KONAMIが2021年7月8日に発売するNintendo Switch用ソフト「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」のプレイインプレッションをお届けする。
「プロ野球スピリッツ(以下、プロスピ)」シリーズとしては、2019年に発売されたPS4/PS Vita用ソフト「プロ野球スピリッツ2019」以来となる本作。対応ハードとしては初となるNintendo Switchでリリースされる本作は、シリーズ初となる最大4人でのプレイで対戦や協力プレイなどを楽しめるほか、「東京2020オリンピック」モードや「チャンピオンシップ」モードを含む、10以上のモードを搭載している。
筆者は「パワフルプロ野球(以下、パワプロ)」シリーズこそ20年来のプレイヤーではあるものの、実は「プロスピ」シリーズに関しては全くプレイ経験がなかった。というのも、はるか昔に別のリアル系野球ゲームを触った時に、自分の中での肌感が合わなかったというのが今もそのまま根強く残ってしまっていたのだ。
とはいえ、歴史を重ねる中で今なお人気の「プロスピ」シリーズの最新作がどのような内容になっているのか、という点は興味があったので、先行プレイの機会にいろいろと触ってみた。……のだが、各モードのボリュームが想像以上で、今回は一部のモードのみを体験するに留まったので、今回は筆者ならではの目線で面白いと思った点を紹介していく。ゲームの全体像を理解したいという人は、公開されているPVも併せてチェックしておくことをオススメする。
プロ野球選手の仕草の再現がすごい!
本作では、2021年度のプロ野球最新選手データを搭載しており、現在のペナントレースを盛り上げている選手たちももちろん登場する。シリーズをプレイしている人には言わずもがなかもしれないが、選手ごとの表情やフォーム、仕草などの再現度がとにかくすごかった。
例えばピッチャーであればマウンド上での投球動作、バッターであれば打席での一連の動作といった、その選手の特徴ともいえる部分をしっかりと掴んでおり、これは「パワプロ」シリーズでのデフォルメならでの再現とはまた一味違った魅力になっている。また、ホームランを打った後のカメラに向けたポーズなど、野球中継をチェックしている人にもおなじみの場面も楽しむことができるのは、本作ならではと言えるだろう。
個人的には選手のフォームのメカニズムを見るのが野球観戦の楽しみのひとつなのだが、そうした観点からも「プロスピ」のグラフィックは細かな動きを追える楽しさがあった。実際の操作はもちろんのこと、プレイヤー自身が監督として試合を采配する「監督プレイ」や文字通り試合を観戦できる「試合観戦」などでも十分に楽しめるディティールだ。
シンプルに遊びやすい操作性
「プロスピ」シリーズでの試合中の操作は今回が初体験だったのだが、ピッチング、バッティングともにまとまった印象でとても遊びやすかった。そう感じた理由について少し触れておく。
まずピッチングだが、本作では球種を選択後、コースを決めて投球する流れになっている。投球時にサークルが表示されるので、リリースのタイミングを合わせることで投球の質が変化していく。ベストなタイミングではコースにビシッと決まる反面、タイミングを間違えると失投になってしまい、場合によってはストライクゾーンに棒球が投げ込まれてしまうシチュエーションも。
この仕組みは、スマートフォンゲーム「プロ野球スピリッツA」に近い仕様になっているそう。従来のように球種選択とコース選択を同時に決定する仕様も選択できるということだが、野球は思考を挟むのも楽しいスポーツだと思うので、そうした駆け引きの魅力がシステムに反映されているのは嬉しいところ。
ちなみに、「パワプロ」シリーズのプレイヤーとして一つ面白いなと思ったのが、球威やコントロールが球種毎に設定されているという点。実際、投げる球種によってこれらの要素が変わるのは目に見えて分かる要素なので、投球の組み立てにおいても楽しめる部分だ。
一方、バッティングに関しては投げ込まれた球にカーソルを合わせて打つ、というシンプルな流れだが、もちろん強振をすることで打球が上がりやすくなったり、状況に応じた能力の発動などでカーソルの大きさが変わったりと、打席毎に歯ごたえのある操作が楽しめる。
今作では調整によって全体的に打ちやすくなっているそうだが、実際にプレイしている感覚としてもミートしやすく、かつタイミングも合わせやすい印象で、気持ちよくスイングできた。タイミングドンピシャでホームランを打った時の気持ちよさはひとしおだ。
チュートリアルでも一通りの操作を試させてもらったが、外野からの中継も含めた守備や、進塁・帰塁に加えて塁間での静止動作も可能な走塁の操作も含め、トータルでも分かりやすい操作性にまとまっていて、試合全体を楽しめる作りになっていた。
育成モードの「甲子園スピリッツ」も充実!
