「Relayer（リレイヤー）」ジュピター役・鈴木裕斗さんにインタビュー！演じてみたいと思っていた役を熱演、サターンとの兄妹関係にも注目

「Relayer（リレイヤー）」は、「GOD WARS」シリーズ開発チームの企画・開発によって制作されている、完全新作のシミュレーションRPG。ディレクターの安田善巳氏をはじめとしたスタッフが携わる本作では、美麗な3Dモデルによるロボットのカットシーン、星やギリシア神話をモチーフとしたキャラクターや世界観など、独自の魅力を備えている。

発売を間近に控え、本作に出演するキャストにお話を伺った。ジュピター役で出演する鈴木裕斗さんへのインタビューでは、出演が決まってから収録に臨むまでの気持ちや、ジュピターの妹であるサターンとの関係性などが熱く語られた。

インタビュー・編集：TOKEN
文：小林白菜

鈴木さんとジュピターは真逆の存在？荒くれ者でシスコンの「いい意味でおかしい奴」

――――「Relayer（リレイヤー）」への出演が決まったときの、作品の印象はいかがでしたか？

鈴木さん：最初は「Relayer（リレイヤー）という作品へ、ジュピターというキャラクターとして出演が決まりました」と、作品名と役名だけお聞きしました。そうしたときは概要をいただく前に、いろいろ妄想をするんです。「ジュピターという名前だと、頭脳派な感じの男の子かなぁ」とか。僕がこれまでに演じてきた役は、少年など、比較的若い男の子が多かったこともあって、そういうイメージをしました。

なので、実際のキャラクターを見たときはけっこう意外性を感じました。その上で、作品としてはロボットもので、天体やギリシア神話のモチーフを絡めたキャラクターがいることも知って。これは性別問わず楽しめる作品になりそうだと。自分なりにジュピターというキャラクターで花を添えられるように、頑張ろうと思いました。

――詳細を知る前に、いろいろとイメージをされるんですね。

鈴木さん：口頭で、何も資料がない状態で聞いたので、そういったときは概要を知ったときの意外性も含めて楽しむようにしています。今回も「早く詳細が知りたい！」という気持ちはありつつ、「こんなキャラクターかな？」と妄想しました。

――実際のジュピターの印象はいかがでしたか？

鈴木さん：「僕が演じてみたいと思っていたキャラクターだ！」と感じました。普段は比較的幼い少年というのもあるんですけど、爽やかだったり、物腰の柔らかいキャラクターを演じることが多くて。ジュピターのようなちょっと荒くれ者というか、無鉄砲な青年っていうのはチャレンジしてみたかったキャラクター像にとても近いものでした。

一方で、妹のサターンに対しては重度のシスコンだったり、熱いところはありつつ、一度踏みとどまれる冷静さも持っていたりと、いろいろなギャップも持ち合わせているキャラクターなんだなと。これは台本を読み進めていく中で気づきました。

――収録の際、とくに意識した点やディレクションで印象的だった点はありますか？

鈴木さん：最初から楽しんで演じさせていただいていたのですが、ディレクターさんが「もっと遊んでいいよ！」と言ってくださって。このゲームには世界観を説明してくれるような、硬い台詞の多いキャラクターもいるんですけど、ジュピターは難しいことをあまり言わないですし、感情を思い切り乗せられる台詞が多いです。

そうやって思い切った演技ができるというのは、確かにこのキャラクターの魅力のひとつだなと教えていただきました。それからは、語気の強さや語尾を意識して、感情の起伏を大きく見せられるように演じました。気を抜くと自分のふわっとした喋りが出てきそうになるので（笑）、いかにジュピターに没入できるかを大切にしました。

――ジュピターはシスコンということですが、シスコンっぽさが出るシーンならではの意識したことなんかもあったんでしょうか？

鈴木さん：これがおもしろくて（笑）。本編のストーリーだと「サターンはこう言っているんだ！」みたいな、妹の気持ちをちょっと過剰に尊重して、ほかのキャラクターとやりとりするみたいな感じなんです。一方で、本編とは別のおまけ的なストーリーの部分では、キャラクターがぶっ壊れるようなところがあって。そういうシーンではシスコンな面がもっとまる出しになるので、ここがとくにいちばんの遊びどころでした。「いい意味でおかしい奴」というか。

