2021年1月28日に発売されたPS4版「メルヘンフォーレスト」を直感赴くままに10時間プレイしてみましたので、その状況をゆるく正直に正確に、そして、なんとなくモヤっと伝えていきます。
目次
「メルヘンフォーレスト」シリーズは、スマホアプリのダンジョン探索RPG「メルヘンフォーレスト~メルンちゃんと森の贈り物~」から始まり、クオリティアップして追加要素の加わったPC版を経て、完全リニューアルされたのが、今作になります。
ニンテンドー3DSや PS Vitaが全盛の時代には、スマホアプリの移植作品というと、携帯ゲーム機向けに移植されることが多かったのですが、最近ではPS4やNintendo Switchに移植の波が来ているようです。
いや、実際には十分にPS4やSwitchに流れてきていることは知っていたのですが、どちらかというとダウンロード版先行で、ある程度、実績を積んでからパッケージ化される流れが多い中で、「メルヘンフォーレスト」はいきなりパッケージ版のある商品構成で登場。主人公のメルンちゃんの声を竹達彩奈さんが担当したり、限定BOXには超ハイクオリティのフィギュアが同梱されていたりと、発売前から力の入れ様が伝わってきていました。
……と、なんとなくパッケージ版を紹介するような流れに見えますが、今回はダウンロードコードを頂いたため、ダウンロード版でプレイを始めてみます。
1.ほのぼのとした冒険で3時間成長
2.洞窟を奥へと突き進み6時間成長
3.階層移動を繰り返して8時間成長
4.これでラストだと思い10時間成長
5.そして、まとまらないまとめ
ほのぼのとした冒険で3時間成長
ゲームを起動すると、ロード画面には猫耳のような女の子が肘をついているのですが、その周辺には現代でいえば化学系の研究室にありそうな道具が並び、ゲームの世界的には錬金術的な雰囲気を感じたりもします。
一方、タイトル画面になると、猫耳の女の子のポーズはあまり変わらない反面、逆側には険しい顔をして本を見ているうさ耳の女の子がいます。やはり部屋中は若干実験道具っぽさを感じるも、かき混ぜ棒が突っ込まれた大きな釜があり、怪しい薬が生み出されそうな雰囲気が伝わってきます。
ゲームを始めると、そこは本当にほのぼのとした世界でした。これから一人の女の子の小さな冒険の物語が始まるようです。
とはいえ、あのロード画面とタイトル画面の女の子が冒険をできるのか、不安に思わずにはいられないのですが、ゲーム開始後のファーストカットの女の子は大変りりしい顔をしているため、これは大丈夫かもしれません。
いや、やっぱり不安。
まぁ、そんなもんでしょう。
メルンちゃんはプレイヤーが操作するキャラクターなので、伸び代があった方がプレイのし甲斐があります。
というか、まだ錬金釜を自由に使える存在ですらなかったようです。
どうやら、薬の調合から冒険が始まるようですね。しかしおじいちゃんの難しい話によって、
夢の世界を大冒険!
