ユービーアイソフトがPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けに発売中の「ウォッチドッグス レギオン」で日本時間3月10日に追加される、オンラインモードの先行レビューをお届けする。
なお、今回は開発中のデモ版のプレイとなるため、実際の内容とは異なる可能性がある点は予めご了承いただきたい。
4人までのプレイヤーとオンラインで共闘できる
近未来の大都市を舞台としたオープンワールドアクション「ウォッチドッグス」シリーズの最新作となる「ウォッチドッグス レギオン」。主人公にあたるキャラクターが存在せず、無数のNPCをプレイヤーが属する組織であるデッドセックの工作員としてスカウトし、ミッションに応じて切り替えながら操作するという、シリーズとして異色の試みを行ったタイトルでもある。
新たに追加されるオンラインモードは、シングルプレイ用のキャンペーンとは別の、完全に独立したモード。セーブデータも別個に管理され、スカウトした工作員なども初期状態からのスタートとなる。
一方、基本的なアクションやハッキング、スカウトした工作員の切り替えの要素はキャンペーンのものを踏襲しており、同じ感覚でのプレイできる。キャンペーンでは専用のミッションをクリアすることで工作員を採用することができたが、オンラインでは「影響力」と呼ばれる専用のポイントを消費することで、すぐに採用することが可能となっている。
ただし、影響力は工作員のスカウト以外にも、キャンペーンにおけるテックに相当する役割もあり、テクノロジーの開放にも必要になる。影響力の主な入手手段は、ミッションやアクティビティをこなした際に得られるランクアップ報酬となっており、無尽蔵に得られるものではなかった。とくに序盤の内は、テクノロジーを開放するのか、優秀な工作員をスカウトするために使うのか、影響力の使用先を考えながらプレイする必要が出てくるだろう。
オンラインモードでは、キャンペーンモードと同じようにオープンワールドのロンドンを、最大4人までのプレイヤーと共に探索できる。マッチングには、ランダムで4人のプレイヤーが同じワールドに自動でマッチングされるパブリックと、招待したプレイヤーやフレンドのみが入れるプライベートの2種類が存在。どちらでもサイドアクティビティやデイリー・ウィークリーなどのチャレンジを他のプレイヤーと共に達成することもできるようになっていた。
マルチプレイ専用のCo-opミッションも多数。タクティカルOPは歯ごたえ十分!
オンラインモードでは、一人でもプレイできるソロミッションの他、2~4人までのプレイヤー専用の協力ミッションも用意されている。協力ミッションを開始すると、ワールド内にいる他のプレイヤーに招待が送られ、承諾したプレイヤーは専用のエリアに移動してミッションがスタートするという方式だ。
協力ミッションでは、「敵の拠点に潜入」→「拠点内で捕まっている人質を救出」→「人質と共に脱出」といったように、ミッションの進行にあわせて新たな目標が提示されていく。途中には、離れた場所にあるスイッチを同時に動作させるといったギミックが登場することもあり、プレイヤー同士の協力が必須になっているのも面白いところ。
一人がカメラをハイジャックし、陽動して注意を引きつけたところを他のプレイヤーにステルスキルしてもらったり、4人で現れる敵をすべて倒して強行突破する、1人が貨物ドローンを呼び出し、4人全員でドローンに乗って一気に屋上まで移動してショートカットするなど、シングルプレイ時では味わえなかった戦術をとることができるのも楽しい。
それぞれのミッションは1つあたり約10分ほどで終わる短めのものだが、クリア後にはそのまま自動で次のミッションが開始されるようになっているので、この手のモードにありがちな「ミッションクリア→ワールドマップに戻って別のミッションを選び、再度プレイヤーを集合させる」といった手間が掛からず、連続してマルチプレイができるようになっているのもありがたいと感じた。
そして今回体験できたもうひとつの協力プレイ要素が「タクティカルOP」。他のプレイヤーに招待を送り、専用のエリアに移動してミッションがスタートする流れは、前述した協力ミッションと同様だが、こちらは報酬を獲得するために複数に渡るミッションをすべてクリアする必要があり、かなりボリュームがある。最初のミッションをクリアしても、以降のミッションの途中で失敗すると、最初からやり直しになってしまう(クリア履歴もリセットされる)こともあって、難易度もかなり高め。
