セガが2022年の全国稼働に向けて開発中の新作アーケードゲーム「英傑大戦」。6月18日から6月20日までの期間で実施された本作のロケーションテストの模様をお届けする。

これまでアーケードゲームの歴史を創り上げてきた大戦シリーズ。「三国志大戦」、「戦国大戦」に続く、新たな大戦が「英傑大戦」だ。本作では、これまでの人気武将に加え、新たな時代の武将も登場。様々な国や時代が混ざり合った世界観と、新しい戦闘システムによって、これまでのシリーズをプレイしていた人はもちろん、大戦シリーズを初めてプレイする人も楽しめるタイトルになるという。

ここでは、6月18日から6月20日から実施されたロケーションテストの体験レポートをお届けしていこう。

「英傑大戦」の筐体は新規のものになっているそうだが、基本的にはこれまでの大戦シリーズを踏襲したボタン配置になっている。中央には武将カードを置いて操作をする盤面が、左側にはトラックボールとMENUボタン、そして新たに追加された流派ボタンが配置されており、右側には計略ボタンや戦器ボタンやAimeカードリーダー、USBポートなどが配置されている。

ゲームを開始するとプレイモードを選択する。通常プレイは1クレジットで1プレイ+カードの抽選が1回、武将増量では2クレジットで1プレイ+カードの抽選が4回行われる。抽選で選ばれたカードは1枚印刷するのに追加で100円が必要だ。つまり、最小クレジットで遊ぼうとすると通常プレイのカード印刷なしで100円、最大クレジットでは武将増量で4枚印刷して600円となる。

抽選で選ばれたカードが不要であれば無理に印刷する必要は無く、少ないクレジットでゲームをプレイできるのは嬉しい要素だ。また、本稼働版ではカード印刷を行わなかった際にゲーム内通貨が手に入る仕組みも導入されるとのこと。

なお、このクレジットシステムは、あくまでロケーションテスト時のもので、本稼働時には変更が行われる可能性もあるので留意してもらいたい。

排出されるカードのレアリティは現段階で4種類。
左からレアリティが高く、写真ではわかりづらいが坂本龍馬が最高レアリティで背景までキラ仕様になっている。

排出カード選択を終えると、対戦に向けた準備フェーズが始まる。バトルで使用するカードの登録は、カードの合計コストが9になるように使用カードを盤面に置いていくことで可能だ。筆者は大戦シリーズビギナーであるにもかかわらず初プレイで欲張って5枚のカードを登録したのだが、それだけ操作量が増えることに後になって気付きあたふたしてしまった。ゲームに慣れるまでは高コストのカードでデッキを組んで操作量を減らすとスムーズにプレイ出来そうだ。

なお、本作ではカードの勢力が色ごとに分かれている。これまでのシリーズでは、魏・呉・蜀などの所属で勢力が分けられていたが、今作では蒼・緋・碧の3勢力に分かれており、三国勢・戦国勢が入り乱れるデッキを同じ勢力として組むことができる。まさにオールスター感が味わえる「英傑大戦」ならではの要素と言えるだろう。

ちなみに武将毎の時代や国はサブ勢力的な位置付けになっており、今回は「三国志」と「戦国」に加えて「江戸・幕末」が実装されていた。時代勢力は、主に後述する「戦器」の効果に影響するようだ。

続いては本作からの新要素となる「流派」を選択する。流派は「兵種」「部隊」「城塞」「士気」の4種類から選択する形で、それぞれの流派の中でもゲージの溜まり具合で3つの効果に分かれる。基本的には名前の通り「兵種」であれば兵種毎のアクションが強化されたり、「城塞」であれば自城のダメージを軽減したり、といった効果になっている。

この効果は永続効果となっているため、どの流派を選択するかによって、立ち回りそのものが大きく変わる。デッキとの組み合わせによるシナジーなども考えられるだろう。

その後は、初期の配置を決定し、「戦器」を選択する。戦器はこれまでの法具のようなもので、戦闘中に一度だけ発動できる強力な必殺技だ。味方の復活時間を減らしたり、武力を上げたりといった効果がある。

また、発動条件があるものの追加で効果を得ることも可能で、こちらは特定の勢力や時代勢力限定のものとなっていた。デッキを組む際は、戦器の恩恵をどれだけ受けられるかも重要になるだろう。