……ともならないわけで、
ともかく、森で薬の材料を集めることになります。
森で薬を、とのことですが、実際のところ家の周辺がそのまま森のようです。
操作方法はというと、移動と決定さえ覚えておけば何とかなりそうです。
移動していると、メルンちゃんの頭に「!」が表示されるため、○ボタンを押すと何かしらの関与をすることができます。基本的には会話、もしくは独り言といった感じでしょうか。
とりあえず2つの素材を拾うことができました。
これで素材はそろったということで、おじいさんのところに届けると、薬の調合が始まります。
手に入れた2つの素材を釜に入れてぐつぐつと煮込むと薬が完成。
そして、メルンちゃんは「なりたて薬師」になりました。
まだまだ移動範囲は狭いのですが、それでも家の庭から外に出ることができるようになり、「旅芸人さん」とも話すことができるようになりました。
色々な人に話しかけて、何が必要か把握しつつ、他の場所で何かを手に入れるという、いわゆるお使いスタイルでイベントをこなしていきます。
イベントの合間には、トレーナーになって「ぺんた」を育てられるようになりました。
キノコの妖精さんからキノコにまつわるクイズが出題されることがあります。
そして、素材をお爺さんのところに持っていき、釜に素材を入れてぐつぐつと煮込むと薬が完成して、メルンちゃんは「最近噂の薬師」になれました。噂になる範囲はかなり狭そうですけど。
とりあえず森の移動できる範囲を動き回り、話しかけられる人に話しかけまくれば、なんとなく素材が揃うゲームなのかな、と思いつつも、薬師の道はそんなに甘くはありません。
次の薬を作るべく、森を駆けまわって素材集めをしていると、釣りができるようになりました。
もしかしたら、釣りも素材集めに大事な要素なのでは? と思って、釣って釣って釣りまくりました。
釣りの最中には、ぺんたの状況報告が入り、そういえば先程トレーナーになったことを思い出しました。
ぺんたに新しい指示を与えておきましょう。
またまた釣って釣って釣りまくります。というか、キャッチ&リリースなので、釣って手に入るのは魚拓なんですよね。
薬師の前に釣り師としての修業をこなしていくうちに、道具にこだわりはじめ、おじさんに魚拓を売ってお金を稼ぎ、そのお金で新しい釣り具を入手。
釣りは腕前ではなくて釣り具なのだと気づかされながらも、釣って釣って釣りまくります。
そういえば、ぺんたってどうなったのだろう? と思ったところ、ぺんたが最強スペックになっていました。
そして、遂には一番いい釣り具を手に入れて、更に釣りまくってもお金を稼ぐ以外のことができないことに気付かされます。
そろそろ素材がたくさん揃ったので、おじいさんのところに行ってみると、「最近噂の薬師」のメルンちゃんは魚拓でさえも素材として使ってしまいます。
残念ながら、出来上がった薬はさっきと同じ。
どうやら、メルンちゃんは持っているモノを全て釜に放り込んでしまうため、イベントをこなしながら持物の調整が必要のようですね。
ということで、試行錯誤をした結果、無事、お題をクリアして「一人前の薬師」になることができました。
ストーリーが一区切りすると、主題歌と共にムービーとなり、もしかしてここからが本番? と頭に「?」が浮かんだところで、約3時間となりました。
洞窟を奥へと突き進み6時間成長
どうやら先程までが第1部だったようで、ここから第2部の「~メルンちゃんと不思議の森の洞窟~」が始まるようです。
のどかな雰囲気だったはずが、いきなり危ない人の登場です。
そういえば、このゲームのジャンルって「ダンジョン探索RPG」だったよな。これまでRPGっぽい行動って何かしたっけ? いや、何もできなかった女の子が薬を作れるようになったのだから、あれだって十分にロールプレイして成長したんだよ。
などと頭の中で考えつつも、危ない人には近づかないでその場その場を調べていても何も話が進まなそうなので、怪しい人に話しかけてみると、彼は単なる「旅人さん」でした。人は見た目で判断してはいけません。
隣の部屋に行くと、タイトル画面にいたうさ耳の女の子がいました。うさ耳の女の子の周りには青い炎が見えるような気がするのですが、きっと記憶を失くしている以外は単なる「従者」なのでしょう。
