ネットマーブルが6月10日よりサービスを開始したiOS/Android向けアプリ「二ノ国:Cross Worlds」。本作の魅力や今後の展開について、Netmarble Neoで開発総括プロデューサーを務めるパク・ボムジン氏にインタビューを実施した。
――「二ノ国:Cross Worlds」の正式サービスがいよいよ始まりましたが、今の心境を教えてください。
パク・ボムジン氏:ユーザーの皆様へ新しいビジュアルや素敵な音楽、新しい面白さをお見せすることを目標に一生懸命やってきました。3年という長い期間、ゲーム開発だけに集中してきました。正式リリース後、ユーザーの皆様がどのようにゲームを楽しんでいただけているのか期待でいっぱいです。
――改めてにはなりますが「二ノ国:Cross Worlds」のゲーム概要やアピールポイントを教えてください。
パク・ボムジン氏:一番はストーリーだと思います。「二ノ国」として、ユーザーがWin-Winの関係で物語を紐解いていく体験を届けたいと思いました。ユーザーは、ブラック リングと魔王レヴァントの野望を止めることができます。リリース後、伝統的な闘争をテーマにしたストーリーが完結したタイミングで、原作では「二ノ国」「一ノ国」と表現されている2つの世界の関係についてお話をする予定です。
キングダムやソーシャルオブジェも注目してほしいコンテンツの一つです。「二ノ国:Cross World」は、ユーザー同士のコミュニケーションや自然遊びができる環境づくりに注力しました。キングダムでは、「遺物の戦場」「キングダム侵攻戦」「キングダム防衛戦」のほか、様々な遊び方で一緒に遊べるコンテンツを提供していく予定です。ソーシャルオブジェは、ユーザーが戦闘に関係なく遊べるおもちゃのようなものです。音を鳴らす石像やサッカーボールなど、数に限りがあるレアなオブジェも制作いたしました。それらを見つけて収集するのも楽しいと思います。
――本作はどういった経緯で開発がスタートしたのでしょうか?
パク・ボムジン氏:「二ノ国:Cross World」の開発のために、約3年間で150名以上のリソースを投入してきました。「リネージュ2 レボリューション」の開発に参加した中心的なメンバーが参加するプロジェクトとしてネットマーブル、ネットマーブルNEOが持つ全ての力量を結集させました。原作の「二ノ国」に込められている感性とグラフィック、現実世界と仮想世界が共存する差別化された世界観が興味深く感じられ、スマホ環境でも、このゲームの特徴を生かせると判断したため開発に至りました。
――「二ノ国」というIPを活用するにあたり、こだわった点や苦労したことなどがあれば教えてください。
パク・ボムジン氏:「二ノ国:Cross Worlds」の序盤部分を開発しながら多くの試行錯誤がありました。「二ノ国:Cross Worlds」のストーリーと世界観を完全に伝えながら、MMORPGの戦闘、コミュニティの面白さを感じてもらうことがとても難しかったです。
「二ノ国」シリーズの一つではありますが、全く異なる新しいゲームをもう一度作るレベルの企画変更と、内部の様々な要素をターゲットにしたテストの末、現在のバージョンのゲームが誕生しました。これからはユーザーの皆様の評価をお待ちしております。我々が試行錯誤した部分がそのままにじみ出ているので、満足度が高いプレイを楽しんで頂けたらと思います。
――本作は「二ノ国II レヴァナントキングダム」の遠い未来を描いているそうですが、ストーリーはどのように繋がっているのでしょう?
パク・ボムジン氏:「二ノ国:Cross Worlds」は、原作「二ノ国」の世界観の中で繰り広げられる新しいストーリーのため、原作のストーリーとは直接的には繋がりません。ですが、同様の世界観ですので「二ノ国2」の要素が所々に込められています。
――本作には自由に移動できるソーシャルオブジェが多数登場しますが、これはどういった経緯で生まれたのでしょう?