――ゲーム全体で見たときのギャップが凄そうです（笑）。かなり感情の起伏が激しいキャラクターなんですね。

鈴木さん：激しいですね。怒りをぶつけたり、悔しがったり。喜びの感情はそこまで大きく出すわけじゃないんですけど、サターンに対してはちょっと違うかもしれないとか。普段のちょっとオラついているところから、本気の怒りだともっとボルテージを上げつつ、感情のベクトルの違いも意識する、という部分は気をつけました。

戦闘では、因縁の相手というのもいるので、怒りだけじゃない複雑な感情を、どのように織り交ぜて台詞に乗せていくかなど、表現の仕方をかなり考えたところです。

――妹のサターンの印象はいかがでしょう？

鈴木さん：彼女自身は控え目で、言いたいことを言葉にするのが苦手なのかなという女の子で。そこをジュピターが無理やり「サターンはこう考えてるんだ！」とほかのキャラクターに押し付けていくみたいな。それをサターンはありがた迷惑みたいに思っているという、ふたりのバランスが見ていて微笑ましいですね。

ふたりには過去にもいろいろあって、それもあって兄妹の絆がすごく強いんです。互いに独立した人間でありつつ、兄妹ならではの関係の魅力にも注目していただければと思います。

――男性版のツンデレとも言えるジュピターですが、鈴木さんご自身の性格はどんな感じですか？

鈴木さん：もう真逆ですね。僕は普段から自分の心の扉をガッと開いて、本心を隠すことなくだだ漏れにしているタイプなんですよ。それは先輩後輩といった関係に関わらずで。先輩に対しては「先輩、先輩！」みたいに、犬じゃないんですけど（笑）、自分から近づいていくタイプですし、後輩にも「壁なんて作んなくていいよ！」って言ったりするので。こういうふうにしかできないので、自分の内面をあまり表に出さない人に対して、ちょっと憧れがあります。

ないものねだりじゃないですけど、ミステリアスで「本当は何を考えているんだろう？」と思われるような人のほうが、興味を持ってもらえるのかなぁとか（笑）。「鈴木さんはこういうとき、こうですもんね」とか後輩からも言われるので、そうやってひと言で片付けられちゃう感じが悔しいみたいな。僕も狙ってやっているところもあるのでいいんですけど、「鈴木さん何考えているか分かんないですよね」って、一度くらい言わせてみたい願望があります。

ジュピターはミステリアスとは違いますけど、感情表現の不器用さもあって「本当の気持ちはどこにあるんだろう？」と思わせられるタイプなのかなって思っています。

――ジュピターと妹のサターン以外にも、「Relayer（リレイヤー）」には数多くのキャラクターが登場しますが、とくに気になったキャラクターがいれば教えてください。

鈴木さん：女性キャラクターがみんなビジュアル含めて魅力的だと感じています。とくに見た目が好みなのはウラヌスです。ビジュアルはお姉さん系で、その上で中身は飄々としているのもいいですよね。メディアも素敵だなぁとか。

一方で男性だと渋くてかっこいいキャラクターが多かったり。あとは皆さん言っているかもしれないですけど、よだかですよねぇ。

――伊藤美来さんも気になったキャラクターによだかを挙げられていましたね。

鈴木さん：見た目はマスコットみたいなんですけど、楠大典さんが渋い声で演じられていて。最初に知ったときは「どういうこと？」って（笑）。ジュピターとしては、そこまで深く関われていないキャラクターもたくさんいるので、そこは実際にゲームをプレイすれば、内面をより深く知れるのかなと楽しみにしています。

