インフィニティ キングダム-諸王の戦争」は、YOOZOO GAMESからリリースされたスマートフォン向け育成型戦略シミュレーションゲーム。王道MMO戦略ゲームを正統進化。その魅力を紹介する。

目次
  1. 基本は王道MMO戦略ゲーム!設備を増強し支配力を拡大
  2. コンテンツボリュームが豊富!ソロでも満足できる内容
  3. 目指せセントラル奪還!対戦へ誘導しない作りが特徴的

「インフィニティ キングダム-諸王の戦争」は、英霊とドワーフ軍団との戦いを描くスマートフォン向け育成型戦略シミュレーション。本作における英霊とは、様々な国の神話・伝説に登場する英雄に、歴史上の実在の英雄を加えた存在。たとえば、ランスロットやブリュンヒルデ、真田幸村といった英霊が登場する。プレイヤーはこうした英霊を操り、ファンタジーの一種族としてしられるドワーフたちと戦う。もちろん、MMO戦略ゲームなのでプレイヤー同士で戦うことも可能だ。

基本は王道MMO戦略ゲーム!設備を増強し支配力を拡大

基本的なゲーム内容は、一般的なMMO戦略ゲームのシステムを踏襲している。主なマップとして自分の領地内とワールドマップが存在。自分の領地内では、内政を行って自国の戦力を強化。ワールドマップでは、強化した戦力を派遣してバトルを行い、支配地を増やしていく。

内政は、領地内に設備を建設、アップグレードしていくかたちで行う。これによって獲得できる資源が増加。増えた資源を使ってさらに施設をアップグレードする…というサイクルだ。兵士の生産や強化も、専用の設備を建設・アップグレードすることで行う。なお、設備はマップ固定となっており、箱庭的にカスタマイズすることはできない。

ワールドマップでは、ドワーフ軍団や他プレイヤーの領地を指定して部隊を派遣、バトルを行う。目的地を指定すると部隊はオートで移動、目的地に到着すると自動的にバトルとなる。バトルの内容もオートで処理。プレイヤーは報告だけを受け取る形だ。

こうしたゲームの流れは、まさにMMO戦略ゲームの基本に沿ったもの。ただ、本作の場合、UIも含めたグラフィックが丁寧に作られているため、これだけでも十分満足感は高い。キビキビ反応するストレスのないUI、マップの細かな部分まで施されたアニメーション。こうした要素によって、MMO戦略ゲームの醍醐味である内政と戦略を、高い臨場感で味わうことができるのだ。

コンテンツボリュームが豊富!ソロでも満足できる内容

本作を一言で表現すると、王道MMO戦略ゲームを正統進化させた作品といえるだろう。正統進化ということは、大きく奇をてらった要素はないということ。しかし、間違いなく進化はしている。

どんな進化かといえば、コンテンツボリューム面での進化。本作は他プレイヤーとの対戦を前提としたMMO戦略ゲームだが、ソロ向けのコンテンツも充実している。ソロ向けのRPGとして遊んでも十分満足できるレベルだと感じた。ソロ向けコンテンツの中心となっているのが、英霊とドラゴンの育成、そしてソロ向モードである「時空の井戸」だ。

本作における部隊は、英霊と兵士、そしてドラゴンの組み合わせによって構成されている。先に書いた通り、英霊とは、神話や伝説、歴史に登場する英雄たちをベースにしたキャラクターで、1部隊に4体まで編成可能。英霊は、攻撃力や命中率など、戦闘時のパラメーターを担っている。

英霊の育成は、スマートフォン向けRPG的。経験値アップアイテムでレベルを上げ、ガチャで得た欠片アイテムを使ってランクをアップしていく。また、バトルで獲得した武器・防具を装備することでも強化可能だ。

