カプコンから2021年5月8日に発売される、PS5/PS4/Xbox Series X/Xbox One/PC(Steam)用ソフト「バイオハザード ヴィレッジ」の先行プレビューをお届けする。
なお、このプレイレビューはPS5でのプレイに基づいている。また、「バイオハザード7 レジデント イービル」(以下、「バイオ7」)のネタバレに触れているため、その点には注意してほしい。
「バイオハザード ヴィレッジ」は、「バイオ7」の数年後が舞台。主人公は「バイオ7」と同じイーサン・ウィンターズ。
イーサンは「バイオ7」の事件以降、家族と穏やかな日常を送っていたが、その平和はクリス・レッドフィールドによって破られた。そしてイーサンは家族を取り戻すために、とある村に足を踏み入れることとなる。そこはいたのは、獰猛なクリーチャーのライカンと、その襲撃からかろうじて生き延びた僅かな村人たち。絶滅寸前の哀れな村を見下ろすように、荘厳にそびえたつ、ドミトレスク城。
この村に隠された謎を明かしつつ、イーサンは無事に愛する家族を取り戻して、村から脱出できるのだろうか。
「バイオハザード ヴィレッジ」をプレイする前に知っておきたいこと
前述の通り、本作は「バイオ7」の続編となっている。そのため、まずは前作の「バイオ7」について軽く触れておきたい。
主人公のイーサンは、歴代の「バイオ」シリーズとは異なり、ごく普通のシステムエンジニア。プレイヤー=イーサンである、という没入感を与えるためか、基本的にイーサンはゲーム中で自身の顔がほぼ写らなく、セリフも最小限に抑えられているのが特徴だ。
3年前(※「バイオ7」時)に妻のミアが失踪しているが、イーサンの元にミアから突如「迎えに来てほしい」というメッセージが送られてくる。イーサンはメッセージを頼りにルイジアナ州にあるというベイカー家へと向かうが、その時にB.O.W.を原因とした特異菌に感染し、四肢を切断されても繋げば元に回復するほどの驚異的な再生能力を得た。
「バイオ7」本編では、事件の原因となったB.O.W.を倒し、ミアと共にベイカー邸から脱出するまでが描かれている(※トゥルーエンドの場合)。
そして本編後を描く無償DLCで活躍したのが、歴代「バイオ」シリーズで主人公を務めてきたクリス。クリスは出演タイトルが多いため、間の経歴については端折らせてもらうが、BSAAから新生アンブレラ社に派遣されており、「バイオ7」本編ではイーサンの救援に訪れる。そしてDLCでは操作キャラクターとなり、一連の事件にまつわる最後の死闘を繰り広げ、この事件の事後処理などを行った。
以上の経緯から新たに始まる物語が、「バイオハザード ヴィレッジ」である。ならば「バイオ7」をプレイしていないと本作を楽しめないのか、と思われてしまいそうだが、決してそんなことはない。ストーリーは少々解らない点があると思うが、「バイオ」シリーズはあくまでサバイバルホラーを強調したタイトルであり、一歩進む恐怖、扉を開ける恐怖、多彩な謎解きなど、そういった面でシリーズ初見でも充分楽しむことができるからだ。
それでは改めて、「バイオハザード ヴィレッジ」のファーストインプレッションをお届けしよう。
手触りは「バイオ7」に近いが、全く違うゲームになった
無料体験版「メイデン」が既に配信中のため(※PS5のみ)、本作が気になっているファンは既にこちらをプレイしているかもしれないが、基本的な手触りは「バイオ7」に似ている。「バイオ7」で取り入れられた一人称視点は本作にも引き継がれ、それによる新たな恐怖の演出、というコンセプトは「バイオハザード ヴィレッジ」でも健在だと感じた。
L2ボタンで武器を構える、R2で攻撃、というような基本の操作は歴代「バイオ」シリーズとほぼ同じなため、ここ数年で発売された「バイオ」シリーズを遊んだことがある人ならば、「バイオ7」が未経験でも戸惑わずに遊べるだろう。
