BB役・下屋則子さんも来場！膨大な「Fate」シリーズのイラストが展示された「ワダアルコ展 Fate & Fate/EXTRA ART WORKS」内覧会レポート

「ワダアルコ展 Fate & Fate/EXTRA ART WORKS」は、イラストレーター・ワダアルコ氏による初の画集「愛 -ワダアルコ Fate ART WORKS-」の発売を記念して、2022年7月21日～8月9日にかけて開催される展示会。

その開催前日に行われた内覧会では、展示内容を確認できたほか、間桐桜・BB役で「Fate/EXTRA」シリーズに出演する声優の下屋則子さんへの囲み取材も実施された。

まだ謎に包まれた部分の多い、「Fate/EXTRA Record」に関する展示コーナーも

会場では、最初に本展示会のために描き下ろされたネロの肖像画に迎え入れられる。この肖像画はアナログで描かれた1品しか存在しない超貴重なイラストで、ネロの皇帝としての荘厳さを感じられるものになっている。是非とも実際に目にして欲しい。

展示は作品ごとにおおまかにコーナーが分けられており、その中心となっているのはワダアルコ氏がキャラクターデザインを担当している「Fate/EXTRA」シリーズだ。

「Fate/EXTRA」シリーズの歴史を振り返るコーナーでは、シリーズの年表に加え、「Fate/EXTRA」、「Fate/EXTRA CCC」、「Fate/EXTELLA」＆「Fate/EXTELLA LINK」といったシリーズの時系列順に、様々なイラストが展示されている。

とにかく展示数が多いのに加えて、ゲーム内に収録されたものだけではなく、特典などに使用された貴重なイラストも含まれている。シリーズとしての流れになっていることで、プレイしていた当時の思い出を順番に振り返ったり、これまで描かれてきたイラストの時間的な変遷も感じとりやすくなっている。

「Fate/Grand Order」のコーナーでは、ワダアルコ氏がこれまで手掛けてきた概念礼装がずらりと並べられており、ここまで多くの礼装を担当していたことに改めて驚かされた。あわせて「Fate/Grand Order Arcade」用にワダアルコ氏が描き下ろした礼装「抗う者たちのラストオーダー」が大きく展示されているのも注目のポイントだ。

また、「Fate/EXTRA」のフルリメイク作である「Fate/EXTRA Record」に関する展示も用意されていた。展示されているイラストなどは多くないものの、本展示会が初公開となる新規映像も上映されている。まだ謎に包まれている部分が多い「Fate/EXTRA Record」について知ることのできる、非常に貴重な場となっている。

ゲーム以外に提供されたイラストなども展示された「ワダアルコワークス」のコーナーでは、壁一面に様々なイラストを詰め込んだボードの存在感が凄まじい。奈須きのこ氏、武内崇氏、新納一哉氏、丹下桜さん、斎藤千和さん、下屋則子さんからの展示会の開催を祝福するコメントも掲載されている。

ショップコーナーでは、描きおろしイラストを使用したタペストリーや複製画、アクリルマスコットなど本展示会限定のグッズが多数販売されている。ゲーム内に登場した「まるごしシンジ君」を再現したぬいぐるみや、「玉藻の前」ヘアバンドといったユニークなアイテムから、東京・大阪のそれぞれの会場限定のご当地グッズなども用意されているので、公式サイトでラインナップをしっかりと確認してから来場することをオススメする。

ワダアルコ氏と「Fate」シリーズの歩みを、たっぷりと知ることができた本展示会。「Fate/EXTRA Record」についての展示に加え、一部のエリアではネロ役の丹下桜さんによる場内アナウンスも放送されており、「Fate」シリーズのファンにとってはたまらない展示会となっているといえるだろう。

最後に、内覧会で行われた下屋則子さんへの囲みインタビューの模様をお送りする。

下屋則子さん囲みインタビュー：BBに命を吹き込めたのは、ワダアルコ氏のイラストのおかげ！？

――内覧会をご覧になられていかがでしたか？

下屋則子（以下、下屋）さん：ちょうど見終わったばかりでまだ興奮冷めやらぬ中なんですが、今日は関係者の方々がとても大勢来られていて。錚々たるメンバーの方々と久しぶりにご挨拶させていただきました。その中でこうしてお話させていただくのは、まだちょっと緊張しています（笑）。

