Daedalic Entertainmentが2022年9月1日にPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC版を、2022年後半にNintendo Switch版を発売予定の「The Lord of the Rings: Gollum」。5月19日に行われた本作のメディア向けプレゼンテーションをレポートする。
J.R.R.トールキンの「指輪物語」3部作をベースにしたアクションアドベンチャー「The Lord of the Rings: Gollum」。本作の主人公として登場するのは、屈強な肉体を持つ戦士でも、眉目秀麗なエルフでもなく、小さくやせ細った体躯にぎらつくような大きな瞳が印象的なキャラクター・ゴラムだ。
プレゼンでは、ゴラムが数々のステージをパルクールで駆け抜け、ステルスアクションで敵の目をかいくぐるといった、メリハリのあるゲームプレイを目にすることができた。本稿では、プレゼンの内容についてお伝えしていく。
ゴラムのアクションのクセを考慮しながら進める戦略的パルクールアクション
冒頭で公開されたのが、大切な指輪を奪われたゴラムが、モルドール郊外山地のキリス・ウンゴルを旅するシーンの映像だ。ステージには冒険心をくすぐる洞窟や闇の森など様々のロケーションが用意されており、プラットフォーム・ゲームの要領で足場から足場へと軽快なジャンプで進んでいく。
進行先に高低差のあるオブジェクトがあればよじ登って進み、巨大な歯車があれば回転するタイミングに合わせて進んでいくなど、ギミックも豊富。道が険しい洞窟エリアでは高所から壁へと飛び移るという危険なルートもあったが、ゴラムが手を滑らせて着地地点を大きくずらしてしまうといった場面も確認できた。決して完璧ではないゴラムによるアクションのクセを把握しながら、進行ルートを考慮していく必要があるのだろう。
シチュエーションに応じていくつかのアイテムを使用することができ、石を投げてわざと物音を立てて敵をおびき寄せたり、光源を消して見つかりにくくすることもできる。映像では、巨大な蜘蛛がいる巣穴を利用し、敵兵に蜘蛛をけしかけている間に道を通るといった仕掛けも用意されていた。相対する敵と一対一で戦うのではなく、ステルスアクションとギミックを用いた慎重なゲームプレイが求められているようだ。
尊重すべきはゴラムかスメアゴルか。プレイヤーの選択により変化するストーリー
動きは俊敏ながらも、体は小さく、腕力がそこまであるわけではないゴラム。敵に気づかれていない状態で背後から攻撃するスニークキルが扱えるものの、相手を倒すまで時間がかかってしまうほか、音を立ててしまうため他の敵に気づかれてしまう可能性も高い。スニークキルは、アイテムを温存したいときやギミックが見当たらない場合に対しての、最終手段と割り切ってしまったほうが良いのだろう。
敵を倒すための手段が乏しいぶん、ステルスアクションに特化した特殊なスキルが別に用意されている。スキルを発動させると敵の位置が分かりやすくカラーリングされるほか、隠れるべき場所の候補が分かりやすく表示される。
敵から見えない位置まで移動するとゴラムが暗く表示されるため、自身がどのような状況にあるのか一目で分かりやすい。ほふく前進を行うコマンドもあり、背の高い草など身を隠しやすいステージなどで重宝しそうだ。
「指輪物語」にてゴラムはスメアゴルと呼ばれる別の人格を持つ人物として描かれていたが、この設定は本作のシナリオの根幹を担う部分として活かされていると感じた。というのも、ストーリー進行中には様々な選択肢が登場し、プレイヤーは冷酷な性格であるゴラムと、社交的なスメアゴルのどちらの意見を尊重するのかを選ぶことになるからだ。
あらゆるシチュエーションに対し、ゴラムは暴力を伴う強硬的な手段を用いることを望むが、スメアゴルは穏便にやり過ごす方法を希望する。プレイヤーの選択により、ゴラムとスメアゴルの優勢や、他のキャラクターからの反応に変化が起きるようになっているとのこと。
ゴラムとスメアゴル、どちらの意見を優先させるべきなのか。選択肢の積み重ねにより、ストーリー展開は大きく変わっていくことになりそうだ。
そのほか、闇の森のエルフたちの王であるスランドゥイルや、魔法使いのガンダルフといった本編に登場したキャラクターたちの登場もアナウンスされている。要塞「バラド=ドゥーア」の副官など、本作オリジナルのキャラクターも登場するとのことで、ゴラムとどのような関係を持ち、ストーリーが展開していくのかも注目したいポイントだ。
これまでのシリーズとは一風変わった視点から展開される新たな「指輪物語」の誕生を、期待して待ちたい。
「The Lord of the Rings: Gollum」Steamページ
https://store.steampowered.com/app/1265780/The_Lord_of_the_Rings_Gollum/