また、L1でガードも可能だが、筆者はガードが苦手なため、敵との戦いの度にかなりのダメージを食らい、大量の回復薬を消費することになってしまった。きちんとガードができれば、受けるダメージを大きく減らせる。本作には緊急回避がないので、その点でも三人称視点のシリーズとは、まったく違う立ち回りが必要だ。
なお、バイタルサインは画面の左下に表示されるようになったため、現在の体力がわかりやすくなった。一度襲われるとその度に回復薬を使ってしまいたくなるのだが、無駄な消費を防ぐためにも、まずはバイタルサインを確認したい。
クラフトで薬液を消費するシステムも、「バイオ7」から引き継いでいるようだ。だが、薬液の入手数が決まっているのかなどは、今回のプレイでは不明だった。確認した限り、壊せる木箱などから薬液が出てきたことはなかったので、入手個数が決まっている可能性は高いだろう。となると、本作でも薬液を回復薬の調合に使うのか、弾薬に使用するのかの選択は迫られそうだ。
だが前作と大きく違うのは、本作ではハンドガンの弾のクラフトには薬液を使用しないことと、ショップがある点。ショップではアイテムの購入以外に、道中で入手したアイテムを売却することもできる。それにより、本作は”売るためだけに存在するアイテム”が多数あり、換金アイテムは必ずしも見つけなければいけないものではないが、お金を得れば得るほど、ゲームの進行も楽になると思われる。換金アイテムやお金は、敵を倒した時にドロップすることもあるので、お金稼ぎを兼ねて敵を倒しまくるか、弾薬を節約するか、様々な面で判断をしなければならないだろう。
ショップには武器やクラフトレシピなども売られているが、強い武器ほど高額になる。だが、それなりの難易度を維持したいのであれば、高額の武器はあえて購入しないほうがいいだろう(筆者は「アクションゲームが大好きなくせに、下手くそ」という致命的欠陥を持つので、全力で購入を目指しにいく予定だ)。
クラフトやショップ、お金稼ぎといった要素だけでも、既に「バイオ7」とは大分違った印象を受けるが、違いを感じるのはシステム部分だけではない。本作の舞台は、”村ひとつ”、”ドミトレスク城”など、エリアのスケールが非常に大きい。それもあってか、歴代シリーズの中でも探索範囲はかなり広い。その広いマップの中で、キーアイテムはもちろんのこと、換金アイテムまで探し尽くそうとすると、かなりのボリュームがありそうだ。
実際、今回は限られた時間内での試遊ということもあり、ダッシュを多用して駆け足気味に進んでいたのだが、各所に未取得のアイテムを残したままになってしまった(本作では、未取得のアイテムが残っているエリアは、マップ上で赤く表示されるシステムが戻ってきた。非常に有り難い)。
これらの点からも、本作は「バイオ7」の流れを汲んだ作品ながら、「バイオ7」とは全く別のゲームという印象を受けた。プレイ時間がどの程度のものになるのかまでは今回の試遊からはまるで予想がつかなかったのだが、そう簡単にクリアできるボリュームではなさそうな雰囲気だ。
「バイオ7」で新生したホラー感+古き良き舞台
本作の最大の魅力として、「バイオ7」で新たに提示されたホラー感をそのままに、メインの舞台のひとつが洋館(城)という、ふたつの「バイオ」らしい要素を組み合わせた点を挙げたい。そこかしこでプレイヤーの恐怖を煽る作りは、見事、の一言に尽きる。
また、一人称視点だからこその予想できない急襲も非常に多く、よほど注意深く周りに気を配っていなければ、誰しもが一度は情けない悲鳴を上げることとなるだろう。だからといって広大なマップで常に気を使いながら探索していては、全く先に進めない。なのである程度は割り切って進んでいくしかないし、その上で想定外のイベント、襲撃などによって心臓が縮まる感じを、存分に楽しんでほしい。