ともかく「ダンジョン探索RPG」なので、ダンジョンに入ってみると、マップを上から見るスタイルになりました。画面上方には体力と食料のゲージがあり、時間の経過と共に食料が減り、敵からダメージを受けると体力が減るようです。
ダンジョン内を歩いて敵に遭遇すると、バトルシーンに移行します。
このバトルシーンはリアルタイムに進行し、メルンちゃんは「攻撃」「防御」「回避」の3つの行動をすることができるのですが、リアルタイム進行ゆえに、敵の行動にも目配せが必要で、敵の攻撃に合わせて「防御」や「回避」をしないと、あっさりと攻撃を喰らってしまいます。
敵の攻撃方法が赤文字で表示されたときには、「回避」をすればダメージを受けません。
敵の攻撃方法が緑文字で表示されたときには、どこにいても攻撃を喰らってしまうため、「防御」でダメージを最低限に留めます。
そして、敵の攻撃方法が白文字で表示されたときには、「回避」をすればかわすことができるのですが、タイミングよく「防御」をすると「パリィ」が決まり、敵がひっくり返っている時に「奥義」や「道具」を使えるようになっています。
つまりは、雑魚相手には敵のファースト攻撃前に「攻撃」を連発してやっつけてしまい、強敵にはむやみに「攻撃」しないで「パリィ」からの「奥義」で倒すのが基本的なスタイルになりそうです。
ダンジョンの探索は、マップを上から見ていることもあり、迷子になることはありませんでした。手に入れた鍵をどこで使うかで迷うことになりそうです。
気が付くと食料のゲージが減っているため、マップ上にある食べ物を食べることになるのですが、意外と食料の減りはゆっくりな印象。マップに配置されている食料の周りでバトルをして、十分に経験値稼ぎをしてから食料を食べればよくて、いわゆるローグ系とか不思議のダンジョン系とか言われるタイプのダンジョンゲームと比べると、余裕を持って進行できそうです。
とはいえ、レベルが上がっても、食料を食べても、体力が回復しないため、無理をせず「諦めの小瓶」を使ってダンジョンを脱出。
ダンジョンを脱出してもメルンちゃんのレベルは維持され、体力と食料のマックスも変わらないため、2回目の冒険はかなり余裕の展開。少なくとも、現状の食料の減りでは餓死することはないため、極力ゆっくりと経験値稼ぎをしながら少しずつ先へと進んでいきました。しかし、洞窟5部屋目の仕掛けを一通り踏んでいたら仕掛けの効力で強制的にダンジョンを脱出させられてしまいました。
1回目の挑戦では「諦めの小瓶」を使ってしまったため、「未鑑定の遺物」がすべてロストしてしまったのですが、2回目の挑戦は強制的な帰還だったため、「未鑑定の遺物」がロストしておらず、「ロゼッタ」に鑑定してもらうことができました。
まぁ、第1部で釣りをやり過ぎたせいで、お金には全然困っていないのですが……。
3回目の挑戦では、やはりゆっくりとダンジョンを攻略していくと、ボスらしき敵も余裕で倒せてしまい、第1階層を突破するとエレベーターで拠点に戻ることができました。
そして、ごく普通の「旅人さん」のいる焚き火のところに行くと、ごく普通の剣術の達人「桂士雀」が登場。
剣術道場で、新しい剣術を教えてもらえるようになります。
寿司と引き換えに、ですが。
奥義に「ソウルスティール」を設定して第2階層に挑戦しようとしたところで、6時間が経過していました。
階層移動を繰り返して8時間成長
第1階層は部屋の構成が単純で、扉まで進むと次の部屋へと進めたのですが、第2階層は前の部屋(というかフロア)に戻ることができ、階層構造のダンジョンを攻略するようになっています。
かなり慎重に経験値稼ぎをしながら進めているため、敵が一新されてもそれほど苦戦することもなく、同じ戦法で余裕を持ちながら戦えます。
奥義に「ソウルスティール」が加わったため、敵にダメージを与えつつ、適度に体力を回復できるようになり、攻略がかなり楽になりました。
この階層ではところどころに「しかばねタクシー」がいて、お金を払えばダンジョンから脱出できるようになっているので、とりあえずお試しでダンジョンから脱出することにしました。
第2階層2回目の挑戦。バトルがあまりにも余裕なため、ダンジョン攻略がかなり荒っぽくなり、罠にはまりまくりながら進行していきます。
そして、第2階層の最終地点まで到着すると、「聖騎士ガウェイン」と共に「パラケルススの剣」と戦います。
