1C EntertainmentとKoch Mediaより、8月21日に発売されるPS4/Nintendo Switch用ソフト「King’s Bounty II」。リリースに先駆けて、Steam版で先行プレイする機会を得た。今回は、そのプレイレポートをお届けする。
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この「King's Bounty II」は、タイトルに「II」と書かれていることからもわかるように、本作は90年代にPCや海外版メガドライブのジェネシスなどで発売された、ターン制のストラテージゲームの続編にあたる作品だ。前作は、その後「ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック」としてヒットしたシリーズの源流となったタイトルでもある。
だが、今回リリースされる「King's Bounty II」は、それらとは異なる印象のゲームに仕上げられている。簡単に説明すると、「The Elder Scrolls V: Skyrim」のようにオープンワールドを三人称視点の等身大キャラクターを操りながら冒険。敵との戦闘ではヘクスマップに切り替わり、ターン制のシミュレーションバトルで戦っていくといった感じのスタイルが採用されている。
詳しくはこの後でご紹介していくが、こうしたゲーム性になったのは、開発側が従来までのシリーズよりもアダルトなスタイルを目指したのが理由だという。
異なるスタイルを持つ3人の主人公からひとりを選んでスタート
ゲームの世界観は、ど真ん中の王道ファンタジーだ。中世ヨーロッパのような世界に剣や魔法、ドラゴンやゴーレムといったおなじみの要素が入り交じっている。「ロード・オブ・ザ・リング」や「ゲーム・オブ・スローンズ」などからも影響を受けているそうだが、それらのようにファンタジーではあるがやや重厚感のあるストーリーが楽しめるようになっている。
ゲームをスタートすると、キャラクター選択画面に切り替わる。こちらでは、それぞれのバックボーンや性格が異なる3人のキャラクターの中からひとりを選んでゲームを進めていくことになる。
戦士のアイバーは戦争の達人だが、魔法は使えない。その代わりといってはなんだが、彼が指揮するユニットは最高の戦闘特性を発揮することができる。魔導師のカタリナは、戦場で最も強力な呪術を使うことができる魔術の女王だ。パラディンのエリザは、戦争の経験は少ないがそこそこの魔法を操ることができる。その特徴は、最短で最大数のユニットを集めることができるところだ。
ちなみに、主人公キャラクター自体は直接戦闘には参加しない。元々そのキャラクターが持つ特性に加えて、装備品も変更していくことができるが、それらは自分が操るユニットのバフ効果を与えるものと考えればいいだろう。もちろん装備を変更することで見た目もそれに合わせて変わっていくため、ファッション的にいろんなアイテムを身につけるのもいいかもしれない。
選択によってヒーロー像が形成されていく
ゲームの世界はオープンワールドだが、いきなり自由にいろいろな場所に行けるというような作りにはなっていない。何かしらの施設が行く先を防いでいたり、あるいは待ち受けている敵を倒して初めて行けるようになったりする場所もあるからだ。
本作では、基本的にクエストをクリアしていくことで行動範囲が広がっていくといったわかりやすい作りになっているので、何をすればいいかわからないという状況にはなりにくいのはありがたいところだ。
クエストはメイン以外にも、出会った人に話しかけることで発生するものも数多く用意されている。クエストのリストを表示して、クリアを目指すものを選ぶことができる。マップを表示することでクエストに関連する場所が表示できるほか、画面に表示されているコンパスでもクエスト関連のものはアイコンで表示されるので、それらを目安に行動していけばOKだ。
ひとつだけ注意したいのは、クエストによってはクリア方法が選べるようになっていることがある場合だ。例えば、あるクエストをクリアするのにどちらか対立一方と戦って倒さなければいけないことがある。クエストの解決策には、権力、無秩序、秩序、策略といった道徳基準が設けられている。
どの行動が正解かといった答えはないが、主人公が選んだ行動により人格が徐々に形成されていくようになる。その後、自分の中で形成された理想に反した行動は拒否するように変わっていくのだ。
この世界では、扉が閉まった建物の多くは一部を除いて入ることができない場合が多い。その代わりではないが、あちらこちらにアイテムが配置されているのでそれらを忘れずに回収するようにしていこう。特にゲーム序盤はお金があまりなく、辛い状態が続く。様々な場所に置いてある宝箱などから、アイテムを入手してそれらを売ることでも、ある程度お金を稼いでいくことができる。