ここまで準備を終えるといよいよ対戦開始だ。基本的なルールは、盤面のカードを動かしてゲーム内の部隊を操作しながら相手の城ゲージを減らしていき、城ゲージを0にするかタイムアップ時にゲージが多く残っているほうが勝利となる。城ゲージを減らすには敵陣奥にある攻城エリアまで自部隊を移動させることでダメージを与えることが可能だ。

攻城は武将の知力に依存しており、知力が高いほど城ゲージを減らすまでの時間が短い。本部隊が気を引いている隙に、知力が高い部隊で遊撃を仕掛けたり、カードの特性を生かした戦い方が楽しめる。

部隊毎の戦いは画面内で部隊同士が接触すると開始する。基本的には部隊に設定されている武力が大きい方が有利なのだが、「剣豪・槍兵」「騎兵」「弓兵・鉄砲隊」という兵種がそれぞれ3すくみの関係になっているので、今自分が戦っている相手が有利なのか不利なのかを瞬時に見抜く判断能力も大事だ。

大戦シリーズはストラテジー要素の強いゲームだが、実はアーケードゲームらしいアクション要素が組み込まれているのも面白さのポイント。騎兵が一定時間移動することで発動する「突撃」や、弓兵で移動しながら弓による攻撃を行う「走射」、槍兵で部隊の接触前から相手を攻撃できる「槍撃」など、お馴染みのアクションはそのまま使用できた。

また、三国志時代にはなかった「鉄砲隊」が戦国勢の参戦によって登場するのも大きな要素だろう。「戦国大戦」ではタッチアクションで射撃を行えたが、本作ではカードを上下にスライドすることで射撃が行える。

個人的に使用していて面白かったのは本作から追加された「剣豪」だ。カードを旋回することで斬撃を発動できるのだが、カード操作で技を繰り出している感があって、とても気持ちが良かった。

兵種アクションは下記の動画にまとめられているので、こちらでチェックして欲しい。

細かい仕様の違いはあるものの、計略や戦器などの使用感はこれまでの大戦シリーズと同じ感覚でプレイできる。ただし、新要素の「流派」は戦いの流れを決定付ける大きな要素となっているので、詳しく説明しよう。

流派は前述した通り、戦いの前に事前に4つの効果から1つを選択するものとなっているバフ効果だ。発動後は効果が永続するというのが最も重要なポイントで、基本的には早く発動した方が長い時間恩恵を受けられる。だが、だからといって早くゲージを溜めて早く発動した方が有利、とならないのがこのシステムの面白いところ。流派はゲージの消費量によって、より上位の効果を得られるのだ。

例えば士気の流派は、1ゲージでの発動は士気の最大値が上昇するのみだが、3ゲージまで溜めると士気の上昇速度が上がり武将毎の必殺技である計略をどんどん使えるようになる。デッキ構築時からどのような戦い方をするのか幅広いプランニングが可能となっており、流派を序盤で使っていくアグロタイプの戦略や、流派ゲージを最大まで溜めてから後半でまくっていく逆転タイプの戦略まで、プレイヤーの色が出るシステムになっている。

流派ゲージは主に兵種アクションを成功させることで上昇するので、兵種をいかに使いこなすかが「英傑大戦」で勝利していくためのコツとなるだろう。なお、自城がダメージを受けることでもゲージは上昇するので一発逆転要素にもなっている。

以上が今回のロケーションテストで感じた「英傑大戦」の特徴や魅力だ。法具のカスタマイズなど複雑な要素が無くなり、準備フェーズではデッキに合わせて好みのものを選んでいくだけなので気軽に遊ぶことができる。カードの印刷さえしなければ100円でプレイできるというのも追い風になるだろう。

一方で流派の選択、そして対戦中の発動タイミングなど戦略的な楽しみは広がっており、今後登場するであろうカードとの組み合わせで新たな戦術なども生まれてきそうだ。

また、三国志・戦国といった時代の枷から解き放たれたのも楽しみにしておきたいポイントだ。今回は「江戸・幕末」から土方歳三などの武将が新たに登場したが、その他の世界や時代の英傑たちが参戦することも十分に考えられるだろう。

本作の正式稼働は2022年ということで少し先ではあるが、今回のロケーションテストを受けてさらなるブラッシュアップを果たした「英傑大戦」が今から待ち遠しい。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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