税込)

・11月23日(月・祝)の各1公演を視聴可能
※11:30~の部については、アフタートークまでご視聴できます。

・各公演のアーカイブ視聴可能(対象公演終了後~11月23日(月・祝)23:59)
・「花組」お見送り特典映像(配信限定・各1公演分)

1公演配信チケット受付
受付期間:
【11:30~の部】2020年9月18日(金)18:00~11月23日(月・祝)12:00まで
【16:30~の部】【11:30~の部】2020年9月18日(金)18:00~11月23日(月・祝)17:00まで

受付URL(3種チケット共通)
https://secure.live.nicovideo.jp/event/lv328075991

Blu-ray情報

【タイトル】舞台「新サクラ大戦 the Stage」Blu-ray
【発売日】2021年3月26日(金)
【価格】7,800円(税別)
【品番】EYXA-13178
【収録内容】2020年11月23日夜の大千秋楽公演の模様を収録
【特典映像】キャストカメラ映像、ライブシーン定点映像
【封入特典】ブックレット
※商品の収録内容、特典および仕様は予告なく変更になる場合がございます。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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