声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第30回は、Nintendo Switchで発売中の移植作・リメイクタイトルからオススメの4本を紹介します。

目次
  1. 勇者死す。again
  2. ノラと皇女と野良猫ハート HD
  3. 千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~
  4. 三国恋戦記 ~オトメの兵法!~
  5. 三宅麻理恵さんプロフィール

新型ゲーム機の浸透は発売からどれぐらい経ってからなのだろう…。

発売から一年くらいは入手困難で欲しくても買えない、金銭的にすぐに買えないこともあり、ゲーム好きでも所持していないこともよくある事。それに加えて普段あまりゲームをしない方を含めて浸透していく時期は個人的には5年前後ではないだろうかと予想しています。

おうち時間でゲームが流行して普及はさらに加速し、より手軽に幅広い価格帯で遊べるゲーム機…。ちょうどそんな議題に適したゲーム機があるぞ…?

そうです、2017年3月3日に発売したNintendo Switchのことです!! お家でテレビ画面に繋いで遊ぶもよし、持ち運んで出先で、一人で、友人と遊ぶもよし。発売当時はその遊び方が前代未聞で戸惑った方もいたのではないでしょうか。

ゲーム探訪でも度々ご紹介してきたSwitchのゲームですが、今回の探訪する切り口は移植作特集。Switchで発売されているゲームは新作やインディーズ作品以外にも、リメイク・リファイン・移植作が数多く発売されています。移植されるには理由がある。勿論それは面白いから! この機会にぜひ探訪していただきたいおススメの4本をご紹介いたしましょう。

勇者死す。again

「勇者死す。」は、ゲームデザイナー・桝田省治氏による“終わりから始まるRPG”。「限られた時間で物語を進める」といった基本ルールや、桝田氏による濃いシナリオが魅力のタイトルとなっている。「勇者死す。again」では、桝田氏による追加シナリオ、伊藤賢治氏による新メインテーマなどの新規楽曲、ギャラリーモードが追加されている。

2007年ゲームアプリでリリースされた「勇者死す。」のリメイク版なのですが、2007年版を当時プレイしていたので今回をきっかけに再びプレイ。原案・シナリオ・ゲームデザインに桝田省治さん、音楽に伊藤賢治さんと当時も今もお名前を見かけたらチェックしてしまうクリエイター陣が参加している作品です。

ストーリーは、魔王を討ち、命を落とした勇者が5日間だけ生を得る。魔王を倒した後の世界は、戦時中は協力していた者同士が小競り合いをしていたり仕事を失った戦士たちが彷徨っていたり新たな火種が見え隠れするようになっていた。5日間の余命で世界の問題を解決したり、愛した女性を探したり、何をするのかはあなた次第。

セミより短い5日間の命ではありますが、魔王を倒すほどの強さを持つ勇者のステータスは伊達じゃない。しかし、ゲーム内の時間が経過するごとに弱くなってくるので注意が必要です。

5日間で必ず死が訪れるので1プレイは短め。そのため、何度も繰り返して初日に強敵を倒しに行ったり女の子の依頼を最短で達成させたりとやりくりのし甲斐があります。ストーリーも繰り返すたびに変化があり、勇者の行動次第で国家の存亡を左右される事も。どう転ぶかわからない展開に、ドキドキハラハラさせられます。

与えられた5日間を終えると行われる勇者の葬儀。今までに出会った参列者たちの、死者との対話は時に衝撃を与えます。繰り返しプレイ前提のゲームなので、勇者が強い状態だと弱い敵との戦闘がキャンセル出来たり、早回し機能もあるので、何度も色んな展開を試してみてくださいね。

ノラと皇女と野良猫ハート HD

「ノラと皇女と野良猫ハート」は、PCゲームブランドのHARUKAZEが制作した、絶対キミと添い遂げる、臆病で勇敢なブレイブハートストーリー。PS4/Nintendo Switch版「ノラと皇女と野良猫ハート HD」では、グラフィックがフルHD化され、より美しくなった「ノラとと」の世界が楽しめる。