マップ上にはアイテム以外にも、様々な仕掛けも用意されいる。ボタンを押すことでせり上がってくるようなものから、カギを入手しなければ開かない扉などもある。また、ちょっとした謎解き要素も用意されていることもあるといった感じだ。いずれも謎が難しすぎるということはないが、RPGライクなスタイルが楽しめるところも本作の魅力のひとつといえる。
オープンワールドでは、等身大のキャラクターで移動するため、どうしても時間が掛かってしまうという問題がある。それを解決してくれるのが馬の存在だ。馬はボタンひとつ押すことで、いつでも召喚することができる。歩いたり走ったりするよりは遙かに速く移動することができるが、ひとつだけ小回りが効きにくいという難点がある。
もうひとつ、マップのあちらこちらに「旅の石碑」と呼ばれるモニュメントが設置されている。こちらはいわばファストトラベル用のポイントとなっており、新たな「旅の石碑」を見つけていくことで多少離れた場所であっても移動が楽になっていく。
戦闘はターン制。敵の配置を見てユニットを配置していこう
戦闘はいきなり始まるのではなく、ボタンを長押しすることで攻撃を開始するか選べるようになっている。最初に自軍と敵軍の戦力が表示される。このときに、明らかに不利な状況ならば撤退することもできる。
1回の戦闘につき、ユニットは最大5部隊まで参加させることが可能だ。戦闘に出せないユニットは控えにしておくことができる。こうしたユニットは、商人にお金を払って雇っていくことになる。
戦闘が開始されると、自軍のユニットを有利な位置に配置し直す「配置フェーズ」に切り替わる。敵と地形をよく確認して、より有利になるようにユニットの位置を調整していこう。戦闘が始まると、ひとつひとつの部隊ごとに指示を出していく。魔法やスキルを活用して、戦闘を有利に進めていくこともできる。よくわからないうちは、使えるものはなんでも活用して戦っていくというスタイルでもいいだろう。
ユニットは、近接攻撃が得意なキャラクターもいれば、弓や魔法を駆使して戦う遠隔攻撃が得意なものなど、様々なタイプがいる。それぞれの特徴を活かしつつ、敵からのダメージを最低限に抑えられるように考えてプレイしていけるところも、このゲームの醍醐味のひとつといえるだろう。
敵との戦闘で勝利すると、生き残った部隊は経験値を得て負傷した兵士も復帰する。しかし、全滅した部隊は自分のユニットからいなくなってしまう。特にゲーム序盤はお金に余裕がないため、大切に戦っていきたいところだ。
濃厚な物語とじっくり遊べるシミュレーションゲームの魅力が見事に融合
ここで紹介した以外にも、ゲーム内にはまだまだ様々な要素が盛り込まれている。ゲームそのものもフルボイスだが、残念ながら選べるのは日本語吹き替えではなく英語に字幕だけだ。しかし、それもあまり気にならないほどゲーム自体はスムーズに遊ぶことができ、ストレスを感じるシーンもなかった。
ちなみに今回発売されるパッケージには、本編のほか複数のデジタルコンテンツもセットになっており、最初からフルボリュームで楽しむことができる。じっくりと遊べる大人向けのゲームはないかとお探しならば、ぜひ本作を試してみてほしい。
(C) 2021 King's Bounty II is a registered trademark by 1C Online Games ltd. Developed by 1C Entertainment S.A. Co-published and distributed by Koch Media, Austria. Koch Media is a registered trademark. Unreal®Engine, Copyright 1998 – 2021, Epic Games, Inc. All rights reserved. Unreal®, Unreal® Engine, the circle-U logo and the Powered by Unreal® Engine logo are trade¬marks or registered trademarks of Epic Games, Inc. in the United States of America and elsewhere. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners. All rights reserved.
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