声優の岩澤俊樹さんによる連載コラム「岩澤俊樹のゲーム1フレ勝負!」。第37回はコーエーテクモゲームスより発売中のダーク三國アクションRPG「Wo Long: Fallen Dynasty」を取り上げます。

皆様こんにちは!岩澤俊樹です。もうすっかり春らしくなってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?僕は花粉の脅威から逃れる為、室内でゲームに勤しむ生活をしています(いつも通り)。

そんな快適なゲームライフを送っていると、ある日、「あの」情報が僕のもとに舞い込んできました。

「Tokyo Game Show 2023 4年ぶりの全館利用での開催」

うぉおおおおお!!!良かった...本当に良かった…!(泣)

昨年、3年ぶりのオフライン開催に歓喜しましたが、規模や期間が縮小されていました。それでも十分に満喫出来ましたが、やはり全館利用での開催は嬉しいものです。

そして今年もヴァーチャル会場もあるとのことで、過去最大の規模となるようです!今から楽しみで仕方ないですね!

ここ数年、当たり前だったものがある日突然無くなってしまう喪失感を経験しました。辛いことも沢山ありましたが、今ある「当たり前」により感謝し、一瞬一瞬を大切にしたいと思いを新たにすることが出来ました。

開催に関わってくださっているすべての方々、そして毎回取材に協力いただいているGemar様、ありがとうございます!

と、珍しく少し真面目な話をしましたが、そろそろ本題に戻りましょう。今回ご紹介するのは昨年のゲームショウで見かけて、気になっていたこのタイトル!

「Wo Long: Fallen Dynasty」とは?

「Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)」は、後漢末期の「三国志」を舞台としたダーク三國アクションRPG。プレイヤーは名もなき義勇兵として、中国武術を駆使した剣戟アクションで、妖魔はびこる乱世(らんせ)に立ち向かう。

所謂「死にゲー」と言われるジャンルの作品。昨今、様々なタイトルが発売されその地位を確立してきました。しかし私岩澤、未だに未体験なのです。

なかなか手が出ず今日に至るわけですが、「Wo Long: Fallen Dynasty」興味を持った理由はテーマが「三国志」だったこと。

往年の名作「真・三國無双2」を切っ掛けに三国志関係の作品に触れる機会が増え、その世界観に惹かれるようになりました。歴史には全く詳しくはありませんが、有名武将の名前は一通りわかるくらいにはなりました(笑)。

「三国志」と「死にゲー」、この二つが合わさるといったいどうなるのか!?早速プレイしていきたいと思います!

始められない

「いきなり何を言ってるんだ?」という声が聞こえてきますね。まっとうな疑問です。しかしその理由は実にシンプル。「キャラクタークリエイションが凄い」からです。

昨今、こういったアクションゲームで主人公を自分でクリエイトするという作品は少なくありません。

「Wo Long: Fallen Dynasty」もその一つ。取材の為のプレイなのでササっと作って本編に行こう。と、思っていたんですよ。そんな時代があったんですよ。

しかしいざ作り始めると、「へぇ、こんなに髪型あるのかぁ。ほう、前髪だけ別に設定したりも出来るのか!ってことはこんなのもアリだな。クールビューティな感じにするつもりだったけど、これなら三國無双に出てきそうなイケメンにするのもいいなぁ。顔のパーツも大きさとか位置とかもめちゃめちゃ細かく調整できるじゃないか。ということはこんな感じにも出来るかなぁ。この顔なら体格はもう少し細めがいいかなぁ。」(以下略)。と、こんな感じで沼にハマっていってしまいました。

数年前、某オンラインRPGのキャラクタークリエイトに数時間かかったのを思い出しました。当時ですらパーツの種類や設定の細かさに驚かされましたが、近年のマシンパワーの強化につれ、更にハイクオリティなクリエイトが可能になったのかなと。もしかしたら自分が知らないだけで、もっと前から当たり前になっている事のかもしれませんが…。

こうやって時間を取られることをわかっているので、普段はあまり(出来るだけ)拘らないように心掛けているのですが、一度ハマってしまうともう抜け出せません。納得いくまで作り込みます。やはり操作キャラの見た目ってそのゲームのモチベーションに直結すると思うんですよね(個人の感想です)。

先ほどさらっと流しましたが、特に気に入ったのが髪型設定。やっぱりキャラクターの髪型って大事だと思うんですよね(個人の感想です)。髪型のカスタマイズといえば「髪型を選んでカラーを設定」だけだと思っていたのですが、なんとベースの髪型に別の前髪を組み合わせることが出来るのです。

これにより無限の組み合わせが可能なうえに、更に部分ごとに長さの調整まで出来てしまうのです!

