カプコンが2023年発売を予定しているPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC用対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」について、今回解禁されたガイル、ジュリ、キンバリーを試遊し、プレイフィールをお届けする。
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「東京ゲームショウ2022」カプコンブースにて、「ストリートファイター6」の試遊台が設置され、今回から新たにガイル、ジュリ、キンバリーでプレイすることができる。格闘ゲームの原点ともいえる「ストリートファイター」シリーズのナンバリング最新作「ストリートファイター6」では、「ストリートファイター3」に登場するユン・ヤン兄弟(弟子)のジェイミーやガイの弟子キンバリーなど、“新たな世代”が描かれる。
今回の試遊はPS5及びPCでプレイすることができる。いろいろと新要素の多い本作だが、今回は対戦モードの試遊ということで、実戦やキャラクターを触ってみて感じたことをお届けしていく。
なお、これまでのシリーズをプレイしていると懐かしさを感じるポイント、反対に一新されたポイントも見受けられたので、あわせて紹介しよう。
ついに“2技オンリー”から脱却し、新たな“職人要素”を手に入れた「ガイル」
まずは「ストリートファイター2」時代からストリートファイターシリーズの顔としておなじみのガイル。これまでは、スピンオフ作品などを除いて基本的に必殺技が「ソニックブーム」(以下、ソニック)と「サマーソルトキック」(以下、サマー)しかなかったが、今回から「ストリートファイター5」の「Vスキル1」として登場した「ソニックブレイド」が、“コマンド技として”実装された。
前作と同様にその場に停滞する飛び道具を設置するところまでは変わらず、本作では追加入力を行うことで強化飛び道具「ソニッククロス」を飛ばせる。「ソニックブレイド」自体が前作よりもかなり前進するようになったので、先述の使い方以外にも設置型飛び道具として使えそうだ。
タイミングよく入力すると必殺技の性能が向上する新システム「ジャスト入力」については、対戦中に意識せずとも結構出ていたので想像より受付猶予は長めなようだ。体感で申し訳ないが、おそらく猶予は2~3フレームといったところだろう。
それ以外の立ち回りやコンボについては往年のガイル通り、特に「ストリートファイター5」とほとんど変わらない感覚で使えた。距離をとりつつソニックを撃ち、サマーや空中投げで飛んでる相手を落とす戦い方は変わりない。
今回触った3キャラクターの中では最も使いやすく、これまでガイルをプレイことがある人ならまったく違和感なく動かせるだろう。とにかくシンプルなキャラなので、ゲームを理解したい初心者の方でもわかりやすいキャラクターだ。
風破がさらに使いやすく!「ストリートファイター4」の技を引っ提げて帰ってきた「ジュリ」
続いては「ストリートファイター4」から登場し、そのビジュアルと喜多村英梨さんの名演技で非常に高い人気を持つテコンドー使いのハン・ジュリ。
初登場から、風破刃(「ストリートファイター5」のみ「風破連脚」)という必殺技の使い方が重要なキャラクターで、「ストリートファイター4」、「ストリートファイター5」とより使いやすくなる仕様変更があったが、今回の「ストリートファイター6」でまたさらに使いやすくなった。今回の風破刃は、使用するごとに体力ゲージ下の「風破ストック」がたまり、対応した必殺技の使用で1個消費される。
0個の状態でも必殺技は打てるが、性能が低かった(飛び道具が途中で消えてしまうなど)。風破ストックを消費した時には性能が向上するほか、次々と消費することで必殺技を必殺技でキャンセルできる。今後の研究次第では最もコンボがつながるキャラになりうるかもしれない可能性を感じた。
「ストリートファイター4」の技を使うシーンもいくつか確認できた。ジャンプ強パンチは「ストリートファイター4」で猛威を振るった真下を蹴るモーションが使われていたほか、スーパーアーツ(超必殺技)には「ストリートファイター4」時代のスーパーコンボであった「風破連刃」によく似た「殺界風破斬」という技が実装された。
クリティカルアーツには「ストリートファイター4」のウルトラコンボ2と同名の「回旋断界落」が登場。すこしモーションは異なっていたが、空中の蹴り落としから高速落下する動きは相変わらずのカッコよさだった。これまでのジュリの総まとめのような、非常にやりごたえのある楽しい仕上がりになっていた。
武神流忍術第40代目伝承者となるか? 武神流の新世代「キンバリー」
最後に紹介するのは、本作が初登場の「キンバリー」だ。シリーズにこれまで出演していた武神流39代目伝承者・ガイの押しかけ弟子である。押しかけではあるが、あのガイに師事しているだけあり、その技の数々にはこれまでの武神流キャラクターと共通のものがいくつか確認できた。
おなじみのターゲットコンボ「武神獄鎖拳」や「疾駆け」からの派生はガイと似通った使い心地で、武神流系統のキャラクターが使える人なら手になじませやすそうだ。スーパーアーツでは、ガイの「ストリートファイター4」時代のウルトラコンボ1「武神轟雷旋風陣」と似たモーションも確認できた。
オリジナルの技として、「ストリートファイター5」などに登場した「いぶき」のように爆発する手裏剣をなげたり、彼女の趣味であるスプレーアートと忍術を合わせた技など、独自の要素もきちんと持っていた。
全体的にできることが多いキャラといった印象で、多彩な手札を武器にスピーディーに動き回るのが面白いキャラクターだった。スピード感のあるキャラクターが好みの人は、キンバリーを使用キャラクター候補にいれてもよさそうである。
最新作の中にどこか“なつかしさ”も感じることができる「ストリートファイター6」
今回の3キャラクターは何かしら原作と呼べる技を持っている者たちだったこともあり、「ストリートファイター6」の美麗なグラフィックで懐かしいモーションの数々を見ることができた。時代の流れを感るとともに、今後の新規や既存キャラクターの登場にも期待したいところだ。
今回の試遊会で実際に現地にいた方と対戦も行ったが、「ストリートファイター3」と「ストリートファイター4」と「ストリートファイター5」と「ストリートファイターZERO3」を同時に遊んでいるような不思議な感覚を味わった。ドライブシステムが過去作のシステムの集大成に近いものに仕上がっていることもあり、過去のシリーズタイトルの特徴を、上手く一作品に落とし込んでいたと感じられた。
ストリートファイターをプレイしたことがある人はこういった“なつかしさ”を、プレイしたことがない人は“新しさ”を感じることができるだろう。ぜひ、カプコンブースへ足を運んだ際は「ストリートファイター6」をプレイしてみてほしい。