コーエーテクモゲームスは、2021年5月20日に発売を予定しているNintendo Switch用ソフト「アンジェリーク ルミナライズ」。ここでは、主人公のライバル・レイナに注目したレポートをお届けする。
会社員から宇宙を統べる女王候補に!
本作は、女性向け恋愛シミュレーションゲーム「アンジェリーク」シリーズ18年ぶりとなる最新作。キャラクターデザインは「フォギーフット」「モンスターとペアレント」などを手がける人気の漫画家・紗与イチ氏が担当し、多彩なクロスメディア展開を実施中。発売前から凝ったプロモーションなどでも注目を集め、5月6日からは製品版にデータを引き継げる体験版も配信開始している。
そんな「アンジェリーク ルミナライズ」の主人公は、現代で生活している25歳の会社員の女性だ。新人というほどではないが経験はまだ浅く、裁量はないのに責任だけは押し付けられ、要領のいい後輩には置いていかれ気味……といった日々に疲れ果てていた。そんな中、とあるバーで“女王候補”としての勧誘を受け、不思議な「飛空都市」へ招かれる。
そこで語られたのは、この宇宙が女王と9人の守護聖たちに守られているという事実。主人公は令梟(れいきょう)の宇宙を司る女王を選ぶため、守護聖の力を借りながら大陸を育てる「女王試験」に挑まなくてはならない。かなり突拍子もない話に聞こえるかもしれないが、それは現代的な価値観の主人公にとっても同じだ。気になる部分は周囲のキャラクターが「現代で例えるなら……」といった感じで懇切丁寧に教えてくれるので、安心してほしい。
プレイヤーが主人公として目指すのは、大きく2つ。大陸をうまく育成して女王試験でライバルに勝利すること、守護聖と交流して仲を深めること。大陸の育成には守護聖の力を借りなくてはならないので、どちらもしっかり行う必要がある。登場する守護聖――9人の男性は誰もが魅力的なので、すでに気になる相手が決まっている場合は積極的に声をかけてみるもよし、少しずつ交流していく中で興味を抱いた相手と過ごしてみるもよしだ。
そして、この女王試験に挑んでいるのは主人公だけではない。主人公と同じ場所から招かれた「レイナ(CV:白石涼子)」という同年代の女性よりも、女王試験で良い結果を出すべく競い合うことになる。こう聞くと殺伐とした空気を想像するかもしれないが、あくまでルールに沿った真剣勝負なだけでピリピリとした雰囲気はない。むしろ、この境遇を理解し合える唯一の存在で、一言でいえば「レイナ、めちゃくちゃ可愛い!!」に尽きる女性だ。そこで今回は、あえて恋の相手となる守護聖ではなくレイナを中心に本作のポイントを紹介していこう。
大陸を育成する女王試験に挑む
女王候補となって試験を受ける――そんな現実を前に混乱する中で出会うのが、もう1人の女王候補であるレイナだ。熱心に仕事に打ち込んでいたため元の世界への心残りはあるものの、女王試験に向けてしっかり切り替えている。
とはいえ最初の謁見では女王陛下に挨拶もできず、9人いるはずの守護聖は人数が足りず、詳しい事情も説明されない……といった状況に少なからず不安な気持ちもあるようで、1人ではなく主人公がいてよかったと胸の内を語ってくれる。序盤に2人でお茶をする機会があるのだが、これまで女友達がいなかったレイナは誘いをすごく喜んでくれる。ケーキのシェアにもやや照れを見せており、この時点でもうだいぶ可愛いのがお分かりいただけるだろうか。
こうしてレイナと共に臨むことになった女王試験では、守護聖のもつ「サクリア」という不思議な力を送ってもらって大陸を育成する。この飛空都市も現代の一週間のようなサイクルで動いていているので、まずは平日にあたる月~金の曜日に守護聖と交流してサクリアを送ったり、会話を重ねて親密度を高めたりしよう。親密度が高まるとマークが現れ、守護聖のもとを訪れると個別イベントが発生。普段は見られない守護聖の一面が垣間見えるものになっているので、今の親密度がどのくらいなのかこまめにチェックしておこう。