本作では、育成モードとして「甲子園スピリッツ」を搭載。本モードは大きく3つに分かれていて、高校二年生から最後の1年をプレイする「一年チャレンジ」、最後の夏の大会だけをプレイする「大会チャレンジ」、手早く育成ができる「練習チャレンジ」が用意されている。育成した選手を登録して、オリジナル選手として使うことができるのだ。
今回は主に「一年チャレンジ」をプレイしてみたのだが、練習を中心に、合間の試合で活躍しつつ、甲子園での優勝を目指すといった進行。その上で、新たに用意された「行動力」と呼ばれるパラメータを消費して発生させるイベントでは、能力アップに必要なポイントの獲得はもちろん、そのイベント内容に応じた恩恵もあるので、育成において重要な意味を持ってくるだろう。
また、チームメイトとの交流はもちろんのこと、マネージャーなど一部のキャラクターにキャストを起用しているのもポイント。発生するイベント自体も豊富で、かつキャラクター付けも面白いので、より多くのイベントを楽しみたくなる部分だ。
「一年チャレンジ」はほどほどに時間がかかるため、腕に覚えがあってサクッと育てたい人は「大会チャレンジ」、もっとシンプルに選手を育成したいという人は「練習チャレンジ」といった具合に、プレイヤー側のニーズに合わせて育成できるのは嬉しいところ。KONAMIの野球ゲームは、やはり育成要素が充実しているなと改めて感じられた。
「東京2020オリンピック」や「スタープレイヤー」など時間を忘れるモードも多数!
さらに、東京2020オリンピック野球競技の大会方式をゲームで再現した「東京2020オリンピック」モードの搭載も見どころの一つ。通常の試合操作だけでなく、最大4人での協力プレイ、ひとりの選手を操作するフィールドプレイ、監督として采配する監督プレイと、プレイスタイルにも選択肢が用意されているので、好きなかたちで金メダルを目指すことができる。
デフォルトで設定されている日本代表メンバーは、タイトル独自の査定による出場予想メンバーということだが、もちろんゲーム内に収録されている選手から自分で編成することができ、自身で育成したオリジナル選手の参加も可能だ。日本代表のユニフォームを着た選手たちが活躍する様子をゲーム内で楽しめるというのは、やはり嬉しいポイントになってくる。
「東京2020オリンピック」はフルで楽しもうと思うとかなりボリュームのあるモードだが、そのほかにもチームとしての運用を最大30年プレイ可能な「ペナントレース」、1人のプロ野球選手になりきって楽しむ「スタープレイヤー」、監督としてチームを率いて大会を勝ち抜く「グランプリ」といったバリエーション豊かなモードを搭載している。
その上で、オンライン公式大会で全国のプレイヤーとリアルタイム対戦を楽しめる「チャンピオンシップ」もあり、プレイヤーごとのスタイルに応えられるだけのモードを搭載。筆者は今回、時間の都合もあってできなかったモードも多かったのだが、興味を持った人はぜひ本作をプレイして、遊び尽くせないほどのボリュームを体感してもらえれば幸いだ。
TM IOC/TOKYO2020/USOC 36USC220506.
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一般社団法人日本野球機構承認 プロ野球フランチャイズ球場公認
ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2020年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。
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(C)Konami Digital Entertainment
"eBASEBALL"は、株式会社コナミデジタルエンタテインメントの登録商標です。
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