でらゲーが2022年4月29日に発売するNintendo Switch用ソフト「ベティア ペラペラ英語アドベンチャー」のプレイレポートをお届けする。
本作は、ゲーム内の登場人物たちとの「聴く」「喋る」「書く」といったコミュニケーション、バトル、アイテム集めなどで、遊びながら正しい発音で日常英会話が身につくイマージョン体験型英会話学習ゲーム。独自の音声認識エンジンを搭載しており、Nintendo Switchに接続したマイクに話しかけることで、ゲームを通じて「英語でのコミュニケーション能力」を伸ばすことができる。
今回、発売に先駆けて本作をプレイ。英語の中でも特に会話に苦手意識を持つ筆者ではあるが、英語に触れ合うという意味で親しみを持って楽しめる作りになっていた。
異世界「ベティア」を舞台とした物語が展開!
ゲームについて触れる前に、まずは本作のあらすじを見ていこう。
あらすじ
たくさんの人々が暮らす平和な世界「ベティア」。この世界はみんなの楽しい「英会話」から生まれるエネルギーでできています。
そんなある日、突如現れた「デビルモン」たちがみんなから「英語」をとりあげてしまいます。このままでは「ベティア」はエネルギー不足で大変なことに!
たべもの、おもちゃ、音楽などさまざまなテーマを持つ国や街を探検しながら、英語で話して、聞いて、書いて、世界に「英語」を取り戻していきましょう。
本作は「英会話」が日常に存在する世界観が舞台。プレイヤーが操作する主人公(※男の子/女の子のどちらかを選択可能)は、異世界である「ベティア」にある日突然呼ばれてしまう。
その後、ベティアの平和と安全を脅かす「デビルモン」や「チャンクモン」に対して、ベティアの世界によるエネルギーである「LUE エナジー」を正しく扱える「リンカー」に変身し、英語を取り戻すために戦うこととなる。
このように、ゲームとしてのストーリーラインはしっかりと用意されており、プレイヤーは物語を進めながら英会話学習を楽しめる。その過程ではベティアの住民である「ベティアン」とも英語でやり取りすることになるが、その過程はさながらRPGのよう。相棒であるディノのアドバイスに従いながら、展開の数々を楽しもう。
音声認識を用いたさまざまな英語学習のアプローチ
本作をプレイする上で忘れてはいけないのが、USBマイク、もしくはヘッドセットが必要になるということ。本作のゲーム進行には音声認識が欠かせないからだ。
例えばキャラクターとの会話の場面。会話を成立させるためには、相手の発言に返事をする際には、自身で直接英語を喋る必要がある。返事の内容自体は表示されるので安心してほしいが、それでもきちっとした発音をしないと合格点に達しないので注意。もちろんお手本を聴くこともできるので、最初は真似してみるのもいいだろう。なお、上手く発音できなかった場合も、何度か繰り返しているとそのまま進むこともできる。
チュートリアルでいろんなキャラクターの話を聞いた後は、いよいよベティアの世界を救うための活動をしていくことになる。各所にいるベティアンがチャンクモンに英単語を奪われてしまう場面に遭遇したプレイヤーは、リンカーに変身してチャンクモンとのバトルに臨む。そこでは奪われた英単語に対して、「聴く」「喋る」「書く」といったアプローチで回答していくことで、さまざまな「まほう」を発動して相手にダメージを与えることができる。
同時に、物語を進めるためには「LUE エナジー」を集めて「LUE ストーン」を浄化していく必要がある。チャンクモンを倒すだけでなく、ボードに書かれたミッションをこなしたり、すでに体験したストーリー上の会話を制限時間内に繰り返すチャレンジなどをクリアすることで、より多くの「LUE エナジー」を獲得しよう。
ゲームとして考えた時には同じシチュエーションの繰り返しになる場合もあるが、英語学習として考えたときには反復の効果をもたらしてくれる。序盤はシンプルな英単語なので気軽に楽しみつつ、物語に沿って英語への理解を深めていけるのだ。
単語の知識が多少必要なものの、リスニングやスピーキングの向上には役立つ作りに
今回のプレイを通して自身が認識している発音がいかに曖昧なものだったかというのを再認識するとともに、普段無意識のうちに避けていた英会話を疑似体験できるという意味で面白い機会だった。そう感じさせてくれるのは、本作のキャラクターの声優をネイティブスピーカーが担当していることも大きい。
その一方で、本作ではイマージョン学習の手法が取り入れられており、ゲーム中は基本的に日本語訳が用意されていないので、全く単語が分からないというレベルでは正直話の流れを理解することは難しい。そういう意味では英語学習全般というよりは、英会話に重きを置いたものであることは予め理解しておく必要はある。もちろん、使われている単語や文章のレベルはさほど高くはないので、普段からある程度英語に触れている人であれば問題は無いだろう。
最後に、本作が子供に向けた英語学習ソフトであることは間違いないのだが、それが如実に表れた要素として、1時間継続してプレイしていると、休むように促してくれる。いわゆるゲームのし過ぎの予防にもつながるが、一気に進めるというよりは、定期的なサイクルで少しずつ学習していくという本作のプレイスタイルにもマッチしている。もちろん、一定レベルの英語学習という意味で、大人でも入門に役立てることのできる1本と言えるだろう。