アニプレックスより発売中のPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用ソフト「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」のクリア後レビューをお届けします。
「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」は、アニメ「鬼滅の刃」をベースに、劇場版「無限列車編」までの物語を追体験できるソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”と、好きなキャラクターを使用して対戦が楽しめるバーサスモード“対戦”で、「鬼滅の刃」の世界観をゲームで楽しむことができる鬼滅対戦アクションです。
今回、発売中の本作をクリアまで遊んだプレイレビューをお届けします。
なお、ゲームシステムの詳しい解説はこちらのプレイレポート記事で紹介しているので、あわせてチェックしてください。
「鬼滅の刃」の世界を思う存分堪能できるソロプレイモード
「鬼滅の刃」は、吾峠呼世晴氏による漫画作品で、2019年にはufotable制作によるテレビアニメが放送、2020年には劇場版「無限列車編」が公開され、大きな社会現象にもなりました。2021年10月10日からは「無限列車編」のTV編集版が、12月5日からは「遊郭編」の放送も決定しており、更なる盛り上がりが予想されます。
そんな「鬼滅の刃」の物語冒頭から、劇場版「無限列車編」までをゲームの世界でプレイヤー自身が追体験できるのが「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」のソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”です。このモードは章仕立てで構成されており、「鬼滅の刃」の代表的なエピソードが楽しめます。
「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」をプレイして一番に驚いたのが、ゲーム表現として描かれた作品世界です。本作では、キャラクターたちのデザインが3Dグラフィックで再現されているのですが、ゲーム内のどこでスクリーンショットを撮っても、作品のワンシーンを切り出したかのような画を撮ることができます。このクオリティの高さには驚きました。
グラフィックのクオリティの高さもさることながら、キャラクターの細かな表情や仕草まで違和感が無く、制作を担当するサイバーコネクトツーの原作愛が全編に渡って感じられます。「鬼滅の刃」といえば、シリアスなシーンはもちろんのこと、キャラクターがみせるコミカルな表情も魅力です。今回のゲームプレイでは、そんな魅力の隅々までをゲームの中で楽しめるという大変贅沢な時間を過ごすことができました。
「鬼滅の刃」の世界観は本作の大きな魅力ではあるのですが、本作ではゲームならではの体験というものも味わうことができました。それが、ソロプレイモードでの探索パート。原作に登場した様々なロケーションを実際に歩き回ることができるのですが、原作ファンにはたまらない体験でした。
オープンフィールド……と言えるほど広くはないのですが、その代わりに丁寧に作り込まれたフィールドは本当に「鬼滅の刃」の世界に入り込んだかと錯覚するほど。個人的には大正時代の浅草の雰囲気がとても好みで、任務を忘れてついぶらぶらと観光を楽しんでしまいました。
そして、手に汗握る「鬼」たちとの戦いも本作の魅力です。作中で登場する鬼たちは“血鬼術”と呼ばれる異能の力で炭治郎たちを苦しめましたが、そんな鬼たちの一癖も二癖もある攻撃を実際に体験できるのもゲームならでは。
どの鬼とのバトルも特徴があって面白かったのですが、身体の鼓を打つことで部屋を回転させたり斬撃を飛ばして攻撃を行う「響凱」との戦いのギミックは特に印象的でした。もちろんその他の鬼たちの特徴もしっかりと戦闘に落とし込まれているので、「鬼滅の刃」ファンの方はぜひ一度その身で、血鬼術の数々を味わってみてはいかがでしょうか。
なお、ソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”のプレイ時間はストーリーを進めていくだけであれば10~15時間程でクリアすることができますが、道中で入手できる「想いの欠片」を集めたり、「褒賞任務」と呼ばれるミッションをこなしたり、特別任務に挑戦したりと、やり込み要素が多数存在。ストーリーをサクッと楽しみたい人から、鬼滅の世界にどっぷり浸かりたい人まで、様々な人が楽しめる作品に仕上がっています。
「鬼滅の刃」に登場する数々の技を再現したアクションが楽しめるバーサスモード“対戦”
「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」は、「鬼滅の刃」の物語を再現したソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”が魅力のタイトルですが、対戦ゲームとしての面白さも兼ね備えており、そんなバトルを存分に楽しめるのがバーサスモード“対戦”です。
バーサスモード“対戦”では、アニメ「鬼滅の刃」に登場した12キャラクターに、公式スピンオフ「中高一貫!!キメツ学園物語」の6名を加えた総勢18キャラクターが登場。好きな2キャラクターを自由に組み合わせて対戦することが可能です。
操作は□ボタンを連打しているだけで自動で連続攻撃を繋げてくれるので誰でも簡単にコンボを繰り出すことができます。また、△ボタンで発動可能なキャラクターの固有技をコンボに組み込んだり、吹き飛ばした相手を○ボタンの追尾ダッシュで追いかけてコンボを繋げたりと、テクニカルな要素もあり、対戦ゲームをやり込みたい人でも十分にやりごたえを感じられるはずです。
ちなみにこういったキャラクターゲームでは、永久コンボがあったり10割コンボがあったりと、対戦バランスがピーキーな場合がありますが、本作ではコンボ可能な時間がタイマー制になっているので安心です。また、相手のコンボ中に共闘ゲージを100%消費することで緊急離脱することができたりするので、しっかりと対戦が楽しめるバランスになっていました。
対戦で重要だなと感じたのは、仲間キャラクターが一緒に攻撃をしてくれる「共闘技」の存在。本作に登場するキャラクターは皆、剣士なので、飛び道具などは一切持ちません。そのため遠距離から相手に仕掛けられる共闘技を使いながら相手の懐に潜りたいところなのですが、共闘技を使用すると緊急離脱に使用する共闘ゲージを50%消費してしまうので、攻撃を受けた時にやられやすくなってしまいます。
どうやって相手に接近するか、どこで共闘ゲージを使用するかという駆け引きが本作の対戦の面白さだと感じました。
どのキャラクターで共闘技を使いたいかでキャラクター選びも変わってきます。 禰豆子の共闘技は範囲も広く強力! |
緊急離脱は相手のコンボを回避できますが、共闘ゲージを100%消費してしまいます。 使いどころには注意が必要です。 |
なお、本作では無償アップデートで鬼のプレイアブル実装が発表されており、10月末~11月上旬に配信予定の第1弾では、下弦の伍・累と上弦の参・猗窩座が参戦します。公開されているPVを見る限り、かなり強力そうですし、現在実装済みのキャラクターが使用できない遠距離からの攻撃も可能なようです。
この2人の実装で対戦環境がどのように変化していくかというのも見どころです。
炭治郎たちの“血風譚”をゲームで体験しよう!
「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」の魅力はなんといっても「鬼滅の刃」の物語を再現したソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”です。「鬼滅の刃」の物語を自身が追体験できるのはゲームならでは。12月から放送される「遊郭編」に備えて復習するのもいいですし、これまで「鬼滅の刃」に触れてこなかったという人にとってはアニメから劇場版までの内容を一気に履修することができるので本当におススメです。筆者は漫画、アニメ、ゲームと3度にわたって同じストーリーを体験しましたが、やはりゲームならではの感動を本作で味わうことができました。
また、ソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”を遊びつくした後もバーサスモード“対戦”で、末永く楽しめるのも嬉しいポイント。第一弾で参戦する累と猗窩座に加え、無償アップデートは全3回が予定されているので、今後もやり込みがいがありそうです。
自分に合ったプレイスタイルで、ぜひ炭治郎たちの“血風譚”を体験してみてはいかがでしょうか。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記となります。