ダウンロードで遊べる、気になるゲームの魅力を実際にプレイした上でご紹介する「DLゲームインプレッション」。第4回は、PS5、PS4、Nintendo Switchにて配信中の百合デートアドベンチャー「Dating Life: マイリー&エミリー」をピックアップ!
「Dating Life: マイリー&エミリー」を開発したDharker Studioは、PCを中心にセクシーな要素が魅力のノベルゲームを数多く手掛けている開発会社。そして本作のメインキャラクターであるマイリーとエミリーは、この開発会社の過去作「Negligee」というシリーズから引き続き登場するキャラクターとなっている。
「Negligee」シリーズは現在のところ日本語ローカライズは行われていないが、幸い「Dating Life: マイリー&エミリー」はこれ1本でも十分楽しめるタイトルとなっている。“大人の女性同士の一夜のロマンス”というテーマに惹かれた方は、プレイしてみるとよいだろう。
なおNintendo Switch版は2021年8月25日の16時59分まで、定価の20%OFFとなる800円で購入できるセールを実施中だ。
マッチングアプリを切っ掛けに出会う、ふたりの女性の物語
マイリーは小学校でカウンセラーをしている女性。退屈な生活を一変させるような出会いを求めてマッチングアプリに登録していたが、待てど暮らせど誰からも連絡がない。ある日、マイリーはこのアプリへの登録時、自分の名前を男性名の“マイケル”と誤って入力していたことに気づき、途方に暮れる。 ところが、そんなマイリーを男性と誤解したままビデオ通話をしてきた女性が現れる。彼女の名前はエミリー。若いが、お金を稼ぐ方法を心得ており、自由に生きることを何より大切にしている女性だ。 バーで待ち合わせ、誤解させたことをエミリーに謝るマイリー。しかしエミリーはさほど気にした様子もなく、ふたりは意気投合する。ふたりの女性の特別な夜が、幕を開けるのだった……。 マイリーの視点によってノベルゲーム形式で進行していく本作。ときおり二択の選択肢が現れ、どちらを選ぶかによってマイリーの言動や行動が変化。その後の展開にも影響することになる。 日本語ローカライズの品質は少々低く、誤字やてにおはが怪しい箇所が散見されるのは残念だ。また、テキストウィンドウに話者の名前は表示されるものの、それ以外の演出上の工夫はない。マイリーとエミリーの字面が似ていることもあって、いま読んでいる台詞がどちらのものであるか、直感的に分かりづらく混乱しやすいのも欠点と言える。 とはいえ注意深く読んでいれば意味を理解するのに問題のあるレベルではなく、ふたりが互いを理解し合い、徐々に感情が高ぶっていく様子はしっかりと伝わってくる。女性同士の恋愛描写がお好きな方ならば、ふたりのリアリティある人物描写と心情の変化に、ドキドキすることができるはずだ。 選んだ選択肢の組み合わせにより、エンディングも変化。本作のレーティングはCERO:D(17才以上対象)ということで、レーティング相当の色っぽい展開になる場合もあれば、マイリーにとってちょっと辛い展開になることもある。 いつでもセーブは可能。スキップも快適なので、繰り返しプレイしてさまざまな選択肢を試すのは容易だ。ただし、ベストエンディングにたどり着くにはそれなりの根気が必要かもしれない。刺激的な出来事を好むエミリーが、どんな受け答えを好み、どんなふうに予想を裏切られることを求めているか? と考えてみるのが近道になるかもしれない。 すべてのエンディングを見届けて、2~3時間程度のボリュームとなっている本作。これを短いと感じる人もいるかもしれない。しかし、ノベルゲームで女性同士の恋愛を描く作品は10代の学生が主役のものが多く、大人の女性同士の関係を描いている本作は、それだけで価値があると言えるだろう。 大人の女性同士の一夜のロマンス。ここに惹かれた方ならば、値段分は楽しめるのではないかと思う。 ちなみに本作には続編があり、こちらは現在PCで英語版が販売されているのみとなっている。先に触れた「Negligee」シリーズと併せて、ひょっとしたら日本語ローカライズされた「Dating Life: マイリー&エミリー」の売上次第で日本語化されるかどうか決まる――という可能性も、確証はないが、あり得るかもしれない。 Dharker Studioのノベルゲームを日本語で楽しみたい方は、まず本作を買ってみて、日本で同社の作品に需要があることをアピールしてみてはいかがだろう?「CERO:D」相当の色っぽい展開も必見!
続編の日本語ローカライズにも期待