これまでのゲーム経験においても、普通に考えても、周りの剣がなくなった時に真ん中の剣を攻めないと反撃が厳しいことがわかりつつも、ついうっかり攻撃をした結果、カウンターを喰らって初の敗北。
第2階層3回目の挑戦では、罠にそれなりに慎重になりつつボス戦に突入し、「パリィ」からの「ソウルスティール」を連発して、「パラケルススの剣」を撃破できました。
このまま第3階層に向かってもいいのですが、もう一回、第2階層に挑戦して、とあるミッションをこなし終えると、8時間が経過していました。
これでラストだと思い10時間成長
第3階層に挑戦。第1階層から第2階層に進んだ時に、かなり余裕で戦えたため、今度も余裕かと思って、バトルで「攻撃」を連発していると、かなりあっさりとやられてしまいました。
気を取り直して2回目の挑戦。第3階層は第1階層と同様に平面的なマップに戻り、つくりが単純そうに見えます。
しかし、ノーヒントの2択のワープゾーンが配置されているので、どちらに入るかで悩まされます。
失敗するとスタートに戻されてしまいます。
いや、戻されるということは、強制的に戦わないといけない場面が増えるため、どんどん強くなるからよしとしましょう。
どうやら2択のワープゾーンは毎回同じ方が正解の様で、なぜか毎回1回目は失敗するという運の良さを発揮して、じっくりと挑戦することでこれ以上進めなさそうなところに到達しました。
もしかして、こちらの建物に入れるのかな、と思って立ち寄ってみるも、入ることができません。
それでは、「しかばねタクシー」で一度拠点に戻ってみて……。
……とこの先色々な試行錯誤があった上で、ボスと思われる相手と戦っているところで10時間が経過してしまいました。
そして、まとまらないまとめ
サイト情報を見ながら、なんとなくプレイしてみたいな、と思ったゲームだったので、事前にサイトを見て情報を入手していたはずなのに、第1部が終わるまで、メーカー表記のジャンルが「ダンジョン探索RPG」ということをすっかり忘れていました。
その意味では、第1部と第2部ではゲームの雰囲気やジャンルも変わってしまう、不思議なゲーム体験ができました。
そして、公式サイトにはネタバレ抜きで「物語は三部構成」と書かれているため、この後、第3部が始まります。
というか、10時間プレイしたところでバッサリと終えるのも寂しいので、キリの良いところまでプレイした結果、「第3部」は「第2部」では緩かったダンジョン探索時の食料の減りが格段に速くなるとのこと。もしかして、「第2部」のプレイが丸々、「第3部」をプレイするためのチュートリアルだったのではないかと思ってしまいました。
「第2部」ではダンジョン内で収集していた「未鑑定の装飾品」のコレクションがまだ集まり切っていないのですが……「第3部」ではどうなっているのか、かなり気になりました。
「第2部」のオープニングにあった「ロゼッタ」が活躍するシーンを本編で見ていないような気も……。
「第2部」のプレイボリュームに難易度や新要素が加わってくると、「第3部」の展開はかなり期待できます。なかなか奥の深い空想の森なので、ぜひ皆さんも自ら迷い込んでみてください。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/
■twitterアカウント
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■ブログ「パッケージゲームを死ぬまで遊ぶログ(略称:パケログ)」
https://sakekan.themedia.jp/
■YouTubeチャンネル「SAKEKAN GAME Re:COLLECTION」
https://www.youtube.com/user/sakekangame/
■電子書籍『格好悪いあつめ方 大事なことはいつだってあつめて初めて気がついた』
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■電子書籍『ゲームコレクター・酒缶のファミコン質戯応答 スーパーマリオブラザーズからドラゴンクエストまで』
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■電子書籍『ゲームコレクター・酒缶のアンコンプリート 3DO』
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