大陸の育成は守護聖にしかお願いできないが、会話はレイナとも可能だ。ごく普通の話題や「どの守護聖が気になっているか」といった恋の話で盛り上がるのは単純に楽しいが、女王試験の面でもあながち無視はできない。というのも、主人公と同じようにレイナも守護聖と親密度を高めていくからだ。守護聖は懇意な相手をよくサポートしてくれるので、時にはおまじないやアイテムなども駆使してライバル以上にアプローチしていこう。筆者としては守護聖にときめいているレイナが可愛いと同時に、彼女と仲良くしている守護聖に対して羨ましい気持ちもわいてくるのだが……。
また、守護聖には育成だけでなく大陸からサクリアを奪う「妨害」も依頼できる。これも女王試験に用意された正規のシステムなので、必要だと思ったら遠慮せず使おう。
土の曜日は、育成している大陸を訪れる「視察」が行える日になる。ここでは大陸が求めているサクリアのデータを更新しつつ、育成が進んで建物が増えると色々な場所に行けたり、守護聖へのプレゼントが買えるショップに寄ったりできる。視察では守護聖またはレイナに同行をお願いできるので、仲良くなりたい相手と一緒に回ろう。レイナと2人で行う視察はまるでデートイベントのようで、ものすごく笑顔になってしまう。
休日となる日の曜日は、守護聖と一緒にお出掛けができる。直接会いに行って誘ってもいいが、平日に話をして約束を取り付けておくとスムーズだ。守護聖のほうから誘ってくれることもあるので、うまくバランスを取っていこう。ゲームの進行により女王候補を労うべく、主人公たちの故郷への帰省イベントも発生するのでお楽しみに。
会話や育成に励みながら日々を過ごしていくと、4週に1度、土の曜日に「定期審査」が巡ってくる。ここではライバルであるレイナと「大陸の発展度」か「守護聖の支持」いずれかで審査が行われ、レイナに勝つと行動のたびに消費する体力のハートが1つ増加する。体力が増えれば行動の自由度がぐっと高まるので、できるだけ勝利しておきたい。
シミュレーションゲームに不慣れな人は、あらかじめ難易度を下げておけばまず負けることはない。難易度を高めておけばレイナが有利な状態でゲームがスタートし、序盤はかなりリードされるので追いつくのは大変だ。確実にゲームを進めたいか、歯ごたえのあるプレイを楽しみたいのかは好みで選ぼう。こちらが勝っていると「負けたくない!」と奮闘するレイナが、負けていると「これも勝負だけれど、頑張って!」といった感じで励ましてくれるレイナが見られるので、どちらの状態でも可愛いレイナを堪能できる。
定期審査が終わると主人公やレイナ、守護聖たちがテーマにそった手土産を持ち寄る「ポットラックパーティー」という催しが行われる。このテーマは執事である「サイラス(CV:小野友樹)」の独断と偏見で決定され、前日に通販サイトでぴったりだと思う手土産を選ぶことになる。テーマは例えば「ちょっと会話をする程度の先輩にランチに誘われた時の手土産」という分かりやすいような、分かりにくいような絶妙な内容だ。さらに主人公の選んだアイテムは、サイラスに点数付けされる。慇懃無礼なコメントに思わず苦笑いがこみ上げる場合もあるが、仲のいい守護聖はフォローしてくれることも。仕事やプライベートの会話とはまた一味違うトークを楽しめる場となっているので、定期審査が待ち遠しくなる。
便利機能も活用して、さくさくプレイ!
このように大陸を育成し、定期審査を迎えるまでが1つのサイクルだ。操作に慣れたころには、育成をよりスムーズに進められる「マイコンシェル」も解放される。誰に育成を頼むか、誰の誘いなら受けるか、日の曜日に誰を誘うか……といった要素を入力すれば、あとはサイラスがうまく取り計らってくれるという便利なセミオート機能だ。親密度や大陸の育成を細かく管理したい場合は手動で行うのがベストだが、イベントが発生した際に取り逃すこともないので気軽に使っていける。
さらに育成など特定の行動をこなしたり、目標を達成したりするとポイントが付与され、これを消費して便利なアイテムと交換できる。使いすぎには注意したい体力回復の「エナジードリンク」をはじめ、お目当ての守護聖と交流を進めやすくなるアイテムが豊富に用意されている。うまく活用すれば、女王候補としての生活をさらに楽しめること間違いなしだ。本作やレイナに興味を抱いたら、まずは体験版でこの魅力に触れてみてほしい。