――「Relayer（リレイヤー）」の設定や世界観の面で、惹かれる部分があれば教えてください。

鈴木さん：やはりキャラクターや、彼らが乗るステラギアも惑星がモチーフになっているので、「この要素はあの惑星のこの部分から来ているのかなぁ」みたいに気づけるところがあります。僕もジュピターを演じることになって改めて調べたんですけど、惑星によってはすごく寒かったり、木星だったらガスに覆われていて、人が降り立つことすら叶わないとか。調べれば調べるほど、惑星ごとの特徴の違いってすごくかっこいいんですよね。

惑星の特徴が、キャラクターたちともリンクさせて考えられるという意味で、モチーフのことを知っておくことでより楽しめる要素になっていると思います。宇宙という未知の世界が舞台となっていること自体も浪漫がありますよね。専門用語を理解していくおもしろさもありますし。

――「Relayer（リレイヤー）」は宇宙が舞台となっているゲームですが、宇宙旅行ができるようになったら、行ってみたい場所はありますか？

鈴木さん：星座にも関心があるので、気になる星座の中心にある星がどんな星なのかを見に行ったりしたいですね。とくに北斗七星は、僕の下の名前の“裕斗”の“斗”をもらった星なので、近くまで行ってみたいです。

――そうだったんですね！

鈴木さん：北斗七星はどんな季節でも決まった位置にあることから、「誰からも愛されるようになる」という意味が込められていると聞きました。

あと個人的には、ブラックホールがどうなっているのかを知りたいですね。近づきすぎたら僕も消滅しちゃうと思うんですけど（笑）、近づけるところまで近づいて、どうなっているのか、可能な限り確認したいみたいな。いろいろなものが飲み込まれる様子とかも見てみたいです。その計り知れない存在としての迫力みたいなものを、間近で見てみたいですね。

――ステラギアと呼ばれるロボットも本作の魅力の一つだと思いますが、デザインやゲーム内での演出などの印象をお聞かせください。

鈴木さん：まずジュピターとサターンのステラギアはけっこうフォルムが似ているのですが、その上でいろいろと細かいところに違いがあったりして、それは搭乗者のキャラクター性とリンクしているんだと思います。

先ほど実際のゲームをプレイさせていただいたんですが、めちゃくちゃ滑らかに動くんですよね！　攻撃をくり出すモーションとかは少しカクカクするのかなと思ったんですけど、そんなことはなくて。ひとりひとりに専用の必殺技も用意されていて、「すげー！　かっこいいー！」って思いました。爽快感もあるし、戦略性もあるし、ステラギアを自分の指示で動かせるっていうのがめちゃくちゃ楽しかったですね。

公式Twitterの、ステラギアを一体ずつ紹介する投稿も見たんですけど、やっぱり愛着もあって、ジュピターのステラギアがいちばんかっこいいって思っちゃいます（笑）。自分がガッツリ関われたからこそ、ロボットものの魅力をより深く理解できた気がします。

――最後に、発売を楽しみにしているユーザーの方々へメッセージをお願いします。

鈴木さん：何度も言ってしまっているんですけど、キャラクターが魅力的なだけじゃなくて、キャラクターに紐付いて、ステラギアのかっこよさとか、それぞれの関係性とか、物語の世界観とか。そういったものがすごくしっかりリンクしていて、ひとつひとつのディテールが非常に説得力を持っている作品です。

たくさんのキャラクターが登場していても、敵対する相手にも深い理由や因縁があり、ひとりひとりの関係性がちゃんと大切に描かれていますし、戦いというものに、それぞれが使命を持って向き合っているんです。そうした胸の内を知るたびに、そのキャラクターはもちろん、物語や作品全体のことも好きになれると思うので、細かいところまで見ていただければ嬉しいです。

「Relayer（リレイヤー）ってこんなに壮大で奥深い作品だったんだ！」って何度も感じられると思うので、ぜひやり込んでいただいて、深い部分のテーマに触れていただきたいですね。

それからジュピターというキャラクターのこともよろしくお願いします。感情の起伏は激しいんだけど、本心にはなかなか触れられないっていう、ちょっととっつきづらい男なんですけど（笑）、手を伸ばしていただければ「こんないいところがある奴なんだな」と思っていただけると思うので。ぜひ触れて、感じていただければと思います。

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