「ミリシタ」の企画・開発には“顧客志向”によるコンセプトの積み上げがあった――ギャルイベントやセカンドヘアスタイルの実装経緯なども明らかに【CEDEC2026】

CEDEC 2026
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7月22日~24日にかけて、パシフィコ横浜 ノースにて開催のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2026」。7月24日に行われたセッション「顧客志向で『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』を企画・開発した件 ~アイマス・モバイルゲームのコンセプト開発~」の内容をレポートする。

「アイドルマスター(以下、アイマス)」シリーズのモバイルゲームタイトルとして2017年6月28日にサービスが開始され、先日9周年を迎えて10年目に突入した「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(以下、ミリシタ)」。同作の開発を行うバンダイナムコスタジオの第1スタジオ モバイル推進室 第1セクション マネージャーの柿沢高弘氏が登壇した本セッションでは、10年にも及ぶ開発期間を追いかけるようなかたちで、いかに「ミリシタ」の開発が進められたのかを解説していった。

「ミリシタ」に関わる以前は「リッジレーサー」などのドライブゲームを中心としたキャラを歩んできた柿沢氏。「アイマス」という未知のブランド・ジャンルに関わるにあたり、自身が2008年より取り組んできたという“顧客志向”でのゲームコンセプト開発をいかに実践したかが今回の本題になっている。

「ミリシタ」の企画・開発には“顧客志向”によるコンセプトの積み上げがあった――ギャルイベントやセカンドヘアスタイルの実装経緯なども明らかに【CEDEC2026】の画像

まずはプレイヤー=ターゲットの定義から始まり、そのターゲットにとって未充足の強いニーズを満たすアイデアを過不足なく満たすという要件を設定。そこから「アイマス」および「ミリオンライブ!」というブランドやリズムゲームという初期条件、そして商売上のニーズである利益を得るという条件を加えて、より具体的な定義づけへと移っていく。

「ミリシタ」の企画・開発には“顧客志向”によるコンセプトの積み上げがあった――ギャルイベントやセカンドヘアスタイルの実装経緯なども明らかに【CEDEC2026】の画像
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「アイマス」やゲームとしての立ち位置を分析していく中で、2次元美少女コンテンツおよびキャラクターへの関心やリズムゲームへの忌避感がないこと、そしてある程度自由にお金が使えるユーザー層を定義。そこから競合市場であることを意識しながら絞り込みや市場調査、そして「アイマス」の主たるニーズを読み解いていった結果、以下のかたちで「ミリシタ」のニーズが抽出されていった。

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これらのニーズを実現するためのキーとしてリアリティを挙げ、そこから「劇場(シアター)での日々、生活を楽しんでもらう」という基本的な世界観が構築されたという。

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同時に、基本無料のモバイルゲーム市場における一般的な美少女コンテンツは、容姿や性格の味付けが濃いことが基本となるが、「ミリオンライブ!」、ひいては「アイマス」におけるキャラクター設定は薄味が基本となるため、例えば高坂海美は元気さを出すために体をワクワクと動かしたり、見た目は小さいが大人な馬場このみは本棚の前でぴょんぴょんジャンプしていたりといったストレートな表現で印象付けしたり、劇中劇を描くことでキャラクターの魅力を濃くしたりと、さまざまなアイデアが採用されている。

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中でも、「ミリシタ」で新たにミリオンスターズに加わった白石紬、桜守歌織の二人に関しては、パブリッシャーであるバンダイナムコエンターテインメントとの競技を重ねる中で、興味関心を高めつつもアイドル数増加によるさまざまな阻害要素を回避するバランスを見極めるかたちで2人に落ち着いたようだ。

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これらは「トライアル」というターゲットであるプレイヤーが手に取ってもらえるかの評価軸の中で考えられたアイデアであり、柿沢氏によると、加えて何度もプレイしてもらえるかの評価軸である「パフォーマンス」の評価に応えられた時にプレイヤーにとっての“お気に入り”になると定義。その中で、リリース時に必須、もしくはアップデート時に必要となるアイデアが考えられていったという。

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その後、ジャンルやタイトルのネーミング、ベネフィットの構築を経て、それらをまとめたゲームコンセプトが決定される。

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リリース後もSNSなどの反応や顧客観察、定量・定性調査、ゲームアプリのKPIなどを踏まえてゲームコンセプトの追加・修正を適宜実施。その中で、複数回にわたって取り組まれたギャルをテーマにしたイベントやガシャに関しては、リサーチを元に実現したアイデアであることが明らかになった。

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加えて、リリース時はもちろんのこと、リリース後においてもゲームプレイを習慣化してもらえるような機能の実装が随時行われていた。起動や処理待ち時間のストレス軽減のためのアイデアをはじめ、新ユニットや衣装付きSRカード、多人数ライブや3D表現強化などのライブ表現の進化、セカンドヘアスタイルの実装などもこれらの考え方に基づいたものだという。

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そのほか、「ミリシタ!」のプレイヤーを自然に「ミリオンライブ!」ブランドのファンへと誘因していくため、バンダイナムコエンターテインメントが展開する全体施策の連動や協力に取り組む例も紹介された。

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ここまでで紹介した内容はセッション全体を必ずしも網羅したものではないものの、少なくとも「ミリシタ」という例を通して、顧客志向のゲームコンセプト開発の一端が垣間見えるものだったかと思う。実際に「ミリシタ!」のプレイ経験がある筆者としても、プレイする上でストレスになり得るところにも意識が向けられているのは感じるところではなったので、なるほどと納得させられるセッションだった。

本セッションを含む各講演は8月4日(月)10時までタイムシフト配信での受講も可能だ。詳細は公式サイトで確認してほしい。

CEDEC2026公式サイト
https://cedec.cesa.or.jp/2026/

2011年イクセル入社後、Gamerをはじめとした媒体の運営に携わる。好きなジャンルはRPG、パズル、リズム、アドベンチャー(ほぼギャルゲー)。実はゲームよりもアニメが大好きです。

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