拝見させていただいて、一番最初に目に飛び込んできたのがこの真っ赤な内装で。きっと「Fate/EXTRA」のネロの印象があるからだと思うのですが、私はワダ先生のイラストといえば「赤」というイメージを勝手に抱いていたので、「なんてイメージにぴったりな内装なんだろう！」と思いましたね。

ビックリするくらいの展示数と、一枚一枚の作品の見ごたえもすごくありますよね。今日の内覧会だと、もう一度見たくなって戻ってくる関係者の方たちもいて、すごく気持ちが分かりました（笑）。

「懐かしいな、このイラスト大好きだったな」と昔を思い出したり、どうやってこの絵を描かれたのかが気になるくらい、素晴らしいデザインのイラストばかりで感動しました。あっと驚くような仕掛けやサプライズもあり、最後まで楽しく見させていただきました。

――ワダアルコ先生が描かれたイラストを、最初に目にした時の印象はいかがでしたか？

下屋さん：はっきりと覚えているわけではないのですが、おそらくは「Fate/EXTRA」のゲーム版が最初だったと思います。すごく繊細で美しいなというのが第一印象で、いつも花が散らされていたり、洋服や髪の毛が波打っていたり、絵の中に必ず動きがあって、画角をいっぱいに使ったイラストを多く描かれているんだなと今日改めて感じました。

私は先生が描くキャラクターの目の表情が大好きなんですけど、私が演じたBBというキャラクターも、すごく表情豊かに描かれていて。この目の中にはどのくらいの色が使われていて、どういう風に瞳の輝きを表現しているんだろうと、じっくりと見させていただきました。グラデーションもすごく綺麗で、BBを演じる時も先生が描かれる目の表情にすごく助けられた印象があります。

――お話の中にも出てきましたが、BBというキャラクターへの印象はいかがでしょうか。

下屋さん：BBに出会ったのはもう10年くらい前になると思うのですが、実は最初すごく役作りに困った役だったんです。私はその前に間桐桜というキャラクターも演じていたんですが、黒い桜ともまた違う、ちょっとワガママで小悪魔的なキャラクターにたどり着くまでがなかなか難しくて。収録の時にも、奈須（きのこ）先生と何度もディスカッションして生まれたのがBBだったんですね。

先ほども少しお話したように、その過程でワダ先生のイラストにすごく助けられていて。今のBBの命を吹き込むことができたのは、ワダ先生のおかげだと思っています。BBは「CCC」以降の「Fate/EXTRA」シリーズや、「FGO」にも登場させていただいて、海外も含めた大勢のファンの方々にも愛される存在になっているのは本当に嬉しいことだなと思っています。

――今回の展示会のメインビジュアルにも、描きおろしのBBが描かれています。

下屋さん：実は今日の衣装も、いつものBBのイメージで黒や赤系統の服にするか悩んだのですが、この淡い綺麗な衣装のBBに寄せてみました。この色合いの衣装のBBってすごく新鮮で、ネットではじめてイラストを拝見した時は「なんてかわいいんだ！」とビックリしました（笑）。メインビジュアルにもこんなに大きく載せていただいて、すごく嬉しいですね。

――今回の展覧会の見どころを教えてください。

下屋さん：会場に入って最初に飛び込んできた、ネロの肖像画はすごく印象的でした。ワダ先生のアナログイラストがいきなり展示されているのもビックリしましたし、近い距離で見るからこそ楽しめるイラストですよね。そこからスタートして、皆さんにとって思い出深いイラストもたくさんあると思いますし、じっくり時間をかけて最初から最後までご覧になっていただきたいですね。

――最後に、来場されるファンの方へのメッセージをお願いします。

下屋さん：いよいよ夏も本番の気候になってきましたが、この銀座の涼しい場所で、ワダアルコワールドを楽しむという夏の過ごし方も素敵なのではないかと思います（笑）。

スマートフォンやタブレットでも先生の作品に触れる機会は多いと思うのですが、先ほど話にあった肖像画であったり、画面じゃないからこそ感じられるイラストの素晴らしさを堪能していただける場になっていると思います。是非皆さん足を運んでいただき、思う存分楽しんでいただけれればと思います。

――ありがとうございました。