パク・ボムジン氏:既存のスマホMMORPGがキャラクターの成長と戦闘や競争に焦点を当てているとしたら、「二ノ国:Cross Worlds」は、「二ノ国」シリーズの世界観の中で自然なかたちで仲間とともに楽しむことができるように、その手段としてソーシャルオブジェを提供したいと考えました。
広いオープンワールドに存在するソーシャルオブジェを利用し、仲間たちとサイコロ遊びや、メロディ像の演奏をするなど、多彩な活動(遊び)をすることができます。このような観点から、戦闘をするギルドだけでなく様々なコミュニティが生まれていくことを期待しています。
――レアなオブジェクトなどもあるのでしょうか? また今後のアップデートで追加したいオブジェクトの構想などがあれば教えてください。
パク・ボムジン氏:サーバーに二つしかないオブジェクトも存在します。今後更新される可能性については保証できませんが、想像(検討)したことはあります。名前は「おしえてストーン」という「ニノ国1」で登場したヘルプシステム要素です。
このソーシャルオブジェは、配置しておけばゲーム内の様々な情報を休むことなくおしゃべりしてくれます。ほとんどの場合、既に知っている情報が多いのですが、非公式に存在するゲームのレアアイテムや、隠し要素に関する情報やストーリーを誤っておしゃべりしてしまうことがあります。もし、たまたま自分のキングダムだけがこのオブジェクトを所有していたら……なんてことを想像しています。
――ギルドコンテンツとなる「キングダム」についても教えてください。ここではどのような遊びが楽しめるのでしょうか? また本作ならではのポイントなどがあれば教えてください。
パク・ボムジン氏:新しい経験をお届けするために長期にわたり試行錯誤をしました。2つの世界が共存するファンタジーの世界観をユーザーが十分に楽しむことに焦点をあて、単にコンテンツやダンジョンがオープンされる機能的な部分もストーリーとして被せました。多くのゲームにマルチ要素として戦闘や複数人でプレイする集団戦がありますが、我々はマルチの本質について悩みました。悩みながら単純に戦って何かを獲得することが全てではなく、ユーザーがお互いに協力してコミュニケーションを行い、新しいコミュニティを作ることができるようになることを目標にキングダムコンテンツを開発しました。
キングダムはユーザーが直接国を造って管理する形のコンテンツで、戦闘要素だけでなく直接キングダムの建設物を装飾するカスタマイズ機能、そしてキングダムの構成メンバーとの協力がなにより重要なキングダム専用コンテンツである「キングダム防衛戦」などをプレイすることになります。ぜひ直接経験していただき、仲間と新しい国を造る面白さを感じていただけたら嬉しいです。
――今後は、50vs50の総力戦が楽しめる「遺物の戦場」や、他のキングダムに攻め込むことができる「侵攻戦」などが実装されるそうですか、いつ頃の実装を予定していますか?
パク・ボムジン氏:スケジュールは変更になる可能性がありますが、「侵攻戦」は7月の予定です。
――配信後のアップデート情報など、お話できる範囲でロードマップを教えて下さい。
パク・ボムジン氏:アップデートされたコンテンツを十分に楽しむためには、約2週程度の期間が適切だと判断しております。したがって現在は2週単位の周期的なアップデートを計画しています。事前にアップデートコンテンツを公開し、ユーザーの意見やデータ分析を通じて、インゲームの状況と成長レベルなどを考慮し、弾力的なアップデートを行う予定です。
6月のアップデートでは、キングダム同士のバトルコンテンツ「遺物の戦場」、「フィールドボス」、「混沌の地ボス」、「カオスゲート」が追加されます。
7月は「エピソードストーリー:古代の魔人(仮)」、「キングダム侵攻戦」、「キングダムダンジョン(仮)」、「イマージェン決闘場」、8月は「王座争奪戦」、「首都キングダム」、「エピソードストーリー:ゴールド船長と宝島(仮)」、9月は「キングダムイマージェン探検(仮)」、「溶岩谷の大乱闘(仮)」、「試練の迷宮」、「エピソードストーリー:収穫祭(仮)」が予定されています。どうぞご期待ください!!
※各名称や時期は予定であり、サービス時に変更になる場合があります。
――今後キャラクタークラスを追加する予定はありますか?
パク・ボムジン氏:リリース後、サービスを行いながらキャラやクラスの追加可否を議論する予定です。
――今後「二ノ国」シリーズや、レベルファイブとのコラボレーションを実施する予定はありますか?
パク・ボムジン氏:リリース後、サービスを行いながらキャラやクラスの追加可否や他IPのコラボレーションを議論する予定です。新しい面白さを提供するために、他IPとのコラボコンテンツ開発を念頭においていますが、どんなIPでコラボコンテンツを製作するのかまだ確定していません。さらに、グローバルでは、2022年上半期内に全圏域リリースを目標にしています。海外進出戦略によってグローバルサービスに対する準備は既に進行しており、各国に適宜リリースする予定です。
――グラフィックがとても美しい作品なので、PC版の配信も期待しているのですがいかがでしょうか?
パク・ボムジン氏:「二ノ国:Cross Worlds」は、タッチスクリーンベースのモバイルデバイスを前提に開発されました。それはPCのキーボード&マウスのインタフェースからは、あまりにもかけ離れています。アンリアル・エンジン4ベースなので、いくつかの設定を変更すればPCビルドを作成することはできますが、ユーザーの経験を考慮して、PC用ビルドの作成ではなく、BlueStacksやNoxPlayerのようなアプリプレイヤーのサポートを受けることにし、その余力をゲームの内容に全て注ぎ込む決定を下しました。
また、「二ノ国:Cross Worlds」はタッチスクリーンベースのモバイルデバイスを前提に開発された関係で、コンソールに移行するには、UXにとって非常に大きな変化が必要なため、対応を決定するにあたり非常に慎重な立場にあります。
――それでは最後にプレイヤーの方へメッセージをお願いします。
パク・ボムジン氏:ユーザーの皆様へ新しいビジュアルや素敵な音楽、新しい面白さをお見せすることを目標に一生懸命やってきました。3年という長い期間、ゲーム開発だけに集中してきました。正式リリース後、ユーザーの皆様がどのようにゲームを楽しんでいただけているのか期待でいっぱいです。我々が苦労して準備した作品についてお話しすることができて感慨深いです。ユーザーの皆様に「二ノ国:Cross Worlds」を最大限早くお届けするために、全ての担当メンバーが最善を尽くしてきました。ネットマーブルのすべての力量が詰まっている、ハイクオリティのゲーム性とサービスを保証します。ぜひプレイしてください。
――ありがとうございました。