6月11日にパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された、「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」のオーケストラコンサート「セカイシンフォニー2022」。ここでは、昼公演の模様をレポートする。
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(以下、プロセカ)」に収録されている楽曲たちをオーケストラ+スペシャルバンドで奏でる「セカイシンフォニー」。昨年10月16日の開催に続いて、早くも2回目の公演が行われることとなった。
前回同様、指揮を務めるのは栗田博文氏、そして演奏は東京フィルハーモニー交響楽団と、セカイシンフォニースペシャルバンド。さらにゲストとして「25時、ナイトコードで。」より、宵崎奏役の楠木ともりさん、朝比奈まふゆ役の田辺留依さん、東雲絵名役の鈴木みのりさん、暁山瑞希役の佐藤日向さんが出演した。
※以下、曲のクレジットは原曲のもの。
コンサートの幕を開けたのは「ワーワーワールド(作詞:Mitchie M/作曲:Giga & Mitchie M」。インストVer.での披露ということもあり、オーケストラならではのアレンジを冒頭から存分に楽しめるものになっていた。
そこからはユニットのメンバーが「セカイシンフォニー」を鑑賞していることが分かるやり取りとともに、各ユニットの楽曲が次々に披露されることに。それぞれの楽曲で、MVやイラストを組み合わせるかたちで制作された映像も楽曲に彩りを与えてくれる。
「Leo/need」の楽曲からは「needLe(作詞・作曲:DECO*27)」と「ステラ(作詞・作曲:じん)」の2曲が演奏された。元がバンドユニットということもあって、バンドサウンドはもちろんのこと、そこにストリングスの音が加わることでさらなる音の広がりを感じさせるものに。
「MORE MORE JUMP!」の楽曲として演奏されたのは、「モア!ジャンプ!モア!(作詞・作曲:ナユタン星人)」と「Color of Drops(作詞・作曲:40mP)」。同ユニットの中でも印象の異なる2曲となっているが、ピアノやハープ、ストリングスなどの音色が重なることで、オーケストラならではの音の質感で楽しませてくれた。
オーケストラとしてどのようなアレンジになるのか気になる「Vivid BAD SQUAD」からは、「RAD DOGS(作詞:q*Left/作曲:八王子P)」と「シネマ(作詞・作曲:Ayase)」の2曲が演奏された。歌唱の疾走感やテンポをしっかりと保ちつつ、原曲とはまた一味違ったアレンジで表現。また、要所では金管楽器の音色も耳に残った。
休憩を挟んだ後半パートの始まりを飾ったのは、「ワンダーランズ×ショウタイム」の楽曲「Glory Steady Go!(作詞・作曲:キノシタ)」と「トンデモワンダーズ(作詞・作曲:sasakure.UK)」。オーケストラとの相性の良さを感じさせる2曲だが、生演奏であることがより際立つアレンジや、目まぐるしい中での聴き応えのあるピアノソロが魅力的だ。
そして「25時、ナイトコードで。」の楽曲は、ゲストによる歌唱との組み合わせがより一層際立つものに。「命に嫌われている(作詞・作曲:カンザキイオリ)」は、印象的なピアノの旋律とともに楠木さんの生歌からスタートすると、2番からは田辺さん、鈴木さん、佐藤さんが順番にステージに姿を見せて、原曲とは違ったメンバー4人(+初音ミク)での披露に。オーケストラならではの音の広がりが出ていく中で、感情のこもった歌声が響き渡っていた。
楽曲の披露後は4人でのトークとなり、元々打ち込み系の曲が多いことからオーケストラでのアレンジだと雰囲気が変わることや、4人で揃ってステージに立てたことへの喜びなどに触れていく。また、「命に嫌われている」の披露時には田辺さんが楠木さんの横にすっと入るタイミングに奏とまふゆの関係性が見えるなど、生のステージならではの空気感も感じられた。
そのままスペシャルメドレーとして、「アイディスマイル(作詞・作曲:とあ)」「限りなく灰色へ(作詞・作曲:すりぃ)」「ジャックポットサッドガール(作詞・作曲:syudou)」「カナデトモスソラ(作詞・作曲:Sasanomaly)」の4曲が立て続けに披露される。アレンジでよりメロディアスに聴きやすくなっている中で、4人の感情の乗った歌唱が楽曲を引き立てる。メドレーにしたことで、「25時、ナイトコードで。」の楽曲を多彩に楽しめるのも嬉しいところ。
盛りだくさんのゲストパートが終わったところで初音ミクが登場し、コンサートのクライマックスが近づいていることを感じさせる。そこから披露された「群青讃歌(作詞・作曲:Eve)」は、ピアノの独奏から始まり、そこから弦楽器やアコースティックギターなどさまざまな楽器がメロディーを奏でていく、原曲とは雰囲気の全く違う構成に。そこからドラムで一気にペースアップしてからは、一気に音の広がりを見せていく壮大さが印象的だった。
ここでコンサートは一区切りとなったが、会場からの拍手に応えるかたちで、初音ミクがみんなの想いを受けて、各ユニットのメンバーを代表した1人ずつを集めていく。そこからはアンコールとして、各ユニットが歌唱した楽曲から、「ビターチョコデコレーション(作詞・作曲:syudou)」「チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!(作詞・作曲:和田たけあき(くらげP))」「トラフィック・ジャム(作詞・作曲:煮ル果実)」「地球最後の告白を(作詞・作曲:kemu)」「ray(作詞・作曲:藤原基央)」の5曲が、インストVer.のメドレー形式で披露されていく。木琴の使い方なども印象的で、ここに来てまた異なるバリエーションの演奏が楽しめた。
そして、コンサートを締めくくったのはおなじみの「セカイ(作詞:DECO*27/作曲:堀江晶太(kemu))」。オーケストラとしての疾走感あふれるアレンジはもちろんのこと、実写の風景に歌詞が表示されつつ、サビ部分でセカイにつながったかのような感覚を味わえる映像演出も相まって、没入感を感じさせるアプローチとなっていた。
オーケストラとバンド、そして歌唱が重なり合うことで音の広がりを感じさせた今回のコンサートだが、インスト楽曲もセットリストに組み込むことで各楽器の持つ音色を味わえるのも醍醐味の一つだろう。また新たな驚きを提供してくれることに期待したい。
公演概要
セカイシンフォニー2022
2022年6月11日(土)
パシフィコ横浜 国立大ホール
【昼公演】11:00開場/12:00開演
【夜公演】16:00開場/17:00開演
指揮:栗田博文
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団・セカイシンフォニースペシャルバンド
スペシャルゲスト:
25時、ナイトコードで。
楠木 ともり(宵崎 奏役)
田辺 留依(朝比奈 まふゆ役)
鈴木 みのり(東雲 絵名役)
佐藤 日向(暁山 瑞希役)
【セカイシンフォニーBlu-ray&CD】
2022.11.30(Wed) Release
セカイシンフォニー Sekai Symphony 2022 Live Blu-ray
WPXL-90273
7,150円(tax in)
封入特典:オリジナルホログラム缶バッジ(6種ランダム)
セカイシンフォニー Sekai Symphony 2022 Live CD
WPCL-13402
3,300円(tax in)
オフィシャルサイト:https://sp.wmg.jp/sekaisymphony/
オフィシャルツイッター:https://twitter.com/sekaisymphony
【セカイシンフォニー2022 オフィシャルグッズ事後通販】
https://store.colorfulpalette.jp/pages/sekaisymphony2022
※商品は無くなり次第販売終了となります。また、一部、会場完売商品は除きます。予めご了承ください。