皆様は経験このような経験ありませんか?

「この髪型悪くないけど、もうちょっと前髪が長かったらなあ…。」
「ポニーテールの長さがもう少し短くて、束ねる位置がもうちょい下だったらなあ…。」「カラーも一色だけじゃなくてポイントでメッシュとか入れられたらなぁ…。」

等々。そういった悩みを一挙解決、自分の理想の髪型に限りなく近づけることが出来るのです!

更に、「このベースの髪型だけだとそこまで好みではなかったけど、この前髪と組み合わせるとめちゃめちゃ良いじゃないか!」という新たな発見も。

色々と試しているうちに気づいたら1時間以上経っていました。このままだとキリがないので後ろ髪引かれつつクリエーション終了。こんな感じになりました。

世界観から逸脱しないようにしました。こだわりは長すぎる前髪です。キャラクターの見た目はゲームを進めていくと後に変更可能な親切設計なので、僕のような優柔不断な人でも安心。時間のある時に心行くまで拘りましょう!

圧倒的難易度

このままではキャラクタークリエーションの紹介だけで終わってしまうので、本編にも触れていきましょう。

「Wo Long: Fallen Dynasty」は細かいシステムがかなり多く、最初は混乱してしまうかもしれません。しかし基本的な操作だけ覚えれば問題なくプレイ出来るようになっていますし、すべて解説すると膨大なテキスト量になってしまうのでここでは割愛します(笑)。

冒頭でも言いましたが僕は所謂「死にゲー」というジャンルは未経験です。しかしゲーム性はかなりシンプル。アクションゲーム自体の経験はそこそこあるので、「まあ何とかなるでしょ」と軽いノリで始めた僕はまだ知らなかったのです。このゲームの恐ろしさを。

このゲームの基本的なシステムといたしましては、通常攻撃や「化勁」という技で敵の攻撃を受け流し隙を作り、「気勢」というゲージを溜め、そのゲージを使って様々な攻撃を仕掛けていく、という流れです。

一見簡単そうに思えますが、そうは問屋が卸しません。「化勁」の成功判定がなかなかシビアで、最初はタイミングが合わず手痛いダメージを受けてしまいます。

「やられる前にやればいいじゃないか!」と思われるかもしれません。しかしゲーム序盤、ステージ道中で数多襲ってくる「ザコ敵」にすら所謂「ごり押し」が通用しません。攻撃力がとても高く、回復手段も少ないので油断すると一瞬でゲームオーバーに。もれなく僕もチュートリアルでやられましたよ(泣)。ザコ敵と侮るなかれ、相手の攻撃をしっかりと見極め、カウンターを決めていかなくてはいけません(装備が整ってくるとある程度はごり押していけるのでご安心を)。

敵をバッタバッタとなぎ倒していく「無双シリーズ」とは真逆、一つ一つの戦いが命がけです。トライ&エラーを繰り返し、程よく操作に慣れてきたところでなんとか最初のボス「張梁」に辿り着きました。

しかし、今までは所詮チュートリアル。ここからが「本番」。このゲームの本当の恐ろしさを知ることになるのです。

相手が強力なボスだったとしても基本戦術は変わりませんが、もう一つ重要なテクニックとして「絶脈」があります。敵にも「気勢」ゲージがあり、「化勁」を決めたり、攻撃を当てていくとコレが減っていきます。そして、ゲージが尽きると隙だらけの状態になり「絶脈」で大ダメージを与えることが出来るのです!

敵は強力な攻撃(秘技)を仕掛けてくる際、予備動作として全身が赤く光ります。

その攻撃に対し「化勁」を決めると気勢ゲージを一気に減らすことが出来るので、ボス戦ではこれが出来るかどうかが勝敗に大きく関わってきます。理解しているんですよ。ええ。だが…全然勝てない(泣)。

「化勁」を決めたくても敵の攻撃パターンは豊富かつ強力でなかなかタイミングが合わず大ダメージを受けゲームオーバー。試行錯誤を繰り返した結果、秘技のみに絞って「化勁」からの「絶脈」を狙う戦略に切り替えます。

これが功を奏し、体力を半分まで削ることに成功!よし!いける!このまま一気に…とその時、敵が魔物のような風貌に姿を変え、本気を出してきたのです(絶望)。

「ええぇ!こういう第二形態とかって中盤以降のボスがやってくるものじゃないの!?」と心の中でツッコみつつ、後半戦に挑みます。

予想通り、より強力になった攻撃になすすべなくゲームオーバー。そしてリトライは最初から。「これが…死にゲー…。」と洗礼を受けた瞬間でした。いやぁ、やっぱりCPU戦は苦手ですね…。対人戦である格闘ゲームの方がよっぽどやりやすいです(笑)。

