東京ゲームショウ2022のスクウェア・エニックスブースで出展されている、PS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/Steam用ソフト「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」の試遊レポートをお届けする。
スクウェア・エニックスが今冬に発売を予定している、「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」。2007年にPSP用ソフトとして発売された「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-(CCFF7)」を、現代の技術で蘇らせた作品だ。今回プレイできたのはPS5版で、バトルシステムを中心にPSP版からの様々な変更点を知ることができた。
グラフィックはすべて一新!「FF7R」との繋がりも
本作の主人公を務めるのは、「ファイナルファンタジーVII(FF7)」にも登場したキャラクターである、ザックス・フェア。元々「CCFF7」は、「FF7」の外伝にあたる「コンピレーション・オブ・ファイナルファンタジーVII」の一作で、「FF7」の前日譚に相当する物語が描かれる。
前日譚という位置づけであるため、「FF7」に関する事前知識は必要なく、本作で初めて「FF7」に触れる形でもまったく問題ない。実際、PSP版が発売された際もオリジナル版「FF7」の発売から10年が経過していたので、本作プレイ後にPSアーカイブスなどで改めて「FF7」をプレイした人も少なくないだろう。また、当時「CCFF7」をクリアしたプレイヤーの多くが、「FF7」本編のリメイクを夢見ていたのも間違いなく、その期待は「ファイナルファンタジーVII リメイク(FF7R)」という形で叶えられることになる。
画像は「ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード」のもの。 (C) 1997, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI LOGO ILLUSTRATION: (C) 1997 YOSHITAKA AMANO |
そんな本作に対して抱いた筆者の印象としては「限りなくフルリメイクに近いリマスター」ということ。物語やシステムの基礎部分はPSP版を踏襲しつつも、様々な要素の改良が行われている。
もっとも分かりやすいのは、完全に一新されたグラフィック面だ。キャラクターモデルだけではなく、背景やUIにいたるまでのあらゆるグラフィック素材が新たに作り直されている。元々のオリジナル版も、PSP用タイトルとしては破格の映像表現がなされてはいたのだが、グラフィックが完全に一新され、最新のゲームと比較しても遜色ないクオリティとなった。
一部エネミーのデザインも変更されており、今回の試遊ではイフリートが「FF7R」と同じ外見となっているのを確認できた。UIのデザイン面も含め、「FF7R」をプレイしていると、より世界観の繋がりを感じられるだろう。
より高いアクション性とテンポの改善が行われたバトルシステム
バトルシステムにも多くの改良が加えられている。本作でもPSP版と同様にアクションバトルが採用されているが、PSP版がコマンドバトルの要素を残していたのに対し、本作ではアクション要素の比率がより高くなっている。
リアルタイムでザックスを操作し、「戦う」「ガード」「マテリア」「回避」といった様々なアクションを行えるのは同様。PSP版では、画面下部のバー内に表示されるコマンドを選択することで、攻撃や回復といったアクションが実行される形となっていた。
一方、本作では□ボタンで「戦う」、○ボタンで「アイテム」、L1+○☓△□ボタンで「マテリア」を発動と、対応したボタン入力で直接アクションを行ってくれるようになった。純粋なアクションゲームに近い直感的な操作に近づいたのに加えて、☓ボタンで回避、R1ボタンでガード、R3ボタンでロックオンと、基本操作の多くが「FF7R」と同じボタン配置に変更されており、「FF7R」をプレイしていればすぐ操作に慣れられる。
また、PSP版は個々のアクションの硬直時間が長めに設定されており、それぞれのアクションがあまりスムーズに繋がらなかったのだが、本作では○ボタンの連打や、通常攻撃からマテリアといったように、連続したコンボとして攻撃を行えるようになった。とくに通常攻撃からマテリアへの繋ぎはスピーディで、適当に操作してもスタイリッシュな動きができるのが楽しい。
マテリアは事前にセットした4種類の中から選択が可能で、発動時にはMPが消費される。「ファイア」「ブリザド」「ケアル」といったシリーズおなじみの魔法から、「ブリザド剣」「回転攻撃」のような直接攻撃技、「HPアップ」等のパラメータ上昇まで、様々なバリエーションが用意されている。
敵が強力なスキルを発動するために詠唱状態に突入すると、「スキルパワーゲージ」が表示されるシステムも追加された。この間にダメージを与えるとゲージを削ることができ、0にすればスキルの発動を阻止できる。スキルが発動されてしまった場合も、削ったゲージの量に応じてダメージが軽減される。弱点属性で攻撃すれば、削れるゲージの量も大きくなる。
また、「CCFF7」を語る上で欠かせないのが、スロットのリールが回転し、絵柄や数字によって様々なバトル中の恩恵やリミット技が発動するデジタル・マインド・ウェーブ(D.M.W)のシステム。物語上のシチュエーションに応じて、揃いやすいリールの絵柄が変わったりと、物語を盛り上げるための演出として効果的に働いていた。
一方、プレイヤーが関与する余地がほとんどないこと、リールが揃う際に長い演出が挟まりゲームテンポを阻害してしまうといった問題点も抱えていた。
D.M.Wは本作にも引き継がれているが、いくつかの仕様変更が行われている。
まずリミット技について、PSP版ではリールが揃った瞬間に発動していたが、本作ではリールが揃うと自動でストックされ、プレイヤーが任意のタイミングで発動できるようになった。「リミット技を使わない」という選択もできるようになったのに加え、上述したスキルパワーゲージを削りたい際などに発動することで、効果的な活用も可能に。
基本的にストックできるのは1種類までで、次のリミット技が使用可能になると上書きされる。未だにランダム要素が強いシステムではあるのだが、多少なりともプレイヤーが関与する余地が生まれたのは大きい。
また、リールが揃う際にゲームが一時停止していた演出は廃止され、リミット技発動時のカットシーンもスキップできるように。上述した全体的なアクションの改良とあわせて、バトル全体のテンポがかなりスピーディになり快適にプレイできるようになった。操作性含め、バトルシステムに関しては変更点がかなり多く、ほぼ新作タイトルに近い感覚で楽しめそうだと感じた。
「CCFF7」の様々な要素を一新し、現代の技術で蘇らせた「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」。とくにオリジナル版をプレイした人は、多少の懐かしさを覚えつつも、フルリメイクに近い進化っぷりを感じられるはずだ。冒頭でも触れた通り、本作をきっかけに「FF7」の世界に触れる場合も、既プレイとは違った感動を得られる作品となっている。
本作は、「FF7」の物語を楽しみ尽くす上で欠かせないタイトルでもあるので、是非ともプレイしてみて欲しい。
(C) 2007, 2008 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
※画面は開発中のものです。
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー