Ark Gamesからリリースされた「カバラの伝説」をレビュー。アニメタッチの美麗なビジュアルで表現されたスマートフォン向けファンタジーRPG。その魅力を紹介する。
「カバラの伝説」は、生命の樹「カバラ」が支える世界を舞台にしたファンタジーRPG。欲望のままに生きる「ヤヨイ族」が邪悪なモンスターを放ったことから、人類は窮地に立たされる。この状況を打開するきっかけとなった存在が「花の精」たち。カバラの樹の神力を授けられ、モンスターと戦う力を持った存在だ。プレイヤーもまた、人類の一人として「花の精」たちとともに「ヤヨイ族」へ立ち向かうことになる。
ゲームシステムはMMORPGライク!クエスト受注しゲーム進行
本作の基本的なゲームシステムは、一般的なMMORPGの形式に近い。まずはナイト、ハンター、メイジという3つの中から自分の職業をチョイス。外見をカスタマイズして自分のキャラクターをメイクする。ちなみに筆者はハンターを選択した。ハンターは遠距離攻撃可能な職業で、攻撃力や俊敏性が高い反面、サポートや生命力が弱い。後衛からダメージをたたき出す火力担当といった役どころだろう。
ゲームの流れは、NPCなどからクエストを受注し、達成して報酬ゲット…というのを繰り返して進行していくというもの。スマートフォン向けMMORPGの多くがそうであるように、本作もクエストボタンをタップするだけで自動的にクエスト受注地点へ向かい、その後もフルオートでクエスト達成まで実行してくれる。手動操作も可能だが、基本的には見ているだけでOKだ。
様々な条件での戦闘が楽しめるアクションバトル
本作の戦闘はアクションバトルとなっている。仮想パッドでフィールドを自由に移動し、ボタンタップで通常攻撃やスキルの発動を行う。バトルにはプレイヤーキャラクター以外に花の精も加わるが、操作するのはプレイヤーキャラクターのみ。花の精たちは自動的に動いていくれる。ただ、「花の精」の固有スキルに関しては手動で発動するかたちだ。
アクションバトルといってもクエストが自動的に実行されるため、ザコ相手なら基本的に操作する必要がない。しかし本作にはボスキャラクターなど、手動操作を前提したバトルが存在する。こうしたバトルでは、敵の攻撃予測表示を見て適切に回避しつつこちらの攻撃をヒットさせなければならない。アクションバトルの醍醐味が味わえる。
ただ若干残念だったのが、効果音を含むバトル演出。攻撃ヒット時に一時画面が停止するヒットストップ演出やダメージ時の効果音などが実装されていないため、少々迫力不足に感じてしまった。これらは細かい点のようだが、アクションの爽快感という観点からすると、重要な部分だ。
とはいえ、「ではバトルを楽しめなかったのか」というとそんなことはない。本作にはボスバトル以外にも、他のプレイヤーとパーティーを編成して臨むマルチプレイのバトルや、一定数の敵ウェーブを凌ぐことが目的のサバイバル型バトルなど様々な条件の戦闘が用意されており、アクションバトルの楽しさを堪能させてくれる。逆にいえば、バトルにしっかり力を入れているからこそ、効果音などの演出が気になってしまうのだが…。演出周りについては、できれば今後のアップデートを期待したいところだ。
美しい背景!かわいいキャラ!育成の楽しさ
ここまで本作について紹介してきたが、中でも最大の魅力といえるのが美麗なビジュアルだろう。美麗といっても写実的な方向ではなくアニメタッチな方向ではあるが、木々や花々に満ちたファンタジー世界を美しく描き出している。この美麗ビジュアルがあるからこそ、「生命の樹が支える世界」という説得力が増幅されていると感じた。
美麗ビジュアルの恩恵を受けているのは背景だけではない。キャラクターの表現も美しい。そもそものキャラクターデザインがよくできているが、ビジュアルによってさらに魅力が増している。そんな、かわいくて美しいキャラクターがパーティーメンバーとして自分に追従してくれる…というのが本作の大きな魅力になっているのは間違いないだろう。
かわいく、美しく、しかも追従してくれるからキャラクターの「存在」を強く感じられる。ここまで揃っているのに「育成したい!」と思わないわけがない。そしてこの「育成したい!」という欲求を強く後押ししてくれるのが、MMORPG的なクエスト自動実行システムだろう。クエストボタンをタップするだけでクエストをガンガン進行し、育成用のアイテムを稼ぐことができる。だからお気に入りのキャラクターをガンガン育成できる。これが楽しい。
そして、育成したキャラクターの晴れ姿を自分の操作で味わえるのがボス戦をはじめとした手動バトル。育てたキャラクターを自分の手で動かし、固有スキルを繰り出し強大な敵をカッコよく倒すのはとても気持ちイイ!
本作のように高品質なグラフィックを持つ作品は、高品質だからこそ気軽さに欠けるものが少なくないように思う。もちろん、高品質なグラフィックによって作り出された世界には、腰を据えてじっくりと没入したい。だが本作をプレイして、美麗ビジュアルの世界をサクサク気軽にプレイするのも悪くないと感じた。スキマ時間にサクッとプレイできるというのは、スマートフォンゲームのプレイスタイルにも一致している。この記事のビジュアルを見て、「いいな」と思ったら是非触ってみてほしい。その際は、肩ひじ張らずに軽く楽しむつもりでプレイするのがオススメだ。