物音や音楽、演出で、敵がいそうな雰囲気はある程度予想がつくこともあるのだが、明らかに物音がしているし、敵がいるような音楽も聞こえているのに、肝心の敵がどこにいるのかわからない、という恐怖もある。見えるのか見えないのか、気付くのか気付けないのか、という絶妙な”恐怖”の配置には、舌を巻く。
更に本作では、建物内と屋外とのエリアが絶妙なバランスとなっている。屋外では環境音と何者かが立てているような物音が混ざり合い、それらによって”よくわからない何かがいる恐怖”を覚える。村はさびれた農村といった風で、あまり手入れがされていなさそうな草がイーサンの背丈ほどまで高く伸び、この草がプレイヤーの視界を遮る上に、屋外だからこそ殺される敵の気配もあり、敵が近くに潜んでいても気付かないことも多々あった。
そして村には、多数のライカンが待ち構えている。時にライカンは、圧倒的な数で道を塞ぎ、プレイヤーの心をへし折りにくる。だがライカンは、こちらに気付きさえしなければ襲ってこないという特徴があるので、弾丸の数も少ない序盤では、あえて気付かれないように別の道を探して逃げる、という戦略も必要だ。
しかし、右を見ても左を見てもライカンの群れなのに、回り道らしきものもマップからは見つからない……そんな苦悩も本作ならではだ。
また、時には襲ってくるライカンから逃げるために、本棚などを動かしてバリケードを作るようなことも出来る。弾薬の節約はもちろん、身を守るためにも、バリケードを作れそうなところでは見落とさずにやっておきたい。そして「バイオ」に登場する赤い樽と言えば、爆弾だ。ライカンをまとめて引き付け、樽を撃って一網打尽にする戦法は健在。前述の通り、本作では敵を倒すと換金アイテムを得られることもあるため、爆弾はしっかり利用していきたい。
他にも、小麦粉のようなものが入った袋をナイフで斬りつけることで、粉塵を周囲にまき散らして敵の視界を奪うこともできる。その間に逃げることも可能だが、エリアによっては逃げるよりも敵を倒してしまったほうがいい場合もある。現在置かれている状況や、自分のアイテムの残数なども考慮して、行動を選んでほしい。爆弾や目くらまし以外にも、時には天候すら利用できることもある。ありとあらゆるものを使って、襲い掛かるピンチを切り抜けよう。
一方で屋内は、シンとした静けさが不気味さを掻き立てる。屋内では、自らが歩く音ですら異様に響いているように感じ、それによって「何者かに気付かれてしまうのでは」という恐怖心に駆られる。
そして城の潜入に成功すると、煌びやかな装飾や美術品などがプレイヤーを出迎える。本作の美麗なグラフィックは、城に潜入してから、より一層目を奪われるだろう。言うなれば初代「バイオ」の洋館と、「バイオ2」でのラクーン警察署のいいとこ取り……というと言葉は悪いかもしれないが、「洋館あってこそのバイオ!」という気持ちが高まる。
これが「バイオ」という作品でなければ、きっとただの豪華な中世の城でしかないのだろう。だが、この作品は「バイオ」であり、燦爛たる装飾は感動にはつながらず、むしろその光景に緊張が高まり、言い知れぬ不気味さを覚えるのだ。
城に入ってからは、城主のドミトレスク夫人やその3人の娘たちなど、新たな強敵たちがイーサンの前に立ちはだかる。そのいずれもがベイカー一家の濃いキャラクターたちに劣らない、倒錯的かつ魅力的なキャラクターたちとなっている。
ドミトレスク夫人は、現実に存在する人間を遥かに凌駕するほど、背が高い。そして、女性らしさを強調するようなボディライン。改めてこのデザインは、新たな敵キャラクターとして秀逸だと感じる。ボンキュッボーンどころではないダイナマイトボディ(死語)は、セクシーさとパワフルさを併せ持つ。
そのドミトレスク夫人はいやらしくプレイヤーの行く手を塞ぎ、逃げても逃げても追ってくる。彼女にとっては小さいだろう扉も、巨体を屈めて追ってくる。ドミトレスク夫人が何者なのかは不明だが、その姿はタイラントやネメシスのような究極のB.O.W.のように見えた。今回試遊した範囲では、どうやら一定のエリアまでたどり着くと、そこで追跡が止まるようだった。しかし、いずれは必ず倒さなければならないボスのひとりとなるだろう。