兵士も攻撃力や命中率などといった、戦闘時のパラメーターを担う存在。英霊のパラメーターと併せて戦闘時の戦力が決定される形だ。また、兵士の数が英霊たちのHP(ヒットポイント)となる。なお、兵士の育成は、領地内の設備のアップグレードによって行う。

ドラゴンは、パラメーターにバフ効果をかける補助的なユニット。ゲームが進むとドラゴン用の設備をアンロックでき、設備を通じてドラゴンの育成が可能になる。

英霊、兵士、ドラゴンの中でも、英霊の育成はとりわけやりこみ甲斐がある。お気に入りの英霊を見つけて強化していく感覚は、まさしくRPG。ソロプレイの満足感を与えてくれる。しかしながら、ワールドマップでのバトルでは、せっかくの英霊が活躍している姿を確認できない。…いや、厳密には戦闘結果報告画面からリプレイを選ぶことで、戦闘の模様を再生できる。けどやはり、勝ち負けが判明した状態ではそこまで興奮できない…。そんなプレイヤーの欲求を満たしてくれるのが「時空の井戸」。

「時空の井戸」は、ドワーフとの戦いの歴史を再現したモードで、物語と同時にバトルステージを楽しむことができる。一言でいえば、スマートフォン向けのRPG的なモードだ。「時空の井戸」でのバトルはセミオートとなっており、プレイヤーは自動的に行動する英霊にスキル発動の指示を与えることができる。

お気に入りの英霊を育成し、バトルを勝ち抜いていく…。「時空の井戸」を中心に遊べば、本作のプレイ感はRPGそのもの。ソロプレイでもバッチリ充実感を味わえる。

目指せセントラル奪還!対戦へ誘導しない作りが特徴的

MMO戦略ゲームとしてもソロRPGとしても楽しめるコンテンツボリュームが本作の特徴。ただ、ソロRPGとしてプレイしようと思ったところで、他プレイヤーから攻撃されてしまうということもあり得る。こうした課題に対応するためか、本作はワールドマップ上においても、対戦への誘導を控えているようだ。

まず、ワールドマップ上で大目的として提示されるのは、セントラルの占領。セントラルというのは大陸上に存在する巨大な賢者の石であり、ここを占領できたものが大陸最強だとされる。全プレイヤーがセントラル占領を競う以上、強力なギルドに入り、他ギルドを退ける必要があるのは間違いない。しかし、他プレイヤーの領地への攻撃を推奨するような説明はない。他プレイヤーと争うかどうかは自由であり、とにかくセントラルを占領すればよいのだ。

また、ワールドマップ上では小目的としてエネミー…ドワーフ軍団の撃破が提示される。MMO戦略ゲームでワールドマップにエネミーが登場すること自体はそこまで珍しいことじゃない。しかし、本作の場合、適切なレベルのエネミーを検索し、即座に戦うことができる。これはなかなか新鮮だった。

タイトルにもよるが、なかなか自分の部隊のレベルにあったエネミーが登場しなかったり、登場してもやたら遠い場所だったり…ということは珍しくない。そんな中本作は、ワールドマップ上でのエネミーバトルがスムーズに行える。これは裏を返せば、他プレイヤーへの対戦を仕掛けずとも、ワールドマップ上でのバトルが楽しめるということ。

プレイ経験を重ねた歴戦のMMO戦略ゲーマーからすると、本作のこうした仕様は、物足りなく感じるかもしれない。しかし、ソロでも気軽に楽しめることで、確実に本作の間口は広がっている。これまでRPGをプレイしたことはあるけど、MMO戦略ゲームを楽しんだことはない…。そんなプレイヤーでも、本作はプレイを十二分に満喫できるだろう。

そして、プレイヤーが増えれば、結果的にはMMO戦略ゲームとしてのおもしろさがアップする。MMO戦略ゲームは多人数で楽しむことが前提。なので、人数は多い方が楽しい。そう考えると、MMO戦略ゲームファンにとっても、初心者にとっても、本作はオススメの一作といえるだろう。

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