TVアニメにもなったADVゲーム。死後の世界からやってきた冥界の皇女パトリシアと出会った主人公・反田ノラ。彼女の魔法で猫にされるが、戻る方法は女の子からのキス。それにより、波乱万丈な学生生活を過ごしてゆくことになります。

ゲームを起動するとまず表示されるのがタイトル画面。ゲームに出てくるキャラクターがタイトルコールをしてくれるのは、最近では当たり前になっていますが「ノラとと」だとタイトルコールの途中で違うことを言いだして脱線して行くものばかりで聴きごたえあり。Switchだと据え置き・持ち運びのどちらで遊んでもスリープモードにしがちですが、みんながどんな風にタイトルコールを言うのか気になって何度も起動してみたくなります。

「ノラとと」で印象的なのはその文体です。台詞と共に()で動きが書かれていたり、童話のようにナレーションが入っていたり、ゲームを初めて数分で「ノラとと」節を感じられます。

アイキャッチや合間に挟まれるミニストーリー「ネコのお考え」でテンポよく話が進んでいきます。ヒロインと両想いになるまでの過程、付き合い始めてからの展開もボリュームがあるので長く遊べるADVゲームです。

ノラが猫になるのがこの作品のキーポイントなだけに、立ち絵が豊富なのも見どころ。動きや表情がコミカルで愛らしくその魅力は私の撮影した上記の画像からも読み取っていただけると幸いです。

可猫になったからこそのヒロインとの交流やハプニングにニヤニヤできて二度おいしい。そしてキスで人間に戻ったら生まれたままの姿というのもお約束。我々にとってのハプニングは、猫にとってのツナ缶のようにおいしいのです。

千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~

「千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~」は、将棋を題材とした推理ミステリーアドベンチャー。テキストを読み進めるだけでなく、ノベルアドベンチャーの枠組みを超えインタラクティブに物語に関われる遊びごたえが大きな魅力となっている。

このコラムで探訪させていただきましたラインナップを見てわかる通り、子供の頃からアドベンチャーゲームが大好きです。

恋愛、推理、サスペンス、ファンタジーなど様々な題材のものを片っ端から楽しんできましたが、こちらの「千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~」はリリースからだいぶ遅れての探訪でした。

それというのも、タイトルからわかる通り将棋が題材となっているから。決して将棋が嫌いなわけではございません。恥ずかしながら、将棋に疎くて話についていけるか不安で敬遠してしまっていたからです。今回は特に私のような将棋に疎い方に向けてご紹介させていただきます。食わず嫌いはもったいない!!

ストーリーはAIと人間が名人位をかけて対局するのを主軸に展開する第一部と幻の名人戦を巡る謎とプロ棋士の在り方を問う第二部で主に構成されています。

物語はフリー記者の一ノ瀬歩未を主人公に進んでいきます。歩未は私と同様に将棋は門外漢なので、幼馴染の奨励会三段の棋士、長野圭や登場する人物の解説で少しずつ将棋を理解していきます。将棋に関わる謎は長野くんにお任せして進めることもできるので、どうしても続きを早く知りたい、謎が解けない時でもゲームを進めることは可能です。

将棋を丁寧に教えてくれる将棋教室や詰将棋のコーナーがあるので、物語をクリアしてから将棋を勉強するというのも一つの楽しみ方だと思います。

将棋についての用語集も丁寧に拾われています。初歩的な将棋用語はもちろんですが、今作は高橋道雄九段、香川愛生四段をはじめ実在する棋士の方々が参加されています。更には実在の場所、出来事も盛り込まれているので用語集でも【架空】【実在】と表記されているのが興味深いです。

フィクションだと思ったことが用語集を確認すると実際にあった出来事だったり場所だったり。その時の衝撃は将棋に詳しくないからこそ感じられる特権かもしれませんね。

「千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~」を通して感じるのは、好きなものを探求した先のプロとしての在り方。好きなもので身を立てていくことの厳しさは自分にとっても通ずる部分がある気がします。