そしてドミトレスク夫人の三人の娘たちも、執拗にイーサンを追い回す。特に娘たちは、身体を無数の虫に変えて扉などをすり抜けてくるという、ドミトレスク夫人にはない特徴がある。逃げ切るか、戦うか――とは言っても、壁すらすり抜けられるような娘たちは、当然ながらそう簡単に銃弾で倒せるような存在ではない。残忍で凶悪で執拗な娘たちを、倒す術はあるのか。そこはぜひ色々模索してみてほしい。
また、城には謎の仕掛けが多い。拾ったアイテムを入念に調べると、そこからキーアイテムが見つかり、そのキーアイテムを然るべき場所に使うことで鍵が開く――いわゆる古典的な「バイオハザード」らしいギミックが、ふんだんに盛り込まれている。特に「バイオ7」にも見られたパズル的な要素は、本作でも感じられた。
だが、その形が「バイオ7」の時と同じものだとは限らない。もっと広い意味での”パズル”と捉えてもらえれば、幸いだ。ヒントは周囲をくまなく探索すれば見つかることが多いので、謎解きが苦手な人は室内の探索を隅々まで行い、細かいヒントをきちんと読むといいだろう。
村での戦いとは全く違う印象で遊べるのが城であり、そしてその城もただ豪勢なばかりではない。地下には謎の人体実験のような跡地があったり、残忍な仕掛けも待っている。
特に城に集う敵たちは、ドミトレスク夫人や娘たちを含め、いずれもサディズムに満ちており、“ゾンビが突然襲ってくる”というこれまでのホラー体験とは違った形で、プレイヤーの心を抉ってくる。イーサンが持つ驚異的な回復力だからこその恐怖とも言える数々の体験は、新たな「バイオ」シリーズの風を感じさせてくれるのではないだろうか。
期待以上の仕上がりに大満足
前述の通り、とにかくマップが広い。その分探索できる場所が、たっぷり用意されている。お金稼ぎの重要性や、クラフトで何を作るか、プレイヤーが活用できるギミックなど、恐らく初回のプレイほど、プレイヤー次第で全く別のゲームになりそうなくらいに選択肢がある。敵と真正面から戦うのか智略を巡らすのか、まずは自分自身の手であれこれ模索しながら進み、未知の恐怖を味わってほしい。
全体的な難易度については、「バイオ7」からの変更点も多く、比較はしにくい。なお、ガードが苦手な筆者にとっては”難しい”と感じたが、筆者は「アクションが好きなのに下手」という致命的な弱点があるのを、改めてお伝えしておきたい。
難易度緩和というほどではないが、セーブは消費アイテムを使わないで出来るようになっていた。これだけでも筆者のような、「プレイはしたいけれど、操作が追い付かない」タイプのプレイヤーには有り難い。
「バイオ7」をプレイした人ならば、しゃがむことで見つけられるルートやアイテムにもある程度慣れていると思うが、「バイオハザード RE:2」や「バイオハザード RE:3」で初めてシリーズをプレイした人は、しゃがむことに慣れていないだろう。「ここらへんに絶対何かあるはずなのに」という時は、とりあえずしゃがんでみることをお勧めしたい。
もしも「バイオ7」をまだプレイしていないという場合は、最大限に楽しむためにも発売前にプレイをオススメするが、「バイオハザード ヴィレッジ」をプレイしてから改めて遡ってプレイをしてみても、問題はない。
「バイオハザード ヴィレッジ」は、舞台や敵キャラクターのデザインも非常に魅力的で、イベントシーンの演出などにもこだわりが感じられる、期待以上の作品に仕上がっていると感じた。発売を、心待ちにしていてほしい。
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※画面は開発中のものです。
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