SNKが2022年2月17日に発売したPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC用ソフト「THE KING OF FIGHTERS XV」。本作をシリーズの初心者目線から紹介していきます。
目次
1994年の誕生以来、魅力的なキャラクターと独自のゲームシステムで世界中を熱狂させてきた対戦格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS(以下、「KOF」)」。SNKの「餓狼伝説」や「龍虎の拳」といった人気格闘ゲームのキャラクターが参戦するドリームマッチともいえる内容や、3on3形式のチームバトルの基礎を築いた作品です。
……と、これらの内容をなんとなく知識で知ってはいるものの、今まで作品に触れる機会が(ほぼ)なかった筆者が、最新作の「THE KING OF FIGHTERS XV(以下、「KOF XV」)」でシリーズデビューを果たそうという今回の企画。シリーズ未経験者がどこまで遊ぶことができたのか、ぜひ最後まで読み進めてください。
「KOF」デビュー作はあの作品……!
最初に筆者のスタンスを説明しておくと、格闘ゲーム自体は下手の横好きで色々と遊んではいるものの、「KOF」シリーズタイトルには触れる機会があまりありませんでした。どれくらい未履修かというと、一番やり込んだタイトルはパチスロ版「ザ・キング・オブ・ファイターズ」というレベルです。
いや~、当時は5号機が既に主流となっていたのですが、近所のイオンのゲームコーナーに幻の4号機版が置いてあったんですよね。多くのファンを生み出した4号機ということもあり、めちゃくちゃ面白かった……! 学校帰りに友達とよく打ちに行っていたのを覚えています。女性キャラクターのイラストも可愛くてとても印象的な台でした。
……と、これ以上パチスロ版について語ってしまうと最早何の記事なのか分からなくなってしまいそうなので止めておきますが、そもそも格闘ゲームですらないということです。
実は、これまでも何度か遊んでみようかなと思ったことはあったのですが、「3キャラクター分覚えるの大変そうだな……」とか、「難しいコマンド多すぎない……?」などの理由で挫折をしているんですよね。果たして今作ではどうでしょうか……!?
チュートリアルで「KOF XV」の基礎を知る!
ということで、まずはチュートリアルから。昨今の格闘ゲームの例に漏れず、実技を交えながら丁寧にゲームシステムを紹介してもらえます。一通りプレイすることで本作の要素を網羅することができるので、初心者の人はここからプレイしていくのが良さそうです。
本作にはボタン連打でさまざまな連続技が繰り出せる「ラッシュ」というシステムが存在します。これはいわゆる連打コンボというやつで、弱パンチボタンを連打していると自動でコンボを繋いでくれるシステムです。最近の格闘ゲームでは取り入れられているタイトルも多く、初心者にはありがたい機能なのですが、本作では特に恩恵が大きいと感じました。
というのも、「KOF」は基本的に3on3のチーム戦になるので3キャラクター分のコンボレシピを覚える必要があるんですよね。しかし、「ラッシュ」を使えば3キャラクター分覚えることがチャラになるわけですから、これはかなり美味しいシステムと言えそうです。
一通りシステムを理解したので、次は使用キャラクターを決めていこうと思います。本作には歴代の人気キャラクターや待望の復活キャラクター、新キャラクターを含め総勢39キャラクターが参戦しています。新作タイトルとしては圧倒的です……! そして、この中から自分だけのベストチームを作っていくわけですね。
個人的にはこのチームシステム、「覚えることが増えるから」という悲しすぎる理由で敬遠していたのですが、実際に遊んでみるとチーム決めという行為はめちゃくちゃワクワクします。「やっぱり好きなキャラクターで固めたいよな……」とか、「うーん……クラークとシェルミーで投げキャラがダブってしまった」とか、ああでもないこうでもないと悩んでいる時間が楽しいんですよね。
「ポケモン」でパーティー構築を考えている時や、カードゲームでデッキ内容を考えている時に近い感覚を格闘ゲームで味わえるというのは新鮮な体験でした。
「ラッシュ」や「EX必殺技」など初心者でもすぐに対戦が楽しめる要素が盛り沢山!
チュートリアルを終えてチームも決定したらやることは一つ。そう対戦です! とはいえゲームに慣れるためにもまずはストーリーモードからプレイしていきましょう。ストーリーは前作からの続きとなっており、格闘大会「キング・オブ・ファイターズ」が開催される裏で、様々なキャラクターたちの思惑が入り混じる……という物語のようです。
筆者は本作がシリーズ初体験なので、最初からクライマックス状態なのですが、CPU戦の合間のデモムービーなどはかなりリッチで、物語に引き込まれます。
さて、実際にCPU相手に対戦をしてみた感想なのですが、やはり慣れるまでは難しい……! というのもやはり「KOF」ならではのシステムが色々と存在するので、手に馴染むまでは思うようにキャラクターを動かせない場面があります。
今回、本作をプレイして初めて知ったのですが、「KOF」シリーズには、通常ジャンプ、小ジャンプ、中ジャンプ、大ジャンプの4種類のジャンプが存在するようです。一瞬だけレバーを下に入れてジャンプなど繊細な操作が求められるので、小ジャンプで攻めようと思ったのに大ジャンプが出てあたふたしたりということがよくありました。
ただ、これが思った通りに出せるようになるとかなり楽しいんです! 浅瀬で遊んでいる筆者の感想ではありますが、小ジャンプなんかは動作が短く、見てから対応するのが困難なこともあって、攻めている側が最高に気持ち良くなれるのが「KOF XV」というゲームだと感じました。怒涛の「ラッシュ」で相手に何もさせずに倒しきれたときの快感は、本当に病みつきになりそう……!