「対人戦の方が相手が何をしてくるかわからないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、対人ゲームの場合、こちらの行動や状況次第で相手の行動をある程度予測、制限することが出来ます。

「ここでこの技を出せば相手はこれで返してくるだろう。」、「体力が残り少ないから一旦間合いを取るだろう。」等々。しかしCPUに対してはそれが出来ません。その瞬間瞬間で反射で何とかしなければなりません(間合いなどでパターンは決まってくると思いますが)。改めて普段、「反射」ではなく「予測」で格闘ゲームをやっているんだなと実感しました(笑)。

でも絶望するばかりでは何も始まらない。とにかく敵の攻撃のパターン、間合い、タイミングを覚えることに集中します。

やっとの事でパターンを覚えても、ワンミスも許されないというプレッシャーから「化勁」のタイミングを外しゲームオーバー。間合い次第で絶妙に「化勁」のタイミングが変わり、すべてを捌ききれずゲームオーバー。トライ&エラーを繰り返します。

時間にして約1時間20分くらいでしょうか。ようやく最初のボス「張梁」の討伐に成功しました(涙)!

ラスボスを倒したと言わんばかりにあふれる達成感と、「これから、もっと強いのが出て来るんだよな…。」と襲い来る絶望感。それと同時に「死にゲーとはこういうゲーム」だということを、身をもって理解した瞬間でした。

ここまで聞いて「やっぱり難しそう」とか「自分にはハードルが高いかも」と思われた方もいるかもしれません。僕もそう感じていました。これからどんどん難しくなるのか、と。

しかし意外とそうでもなかったんですよ。

もちろん簡単というわけではありません。難しいです(笑)。しかし、ゲームを進めていくうちに段々と戦いのコツを掴んできたり、三国志ではお馴染みの心強い仲間が増えたり…。

(この心強さは「三国志」を知っていればいるほど感じますね。)

しかもこの味方が強い強い(笑)。流石は一騎当千の武将達。そして装備や能力を強化して主人公が強くなっていくと、最初ほど苦労せずにボスを倒せるようになっている自分に気づきます。

「あれ、オレ…強くなってる?」

という感覚。まさに主人公とプレイヤーが一心同体に。主人公と一緒に成長していくというのがこのゲームの一つの楽しみ方なのかなと個人的に感じました。RPGもそうじゃないかと思われるかもしれませんが、技術介入の比重が大きいアクションゲームだからこそ、より「自分で戦っている」臨場感、達成感、そして成長を感じられるのかなと思いました。

気づくと最初の絶望はどこへやら。「もっと、もっと戦わせろ!!!」と体が闘争を求めていました(笑)。まだプレイしていない方々にも、是非この感覚を体感して欲しいですね!

如何でしたでしょうか!?最初は自分に出来るだろうかと不安もありましたが、まんまとハマりました。流行る理由がわかります。

初挑戦のジャンルと言いましたが、思えばファミコン時代のアクションゲームって滅茶苦茶難しかったですよね。トライ&エラーに対する精神力は数十年前から出来上がっていたのかもしれません(笑)。

今回はご紹介出来ませんでしたが、育成の自由度も高いですし、装備はハック&スラッシュでやりやり込み要素も十分。

キャラクタークリエーションやオンライン共闘もあり初心者でも楽しめるようになっています。自分のように「興味はあるんだけど…難しそう…。」という悩みをもっている方にこそ遊んでほしいですね!確かに何度もやられてしまい辛く感じてしまう瞬間もあるかもしれませんが、その先にある「快感」を是非味わって欲しいです、クセになりますよ(ニヤリ)。

というわけで僕はそろそろ戦いに戻るとします。皆様、戦場でお会いしましょう!

岩澤俊樹さんプロフィール

アイムエンタープライズ所属
生月日:10月17日
趣味:ゲーム、音楽鑑賞、散歩
主な出演作品:【TVアニメ】ようこそ実力至上主義の教室へ(高円寺六助)、問題児たちが異世界から来るそうですよ?(ヴェーザー)、【吹き替え】謀りの後宮(李重俊)、【ゲーム】GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-(ダレル)、ファンタシースターオンライン2 es(ダンテ、セイメイキカミ)など。「GUILTY GEAR Xrd REV 2 -BATTLE MANIA-」でMCとしても活躍。

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