好きなもので悩んで苦しむこと、本作では将棋や棋士のそういった部分を歩未と共に知っていくことになります。ゲームを進めるうちに、テレビで見る将棋や棋士の方々がより身近に感じられるようになるでしょう。

祖父母の家に置いてあった立派な将棋盤。将棋崩しでしか使ったことがなかったけれど、今度訪れたらちゃんと将棋を指したいなぁ。

三国恋戦記 ~オトメの兵法!~

「三国恋戦記 ~オトメの兵法!~」は、女性向けブランドのDaisy2が制作した、恋愛アドベンチャーゲーム。普通の女子高生である主人公が、1冊の本から三国志に似た世界に飛ばされ、“孔明の弟子”として、名だたる英傑たちとの日々を過ごしていく。

オリジナル版は2010年にPCで発売された恋愛アドベンチャーゲーム。PS2やPS Vitaなどにも移植されていますが、それらの機種を持っていなかった方々や、それぞれの発売当時はゲームに馴染みが無かった方に勧めやすいのが有難いですね。

さらに個人的な勧めやすさポイントとして挙げたいのが、ダウンロード版に対するハードルの低さ。遊びたくてもゲーム屋さんが遠かったり行っても売り切れていて買えず、そのまま放置して忘れ去られてしまう…。

普段ゲームを遊ばない友人に勧める際に、心が折れていく様子を私は何度も見てきました…。今すぐに購入できれば絶対に沼にハマれるのに!!

そんな悩みも、近年のダウンロード専用ソフトやインターネット回線の普及により解決です。遊びたいときにすぐ遊べる。いい時代になりましたね。

そしてアドベンチャーゲームは比較的色々な機種に移植される事が多い気がするのですが、気になる作品がいくつかの機種で発売されている際にどの機種のものを選べばいいのか悩む時はありませんか?一番は自分が持っている身近な機種で遊ぶことだと私は思っているのですが、複数機種お持ちの方に勧めるならば、断然最新に発売された機種のもの!

なぜなら今まで移植された際に増えた要素がすべて収録されている上に、新しい要素も追加されていることが多いから!

本作も今までの追加要素に加え新たな追加要素が加わっております。私の持っている「三国恋戦記 ~オトメの兵法!~」もPC版→PSP版→Switch版と増えてきました。移植されると、新規も今までのファンもみんな嬉しい。とても幸せな循環が生まれています。

「三国恋戦記~オトメの兵法!~」は、ごく普通の女子高生である主人公が図書館で見つけた不思議な本によって三国志に似た世界に飛ばされ、孔明の弟子として軍に参加することになります。最初は玄徳軍の軍師として戦に関わることになりますが、選んだ選択肢によって置かれる環境は大きく変化します。その先で、甘く切ない恋に落ちる事も…。

主人公は軍師の立場で戦に関わるため、戦の前に軍議に参加することとなります。自分の軍の状況や他勢力の把握や整理する上でも重要になり、参照できる用語や地図を確認していくうちに自然と三国志への理解も深まってゆくでしょう。

私たちが知っている三国志の世界や登場人物に似たキャラクターだからこそ、恋に落ちた後の展開や立場が本作でどうなってゆくのかも見所です。玄徳軍・孟徳軍・仲謀軍…。勝者がいるなら敗者もいる。

三国志をなぞる展開で楽しむもよし、主人公と共に世界の波に翻弄されるもよし、只々気になる誰かを追い求め恋するもよし。ルートによって大きく展開が変化するので何度でも遊んでいただきたい私の大好きな作品です。


いかがでしたでしょうか。まだまだおうち時間が続きがちな日々ですが、家に居ながらにして購入し楽しめるテレビゲームで、心を動かし充実した一日を送っていきましょうね。

三宅麻理恵さんプロフィール

生年月日:1985年6月7日
出身:大阪府
趣味:読書・落語・ゲーム
主な出演作品:「輪るピングドラム」萩野目苹果 役、「銀の匙」御影アキ 役、「緋色の欠片」春日珠紀 役、「アイドルマスターシンデレラガールズ」安部菜々 役

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