ダウンロードで遊べる、気になるゲームの魅力を実際にプレイした上でご紹介する「DLゲームインプレッション」。第9回は、Nintendo Switch、Xbox One、PC(Steam)、Apple Arcadeで配信中の「Roundguard」をピックアップ!
「Roundguard」を開発したのはWonderbelly Games。ゲームジャンルはストアの説明によると「バウンシーダンジョンクローラー」となっている。このジャンル名だけではどんなゲームか想像がつかないと思うので、その内容について、ご紹介していこう。
なお筆者は本作をNintendo Switchでプレイしたため、Apple Arcade版などでは操作感など少々異なっているかもしれない。その点はご留意いただきたい。
自キャラを射出してステージ上の敵を倒し、ダンジョンの奥深くを目指せ
インディーゲームや低価格ゲームをよくプレイしている人に本作を説明するならば、「Peggle(ペグル)のシステムを、Slay the Spireのようなローグライクのゲーム進行に落とし込んだゲーム」と伝えることになる。
「Peggle」はパチンコからヒントを得て開発されたアクションパズルゲーム。画面上部からボールを射出し、ステージ上に無数に配置されたピンにヒットさせれば、ヒットしたピンは消滅する。限られたボールの数で、赤いピンをすべて消滅させればステージクリアだ。
「緑色のピンを消せば特殊能力が使える」、「1度のショットで多くのピンをまとめて消して高いスコアを出したり、画面下にある器の中にボールを落とせば、射出できるボールの数が増える」などのルールが、ゲームプレイを起伏に富んだものにしている。ボールの軌道や射出タイミングまで考え、上手く行ったときの快感は凄まじいものがあり、運の要素が大きいことも高い中毒性の要因となっている。
1作目の発売から14年が経過した現在でも多くのファンに楽しまれている、カジュアルゲームのクラシックと言えるだろう。
「Roundguard」の基本となるステージ設計がこの「Peggle」をほぼそのまま踏襲しているのは、ゲーム画面を比較すれば一目瞭然だ。その上で、ローグライクらしい「ダンジョン攻略」というモチーフを加えたことで、各種ステージの遊び心地もただ「Peggle」をコピーしただけではない、独自性も感じられるものになっている。
プレイヤーは4人の操作キャラクターの中からひとりを選択(最初からアンロックされているのは「戦士」のみ)。この自キャラを画面上から射出し、敵を倒していくことで、ステージを攻略。ダンジョンを奥へと進んでいく。操作キャラクターごとに初期のステータスや、各種ボタンを押すことで使用できるスキルが異なっており、誰を選ぶかによって戦略性は変わってくる。
たとえば「戦士」はヘルス(HP)が高く、スキルの「スピンアタック」で、自分の周囲の敵をまとめて攻撃でき、「ならず者」ならばスキル「ダブルジャンプ」で、射出後に再度敵を狙い撃つことができる。なお、スキルは使用するたびにマナ(MP)を消費するので、使いどころを見極めなければならない。
各ステージにいるすべての敵キャラクターを倒せばステージクリア。なお、敵は多くの場合、何度もぶつからないと倒せず、この回数はこちらの攻撃力と、敵のヘルスの数値の差し引きで決まる。
敵はこちら目掛けて攻撃を仕掛けてくる上、操作キャラクターをぶつけたときも互いにダメージを受けるため、常に残りヘルスには注意しておく必要がある。ヘルスは赤い液体が入った瓶、マナは青い液体が入った瓶を割れば回復できるので、これらの補給も考えながら自キャラを射出することになる。
「Peggle」と異なり、射出する回数に制限はないものの、ダメージを受けるギミックが多い本作では、いかに自キャラのダメージを最小限にしつつ、ステージを攻略するか考えなければいけないのだ。
すべての敵を倒すと、ステージの一番下に数種類の報酬が表示され、落下した場所のアイコンに応じて、武器・防具・スキルなどが手に入る。一度に装備できる数は、武器と防具は1種類ずつ、スキルは2種類なので、スロットがいっぱいの場合、いま使用しているものと入れ替えるか、それとも新しい武器を手放すかを、それぞれの効果を比較しながら決めることになる。
毒を駆使して敵をじわじわ倒す、敵を攻撃するたびに自分のヘルスが回復できるようにするなど、自分なりの戦い方を構築する楽しさは、本作ならでは。
もちろん敵以外に自キャラをヒットさせることにも意味がある。壺や宝箱を割ればお金が手に入り、これを貯めることで、ステージの間にたまにチャレンジできるルーレットで、当たりを出やすくする効果がある。ルーレットや、ステージ中に発生するクエストで手に入れるアクセサリーは、何個でも装備でき、自キャラに有利な効果を生むので、積極的に手に入れたいところだ。
緑色の蕾を割ると、自キャラも毒状態になるが、周囲の敵や壺などにも、まとめてダメージを与えられる。リスクも大きいが、ヘルスに余裕があれば狙ってみてもいいだろう。
こういったローグライクゲームの多くはステージクリア後、分岐があれば進む方向を任意で選べるが、本作の場合、ステージに出現した複数の穴へと自キャラを射出することで、行き先を決めることになる。取り損ねたヘルス・マナ回復用の瓶があれば手に入れたいところだが、自キャラがバウンドして意図しなかった方の穴に向かってしまう可能性もあるのが、もどかしい。
ダンジョンを進んでいくほど、敵も強力になっていく。これに対抗するため、いかに自キャラを強化し、どんな戦い方をしていくべきか? 入手アイテムのランダム性もある中で、そのときどきで最良の選択を考えるのが実に楽しく、操作キャラクターを変更して、何度も遊びたくなってしまう。この点はしっかり、本作ならではのものになっていると言えるだろう。
気になる点もあるが、ふたつのジャンルの中毒性が見事に融合
「Peggle」とローグライクのおもしろさを融合させた「Roundguard」。しかし「100と100を足したから200になった」とは言い切れない部分もある。
たとえば、射出するキャラクターや、これをヒットさせる敵や壺がどれも大きめなため、精密に狙い撃つようなおもしろさはあまりない。射出後の追加操作も含め、プレイ前の想像よりも大雑把な遊び心地であったことは否めない。また、敵を狙い撃って倒すゲームであるにも関わらず、敵にぶつかると自分もダメージを受ける仕様が、爽快感を削いでいるとも感じた。自キャラが袋小路に入ってしまったとき、進行の邪魔をしている壺が消えるまでに時間がかかり、テンポが悪く感じる点も気になるところだ。
とはいえ、高い中毒性を有するゲームシステム同士の融合であることには変わりない。これらのゲームが好きならば、夢中で楽しめることは間違いないだろう。通常プレイ以外に、定期的に更新されるステージでオンラインスコアを競うモードもあり、末永く楽しむこともできる。
「Peggle」のようなゲームをまた遊びたいと思っている人。それからローグライクファンで、これまでにないジャンルとの融合を味わってみたい人。そういったゲーマーには、ぜひプレイしてみてほしい。
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