セガが2021年12月15日に配信を予定しているiOS/Android向けアプリ「シン・クロニクル」。10月14日より行われるクローズドβテストの先行プレイレポートをお届けする。

目次
  1. チュートリアルからも伝わってくる、RPGならではのストーリー体験
  2. フィールド探索から移行するターン制バトルを採用
  3. やり直しのきかない選択がもたらすものとは?
  4. 「チェインクロニクル」の正当後継作という言葉の意味

「シン・クロニクル」は、2,500万ダウンロードを突破した「チェインクロニクル」の開発チームが、同作の正当後継作として手掛けている新作RPG。「運命は自ら決める。選ぶチャンスは一度きり」というコンセプトのもと、RPGとしての楽しさはもちろんのこと、独自のシステムを用いてゲーム体験をより深めている。

発表から間髪入れずに行われる今回のクローズドβテストでは、チュートリアルからゲームの1章にあたる部分を楽しめるようになっているということだが、それだけでも大ボリュームの内容になっているということで、今回は序盤である第0層の最初の選択シーンまでをプレイした。それだけでも十分に感じられる、RPGとしてのこだわりを紹介していければと思う。

チュートリアルからも伝わってくる、RPGならではのストーリー体験

本作のチュートリアルでは、新人の境界騎士である主人公が、隊長のヴィオレットらとともに未曾有の「蝕」から大障壁を守る戦いに臨む様子が描かれる。初陣ということでヴィオレットからの説明とともに基本的な操作を学びつつ、ストーリーは進行していく。

その道中でセラという騎士とも出会い、根源の枝と呼ばれる存在と対峙する一行。その中でヴィオレットは致命傷を負い、そして主人公は「奈落」をさまよう。そこには一人の少女が横たわっており、同時に謎の書物「クロニクル」を手にすることに。

クロニクルに封印されていた精霊・ミュトスとの出会いを経て、クロニクルの言葉に導かれた主人公は、倒れていた少女・クロエとともに奈落からの脱出を果たす。クロエを連れて地上へと帰還した主人公は、騎士団長より奈落を攻略する探査騎士隊の隊長に任命され、セラやクロエらとともに奈落に挑むこととなる。

ここまでがチュートリアルで描かれるストーリーとなっている。その展開もさることながら、何よりもチュートリアルとも思えないほどのボリュームで表現されており、ここからすでにRPGとしての体験を目指す作り手の意思が存分に感じられる。また、奈落に落ちた時の主人公は弱ってしまっているのだが、その際にも歩きが足を引きずるようになっていて、そういった細かな表現にもこだわりが見て取れた。

フィールド探索から移行するターン制バトルを採用

「初めての隊員ガチャ」で新たな仲間を迎えた後は、いよいよ奈落の攻略へと乗り出すことに。本作ではいわゆるクエスト方式でストーリーを進めていくのだが、その合間では目的地を目指す探索パートが用意されている。

探索パートではパーティー一行をバーチャルパッドで操作しつつ、その道中ではアイテムも入手することができる。RPGならではのフィールド探索を意識させつつも、オートでの移動にも対応。スマートフォンならではのアプローチになっている。

探索の途中では敵も登場し、エンカウントすることでバトルへと移行する。バトルはシンプルなターン制バトルを採用しており、ターン毎に攻撃手段を選択していく。スキルはそれぞれにBPを消費し、BPが0になるまで攻撃が可能だ。

ゲーム開始時は通常攻撃しかないものの、アビリティパネルを開放することでスキルを3つまで習得できる。スキル自体はキャラクターごとに固定で設定されているようだ。

さらに、ゲージが溜まると繰り出すことのできる必殺技「オーバードライブ」も用意されている。こちらもキャラクターごとの特性が反映されているようなので、パーティー編成や発動のタイミングなども考える必要がありそう。自身のターン中はバトルフィールドを移動することができるため、戦略性にも注目したいところ。

なお、探索フィールド上で敵に攻撃を当てることでバトル開始時にダメージを与えることも可能。バトルをより有利に進めるため、積極的に狙っていこう。

ちなみに、探索やバトルに関してはオート機能や倍速機能(※バトルのみ)も用意されている。RPGならではの体験として一通り操作するのはもちろんのこと、スピードアップや効率化をしたいという人に向けたフォローアップもされている。

やり直しのきかない選択がもたらすものとは?

そして本作最大の特徴とも言えるのが、ゲーム中に多数登場する選択と、エピソードの最後に待ち受ける決断だ。これが本作を独自の魅力を持つタイトルに昇華させているといっても過言では無いだろう。

本作における選択はいくつかのバリエーションがあるのだが、まずはやり取りの中で随所に発生する受け答えの数々。単なるリアクションだけのケースもあるが、時折2択になる場面ではやり取りの変化が物語への没入感を深めてくれるほか、最後の決断にも影響する、隊の絆がアップする選択も用意されている。

また、道中では物語をより良いかたちに導くための「鍵の言葉」が出現する局面も。こちらはストーリーを進める中でキャラクターが口にした言葉なのだが、そのままの状況では彼らには死の運命が待ち構えている。そうした展開を回避するべく、鍵の言葉を隊の絆によって進化させることで、死を乗り越える力を得るのだ。

鍵の言葉は、ダンジョンをクリアすることで発生するキャンプでのストーリーイベントでの会話をきっかけとして進化できる模様。そのほか、ストーリーイベントはダンジョンでの行動によって変わってくるようなので、プレイヤーごとの体験が楽しめそうだ。

そして、物語の節目では大きな選択が迫られる場面が。ここでは進化した鍵の言葉のいずれかを選ぶことで物語が進行するのだが、この選択は一度決めてしまうと巻き戻しがきかなくなっており、まさに一度きりの決断となる。この結果としてストーリーが分岐するほか、特定のアイテムやキャラクターの入手が発生する模様。ゲームにおいてもとても重要な選択であることを示すかのように、ゲーム内でも最終確認が行われる。

その先の結果はぜひ自身の目で確かめてみてもらえればと思うが、プレイヤー自身が主人公の目線から物語を楽しむ、まさにRPGとしての楽しさを体現した要素と言えるだろう。

「チェインクロニクル」の正当後継作という言葉の意味

今回わずかばかりのプレイを経て、ゲームシステムは大きく異なるものの、本作は確かに「チェインクロニクル」の正当後継作だと感じた。

「チェインクロニクル」は当時としては画期的な発想から生まれ、改修を経ながら今なおさまざまな体験を提供し続けているという点で特筆すべきタイトルだが、現世代のスマートフォンゲームのトレンドや技術を反映するという意味では難しい面も確かにある。

その上で「シン・クロニクル」は、今の時代にスマートフォンでRPG体験を楽しんでもらうという、開発チームの意思とこだわりが細部にわたって盛り込まれたタイトルとなっていた。

ここで言いたいのは、「チェインクロニクル」と「シン・クロニクル」の根底に流れるRPGとしての血は確かに同じであること。クローズドβテストに参加する人は、ぜひその魅力を実際にプレイして確かめてみてもらえればと思う。

シン・クロニクル

セガ

iOSアプリiOS

  • 配信日:2022年3月23日
  • 価格:基本無料

    シン・クロニクル

    セガ

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2022年3月23日
    • 価格:基本無料

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