韓国・釜山にて、11月17日から開催しているゲーム展示会「G-STAR 2022」。会場で行われた「Lies of P」のセッション・インタビューの模様をレポートする。

目次
  1. プロデューサーによる紹介セッション
  2. 開発陣インタビュー

NEOWIZの巨大なブースを1タイトルで全面使用した「Lies of P」。韓国企業が開発するゲームとしては珍しいシングル用のソウルライクアクションRPGだ。会場にて本作の開発陣のセッションとインタビューを行うことができたのでお届けする。

プロデューサーによる紹介セッション

セッションは、本作のプロデューサー・Jiwon Choi氏によって行われた。Jiwon Choi氏は「DarkBlood Online」の企画総括、「Asker Online」の戦闘企画総括、「LostArk」の戦闘企画総括と、オンラインゲームタイトルの戦闘企画を中心に活躍してきた人物だ。

プロデューサー・Jiwon Choi氏

そんなオンラインゲーム業界で活躍してきた同氏がプロデューサーを務める本作は、シングル用ソウルライクRPGとなっており、その出来が気になるところ。2021年5月と11月に公開したトレーラーはいずれも多くの人が視聴したくさんの反応が得られたのだという。さらに2022年8月にドイツで開催されたgamescomでは、3部門で賞を受賞したほか、アメリカではTtwitterトレンド1位を獲得するなど高い評価を得ている。

本作は誰もが知る童話・ピノキオの物語をモチーフにしている。ピノキオを選んだ理由としては、初めて参入するコンソール市場、そしてソウルライクRPGという新たなジャンルに挑むNEOWIZにとって、すでに多くの人に知られたコンテンツを扱うことで本作の理解を深めてもらう意図があったようだ。

単に童話をそのまま使うわけではなく、童話のストーリーを成人向けの残酷劇として作り上げた点が本作の最大の特徴であり魅力になっている。原作に登場するキャラクターも多数登場。サーカスの団長や4匹のウサギなど、いずれも原作とは異なる姿で登場する。

システム面では、「嘘」システムが特徴として挙げられる。原作では嘘をついてはいけないと言われていたピノキオが、本作ではNPCとの会話で嘘をつくことで人間性を獲得する。この人間性ポイントによってゲームの展開が変化し、異なるエンディングに向かって進行していく。

世界観は19世紀末のフランス。社会、経済、技術、政治などが発展し繁栄したベルエポック時代を背景にしており、科学がすべての解決するという楽観的な雰囲気が広がった時代だ。

本作の舞台となる都市は、美しくロマンチックなイメージのパリではなく、重く冷たい雰囲気が漂う暗い街として描かれている。

武器はブレードとハンドルの2パーツから成っており、これらを組み合わせることで新たな武器を生み出すことができる。30種類の武器が登場し、それらを組み合わせることで100種類以上もの武器を生み出すことが可能だ。

さらに義手となった主人公の左手を改造することともできる。義手は8種類用意されており、ワイヤーで敵を引き寄せたり、エネルギーをチャージして攻撃できたりと用途もさまざま。義手自体を強化することも可能で、攻撃をよりスタイリッシュなものにしてくれる。

開発陣インタビュー

プロデューサーのJiwon Choi氏にスタジオディレクター Jason Park氏とアートディレクター Changkyu Noh氏が加わり、質疑応答が行われた。

左からスタジオディレクター Jason Park氏、プロデューサー Jiwon Choi氏、アートディレクター Changkyu Noh氏

ソウルライクRPGというジャンルを選んだ理由としては、韓国を代表するソウルライクRPGを作りたかったとのこと。アクションでは、単にうまくコントロールができるからクリアできるのではなく、判断や敵の倒し方など、さまざまな選択を行い、その経験を通して、ゲームがうまくなったと感じられる点を重視して開発しているとのこと。

攻撃を受けてキャラクターが倒されてしまっても、プレイヤー自身がうまくプレイできなかったからだと納得できることを大切にしており、もっと適切なアクションをすれば良かったと思える形を目指しているのだという。

ゲーム内容については、隠し要素の存在も明かしていた。ゲーム内には多くの隠し要素が存在し、隠し要素を見つけることもゲームの楽しさのひとつになるそうだ。

本作はマルチエンディングで3つのエンディングが存在することが明かされている。主人公がどんな嘘をどの程度ついたかによって、主人公自身の運命が変化していく。そして、登場するNPCたちの運命も変化していくのだという。

日本語ローカライズ関する質問も出た。世界観を保つため、ボイスは英語のみとなり、ほかの言語のボイスは計画になく、字幕でのサポートとなる。

最後に本作を開発するRound8 Studioからコンソールゲームの長い歴史を持つ日本に向けた発言もあった。コンソールゲームにおいて韓国はまだまだ発展途上であるといい、日本の開発者や企業とコラボレーションをしたり、新しいゲームにもチャレンジしたいとメッセージを送っていた。

gamescom 2022のタイミングでは70%程度の完成度だった本作だが、現時点ではほぼ完成している状態で、細かいバグの修正やバランス調整を残すのみとのことだ。本作が日本でプレイできる日を楽しみに待ちたい。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

関連ワード
  • 取材