また、チュートリアルで説明した「ラッシュ」なのですが、これがとにかく優秀でした。今回はキャラ毎のコンボなどは一切覚えず挑戦したのですが、ストーリーモードくらいであれば「ラッシュ」一本でクリアすることができました。
個人的に「KOF」シリーズの難しさは、コマンド周りにあると感じているんですよね。特に筆者は真空波動拳コマンドが苦手で、コンボに組み込むと上手く出せないことがあるのですが、「ラッシュ」はゲージがあれば自動で超必殺技やCLIMAX超必殺技を発動してくれるのです。
つまりキャラクターの操作に専念できるので、ジャンプの使い分けなどに意識を持っていきやすく、対戦の醍醐味をすぐに感じられる! シリーズの伝統は残しつつも、その他のシステムで全体のバランスを調整しているのは、素直に「うまいな~」と思いました。
もう一つ、これも実践を経て初めて分かったのですが、チームシステムが予想以上に面白かった! 白状すると、最初は「1vs1」を3回やるだけでしょ? と思っていたのですが、先鋒戦と大将戦ではまったく異なる展開が待ち受けていました。
本作では、1キャラクターやられたプレイヤーはゲージが一本増加するという仕組みがあるので、対戦序盤は細かい削り合いから始まり、後半は大技の応酬で対戦が一気に決着するという盛り上がりが生まれます。そのため、不利な状況からの逆転劇も十分狙えるので、試合が進むにつれて興奮もクライマックス! 手に汗握る対戦が楽しめました。
加えて、このことを理解するとチーム選びがまた一段と楽しく感じられます。例えばゲージを使用した火力が魅力のキャラクターであれば大将に置いておきたいですし、それなら後半戦に備えて先鋒と次鋒にはゲージが無くても戦えるキャラクターを選ぼうかな、などなど新たな深みが生まれます。これは「KOF」ならではの魅力ですね!
というわけで、トレーニングモードで地道な練習をせずともゲームの面白さを直に体験することができたのですが、やっぱり少しだけうまぶりたいのでトレーニングモードでコンボ練習もしてみました。
ここでも新たな発見があったのですが、本作から新たに追加された「EX必殺技」がめちゃ便利なんです! 正確には前作にも登場しており、特殊状態時(MAXモード発動中)に使用できる強化必殺技という位置付けだったようですが、本作ではゲージを0.5消費するだけでいつでも使用できます。
EX必殺技の凄いところは、当てると相手がバウンドしたり膝崩れ状態になって追撃が可能になるという点です。勝手なイメージですが、「KOF」のコンボは通常技>必殺技>超必殺技……というように、スーパーキャンセルでダメージを稼ぐのが主流だと思っており、どうしても真空波動拳コマンドなどの難しいコマンドと向き合う必要がありました。
ですが、EX必殺技は一般的なコマンド入力+ボタン同時押しという簡単な操作で発動することができるので、かなり遊びやすい! 最悪、どのEX必殺技が追撃可能かだけでも知っておけば、それっぽいコンボができちゃいますから……。しばらくはEX必殺技を使いながら、少しずつ難しいコマンドにも挑戦していこうと思います!
シリーズの伝統を守りつつ遊びやすく進化!
今回「KOF XV」を一通りプレイしてみたのですが、伝統を守りながらシリーズの集大成としての「KOF」というものを強く感じました。昨今の格闘ゲームではダッシュがボタンで行えたりと、遊びやすくなっているタイトルも多いのですが、小ジャンプなどのテクニックは敢えてそのままの形で残すことで、シリーズならではの上達していく楽しさを味わうことができました。
一方で、変化を付ける部分ではガラリと要素を変更し遊びやすく進化。実際に筆者もシリーズ未経験ながら、それなりに「KOF」っぽい対戦が楽しめるまでには成長することができました!
上達していく楽しさと遊びやすさを兼ね備えた本作は、シリーズ集大成だからこそシリーズ経験者から、初めて「KOF」を遊ぶという筆者のようなプレイヤーまで広く満足できる作品に仕上がっていると感じます。今まで「KOF」シリーズが気になっていたという人は、ぜひこの機会にシリーズデビューを果たしてみてはいかがでしょうか。
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