4人のプレイヤーが揃うことがほぼ前提の内容にもなっており、プレイヤーが2箇所に分かれ、それぞれの場所で出現する敵と時間内戦い続けるといったシチュエーションも。マルチプレイ中は、ミッション中工作員の体力が0になってしまった場合でも、他のプレイヤーが近づいて救助を行うことで戦闘に復帰することができるようになっているが、救助が間に合わないとミッションそのものが失敗となる。
2つにチームを分ける場合、1人が倒されてしまうと救出中に残りの1人も倒されてしまうというケースが多発し、筆者も何度もミッションに失敗してしまった。4人で一緒に進める場面でも、協力ミッションとは比べ物にならないほど敵の攻撃が熾烈だったり、時間制限がシビアめに設定されており、腕に覚えのあるプレイヤーでもかなりやりごたえのあるコンテンツとなっている。
「スパイダーボットアリーナ」では、他プレイヤーとの対戦も可能
「スパイダーボットアリーナ」と呼ばれるPvPコンテンツも同時に実装される。このスパイダーボットアリーナは、キャンペーンでも登場するスパイダーボットを操作して、2~4人での対戦プレイを楽しめるミニゲーム的な要素。今後のアップデートで異なるルールも追加される予定とのことだが、今回はそれぞれのプレイヤーが個々のキル数を競い合う「デスマッチ」のみとなっていた。
デスマッチでは、スパイダーボットはスタート時からライトサブマシンガンを装備しているが、あまり攻撃力が高くなく、高い機動力で動き回るスパイダーボットを撃破するのはなかなか難しい。
その代わりに、戦闘フィールド内にはたくさんのミステリーボックスが配置されており、ミステリーボックスに触れるとランダムで選ばれた武装が使用可能になる。この武装は、それぞれ弾数制限こそあるものの、ライトサブマシンガンとは比較にならないほど優秀なものが多い。そのため、対戦が始まったらまずミステリーボックスを目指すのがオーソドックスな戦術になるのだが、ミステリーボックスの近くは待ち伏せもしやすく、もっとも敵から狙われやすい瞬間でもあるためリスクも高い。
また使用できる武装は、敵を自動でエイムしてくれる「スマートサブマシンガン」、広範囲の場爆発を発生させる「迫撃ミサイル」、拡散する弾丸を打ち出す「スカッターガン」など、その他にもバリエーションが豊富で、使い勝手もそれぞれ大きく異なる。個人的には武装にも使い勝手がいいものと悪いものがはっきりとしている印象で、弾速が早く、1発1発の威力も高い「ヴァンパイアレーザー」や「パルスレーザー」などのレーザー系の武装は非常に使いやすかった。ただ、それにこだわって何度もミステリーボックスの回収しようとすると、途中で敵に見つかって撃破されてしまうということも多かったので、引いたもので妥協するか、もっといい武装を狙うのかの判断も重要になるだろう。
また敵を連続して撃破すると、敵の位置やミステリーボックスの中身が見える、シールドが発生するなどの特殊スキルが発生する。その一方で、1位のプレイヤーは他のプレイヤーから位置が表示され、狙われやすくなるデメリットもあり、自然と順位も入れ替わることが多かった。
全体のプレイを通して感じたのは、工作員をスカウトという本作独自の要素が、マルチプレイでもうまく生かされているということ。キャンペーンでは、街中の人間を工作員としてスカウトし、潜入・戦闘などミッションの種類に応じて最適な工作員に切り替えるのも重要だったが、オンラインは1つのミッションが長めに設定されており、シチュエーションも頻繁に切り替わるため、要求される能力の幅がより広くなっている。
プレイヤー同士で役割を相談し、異なる工作員の能力を組み合わせて新たな攻略法が芽生えることもありそうで、キャンペーンでは使いにくかった能力が、マルチプレイでは役立つというケースも起きそうだ。優秀な工作員をスカウトするには、特定のミッションをクリアするなど条件が設定されていることもあり、オンラインモードをプレイするモチベーションにもつながってくる。
オンラインモードの実装により、さらに遊びの幅が広がる「ウォッチドッグス レギオン」。冒頭でも述べた通り、キャンペーンとは別のゲームとしてデータが独立しているため、進行度に差があるプレイヤー同士でも一緒にプレイすることができるのも嬉しい。まだ「ウォッチドッグス レギオン」を未体験のプレイヤーも、オンラモード実装を機に、是非プレイしてみてはいかがだろうか。