ダウンロードで遊べる気になるゲームの魅力を、実際にプレイした上でご紹介する「DLゲームインプレッション」。第2回は、2021年5月13日にNintendo Switch、14日にPS4、PS5にて日本語版がリリースされたFPS「エクソデーモン」をピックアップ。
「エクソデーモン」はブラジルのインディーゲーム開発会社Kuupuが開発し、eastasiasoftがコンシューマ機版の販売を担当するレトロスタイルのFPS。Kuupuの自社販売によってSteam版もリリースされている(Steam版は日本語非対応)。
※動画は海外向け
筆者がプレイしたのはNintendo Switch版。定価は1,280円で、2021年6月2日までは20%OFFの1,024円で購入できる。爽快なゲームプレイを楽しんでいたが、重大な問題点に遭遇。途中で攻略を断念することとなってしまった。
寄生生物の能力を借りて生き残れ!
本作の主人公は、“惑星エクソ”にて、この星の生命体を使った実験をしていた科学者。しかし、検体カプセルから抜け出した謎の生命体“エクスデーモン”に寄生され、異形の肉体へと変化を遂げてしまう。この異形の肉体に宿った能力を駆使して、時を同じくして研究所に多数出現したエイリアンたちを撃退。脱出ポッドにたどり着き、惑星エクソを生きて出るのがゲームの目的だ。
ゲームの進行はステージクリア制で行われる。各ステージ開始前のロード画面でストーリーが語られ、ステージクリア後にはリザルト画面でスコアを表示。そして次のステージへ……という流れの繰り返しだ。
90年代のFPSにインスパイアされたという本作は、操作が極めてシンプルで、レスポンスは良好。出現したエイリアンたちをスピーディに撃破しながら研究所内の探索を進めていく、テンポの良いゲームプレイが楽しめる。
スタート時点では近接攻撃の「引っかき」しかできない主人公だが、ゲームを進めるとすぐに手からエネルギー弾を発射する遠距離攻撃も放てるように。その後も探索の中で新たな能力を入手することで、遠距離攻撃の種類は増えていき、これらはL/Rボタンで切り替えが可能。敵の種類や残弾数を考えて、適切な攻撃手段を使い分けて戦っていくことになる。左手の甲に体力ゲージが、右手の甲に残弾数が表示されるのが、ユニークかつ合理的だ。
操作性は基本的に快適なのだが、ひとつ気になった点がある。グラフィック上の表現としては「左手で近接攻撃/右手で遠距離攻撃」となっているのだが、コントローラーのボタン配置としては「R2(右手人差し指に対応)で近接攻撃/L2(左手人差し指に対応)で遠距離攻撃」というように、画面上でアクションを行う手と、プレイヤーの操作で行使する手があべこべになっているのだ。意識していれば対応できるものの、とっさの判断での押し間違いはなかなか直らなかった(ボタンの設定変更も不可となっている)。
エイリアンや動く足場に苦戦……回復や弾薬の補給が生死を分ける
主人公の前に現れ、行く手を阻むエイリアンは多種多様。遠くから攻撃してくる者、執拗に近づいてくる者、群れで襲ってく者……。特定の場所に足を踏み入れることで一斉に出現するパターンが多く、背後に出現する場合もあるのが厄介だ。よほどアクションゲームが得意でなければ、何度もゲームオーバーになって敵の配置を覚えることで、ようやく切り抜けられる局面も多いことと思う。
減少した体力や弾薬は、エイリアンを倒したときたまに手に入るほか、特定の場所に配置されたカプセルを壊すことでも回復できる。また体力に関しては、緑色のベールが掛かった扉をくぐることでも回復可能だ。敵を先に全滅させるべきか、いったん回復できる場所を探すべきかといった選択が、生死を左右する場合もあるだろう。
また戦闘以外では、細いパイプの上をジャンプで飛び移ったり、動く足場を乗り継いでいくといったシチュエーションも。足場の端っこに着地するとすべり落ちてしまったりと、なかなかシビアだ。
上記のようないくつもの要素がゲーム展開のメリハリにもなっており、基本的には小気味良いゲームプレイを楽しむことができた。
エラーによる強制終了で先に進めず……アップデートに期待!
このように本作を楽しんでいた筆者だが、遊びはじめてから3時間ほど経過したときにプレイしていたステージ9の序盤、ゲーム進行上必ずくぐらなければならない扉を抜けて先へ進もうとすると、エラーによってゲームが強制終了してしまう事態に遭遇した。
その後、5回ほど試してみたものの、いずれも結果は同じ。これ以上先に進むことは断念せざるを得なかった。ステージは18まであるようなので、ちょうど半分までしか遊べなかったことになる。
Steam版のレビューも読んでみたところ、多くのプレイヤーは問題なくエンディングまでプレイを終え、高評価をつけている。筆者が遭遇したエラーは、Nintendo Switchへの移植の際に生じたものである可能性が高そうだ。
筆者以外のNintendo Switchでも100%再現されるエラーかは分からない(ちなみに筆者のNintendo Switchは初期型だ)が、購入を検討している方は、この点についての覚悟はしておいたほうが良いだろう。そして、今後のアップデートで改善されることと思いたい。
「エクソデーモン」は、レトロスタイルのFPSとしての楽しさを押さえた、シンプルながら爽快なゲームプレイが特徴のタイトルだ。異形となってその能力を行使するという設定と、これが反映されたビジュアルも、気に入る方はいると思う。
しかし、筆者のNintendo Switch版のプレイ環境ではステージ9で必ずゲームが強制終了してしまい、それ以降のステージを遊ぶことはできなかった。アップデートが適用され、最後までプレイできるようになれば問題なくおすすめできる作品になるはずなので、公式によるアナウンスに期待したい。